ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

北海道地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2020年3月

13件の記事があります。

2020年03月31日「歴史ありけり、そして未来がある」

大雪山国立公園 岩城大洋

 みなさん、こんにちは。上川自然保護官事務所の岩城です。

新型コロナウィルスの影響は日々深刻な度を増していますね。。。

いつまで続くか分からない現状が、気持ちをナイーブにしてしまいますが、

終息後は「何をしよう」、「どこに旅行へ行こう」など遊ぶ計画を立てながら週末を過ごし気を紛らわせているこの頃です。

いつ終息するかは分かりませんが、みなさんもまずは遊びに行く計画を立ててみてはいかがでしょうか。

そこで今回は、今後の旅行の計画の参考にしていただくため、層雲峡の歴史から温泉が開拓された当時のお湯の成分までをご紹介したいと思います。

 

         上川町から層雲峡方面 ※層雲峡は見えませんが真ん中奥が層雲峡方面

さて、上川町史を調べると層雲峡で温泉が発見されたのは安政4年(1854年)。石狩在勤の足軽松田市太郎によって「大川端に温泉数カ所有之」と記述されています。

その後、約半世紀の間、層雲峡の記述はほとんど無く再び上川町史に登場するのは、明治30年代に入ってから。もちろんその頃はまだ層雲峡とは命名されていません。

明治33年(1900年)には温泉開発が始まり、大正4年(1915年)頃には層雲峡温泉は様々な温泉名でと呼ばれるようになりました。

有名なところでは塩谷温泉、国沢温泉など、ほとんどは事業者の名字を取った温泉名だったようです。

また、興味深いことに明治33年当時の温泉(現層雲峡温泉)の温泉成分が上川町史には記載されていましたので紹介します。

鉱泉証明書には

・有機物 少量

・安母尼亜(アンモニア)痕跡

・亜硝酸 無シ

・格魯兒 (塩素) 少量

・炭酸 多量

・硫酸  少量

・硫化水素 無シ

・石灰 少量

・苦土(マグネシウム) 無シ

・加留謨(カリウム) 痕跡

・那篤倫(ナトリウム)痕跡

・亜酸化鉄 痕跡

いまから120年前の温泉成分。和名からも歴史を感じさせますね。

明治44年(1911年)頃には愛別村長太田龍太郎氏が塩谷温泉を訪れ「霊山碧水」と命名。

大正10年(1921年)には、大町桂月が黒岳から大雪山を縦走する際に霊山碧水を訪れ、そのときに「層雲峡」と命名。

大雪山を縦走したときの紀行文「層雲峡より大雪山」にはかの有名な「富士山に登って山岳の高さを語れ、大雪山に登って、山岳の大さ(おおい)を語れ。」との名文があります。紀行文は雑誌「中央公論」に掲載され、層雲峡は景勝地として全国的に有名になりました。

昭和に入ってからは、黒岳ロープウェイが開業し夏は登山、冬はスキーを楽しめる山岳観光の拠点となり、平成には「上川・層雲峡圏プラン65基本構想」により、建物の色彩、デザインの統一などを生かした街並みが整備されました。

長い時間をかけて層雲峡はいまの姿、形へと進化してきました。

 

             現在の層雲峡温泉  (右奥に見えるのは黒岳)

層雲峡と命名されてから今年で99年。来年には命名100周年を迎えます。

いまは、新型コロナウィルスの影響で国内の観光地は非常に厳しい状況となっています。

ウイルスが終息するまでは、前には進めませんが、準備をすることはできます。

2021年は層雲峡に取って大切な年。

大雪山国立公園のためにも層雲峡地区の活性は重要だと思っています。

今後、復活の日に向けて様々なアイディアを絞り出し多くの観光客が戻っている層雲峡に少しでも協力できればと思っています。

99年前の層雲峡。そしていまの層雲峡。そして未来の層雲峡のために。

今回の日記はここまで。

また次回をお楽しみに。。。

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2020年03月31日大雪山国立公園管理事務所へ変わります

大雪山国立公園 忠鉢伸一

上川アクティブレンジャー忠鉢です。

春分の日が過ぎ、ようやく冬の終わりがきたようです。

今シーズンは雪が少なかった為か、上川町はほとんど道路の雪も消えて春らしくなってきました。

(上川町から見える大雪山)

卒業、旅立ちのシーズンですが、今回はご報告があります。

4月から上川自然保護官事務所は大雪山国立公園管理事務所へと名称が変わり、

人員も今までの3人体制から5人体制になります。

新年度からは自然保護に加えて、大雪山国立公園をよりよく利用するためにはどうするべきか、そのために何ができるかということにも力を入れて活動していくことになります。

特に層雲峡地域の活性化や大雪山の情報発信に力を注げるようになっていくと思います。

今までやりたくても手が足りなくてできなかったこと等試していけたらいいなと思っています。

(上川自然保護官事務所の看板も見納めです)

名前も体制も変わり、4月付で配属される新しいメンバーと共に新年度を迎えます。

今後ともよろしくお願い致します。

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2020年03月27日クロスカントリースキーの働き

大雪山国立公園 上村 哲也

 東大雪地域の登山口の多くは数キロから十数キロメートルの林道を経由しますが、冬は深い雪に閉ざされるため訪れる人はごくごく僅かです。

 クロスカントリースキーを利用してそのひとつを巡視しました。クロスカントリースキーの用具は、スキー、ストック、靴も締め具もとても軽量にできていて、雪道や雪原を長い距離歩くのに向いています。ある程度の斜度であれば滑走面に刻まれた鱗の力を借りて登ってゆくこともできます。もちろん下り坂は滑って下ることができます。雪面が圧雪されているとよりスピードを増して行動できます。

 巡視の目的は、スノーモビル乗入れ痕の追跡です。大雪山国立公園には、自然環境や動植物の生息・生育環境に悪影響を与えると考えられることから、スノーモビルなど車馬の乗入れを規制している地区があります。

 詳しくは「北海道地方環境事務所の車馬乗入れ規制」を御覧ください。

 この場所は決まって3月の下旬に乗入れが繰り返されてきました。台風などの大雨で林道が被災した後、一度は乗入れがなくなりましたが、また少しずつの乗入れが続いています。巡視の距離は往復で約30キロメートル、途中に標高差にして200メートル前後のアップダウンがあります。つまり、帰りにも登り返しがあります。行動時間は約7時間、防寒着や食料、飲料水、熊撃退スプレー、ヘッドランプ、衛星携帯電話などひととおりの日帰り装備を携えて入山しました。春分を過ぎ昼の時間が延びてきました。

 森の中を行き交うエゾシカ、ウサギ、キタキツネたちの足跡、遠くから響くクマゲラやそのほかキツツキのドラミング、川面へ飛び込むカワガラス。野生動物たちの様々な営みが感じられます。幸いにも今年は目覚めたアイツの足跡は目にしませんでした。

 山に春が近づいています。川の流れが増し、覆っていた雪が消えていきます。見慣れた登山口を過ぎ更に林道を詰め、目的地の数百メートル手前でクロスカントリースキー靴では川を渡れず引き返しました。スノーモビルのキャタピラ痕は難なく川を渡り奥へと続いていました。次回は長靴も装備に加えなければなりません。

 どうか、野生動物たちの営み、快眠を妨げることなく、優しく自然とふれあってください。

林道から仰ぎ見るユニ石狩岳

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2020年03月26日国立公園の看板裏にて

利尻礼文サロベツ国立公園 青山留美子

稚内から日本海を南下していく道道106号線。

稚内から行くと、右手には日本海とその向こうに利尻島・礼文島を望み、左手には砂丘林が延々と続きます。

夏には道路横の草原にエゾカンゾウがびっしり咲くのが見られ、冬は、オオワシやオジロワシなどの猛禽類が砂丘の頂きに止まっている姿などを見ることができる、とてもステキな道です。

そしてこの道の左右は、利尻礼文サロベツ国立公園に指定されています。

稚内から南下して程なくすると、国立公園の看板が現れます。

ここから国立公園の始まりです。

この始まりの看板裏で、不法投棄がされていました。

初めて見つけたのは20163月で、ブラウン管テレビなど数台の家電製品でした。

上から転がして落としたことを物語るように、点在していました。

それから積もりに積もった、20194月の状態がこちらです↓

土地所有者の方に連絡がとれず、関係機関が方々にわたることから対処が進まずにいた間に、

国立公園の看板裏が、ゴミ捨て場と化してしまいました。

しかし、2019年になり、各関係機関それぞれの対応が本格始動しました。

海へ続く道への侵入禁止柵設置や、不法投棄禁止の看板設置などです。

環境省では、防犯カメラを設置し、写真を警察へ提供もしました。

それらの効果で、6月以降は新たな不法投棄は見られなくなり、

そしてこれ以上、ゴミがゴミを呼ばないよう、不法投棄の全撤去を10月に行いました。

関係機関併せて13名で、道路への搬出だけで約3時間かかりました。

撤去跡は、久しく太陽を浴びていない色をしているため一目瞭然です。

不毛の大地が出現するほど、この一帯はゴミに覆われていたのです。

不法投棄が増えていく様子を見続けていたため、感慨無量でした。

作業後の青空と相まって、とてもすっきりした気持ちになりました。

すっきりした気持ちのまま、全体の様子を撮ろうと反対車線へ行きました。

するとそこには、ポイっと捨てられたであろうゴミがありました。

すっきりした気持ちは吹き飛び、まったく終わっていない様に感じました。

家電製品を不法に捨てるのと、空き缶などをポイっと捨てる行為に違いはありません。

環境や生き物への影響だけではなく、道路のゴミは事故のきっかけになるかもしれません。

ステキな道を、ステキな気分で誰もが通るためには、そこを使う人全員に責任がある事だと思います。

これから雪が溶けると、隠されていたものが明らかになるように、ゴミが目立ってきます。

大きさに関係なく、ポイッと捨ててしまう気持ちが芽生えない事を願ってやみません。

国立公園の看板裏で、久しぶりの芽生えの季節を待っている、不法投棄撤去場所を眺めながら思いました。

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2020年03月23日パークボランティア 今までとこれからと

利尻礼文サロベツ国立公園 青山留美子

利尻礼文サロベツ国立公園には、現在、パークボランティア(PV)さんが36名登録してくださっています。

肌寒い春に行う海岸清掃から始まり、真冬の鳥調査まで、年間様々な活動を一緒に行っています。

そんな活動を10年、15年と続けてくださっている方へ、感謝の意を表し、環境省より感謝状が贈られるのですが、今年度、利尻礼文サロベツ国立公園PVからは、継続10年が5名、15年が6名とたくさんの受賞者がおりました。

そのため、感謝状の伝達式を10/26(土)に行いました。

当日は、受賞者5名、お祝いに駆けつけてくれたPV5名おりました。

保護官から感謝状が手渡され、それぞれの思いを少しお話頂きました。

「自然に関わるようになり、自分自身成長できた」、「PVになり、良い所に住んでいることが実感できた」、「今できることを少しずつ長く続けていきたい」などなど、皆さんの想いを知ることができました。

更に今年は、PVとして30年活動して下さっている方が、『自然環境功労者環境大臣表彰』を受賞されました。4月に行われたその受賞式の様子などを、基調講演として報告して頂きました。

PVさんの発言は、PVの活動の歴史そのものでした。

10年、15年、30年と長年ご協力頂いている方々の思いの強さが、私たちを、利尻礼文サロベツ国立公園を、支えてくれていることを実感しました。

そして今年は更に、新規のPV募集も行いました。

3/14(土)には、サロベツ地区での養成研修会を行い、6名の方が参加して下さいました。

新型コロナウイルスの影響もあり、開催するのかどうかを直前まで検討しましたが、できうる限りの対策を行った上で、参加者の皆さんにもご理解とご協力を頂き、開催することができました

室内での環境省による講義と、地元のNPOサロベツ・エコ・ネットワークの方に講師をお願いし、講義+木道散策(ちょこっとスノーシュー散策含む)にて、サロベツを体験して頂きました。

4月から、新規の方を含む新体制となり、PV活動が始まります。

ベテランPVさんの情熱に、更なる新規PVさんの情熱が加わって、どんな活動になっていくのか、今からとても楽しみです。

ベテランPVさんも、これから1年目のPVさんも、

利尻礼文サロベツ国立公園での新たな1年、どうぞよろしくお願いします!

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2020年03月23日スノーモビルを使った荷上の調査

大雪山国立公園 忠鉢伸一

登山道を直すための道具や材料を運ぶ荷上には大変な労力と時間がかかります。

長い登山道を重い荷物を背負って数時間歩き、そこから整備して日没までには下山する。

登山口から近い場所なら可能かもしれませんが、登山口から遠く、アプローチに数時間かかる場所での登山道整備は困難を極めます。

(荷上イメージ図)

「じゃあヘリで運べば良いじゃないか」と思うかもしれませんが、ヘリはコストがかかりすぎて現実的ではありません。特に最近はヘリコプターのチャーター代も高騰し、1日数百万円とも言われています。

秋から冬の時期に次の年の準備をして、夏場の登山道の補修を効率よく進められないだろうか?夏季の登山道整備に使う資材の運搬を雪がある時期にスノーモビルで運べないだろうか?

そういう思いから314日にスノーモビルによる荷上が可能なルートがあるか調査を行いました。

今回は上川地区登山道補修業務の一部として、請負者がスノーモビル技術者の協力を得て行いました。旭川市ぺーパン地区から入林して、当麻乗越まで行けるかどうか、

目的地まで安全に資材を運搬できるルートを探すという調査ミッションです。

距離は約30km、植物が混んでいないなるべく傾斜の少ないルートを地図やドローンを使って探しながら行きました。

(この調査にあたり、環境省が道有林の入林申請を行い、また国立公園内の乗り入れ規制区域でのスノーモビル使用手続きをとりました。許可無く国立公園内にスノーモビルの乗入れ規制区域に入ることは禁止されています。レジャー目的では許可はできません)

機動力のあるスノーバイクが偵察して、無線で連絡をとりながらスノーモビルが続き、牽引力のあるバギーが後ろからついていくという形で走行しました。

埋まったモビルを救出したり、斜面が氷結していて登れず引き返したり、時間的な活動限界を迎えた為、あと一歩の所で目的地には到達できませんでしたが、時期や走行ルートを見直せば行ける可能性は高いことがわかり、試していく価値は十分あると感じました。

(ピウケナイ展望台から国立公園区域方面を望む)

冬季のスノーモビルによる運搬が可能になれば、いままでヘリに頼っていた山小屋のトイレの問題も、今までより少ないコストで解決できるようになるなど、さまざまな維持管理の問題を解決する切り札になるかもしれません。

今年は暖冬の影響で、3月の例年の積雪量から比べると約半分程しかなく、雪のコンディションも良いとはいえませんでしたが、十分可能性を感じられる試みだったのではないかと思いました。今後もベストな方法を探っていきたいと思います。

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2020年03月19日静かなる層雲峡温泉

大雪山国立公園 岩城大洋

 みなさま、こんにちは。上川自然保護官事務所の岩城です。

今日(3/19)は雲一つない晴天で、外に出ると春の香りが胸を満たしてくれます。

長―い冬が終わりを迎え、吹く風の冷たさが和らぎ、心地よい日差しが心を包んでくれる

待ちに待った春の到来。

外へと出かけたくなる季節なのですが、こちらでも新型コロナウィルスの影響は深刻です。

そこで、今回の日記では大雪山国立公園層雲峡地区での新型コロナウィルスの影響について

お伝えします。

環境省上川自然保護官事務所が管理している層雲峡集団施設地区* には有名な層雲峡温泉があります。

春は新緑、夏は登山の拠点、秋は紅葉、毎年厳寒期には氷瀑まつりが開催され、

美しい氷瀑が幻想的な世界へといざなってくれます。

一年を通して多くの観光客が訪れる観光拠点となっているのです。もちろん温泉も最高です。

*集団施設地区

国立・国定公園の特に重要な利用拠点で宿舎、野営場、園地などを総合的に整備する地区として、

公園計画に基づき環境大臣が指定する地区(自然公園法第36条)。

指定されると集団施設地区計画が樹立され、これに基づき各種の施設の整備が図られる。

北海道では支笏洞爺国立公園の支笏湖温泉、定山渓、洞爺湖温泉、登別温泉地区などが代表的。

(参考:自然公園法第36条 集団施設地区)

層雲峡温泉地区も集団施設地区である。

 

 

               20202月上旬の氷瀑まつりの様子

 

私が氷瀑まつりへ行った2月上旬、すでにテレビや新聞では、新型コロナウィルスのニュースが連日取り上げられていました。そのため、人出を心配していましたが、思いの外会場は賑わっていました。

しかし、その後、新型コロナウィルスの猛威は、瞬く間に日本各地へと広がり、その影響は特に観光資源が豊富な北海道の各地域へ波及しはじめました。

また、228日には、北海道知事が緊急事態宣言を発表し、週末の外出自粛を要請すると状況はさらに厳しいものに。層雲峡温泉の各宿泊施設ではキャンセルが急増、残念ながら氷瀑まつりも、228日(315日まで開催の予定)をもって終了せざるを得ない状況に。

層雲峡温泉地区のキャンセル数(34日時点のキャンセル数)は下記の通り。

2月約7,600人、

3月約15,600人に上っています。

観光への影響は想像していたよりかなり深刻です。

しかし、今はただ新型コロナウィルスが一刻も早く終息することを願うことしかできません。

そして、一番大事なことは終息してからどのように従来の層雲峡温泉の姿を取り戻すのかを考えることだと

思います。

そのため、今から様々なことを提案し議論しなければならないでしょう。

北海道の春は一年で最も美しい季節。

そんな季節に静かなる層雲峡は似合いません。

今回の日記はここまで。

また次回をお楽しみに。。。

 

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2020年03月17日トムラウシ山短縮登山口からの日帰り登山者

大雪山国立公園 上士幌 上村 哲也

 十勝西部森林管理署東大雪支署がトムラウシ山短縮登山口に設置した入林簿の一部データを拝借して集計し、短縮登山口から日帰りでトムラウシ山を目指す登山者の行動を調査しました。

 5月30日から10月12日までの記録のうち、1,247人の方が入山、下山の時刻まで記入してくださいました。単独の登山者が439人、2人パーティが346人(173組)、3人以上のパーティが462人(89組)。下山時刻から入山時刻を引き登山時間の平均を求めると、単独が9時間34分、2人パーティが10時間38分、3人以上のパーティが11時間44分でした。パーティの人数が多いほど登山時間が長いという傾向が窺えます。パーティ登山では体力などの最も弱いメンバーに合わせて速度や休憩を設定します。パーティの人数が多いほど登山時間が長くなるというのは十分考えられることです。

トムラウシ山の短縮登山口からの日帰り登山者、入下山時刻の相関 日帰り登山者の入山時刻と下山時刻の散布図をパーティ人数別に描いてみました。

 入山時刻が4時から6時に集中しています。3人以上のパーティではもう少し狭く4時から5時に集中しています。登山時間が長くなるので入山時刻を早めているのでしょう。集中している部分に注目すると(それぞれ楕円で囲んだ部分)2人パーティの下山時刻は単独より約1時間、3人以上では更に遅いことが見て取れます。

 単独の登山者では、入山時刻も下山時刻も幅広い時間帯に分布しています。まだ暗い未明の出発も、もう暗い日没後の下山も、気兼ねの要らぬ単独行の気安さでしょうか。6時間未満の登山時間(右下のグラデーションをかけた三角形部分)に単独の登山者が多く見られます。並外れた健脚であるのか、慎重に早めの撤退を決心したのか、入林簿からは読み切れません。

 一方で遅い下山は、2人、3人以上のパーティが多く見られます。力を合わせ、あるいは励まし合いながら必ずや登り切ることを目指すのでしょうか。

 以前に、パーティの人数と単独登山者の割合を紹介しましたが、トムラウシ山の短縮登山口と温泉登山口の集計も揃いましたので改めて紹介します。

パーティの人数と単独登山者の割合(入林簿記入データより)
1人 2人 3人 4人 5人 6人 7人 8人 9人 10人以上 最多人数 単独率
白雲山士幌側 278 163 29 15 16 5 0 5 2 5 13 28.5
白雲山鹿追側 563 462 118 61 19 11 3 4 3 15 100 21.3
東ヌプカウシヌプリ 486 312 70 30 15 3 2 0 1 5 23 29.5
南ペトウトル山 66 37 8 6 3 3 1 0 0 3 60 19.6
ニペソツ山 214 41 12 4 3 2 2 1 1 2 16 49.1
ユニ石狩岳 52 27 5 6 2 1 1 2 0 2 16 24.2
十勝岳新得側 16 9 2 1 1 0 0 1 0 1 12 23.2
トムラウシ山短縮口 594 270 65 30 11 13 8 3 3 11 23 31.6
トムラウシ山温泉口 58 9 1 2 0 1 0 0 0 0 6 62.4

 入林簿記入者のうち単独登山者の割合が最も高いのはトムラウシ山温泉登山口の62.4%でした。

 また、登山者の多いトムラウシ山短縮登山口も、温泉登山口とニペソツ山に次いで高い31.6%となりました。この短縮登山口の単独率を月別に算出すると、7月から8月に低く、その前後で高いことが見られました。7月から8月はお盆休みや夏休みがあるなど友人や家族を誘いやすいのでしょうか。山開きや紅葉の頃も大雪山は美しい季節です。どうぞ幅広くお楽しみください。

トムラウシ山短縮口の月別単独登山者率(入林簿記入データより)

5月 100.0%
6月 33.3%
7月 26.7%
8月 28.4%
9月 41.9%
10月 63.6%
平均 31.6%

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2020年03月16日ありがとう!洞爺湖!!

支笏洞爺国立公園 洞爺湖 増田 多美

皆さまこんにちは。

洞爺湖管理官事務所アクティブ・レンジャーの増田です。

もうすぐフキノトウやフクジュソウなどの春を探しに散歩に出かけるのが楽しい季節ですね。

さて、突然のご報告になりますが、3月いっぱいで洞爺湖管理官事務所を退職することとなりました。

3年間あっという間でしたが、色々なことを体験できた3年間でした。

引っ越し準備のため洞爺湖に来たときは、なんて綺麗なんだろう。

これからこんなにも素敵な場所で働けるんだとワクワクしたのを覚えています。

(↑引っ越しの時に泊まったホテルで撮った写真)

アクティブ・レンジャーに着任したばかりの頃は国立公園のルールやマナーも分からず、ただ綺麗で雄大な自然に感動していました。

業務で関係団体さんや業者さんとゴミ拾いをしたり、外来種の駆除をしたり、危険箇所や盗掘防止のためのロープ張りをしたり、施設維持管理のため山に登ったりしていくうちに・・・・

洞爺湖の景色が素晴らしいのは、沢山の人が自然のために活動をしているからだと分かりました。

(左上:外来種駆除、右上:オロフレ山ロープ張り、左下:羊蹄山避難小屋トイレ点検、右下:ゴミ拾い)

また、洞爺湖は地域の方にも愛されており支笏洞爺国立公園 洞爺湖地区の自然保護や美化清掃に協力して下さるパークボランティアの会に33名の方が登録されています。


(左上:外来種駆除、右上:遊歩道整備、左下:有珠山パトロール、右下:ビオトープ整備)

パークボランティアの方々には自然を守る活動を一緒にしていただいただけでなく、洞爺湖のことを全然知らない私に色々なことを教えて下さいました。

また、仕事面でしんどくなっていた時には、たくさん助けて下さいました。

アクティブ・レンジャーに着任したばかりの時よりも、洞爺湖は綺麗だなと思うようになりましたし、大好きになりました!

興味の湧いた方はぜひ、洞爺湖へお越し下さい(*^-^*)

そして、綺麗な景色の裏には多くの方の努力があるんだなぁと、感じていただけたら嬉しいです!



たくさんの思い出をくれた洞爺湖、洞爺湖で出会った皆さん、日記を読んでくださった方

本当にありがとうございました。

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2020年03月13日クッチャロ湖のコハクチョウたち

利尻礼文サロベツ国立公園 稚内 津田涼夏

みなさん、こんにちは!

浜頓別町クッチャロ湖は一面真っ白の雪が積もっています。

コハクチョウが集まっている部分は雪が溶けているようです。コハクチョウ達の温泉のように見えますね☆

しばらくするとコハクチョウが集まってきました。

クッチャロ湖は渡り鳥にとって日本の玄関口となっています。特にコハクチョウは日本で越冬する個体のほとんどが渡りの中継地として飛来するといわれています。

冬の間飛来したコハクチョウたちはどこにいるのでしょうか...

飛来したコハクチョウは更に数百~数千㎞南下し、本州で越冬します。中には本州まで南下せず、クッチャロ湖周辺で越冬する個体もいます。本州で越冬した個体は3月中旬から下旬にかけてクッチャロ湖や北海道各地の湖沼に集結します。

水鳥観察館の方の話によると、本州で越冬している個体が徐々に戻ってきているようです。今年は雪も少なく、温かい気候のためか戻ってくる時期がいつもより早いとのことでした。(228日現在)

本州では田畑に雪が少ないため、お腹や頭部が茶色だと本州で越冬した個体だ!と判別を行っていました。

クッチャロ湖は野鳥にとって、長旅で羽を休める、大切な中継地の一つとなっています。

旅をする生き物にとっても、そこに棲まう生き物にとっても、ここがいつまでも安らげる場所であるようにと願いながら、アクティブレンジャーとして何をしていけるか、考えていきたいと思います。

☆おまけ☆

コハクチョウの中にコブハクチョウが紛れこんでいました。

写真中央を拡大すると...!

コハクチョウに挟まれているコブハクチョウを確認しました。

クチバシは赤と黒で、基部にコブがあるのが特徴です♪

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