ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

北海道地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2019年12月

10件の記事があります。

2019年12月26日2019年を振り返って~支笏洞爺国立公園指定70周年~

支笏洞爺国立公園 當山真貴子

日中でも気温が氷点下になり、寒さが身に染みる支笏湖。

報告書作成等に勤しんでいる當山です。

 

さて、今年は支笏洞爺国立公園が国立公園に指定されて70周年目♪(1949516日指定)

この節目を記念し、「今、見つめ直そう。いちばん身近な山と森と湖を」をコンセプトに、本公園の魅力を広く地域内外に向けて発信すると同時に、多くの方々に本公園の魅力を発見してもらう取り組みを実施しました。

 

☆支笏洞爺国立公園指定70周年シンポジウム☆

928日に洞爺湖文化センターで「支笏洞爺国立公園指定70周年シンポジウム」を開催!

「どう活かす?どう守る?みんなに愛される国立公園の未来形」というテーマで、各地域の関連自治体、企業、団体、一般のお客様等、約160名の方々にお越しいただきました。

始めに、「基調講演1」一般財団法人自然公園財団専務理事の阿部宗広氏から「国立公園~地域で活かし、守る日本の宝~」と題して、洞爺湖でのレンジャー時代の思い出話を織り交ぜながら、日本の国立公園の歴史・概要や支笏洞爺国立公園の特徴、保護及び利用者の増加策、将来の課題等について説明していただきました。

 

次に、「基調講演2」ミュージアムアドバイザーの染川香澄氏から「人々の経験を豊かにするには-ミュージアムでの先進的なプロジェクト」と題して、関心を持たない人に利用してもらうために数々の事前調査、試験イベント等による多角的な意見の集約と試行錯誤を繰り返した事例が紹介されました。現場の一人一人が自分の頭で考え、チームで取り組み、慣習に囚われることなく、利用者も巻き込んで、楽しいプロジェクトをつくっていくことの重要性等について語っていただきました。

パネルディスカッションでは、「支笏洞爺国立公園 指定100周年に向けて」というテーマで国立公園内の各地区関係者が、本公園についてどのような自然・景観の保護、利用・サービスの提供、管理運営を行い、どういった空間に作り上げていくかについて議論されました。

各地域に共通する課題としては、自然体験プログラムを充実させ、各地域の滞在時間の延長を図る(もう一泊してもらう)ことが示唆されました。

私は特に、「高齢化等により営業の問題を抱える商店街への対策の必要性」や「国立公園利用者向けのアプリの開発(羊蹄山の冬季B.C.スキーの遭難対策として)」、「広大なエリアを管轄する国立公園のレンジャーを増員させること」が印象に残りました。

オーバーユースや商店街の後継者、レンジャーの少なさ、外来種問題等、多くの課題が山積みではありますが、新千歳空港が近くアクセスの良い立地で、地球の鼓動を感じる活火山と清澄な湖、それを囲む森林、道内屈指の温泉を満喫できる魅力が溢れ、まだまだ可能性を秘めている公園だと思います。利用に傾き過ぎるのではなく、この自然を活かしつつ、多くの方々に楽しんでいただき、"この自然を後生まで残していきたい"と思うファンが増えると更に良くなるのではないかと感じました。

 

☆支笏洞爺国立公園指定70周年記念マーク及びポスターの作成☆

広報・普及啓発に役立てるため、ロゴマークとポスターを作成しました。これらを見かけた際は、本公園のことを思い出していただけると嬉しいです(^^)

 

☆支笏洞爺国立公園指定70周年記念インスタグラムフォトコンテスト☆

インスタグラムアカウントを開設し、6月~11月までフォトコンテストを実施しました♪

※「10年後に残したいあなたのお気に入りの風景」をテーマとし、投稿された写真の中から毎月5名様に記念品をプレゼント!

投稿者の皆さんの写真は、普段、私が見ている景色とは違ったものが多く、視野が広がり、新たな魅力を再発見することができました。

 

☆支笏洞爺国立公園指定70周年 関連イベントカレンダー☆

地域のみなさんにご協力いただき、本公園の自然・まつり・アクティビティを楽しめるイベントを掲載したカレンダーを作成し、観光案内所や道の駅等に配布しています。3月まで掲載されているので、ご参加下さい。

※詳細はこちら↓↓

●支笏洞爺国立公園指定70周年事業について

http://hokkaido.env.go.jp/post_73.html

●イベントカレンダー(2019.10-2020.3)

http://hokkaido.env.go.jp/19.10~20.3%E4%B8%8B%E5%8D%8A%E6%9C%9F%E3%82%A4%E3%83%99%E3%82%AB%E3%83%AC.pdf

 

ちなみに・・・

1月24日(金)から「千歳・支笏湖氷濤まつり」が始まりますが、そのプログラムで「支笏洞爺国立公園指定70周年記念○×クイズ」を実施する予定です。最後まで勝ち残った方々には、素敵な景品もご用意していますので、こちらにも是非、検討しながら、素敵な新年をお迎え下さい♪

※詳細はこちら↓↓

http://www.1000sai-chitose.or.jp/icefes.html

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2019年12月25日北海道地区のアクティブレンジャー募集!!

苫小牧 大久保 智子

こんにちは、野生生物課の大久保です。

6月に野生生物課のアクティブレンジャーになり、あっという間に半年たちました。

いままで、事故で怪我をした野鳥を保護したり、希少種の保護増殖活動の一環で巣箱掛けや巣箱撤去作業のお手伝いをしたり、鳥インフルエンザ対策をしたり、ウトナイ湖野生鳥獣保護センターで子どもたちに環境省のお仕事体験をしてもらうイベントをしたりと様々な業務に関わってきました。アクティブレンジャーというのは本当にやりがいのある仕事だなと改めて実感しているところです。

そんなアクティブレンジャーの採用募集を現在行っています。

今回募集があるのは、洞爺湖、上士幌、釧路湿原、阿寒湖、川湯温泉、羅臼の6箇所の事務所です。

ひとくちにアクティブレンジャーといっても、事務所によって仕事内容は異なり、国立公園の仕事や野生生物を扱う仕事があります。具体的には、山や湿原などの巡視を通して、現状の登山道や施設を把握し、登山道整備や自然再生事業の基礎情報を集めたり、観察会の実施や、地域の方、パークボランティアさんたちとの協同作業も行っています。活動の場は広く、それぞれの事務所で各自の得意分野を発揮できる職業です。

自然と人、地域と環境を結びつけ、北海道の自然を未来に引き継ぐための仕事です。

よりよい自然環境を一緒に作っていきませんか?お待ちしています。

詳細は、こちらの北海道地方環境事務所のホームページをご覧ください。

\私たちと一緒に働きませんか?/

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2019年12月25日桃岩展望台コース工事終了のお知らせ

利尻礼文サロベツ国立公園 津田涼夏

みなさん!こんにちは!

寒さに負けず、風にも負けず、元気な礼文島アクティブレンジャーの津田です。

先日、礼文島桃岩展望台コースの工事が終了致しました!

2015年より工事が始まり、5年間かけて行われました。木柵や木階段、ロープ柵を設置するための材料はヘリコプターで運び、植生への影響を避けるため、準備期間などを入れて8月から行われた工事でした。

新しくできた桃岩展望台コースの木階段を踏みしめたい方!礼文島の植物の開花を楽しみにしている方!是非、歩いてみてはいかがですか。

そして新しくなったのは桃岩展望台コースの木道だけではありません!

桃岩展望台コースの案内標識、トド島展望台の案内看板も新しくなりました。

さらに!トド島展望台の案内看板はユニボイスつきとなっています。ユニボイスとは標識などに印刷されている2次元コード(QRコード)をケータイのカメラでかざすと...日本語、英語、その他の言語を自動で話すことや、読むことができます!例えば、標識に日本語だけの説明が書いてあっても、外国の方は読むことが困難ですが、ユニボイスを利用することで、そこに何が書いているのかを理解することができます!是非お越しの際は、新しくなった桃岩展望台コースを歩くと共に、標識や看板も確認してみて下さい(^^)

~礼文島で冬にみつけた自然~

夏の礼文島は異なる冬景色でした。この日の礼文島は雪が少なく、ほとんど積もっていない状態でした。西海岸の岩肌の雪、オオワシやオジロワシの飛来の様子、静かな礼文島でした。

そんな中、可愛らしく、新しい植物を見つけました。セリ科植物の上に雪が積もっていました。冬にしかみることのできない姿に...!

また、こちらは足跡を発見しました!実は礼文島にもほ乳類が生息しています。なんの足跡でしょうか...?イタチの足跡です。

礼文島には他にも、トガリネズミ類やシマリスが生息しています。時折走って植物中に消えて行くのをみます。ほ乳類の姿が見えなくても、足跡や糞などの痕跡でどんな生き物が生息しているのか、考えると楽しいですね♪

みなさんも冬の自然の楽しみ方を見つけてみませんか。

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2019年12月24日空からアザラシを見ています!

えりも自然保護官事務所 熊谷 文絵

みなさんこんにちは。えりも自然保護官事務所の熊谷です。

早いもので年の瀬ですね。。みなさんにとってどんな一年でしたか?

今年度の初めに私が立てた目標は「今年は、ドローンを飛ばせるだけ飛ばすこと!」でした。

えりも自然保護官事務所では、えりも地域に生息するゼニガタアザラシの個体数調査にドローンを使用しています。ゼニガタアザラシは襟裳岬の先に約2km連なる岩礁で休息をとるため、この岩礁一帯の上空にドローンを飛ばしアザラシを撮影します。

岬の突端から望遠鏡を覗き数える場合、岩の裏側までは見えず...そんな時に真上から撮影できるドローンが活躍します!

岬の突端から岩礁を見ると...

今日は見晴らしも良く風も弱くてドローン日和!いいものが撮れそうな予感がして気分が高まります!

目が慣れてくると、肉眼でも、アザラシの顔までは見えなくともいることは分かりますよ♪

まずは風速を測って飛行準備を整えて...

※ちょっと寒い日だったので、あるだけの防寒をしています

準備出来たら飛行開始!

アザラシが上陸している岩礁の上空に差し掛かりました。

海面から約60m程の高さを確保して飛行しているためか、さほどこちらを気にする様子はありません。

この岩礁はアザラシが沢山上陸していて混雑気味。

米粒のような形に見えているものは全てアザラシ。日向ぼっこをしています。

この時、撮影している側はというと、、ドローンに不備が起きていないか、飛行中に受けている風の具合を見ながらこのまま続行しても安全かどうか、また、アザラシがドローンに驚いていないかなどを気にしています。

この場所、風を避けるものがなにもないのでとっても寒い。。

飛行経路は事前にドローンに登録してあり、いつ飛ばしても同じ場所を自動で撮影できるようにしてあります○

この岩礁一帯を静止画で撮影すると約1時間を要します。静止画の撮影はアザラシが上陸しやすい干潮時刻を挟んで3~4回行います。次に、干潮時刻に近いところで動画撮影を行います。こちらは約10分と短時間で終了です。

という流れで今年度 条件よくスムーズに調査出来たのは、当初私が見込んでいたよりもとても少ない回数でした...

アザラシの上陸は月の満ち欠けや潮の満ち引きと関わりがあり、上陸しやすいおおよその日や時間帯を把握することが出来ます。今年は絶対に機会を逃すまい!と張り切っていた私は「潮汐表」を肌身離さず持ち歩き気にしていましたが、今年は天候不良に阻まれました。。

ドローンは便利でもありますが荒天の中飛ばす事は出来ません。

◆襟裳岬は国内屈指の強風地帯

えりもに住んでいれば強風には慣れっこな上、飛ばせる風速であることの方が珍しいことも想定内。ただ、撮影したい!と思う時に強風(いや、暴風)なことが多く残念でした。。

◆8月のほとんどが荒天

この時期アザラシは全身の毛が生え変わる「換毛期」、上陸しやすい時期でもあります。撮影にはもってこいですが、10m先も見えない濃霧&土砂降りの日がほとんどでやる気を持て余しました。

◆9月以降の台風

今年は台風の影響で強風や高波となることが多かったです。ドローンを飛ばせないだけでなく、強い波しぶきを浴びるのはアザラシにとっても過酷なようで、上陸する個体は少なくみんな泳いでいるようでした。

(おまけ)ひどく時化た数日間必死に泳ぎ続けたアザラシは、相当に疲れていたようで時化明けの日の岩礁にはいつもより長い時間「寝ぼけ眼のアザラシ」がゴロゴロしていました。それはそれでかわいらしい○

えりも地域に生息するゼニガタアザラシの推定個体数を出すためには、まずドローンの撮影結果から得られる「上陸個体数」を出すことが必須事項です。

中々天候には恵まれませんでしたが、そんな中で機会を逃さぬよう努めたということでは及第点でしょうか。季節柄、これからの時期は強風が続くためドローンでの調査は見込めません。次年度も引き続き"目標"のひとつに定め取り組みます!

※参考※

国立/国定公園内でのドローン使用には配慮が必要です。使用にあたっては、環境省/都道府県の担当部署に事前にご相談ください。

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2019年12月24日「最北の国立公園」パークボランティア募集します!

利尻礼文サロベツ国立公園 稚内 津田涼夏

みなさん、こんにちは!

利尻礼文サロベツ国立公園、礼文島アクティブレンジャーの津田です。

私が稚内に来てからはじめての冬がやってきました。寒くなってきましたが、みなさんはいかがお過ごしですか。

早速ですが、利尻礼文サロベツ国立公園利尻地区、礼文地区、サロベツ地区において、国立公園の保護管理活動にご協力いただける「パークボランティア」を募集します。

【参考】パークボランティア募集チラシ.pdf

【パークボランティアとは...?】

国立公園内の自然解説、美化清掃、外来種の防除、利用マナーの普及活動、登山道の維持管理、貴重な動植物の保護活動などの活動にご協力頂ける方々をパークボランティアとして登録しています。利尻礼文サロベツ国立公園では現在36名の登録があり、一緒に活動を行っています!

【どんな活動しているの?】

2つの離島を有し、それぞれの地区が海によって隔てられている利尻礼文サロベツ国立公園において、パークボランティアは利尻地区、礼文地区、サロベツ地区それぞれの特性に応じた様々な活動を行っています。

利尻島では利尻山コマドリプロジェクトや登山道整備の他に、携帯トイレ普及活動や清掃活動を通して、登山者に利尻ルール周知する山のトイレデーや外来種駆除活動が行われています。

礼文島では外来種除去活動や高山植物盗掘防止パトロールの他に桃岩展望台コースの植物のモニタリングを行われています。

サロベツではササ刈りやカモの観察会などの他に湿原と農業の共生による地域作りを目指す「サロベツ・エコモー・プロジェクト」の推進や清掃活動が行われています。

【パークボランティアになるためには...?】

パークボランティアになるためには、利尻礼文サロベツ地域の自然環境の概要の理解を図るため、いずれかの地区の養成研修会に参加して頂き、登録することが要件となっています。

~利尻礼文サロベツ国立公園の養成研修会の日程~

令和2年3月7日(土)      利尻地区

令和2年2月15日(土)     礼文地区

令和2年3月14日(土)   サロベツ地区

※開催地区によって日程が異なりますのでご注意ください。

「利尻礼文サロベツ国立公園のために協力したい」、「パークボランティア活動を通じて多くの人と交流したい」などの思いがある方、あるいは「ただ単純に自然が好き」という方のご参加をお待ちしています☆利尻礼文サロベツ国立公園の自然環境を守っていくために一緒に活動しませんか!

募集や応募方法、お問い合わせなど、詳しくは下記のページをご覧ください。

【参考】利尻礼文サロベツ国立公園パークボランティア募集要項.pdf

応募締め切りは3地区共に『令和2年2月5日(水)』となっています。

みなさんのご応募お待ちしております(^^)

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2019年12月16日わくわく楽しい野外学習へ パート2

釧路湿原国立公園 渡辺欣正

20192月に釧路湿原へ来てくれた小学生たちが、再び帰ってきてくれました!(過去の日記はコチラ

「この1年でさらに色々なことに興味を持っています。」と担任の先生。それならば!と今回の野外学習では4つの調査隊 ①動物班 ②湧き水班 ③裏山班 ④植物班 の中から好きな班を選んでもらい、湿原へ出かけることにしました。

私がガイドしたのは、①動物班。まずは、湿原の動物ぬいぐるみ探しゲームをしました。

あらかじめ本物そっくりのぬいぐるみを、そこで暮らしているかのように隠しておいたのですが・・・

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遊び始める頃には雪が降り、特にエゾユキウサギやイイズナが見つけづらかった模様。おかげで夏と冬で毛色が変わる理由がよく分かりました!

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「でもどうして野生の動物ってなかなか会えないんだろう?」と質問すると、「冬眠してる!」、「数が少ない!」、「夜行性!」など素晴らしい答えと共に、「動物班なのに動物に会えないの~?」と残念がる声が返ってきました・・・。だよね・・・。

すると、クルルッ!と大きな鳴き声が。なんとタンチョウ3羽が私たちの横を飛んでいったのです!こんな奇跡もあるんですね。

それでも運に頼ることなく、動物を探ることのできる方法・アニマルトラッキングを紹介すると、子どもたちは謎の痕跡を次々と見つけていきました(答えは日記の一番下)。

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さらに、ルート沿いで見つけたエゾシカ、エゾタヌキ、キタキツネの糞も採取して、温根内ビジターセンターで徹底解剖!普段どんな餌を食べているのか、じっくり観察しました。

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すると、②湧き水班が、水槽に生き物を入れて持って帰ってきました。冬でも凍らない沢の中を網でガサガサして、エゾトミヨやエゾアカガエルを発見したようです。

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「気温より湧き水のほうが温かい~。」とずっと足をつけていた子もいたそう。なんだかタンチョウみたい。

③裏山班は、湿原に面した丘で「牡蠣の化石」と「軽石」を発掘しました。目の前に広がる大湿原が、昔は海だった証拠をつかんだのです。そして遠くには噴煙をあげる火山も見えたとのこと。将来は考古学者かな!

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そのふもとでは、④植物班が色々な形の落ち葉を拾ってマイ図鑑を作ったり、種子を遠くに運ぶための仕掛けを学んでいました。

最後は、調べてきたことの報告会。自分で選んだテーマとだけあって、話が途切れることはありませんでした。楽しいことがいっぱい詰まった釧路湿原、またいつでも帰ってきてください!

▼答え▼

左上:クマゲラ、右上:エゾシカ

左下:アカゲラ、右下:エゾタヌキ でした!

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2019年12月09日サケの次はタコ!

えりも自然保護官事務所 熊谷 文絵

先日、えりもからは秋サケ定置網漁に合わせたアザラシ被害調査の取り組みをご紹介しました。

ここでいう"被害"とは、定置網(定められた場所に仕掛けられた網)に入った魚のうち、アザラシによるとみられるキズがあったり一部が喰われていたりしたものを指します。



▲アザラシによる食害、「トッカリ食い」(アイヌ語でトッカリ=アザラシ)

定置網漁の場合、漁は毎日実施されるため、毎日記録をとることでその網で獲れたすべての魚のうちどのくらいの割合で被害が出たのか(=その日アザラシが網に近づいてきている)など動向を追うことが出来ます。定置網漁の特徴は、「いつも同じ場所に魚の溜まる箱網がある」ことと、「漁が毎日実施される」ことです。

えりも町は、サケの他にも昆布・ツブ・ウニ・ホッキ・タコ・ボタンエビ・毛ガニ・タラ・ハタハタ・カレイなど...多くの海産物の水揚げがあります。

そういった環境下に棲むゼニガタアザラシは、サケの他にも、海底に生息するタコやアイナメを好んで食しています。

秋サケ定置網漁の調査終了後、今度はタコ船に乗船し被害調査を実施しました!

タコ漁は空釣り縄(からつりなわ)と呼ばれる方法です。

数百メートルの糸の途中に"重しとなる石"と、"タコを引っかけるU字の針"が等間隔に取り付けられています。これを海に沈め、1週間から10日後に引き上げる方法です。ひとつの船でいくつかの場所に仕掛けていて、今日はここ、明日はここといった感じに回収・仕掛けを繰り返します。

▲空釣り縄漁のイメージ 

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▲仕掛けを回収しながら掛かったタコを見つけたら、カギと呼ばれる道具を使い一気に引き上げます。

▲種類はミズダコ。これで15㎏以上ありますが、30㎏程のタコがかかることもあるそうです。

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▲獲れたタコは吸盤があちこち張り付かないよう、すぐに裏返します。漁師さんは裏返しながらタンク目掛けて投げるのですが、丁度タンクの穴へタコの頭部が入る様子はお見事でした!頭部が入ればタコは自分で奥へと入っていきます。

しばらく見ていると、様子の違うタコが上がってきました。

頭部がなく、色は変色し腐敗が進んでいます。これがアザラシ被害です。

▲アザラシによる食害

今回は、これだけ残っていたために被害があったと分かりました。アザラシが大部分を食していたり、腐敗がひどい場合、仕掛針から外れ、被害があったことさえ分からなかった可能性があります。

「いつも同じ場所に魚の溜まる箱網がある」「漁が毎日実施される」が特徴の定置網漁に比べ、被害の把握が難しく、被害対策も工夫が必要になりそうです。

タコ漁に適した対策案を練るためにも、アザラシがどんなふうにタコを捕らえるか知る必要があります。そこで、様子をうかがうための器具を北海道大学の山村准教授に作成していただきました。

▲作成した器具

重しは海底に付くイメージです。その重しから少し上に、板にカメラを下向きに固定し、アザラシの動きを上から撮れるようにしています。また、カメラは海中で常に丁度良い高さに浮かせておく必要があるため、板の上の浮きの数を海水の浮力に合わせ調整してあります。写真で平野保護官が持っている部分は、仕掛けそのものがなくならないよう、ひもを取り付け、海面の目印となるブイにつなげてあります。

▲仕掛け設置の様子

広い海の中、このポイントにタコが来てさらにアザラシが来たところを丁度良く撮影するのは相当難しいことです。今回は少しでもアザラシの様子が映りやすいよう、エサのタコを取り付けました。先にご紹介した通り、空釣り縄漁では仕掛けを回収するのは約10日後です。

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▲帰港後、船からタコを上げる様子

今日分の回収・仕掛けが終われば帰港です。この日は大漁でした!

タコ漁の出港は4時半過ぎ、港に戻るのは14時~15時頃です。丸一日船の上でほとんどの時間風にさらされながら作業しています。これらを見ていると、今後タコをいただくときは、より有難みを噛みしめていただきたいものだと感じました。

同時に、仕掛けに1日、映像が確認できるまでに約10日...これだけ時間がかかるとなると、どうしてもなんらかヒントとなる映像がほしい気持ちも湧いてきます。アザラシの動きは写っているのでしょうか...!まもなく回収の日を迎えます。どうか何かしら写っていますように。。

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2019年12月05日愛おしき北の生きものたち

大雪山国立公園 東川 渡邉 あゆみ

 こんにちは、東川自然保護官事務所の渡邉です。

 12月に入り、東川町にもいよいよ本格的な冬がやってきました。

 空にはオジロワシが飛び、キタキツネが獲物を捕るために雪の中へ頭からダイブ!早くも野生動物から冬の風物詩を届けてもらいました。極寒をもろともせず、フワフワの毛皮をまとい、強い生命力で逞しく生きる姿は、夏よりも気高さが増し、神々しく見えます。これからはアニマル・トラッキングが楽しい時期になりますね。

 さて、今年6月から道内各所を巡回をした「アクティブレンジャー写真展2019~愛おしき北の生きものたち~」も残すところ東川町と札幌チカホ展(2020年1月22日(水)開催決定!)のみとなりました。

 東川町モンベル大雪ひがしかわ店2階では12月3日(火)~12月25日(水)まで開催中です。

 昨年度までは一人1枚ずつの展示でしたが、今年は一人2枚に展示数が増えました!アクティブレンジャーならではの、皆さんに紹介したい愛おしい北の生きものたち。是非、見に来てください。

 アンケートにお答えいただいた方には東川会場オリジナルの「愛おしき北の生きものたち」シオリをプレゼントしております。(特にナキウサギ・ファンの方は必見です☆)

 是非、アンケートのご協力もお願いいたします。

 

本編に併せて、サテライト展として、旭岳ビジターセンターでも昨年度の作品を展示しています。こちらは6枚ずつ、2回に分けての展示となります。

 第一弾 12月 3日(火)~12月13日(金)

 第二弾 12月13日(金)~12月25日(水)

 

もうすぐ旭岳スキーコースがオープンします。旭岳へいらした際は、ぜひお立ち寄りください。

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2019年12月03日携帯トイレ普及への取り組み(Part2)

大雪山国立公園 岩城大洋

みなさん、こんにちは。

上川自然保護官事務所の岩城です。

いよいよ今年もあと12月を残すのみとなりました。

ここ上川町では、雪がひらひらと断続的に降る日が多くなり、上川駅前もご覧のとおりの冬景色ですが、

例年より雪の量は少なく雪かきいらずの日々が続いています。

でも、外に出ると本当に寒くて気がつくといつも私の背中はまあるい猫背・・・。

ちなみに今朝は-2度でしたよ。←暖かい方です笑。


     環境省上川自然保護官事務所から(奥に見えるのは大雪山連峰)

 

前回の日記、私のテーマは「携帯トイレ販売網拡大の取り組みについて」でした。

取り組みを始める前に比べ、登山者が携帯トイレを入手しやすい環境が整ってきたなあと実感しています。

ですがその反面、実際に携帯トイレを使用できる場所が少なすぎることもまた実情です。

携帯トイレの普及を促進させるためにも、それの足かせとなっている問題を解決させて行くことが大切です。しかし、単純に携帯トイレブースをたくさん増設すればいい!という訳にはいきません。コストの問題、

維持管理の労力、環境要因などブースを設置するには様々な条件をクリアしなければならなりません。

 

そこで、安価で設置が容易で撤去も簡単なテント式の携帯トイレブースを期間限定で銀泉台赤岳登山コースと大雪高原温泉沼めぐり登山コースに設置することとしました。

 

        2019年度銀泉台赤岳登山コース登山者カウンター計測数

 

設置は銀泉台赤岳コースで914日から923日まで、大雪高原温泉沼めぐり登山コースは920日~929日までの期間としました。

この期間にした理由として上のグラフをご参照ください。

多くの登山者がこの時期に集中することを表しています。

両コースでは、大雪山国立公園パークボランティアの協力も得て、登山口からテント本体などを現場まで荷揚げし携帯トイレテントブースを設営しました。

 

余談ですが。。。

銀泉台赤岳での設営が完了し、携帯トイレブースの便座に試し座りした時・・・!

私のその目の先にある眺めは「人生最高の "トイレ絶景!" 」でした!

目の前の黒岳の眺めで用を足せるこの絶景! 笑

でもあくまで試し座りだったので、普段テントブースをご利用の際は出入り口のチャックを

しっかり閉めてくださいね。

設置当日は、午前9時頃から13時近くまで現場にいましたが、

10時台に1名、11時台に3名、12時台にも3 名の利用がありました。

皆さん「ここにテントブースがあってほんとに助かった」と笑顔を見せてくれ、改めて、

利用する場所を確保することの大切さを再確認することができました。

銀泉台赤岳は当初923日まで設置する予定でしたが、920日に悪天候によりテントブースが

倒壊したため、残念ながら21日から23 日までの設営は中止としました。

結果、設営期間は7日間、利用者数約20名程度でした。

  悪天候翌日の銀泉台赤岳第四雪渓付近       倒壊したテントブース

 

大雪高原温泉沼めぐり登山コースでは、緑沼の奥約100m地点の登山道脇にテントブースを

10日間設営し、期間中の利用者数は83名でした。

 

テントブース内に設置した数取りカウンター

 

銀泉台赤岳では1日あたりの利用者数は2.85人でしたが、高原温泉沼めぐり登山コースでは8.3人と約3倍の結果に。この要因としては1 日あたりの登山者数が多いこと、また入山前のレクチャービデオでコース内にテントブースがあることを紹介したことが影響していると考えられます。

また、ヒグマ情報センター内でも積極的に携帯トイレの販売と使用の呼びかけを実施したことも利用者が伸びた要因です。

今年度から始めた『紅葉期』の携帯トイレテントブースの設置は大きな成果を収めることができました。

携帯トイレを常備する登山者には、使用可能な環境があることを周知できましたし、携帯トイレの装備がない登山者に対しては、今回の取り組みでさらに携帯トイレの必要性と使用場所があることのPRになったと感じています。

銀泉台赤岳では期間途中にテントブースが倒壊するハプニング!もありましたが、来年度それらの問題点をより改善し、登山者が安心して携帯トイレを使用できる環境を引き続き促進したい!と思っています。

今回はここまで。また次回をお楽しみに。。。!

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2019年12月03日秋のアザラシ調査ひと段落

えりも自然保護官事務所 熊谷 文絵

みなさんこんにちは。えりも自然保護官事務所の熊谷です。

雪が降ったり氷点下の日が増えたりと、すっかり冬になりましたね。

えりもにもこれまでに3~4回雪が降りました。ここでの雪は"深々と降る"という感じとは違い、降る雪がえりも特有の強風に煽られ吹雪のよう。ホワイトアウトに近い状況になります。運転など気をつけなければならないことも増えますが、空気の澄んだ北海道の冬が好きです。今シーズンはどんな景色に出会えるか、とても楽しみです◎

さて、8月末から約3ヵ月に渡り行われていた「秋サケ定置網漁」。11月20日をもって今年度の操業が終了し、ここに併せて行っていた乗船調査も終了となりました。

乗船調査の目的は、襟裳岬に定住するゼニガタアザラシによる漁業被害の程度を把握すること、被害軽減のための対策を遂行することです。

この乗船調査で行われている中から、"水中カメラ"について、活用する目的や利点・難点そして特に今秋にあったことをご紹介します。

●定置網に水中カメラを設置する

 水中カメラを設置することで、定置網に入る魚やそれら魚を追ってやってくるアザラシが、どのくらいのスピードで、どのような動き方で入網するかなどが分かります。動きが分かれば、この部分の網の強度を増しておこう、アザラシが通り抜けできない目合(網目幅)にしよう、など対策をすることが出来ます。

また、アザラシを近くで撮影できるため、からだの模様などから"以前近寄ってきていた個体がまた近寄ってきている"と分かる場合もあります。いくつも定置網がある中で同じ場所に映るということは、常習性があることが推測できます。

※魚の溜まる箱型の網にアザラシが入ってしまうと、魚をひっかいたり食べてしまい、被害が出ます。被害を減らすため、箱型の網の入口に、魚は通れるがアザラシは通れない格子状の網を取り付けています。

【成功例】

魚を追ってやってきたアザラシが格子の部分に頭部を突っ込み、中を覗く様子が良く映っています◎

【成功例】

格子網をくぐり抜け、画面奥から手前に入網する魚の様子が分かります◎

このように、冷たい海の中に長時間いることのできない私たちにとって「貴重な情報源」となっている訳ですが、「難点」もあります。大きな定置網を、魚を獲るため船に引き上げる際・海に戻す際、人力だけでなく機械を使って網を巻き上げているため、危険の無いよう何度もやり直すことは出来ません。カメラをつけるチャンスは1度きり。明日の網興しでカメラを引き上げ映像を確認し、そこでやっと、カメラを吊るすロープの長さや向きを調整する必要があるかないかが分かるということになります。新しくカメラをつける網では、カメラ位置が定まるまでに3~4日を要することもあります。

【失敗例】

カメラは2本のロープを吊るすように取り付けますが、片方のロープがほどけてしまい、映したいところが映りませんでした...。

また、えりもの海は栄養豊富。透明度が低く、撮影は出来ていても内容の分析ができないことも多いのです。

【失敗例】

人為的失敗ではありませんでしたが、濁りがひどく魚やアザラシの様子が読み取れません。

さらには、潮の流れが速いためにカメラが想像以上に偏り肝心なところが映っていないこともしばしば。

潮の流れが速いことや24時間冷たい水中に入れていることでバッテリーの消費が早く、それならばとバッテリーを増やせば、バッテリー同士の熱でカメラが止まってしまったこともありました。より長時間の情報を得られるよう、ビデオ撮影からタイムラプス撮影に変更してみたり、調査期間中も試行錯誤を続けました。

コロコロと海況を変える"えりも"においては、カメラひとつとってもスムーズに調べさせてもらえないもんだなぁ、と難しさともどかしさを感じます。

さらに気になったのは、今期も一定程度のアザラシ被害が出ているにも関わらず、期待したほどカメラ映像にアザラシが映らなかった点です。これはどういうことでしょうか。網の入口よりも手前で食べているのでしょうか... 現地調査が終わったばかり、これから調査結果をまとめ考察していきます○

9月には半袖シャツでも暑い日があったというのに、11月に入ると出港時0℃を下回る日も増えた上、強風や波しぶきを浴び、いくら対策をしても寒さに悶えました。

船上での作業は、それぞれの動作を船員みんなで、タイミング・力やスピードの加減を合わせたりと感覚が大事で繊細さも必要です。特に指先は重ねすぎても感覚が鈍ってしまうので、最後まで寒さ対策は悩ましかったです。

調査最終日はなんとも厳しい条件でした。

<出港時=5:30時点>

*降雪あり *気温:-2.3℃ *風速:25m/s 

出港後に強さを増した風、船の進むスピード...

風速1m/sにつき体感温度は-1℃とされています。この日私たちは一体何℃を体験したのでしょうか...‼

なんとも"えりも"らしい忘れられない最終日となりました◎

これだけの強風でも安全に操業できる技術は素晴らしいですね!

 

▼帰港時、完全防備も敵わず寒さに悶える平野保護官と熊谷。目が開きません...



アザラシ調査ひと段落、お疲れさまでした!

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