釧路湿原国立公園 釧路湿原
175件の記事があります。
2010年11月30日温根内木道 一部通行止めのお知らせ
釧路湿原国立公園 釧路湿原 日吉 真樹子
2010年11月12日温根内木道 改修工事終了のお知らせ
釧路湿原国立公園 釧路湿原 日吉 真樹子
2010年10月15日【日本のいのち、つないでいこう! COP10まで1日前】
釧路湿原国立公園 釧路湿原 本藤 泰朗
リハビリ中のオジロワシ幼鳥
ここ釧路湿原野生生物保護センターでは事故などで傷ついた希少種が野生復帰のためにリハビリを行っています。
このケージはリハビリの最終段階で、奥行きは40mもあり、高い止まり木と低い止まり木を行き来する事で飛翔する為の筋肉を鍛え、更に生きた餌などを獲る練習などをし、野生に戻っても十分に生き延びられるよう訓練を行っています。
そして最終的には専門の獣医師により放鳥できるかどうかの判断を行い、野生へ戻ることになります。
現在このケージでは2羽のオジロワシがリハビリを行っています。
左側が成鳥(大人) 右側が幼鳥(今年の春産まれ)
タカ科のオジロワシは翼を広げると2m以上もあり、今年産まれの幼鳥も現在は成鳥と同じ大きさです。
大人と子供では羽の模様が違っていて、大人になると尾が白くなり、頭も白っぽくなり、文字どおりのオジロワシ(尾白鷲)になります。
北海道には一部繁殖している個体はいますが、多くは冬になると越冬のためにロシア極東地域などから渡ってくる冬鳥です。
今年の8月に収容されたこの幼鳥はひどい栄養不良で衰弱し、飛ぶ事も出来ない瀕死の状態で発見されました。
親がうまく餌を運んであげられなかったのかもしれません。
本来であれば親に餌を貰いながら、自分で餌を獲る訓練をして、独り立ちを目指している時期なのですが、その親がいないので自分で訓練するしかありません。
時々もう1羽に甘えるような声を出して近寄っていく行動も見られますが、もう1羽は無関心です。
センターの獣医師によると来年春までには放鳥したいとのことです。
ケージ内で豪快に飛翔するオジロワシ幼鳥
釧路湿原野生生物保護センターではけがや病気など、自分で生活することが困難になったワシやシマフクロウなどの希少種が収容され、野生に戻るためのリハビリをしている施設です。そのため、収容されている個体はできるだけ野生に近いような状態でリハビリを続けています。
残念ながら一般の来訪者の方は、人慣れをさせないために、近くで見学することはできません。人に慣れてしまうと野生に戻った後に人間の近くへ来てしまい、また新たな事故に遭ってしまう可能性があるからです。
釧路湿原野生生物保護センターの2階からはそんなリハビリの最終段階にあるオジロワシの様子を望遠鏡で見ることができます。窓越しではありますが野生に帰る為に頑張っているワシたちを応援してあげてください。
ここ釧路湿原野生生物保護センターでは事故などで傷ついた希少種が野生復帰のためにリハビリを行っています。
このケージはリハビリの最終段階で、奥行きは40mもあり、高い止まり木と低い止まり木を行き来する事で飛翔する為の筋肉を鍛え、更に生きた餌などを獲る練習などをし、野生に戻っても十分に生き延びられるよう訓練を行っています。
そして最終的には専門の獣医師により放鳥できるかどうかの判断を行い、野生へ戻ることになります。
現在このケージでは2羽のオジロワシがリハビリを行っています。
左側が成鳥(大人) 右側が幼鳥(今年の春産まれ)
タカ科のオジロワシは翼を広げると2m以上もあり、今年産まれの幼鳥も現在は成鳥と同じ大きさです。
大人と子供では羽の模様が違っていて、大人になると尾が白くなり、頭も白っぽくなり、文字どおりのオジロワシ(尾白鷲)になります。
北海道には一部繁殖している個体はいますが、多くは冬になると越冬のためにロシア極東地域などから渡ってくる冬鳥です。
今年の8月に収容されたこの幼鳥はひどい栄養不良で衰弱し、飛ぶ事も出来ない瀕死の状態で発見されました。
親がうまく餌を運んであげられなかったのかもしれません。
本来であれば親に餌を貰いながら、自分で餌を獲る訓練をして、独り立ちを目指している時期なのですが、その親がいないので自分で訓練するしかありません。
時々もう1羽に甘えるような声を出して近寄っていく行動も見られますが、もう1羽は無関心です。
センターの獣医師によると来年春までには放鳥したいとのことです。
ケージ内で豪快に飛翔するオジロワシ幼鳥
釧路湿原野生生物保護センターではけがや病気など、自分で生活することが困難になったワシやシマフクロウなどの希少種が収容され、野生に戻るためのリハビリをしている施設です。そのため、収容されている個体はできるだけ野生に近いような状態でリハビリを続けています。
残念ながら一般の来訪者の方は、人慣れをさせないために、近くで見学することはできません。人に慣れてしまうと野生に戻った後に人間の近くへ来てしまい、また新たな事故に遭ってしまう可能性があるからです。
釧路湿原野生生物保護センターの2階からはそんなリハビリの最終段階にあるオジロワシの様子を望遠鏡で見ることができます。窓越しではありますが野生に帰る為に頑張っているワシたちを応援してあげてください。
2010年10月15日日本のいのち、つないでいこう! COP10まで1日前
釧路湿原国立公園 釧路湿原 日吉 真樹子
実りの秋 サルナシ
秋といえば実りの秋。現在、様々な植物が実をつけています。
実といえば何色を思い浮かべますか?
赤い実、紫の実、ピンクの実など、色も形も様々です。
さて、中には緑色の実もあります。「実」と聞いて食べられそう、おいしそうと思う色は赤や紫だと思うのですが、緑色の実でもとてもおいしい実があります。
それはサルナシです。サルナシというよりコクワ、というほうが馴染みがあるかもしれません。
サルナシ(コクワ)の実 マタタビ科
味はキウイフルーツに似ています。ジャムや果実酒にもしたりするようです。
人がおいしいと思うものは動物たちや鳥たちも食べます。そしてその種を様々な場所へ運びます。
こうして種は新しい場所へ根を下ろし、子孫を増やしていきます。
動物たちも植物も互いに必要としているのですね。
動物も植物も人も、みんなが持ちつ持たれつの関係にあり、もしその中のどれかが欠けたら全てのバランスを崩してしまう。そんなことを考えられたら、少し難しく聞こえる「生物多様性」が少しわかるかもしれません。
秋といえば実りの秋。現在、様々な植物が実をつけています。
実といえば何色を思い浮かべますか?
赤い実、紫の実、ピンクの実など、色も形も様々です。
さて、中には緑色の実もあります。「実」と聞いて食べられそう、おいしそうと思う色は赤や紫だと思うのですが、緑色の実でもとてもおいしい実があります。
それはサルナシです。サルナシというよりコクワ、というほうが馴染みがあるかもしれません。
サルナシ(コクワ)の実 マタタビ科
味はキウイフルーツに似ています。ジャムや果実酒にもしたりするようです。
人がおいしいと思うものは動物たちや鳥たちも食べます。そしてその種を様々な場所へ運びます。
こうして種は新しい場所へ根を下ろし、子孫を増やしていきます。
動物たちも植物も互いに必要としているのですね。
動物も植物も人も、みんなが持ちつ持たれつの関係にあり、もしその中のどれかが欠けたら全てのバランスを崩してしまう。そんなことを考えられたら、少し難しく聞こえる「生物多様性」が少しわかるかもしれません。
2010年10月08日【日本のいのち、つないでいこう! COP10まであと10日】
釧路湿原国立公園 釧路湿原 本藤 泰朗
カイツブリ、只今子育て中!
ここ釧路湿原野生生物保護センターには施設の裏に池があり、鳥の渡りのシーズンである春と秋になると数多くの水鳥が羽を休め、渡り鳥達の中継地点になっています。
今年もマガモ、コガモ、ヒドリガモなどが確認され始め、本格的な渡り鳥のシーズンと秋の訪れを感じています。
そんな中、裏の池ではカイツブリのヒナが10月1日に産まれたのです。
背中の上からヒナが顔を出しています。分かるかな?
カイツブリ科では日本最小のカイツブリは、大きさが26cmほどのとても小さな水鳥で、北海道では春から夏にかけて繁殖のために飛来し、冬になると本州以南に戻ります。
このカイツブリもつがいで6月に飛来し、巣を作り、卵を温めていたのですが、暴風雨で巣を流されてしまったり、カラスに卵を盗られたりして、なかなかうまく卵のふ化まで至りませんでした。
昨年は繁殖に失敗していたので、今年もダメかなぁとあきらめていた時に1羽のヒナが確認できたのでとても驚いています。
親の背中の上にいるヒナ
しかし、とても心配なことがあります。
ここは北海道東部。
釧路の周辺では紅葉が見ごろを迎え、日に日に寒くなっていくのを感じています。
センターの裏の池も例年11月後半には結氷してしまいます。
今はまだ親の背中の上で甘えているヒナも、あと1カ月と少しの間でここを旅立たなければならないのです。
それまでの間に長い旅を続ける為の体力と飛翔力を付ける必要があります。
間に合うのかな?
少し心配になります。
私たちが出来るのは暖かく見守り、応援する事くらいです。
野生生物保護センターの2階には裏の池が見渡せる場所があり、望遠鏡も置いてありますので、ただいま子育て中のカイツブリを見ることが出来ます。
センターを訪れた際にはぜひこのカイツブリを応援してあげてください。
一昨年産まれたカイツブリのヒナ
ここ釧路湿原野生生物保護センターには施設の裏に池があり、鳥の渡りのシーズンである春と秋になると数多くの水鳥が羽を休め、渡り鳥達の中継地点になっています。
今年もマガモ、コガモ、ヒドリガモなどが確認され始め、本格的な渡り鳥のシーズンと秋の訪れを感じています。
そんな中、裏の池ではカイツブリのヒナが10月1日に産まれたのです。
背中の上からヒナが顔を出しています。分かるかな?
カイツブリ科では日本最小のカイツブリは、大きさが26cmほどのとても小さな水鳥で、北海道では春から夏にかけて繁殖のために飛来し、冬になると本州以南に戻ります。
このカイツブリもつがいで6月に飛来し、巣を作り、卵を温めていたのですが、暴風雨で巣を流されてしまったり、カラスに卵を盗られたりして、なかなかうまく卵のふ化まで至りませんでした。
昨年は繁殖に失敗していたので、今年もダメかなぁとあきらめていた時に1羽のヒナが確認できたのでとても驚いています。
親の背中の上にいるヒナ
しかし、とても心配なことがあります。
ここは北海道東部。
釧路の周辺では紅葉が見ごろを迎え、日に日に寒くなっていくのを感じています。
センターの裏の池も例年11月後半には結氷してしまいます。
今はまだ親の背中の上で甘えているヒナも、あと1カ月と少しの間でここを旅立たなければならないのです。
それまでの間に長い旅を続ける為の体力と飛翔力を付ける必要があります。
間に合うのかな?
少し心配になります。
私たちが出来るのは暖かく見守り、応援する事くらいです。
野生生物保護センターの2階には裏の池が見渡せる場所があり、望遠鏡も置いてありますので、ただいま子育て中のカイツブリを見ることが出来ます。
センターを訪れた際にはぜひこのカイツブリを応援してあげてください。
一昨年産まれたカイツブリのヒナ
2010年10月08日日本のいのち、つないでいこう! COP10まで10日前
釧路湿原国立公園 釧路湿原 日吉 真樹子
秋の花 ウメバチソウ
秋も深まる10月。
夏は一面、緑色だった湿原のヨシもすっかり秋色に変わりました。
木道散策も心地よい秋晴れです。
春や夏にはたくさんの花を見ることができた温根内木道ですが、この時期になると、もうほとんど花は見つけられません。
しかし、そんな中咲いているのがウメバチソウです。
ウメバチソウ(ユキノシタ科)
真っ白な美しい花です。
花の大きさは約2~2.5cmですが、白い色なのでヨシの中でも目立ちます。
少し寂しげになってきた湿原でも、このウメバチソウが気分を明るくしてくれます。
木道散策の際には是非探してみてください。
また、植物も生き物なので、大切に、そっと観察してあげてくださいね。
秋も深まる10月。
夏は一面、緑色だった湿原のヨシもすっかり秋色に変わりました。
木道散策も心地よい秋晴れです。
春や夏にはたくさんの花を見ることができた温根内木道ですが、この時期になると、もうほとんど花は見つけられません。
しかし、そんな中咲いているのがウメバチソウです。
ウメバチソウ(ユキノシタ科)
真っ白な美しい花です。
花の大きさは約2~2.5cmですが、白い色なのでヨシの中でも目立ちます。
少し寂しげになってきた湿原でも、このウメバチソウが気分を明るくしてくれます。
木道散策の際には是非探してみてください。
また、植物も生き物なので、大切に、そっと観察してあげてくださいね。
2010年10月06日温根内木道 一部通行止めのお知らせ
釧路湿原国立公園 釧路湿原 日吉 真樹子
2010年08月29日日本のいのち、つないでいこう! COP10まで50日前
釧路湿原国立公園 釧路湿原 日吉 真樹子
オオハンゴンソウ
先日、外来植物のオオハンゴンソウの駆除が行われました。
外来種が増え過ぎると在来種の生息を脅かし、生態系のバランスが崩れてしまうため、駆除が行われます。黄色い花なので、群生していると一見きれいなお花畑にみえますが、実は駆除が必要なほどに増え過ぎているのです。
今回はパークボランティアや、ボーイスカウト、一般参加者などが集まり、約30名で花の摘み取りを行いました。
種が出来る前に花を摘み取ってしまいます。
皆さんの御協力のもと、こんなにたくさん駆除できました。とても暑い中お疲れ様でした。
しかし、駆除できたのもまだ一部。増え過ぎてしまった外来植物の駆除は人出も必要、そしてとても地道な作業です。人の手によって持ち込まれた外来生物、と考えると色々な思いが出てきそうですが、この作業がいつか実を結ぶよう、願わずにはいられません。
先日、外来植物のオオハンゴンソウの駆除が行われました。
外来種が増え過ぎると在来種の生息を脅かし、生態系のバランスが崩れてしまうため、駆除が行われます。黄色い花なので、群生していると一見きれいなお花畑にみえますが、実は駆除が必要なほどに増え過ぎているのです。
今回はパークボランティアや、ボーイスカウト、一般参加者などが集まり、約30名で花の摘み取りを行いました。
種が出来る前に花を摘み取ってしまいます。
皆さんの御協力のもと、こんなにたくさん駆除できました。とても暑い中お疲れ様でした。
しかし、駆除できたのもまだ一部。増え過ぎてしまった外来植物の駆除は人出も必要、そしてとても地道な作業です。人の手によって持ち込まれた外来生物、と考えると色々な思いが出てきそうですが、この作業がいつか実を結ぶよう、願わずにはいられません。
2010年08月27日【日本のいのち、つないでいこう! COP10まであと50日】
釧路湿原国立公園 釧路湿原 本藤 泰朗
トドマツの倒木更新
釧路の森を歩いていると倒れた木をよく目にします。
中には苔むしていて、触るとふわふわで、少しずつ土に還っていく様子を見る事が出来ます。
さまざまな虫や菌類等に分解され、やがて森の栄養となり森を育てます。
そんな苔むした倒木を良く見てみると小さな樹木の稚樹が沢山生えています。
これはトドマツの稚樹です。
トドマツはマツ科モミ属の針葉樹で、北海道ではとても馴染み深い樹木です。クリスマスツリーにも使われる樹木で、知らないうちに目にしている人も多いのではないでしょうか。
トドマツは秋になると翼のついた種をつけ、それらが風に舞い、様々な場所に種が運ばれます。あるものは地面に落ち、あるものは倒木の上に落ちます。
そのまま冬を迎え、雪の下で種たちは北海道の厳しい冬を過ごし、そして春を迎えます。
地面に落ちた種は冬の間に種や稚樹を腐らせる菌に感染したり、春になり林床に生えているササ等に覆われて日光を遮られたりして、うまく生長することが難しいと言われています。
一方、苔むした倒木の上は日も差し、種や稚樹を腐らせる菌も少なく、腐りかけた倒木は沢山の水分を含む為、発芽した稚樹が生長するには適した環境です。
トドマツは主にこの倒木更新によって世代交代をしています。
倒木はやがて分解され土に還り養分になるだけでなく、新しいいのちを育てる苗床にもなっているのです。
釧路の森を歩いていると倒れた木をよく目にします。
中には苔むしていて、触るとふわふわで、少しずつ土に還っていく様子を見る事が出来ます。
さまざまな虫や菌類等に分解され、やがて森の栄養となり森を育てます。
そんな苔むした倒木を良く見てみると小さな樹木の稚樹が沢山生えています。
これはトドマツの稚樹です。
トドマツはマツ科モミ属の針葉樹で、北海道ではとても馴染み深い樹木です。クリスマスツリーにも使われる樹木で、知らないうちに目にしている人も多いのではないでしょうか。
トドマツは秋になると翼のついた種をつけ、それらが風に舞い、様々な場所に種が運ばれます。あるものは地面に落ち、あるものは倒木の上に落ちます。
そのまま冬を迎え、雪の下で種たちは北海道の厳しい冬を過ごし、そして春を迎えます。
地面に落ちた種は冬の間に種や稚樹を腐らせる菌に感染したり、春になり林床に生えているササ等に覆われて日光を遮られたりして、うまく生長することが難しいと言われています。
一方、苔むした倒木の上は日も差し、種や稚樹を腐らせる菌も少なく、腐りかけた倒木は沢山の水分を含む為、発芽した稚樹が生長するには適した環境です。
トドマツは主にこの倒木更新によって世代交代をしています。
倒木はやがて分解され土に還り養分になるだけでなく、新しいいのちを育てる苗床にもなっているのです。
センターの裏にはオジロワシなどが野生復帰するためのリハビリ施設があり、ちょうどその中を見降ろす位置にオオワシはいました。
はるばるサハリンから渡ってくるオオワシ。
ケージの中のオジロワシを見つめていたのでしょうか?それとも休憩するのにちょうどよかったのでしょうか?
そのオオワシはしばらくそこに留まっていました。
黄色の立派な口ばしが印象的で美しい