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アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

北海道地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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大雪山国立公園 東川

146件の記事があります。

2008年07月28日原始が原

大雪山国立公園 東川 山下 なつ絵

先日、原始が原登山口から富良野岳山頂まで巡視してきました。富良野岳は高山植物の豊かさで利用者に人気の高い山ですが、原始が原から登る人は少なく、この日も誰一人出会いませんでした。このコースを利用する人が少ないのは何故なのか、などを考えながら巡視しましたが主に次のような理由があると思いました。

・登山口から湿原まで虫が多い事。
・原始が原湿原内に木道などがなく、微かに付いた踏み後をぬかるみに足を取られながら歩かなければならない事。
・湿原を越えてから山頂までの距離が長く、山頂直下は砂礫で歩きにくく傾斜が大きい事。
などなど、この他にも理由はあると思いますが、しかし、そんなマイナス面も登山口に戻る頃にはすっかり忘れてしまうほど、このコースは魅力に溢れていました。
私が感じたこのコースの魅力は
・亜高山帯~高層湿原~高山帯を植物の垂直分布を観察しながら歩く楽しさがある。
(湿原では桃色のトキソウが見頃を迎えており、湿原から前富良野岳の稜線まではコマクサ・ホソバイワベンケイ・イワギキョウ・エゾウサギギク・ウスユキトウヒレン・エゾツツジ・ミヤマリンドウなどの色とりどりの高山植物が観察できる)
・利用者が少ないので、静かな山歩きを堪能できる。


前富良野岳のミヤマリンドウ群落。                                        そして一番面白いと感じたのは、湿原内のぬかるみです。避けても避けきれないほど登山道一面に広がるぬかるみは、避ける事はやめて逆にどこまで足が埋まるか試しながら歩くと楽しくなります。(靴の中まで汚れると登山に悪影響が出ると思いますので、登山靴とスパッツや履き慣れた人は長靴で歩く事をお勧めします)



原始が原湿原から見た前富良野岳。ぬかるみを避けて歩いた結果、登山道は複線化しています。                                        子供の頃は汚れる事より楽しさ優先で、ぬかるみを見つけたら自ら進んで入っていましたが、大人になると服や靴が汚れる事が気になるし、歩きやすさを優先するあまりついつい登山道を外れてしまう人も多いようですが、ここは童心に戻ってずんずんぬかる
みを歩き、汚れることも登山の一部だと思える人が増えると良いなと感じました。


暑い夏にマイナスイオンたっぷりの沢の中を横切るのは爽快です。                                        この日は往復林間コースを利用しましたが、滝コースを歩くと、鎖場や梯子、沢の上に掛かる丸木橋を渡るなど、ちょっとした冒険的要素も加わってさらにお勧めです。

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2008年07月01日タカネの花

大雪山国立公園 東川 山下 なつ絵

6月26日、登山道整備に使用する資材の運搬を兼ねて、裾合平から間宮岳~旭岳のコースの巡視に出かけました。
6月10日に関係機関の方々(上川支庁・東川町・東川町監視員)との合同現地調査時には、雪渓に覆われ登山道が分かり難かった裾合平も木道が出ていて夏山の雰囲気でした。
その裾合平は、チングルマやエゾコザクラの大群落が有名ですが、お花の開花はまだ少し先のようです。枯葉色の裾合平を後にして中岳分岐に向かうと、歩道脇にとてもかわいい花が咲いていました。


ヤナギ科の植物で高山の礫地に生育するエゾタカネヤナギです。高山植物の人気ランキングをつけるとしたら、上位に入ることはないかなと思われる地味な色目の花ですが、咲き始めたばかりと思われるエゾタカネヤナギの花は瑞々しく、朝日が花穂一つ一つの間に差し込みとても綺麗で、このコースを歩かれる方に今一番お勧めしたい花です。
お勧めと言えば、裾合平から見る旭岳方面の通称「白鳥の雪渓」も、シェイプアップに成功し今がベスト体型ではないでしょうか?裾合平と愛山渓の分岐周辺から見た形が一番白鳥らしいかなと思います。


裾合平分岐付近から見た白鳥の雪渓。今にも飛び立ちそう。



ところでこの日は、旭岳登山口~旭岳~北鎮岳~裾合平のコースで北海道高等学校登山選手権が行われており、80名ほどの高校生と山の中ですれ違いました。詳しい活動内容はわかりませんが、登山部などに所属する高校生達が学校対抗で登山の知識や技術を競うようです。すれ違う高校生はみな元気に挨拶を交わしてくれました。皆さんの目に大雪山はどう映ったのでしょうか。

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2008年06月25日ルピナスとマルハナバチ

大雪山国立公園 東川 山下 なつ絵

東川町から旭岳温泉方面に向かう途中にある忠別川の河原に、青、紫、白、ピンクなど色違いのカラフルな花が咲いています。河原を彩るその花の名前はルピナスです。

沢山の花が集合し、花のひとつひとつが種を包んだ房になり、房の中には7、8個ほどの種が入っていました。

私が初めてルピナスの花を見たのは、ニュージーランドの田舎町の湖畔でした。氷河の水が溶け込んだ影響と言われるミルキーブルーの美しい湖の周りに咲いていたルピナスの色彩はとても印象深く、今でもその光景は頭の中に鮮やかに甦ります。
そんなルピナスを北海道で見た時は本当に感動しました。日本に居るのに外国に来たみたいだと。そして、事務所からほんの数十キロしか離れていない場所に今、ルピナスの群落があるなんて、なんて素敵な事でしょうと思っていました。河原に降りてあの大群落を目にするまでは・・。
それは先日、ルピナスが忠別川上流のどの辺りまで繁殖しているのか調べる為に河原に降りた時の事でした。 ルピナスは近くで観察してみると1本の茎に沢山の花が集合して咲いており、時々エゾオオマルハナバチが訪れてはのんびりと花粉を集める姿も確認され、
マルハナバチとの関係も良好のようです。
しかし、河原を上流に歩いて行くと、車道からは確認出来ない広い空き地一面にカラフルな花の大群落が出現しました。近くに民家も無く、人目に触れることも少ないと思われる場所でどんどん増え続けたルピナスの花に可憐という言葉は似合わないと思いました。花言葉の「多くの仲間」や「貪欲」、語源の「オオカミ」という言葉は目の前に広がる風景とぴったり一致しました。


中央奥にはトムラウシ山が写っています。

大雪山国立公園の入り口からほんの5km程しか離れていない場所で、どんどん増え続けるルピナス。この事実はその花を利用するマルハナバチ達、特に特定外来生物であるセイヨウオオマルハナバチがルピナスを追いかけて、大雪山国立公園に侵入してくる可能性を考えさせられます。
ルピナスの群落は今のところ、この空き地から先は河原に点在する程度ですが、この先の旭岳温泉に繋がる道路脇には、セイヨウタンポポやコウリンタンポポ、ハルザキヤマガラシ、レッドクローバー、コンフリーなどが咲き、昆虫達を誘っているようにも見えます。ルピナスを含めたそのほとんどが外来植物であり、強い繁殖力を持っており、これまた強い繁殖力を持つ外来生物のセイヨウオオマルハナバチがこれらの花を利用しながら少しずつ高度を上げていくと、大雪山の高山帯で繁殖する日が来るかも知れません。
ルピナス=美しいという単純な感情を持てなくなったのは、自然は単純では無いと知ってしまったからですが、美しいものを美しいと素直に思える日が来るように努力を続けていかなくてはいけないと思いました。
東川自然保護官事務所では、大雪山国立公園パークボランティアの協力を得て、5月上旬から大雪山国立公園に向かって開花する花を追ってセイヨウオオマルハナバチの防除活動を行っています。


6月25日にパークボランティアさんの協力を得て行ったセイヨウオオマルハナバチ防除活動では、17頭が目撃・捕獲されました。ここでは今のところ在来のマルハナバチが優勢でした。

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2008年06月13日2泊3日の研修を終えて

大雪山国立公園 東川 山下 なつ絵

大雪山国立公園では、登山道の補修、美化清掃、自然の適正な利用のための普及啓発や利用マナーの指導等を無償で行っていただけるパークボランティアの新規募集をしていましたが、この度、6月6日(金)~8日(日)2泊3日の行程でパークボランティア養成研修会を実施し、20名の方が受講されました。
研修内容は、大雪山の成り立ちや登山の基礎(大雪山での活動は主に山岳地のため)、インタープリテーションの手法、救急救命、野外観察の手法と多岐にわたりました。
2日目からは既存ボランティアさんも加わり、新規・既存の方々が交流を図りながら、総勢50名で受けた講義はとても賑やかで活気に満ちていました。

新規ボランティアさんは2泊3日の養成研修を終え、いよいよこれから大雪山国立公園パークボランティアの一員としての活動が始まります。
大雪山で緑の腕章と帽子にパークボランティアの名前を見かけたら、お気軽に声をお掛け下さい。


インタープリテーションの手法を実践中。




救急救命講義:野外で怪我人や病人に出くわしたときに、とっさに対処できるように研修に盛り込まれました。

野外観察の手法:野鳥の専門家の方を講師にお迎えして、野鳥の生態などについてレクチャーして頂きました。聞けば聞くほど自然についてもっと知りたくなる、そんな講義内容でとても勉強になりました。

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2008年04月23日赤・白・黄・咲く

大雪山国立公園 東川 山下 なつ絵

4月22日、平地の気温は22℃まで上がり、この時期としては異様なほどの暑さでした。
旭岳は山肌が雪の白より目立つようになってきて、5合目から山頂までの登山道も夏道が多く出ています。



5合目から見た旭岳。避難小屋の周りは地面が見え始めていますが、姿見の池は雪の下でした。

この気温で高山帯でも雪解けが進み、旭岳姿見園地の第一展望台ではガンコウランが開花していました。
ガンコウランの花は径4mmほどでとても小さく、開花に気がつかない人も多いのですが近づいて良く見てみると、とても綺麗な赤色の花が咲いています。
皆さんも、姿見園地で高山植物の先頭を切って咲き出した、地味かわいいガンコウランの花を是非観察してみて下さい。


そして、ガンコウランとは対照的に、遠くからでも人目を引く存在感たっぷりのミズバショウとエゾノリュウキンカが、旭岳ロープウェイ駅舎裏の湿地で開花の時を迎えていました。ロープウェイの中から見下ろす黄色と白の群落も綺麗ですが、雪が残る時期は雪の上を歩いてより近くまで接近して鑑賞されることをお勧めします。ミズバショウの甘い香りがしてくるかもしれません。
湿地周辺には野鳥も多く生息し、この日はクマゲラの姿を確認することができました。
これからゴールデンウィークが始まるまでしばらくの間、旭岳温泉街は少し閑散としていますが、植物の彩りや野鳥のさえずりは日一日と賑やかさを増しています。
春は、悪天候の時には道を見失い遭難の危険があります。雪の踏み抜き、植物の踏みつけなどにも注意して、春ならではの風景を楽しんで下さい。

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2008年04月08日ヒグマの目覚め

大雪山国立公園 東川 山下 なつ絵

東川自然保護官事務所がある東川町は3月下旬頃から暖かい日が続いており、町には春の訪れを告げる花、福寿草やクロッカスが咲き始めました。
「今年は雪解けが早いね~」が、最近会う人との合い言葉のようになっています。
春の陽気に気分もすっかり浮かれ気味の4月3日は、人通りのほとんどない場所でパトロールの予定が入っていました。
 朝起きてすぐ、「この陽気ならもしかしてそろそろ出るかな」と、あることが頭をよぎり、準備しなくてはと思いましたが家を出る時にはすっかり忘れ、現地に到着し車を降りたときに思い出しました。「クマスプレーも鈴も忘れた!」これは歌でも歌いながら歩くしかないと思い、誰もいない林道を大声で歌いながら歩いていると、前方に明らかにそれとわかる大きな跡が付いていました。近づいて見てみるとドキッとするほど新しいヒグマの足跡で、風にのってほんのり獣臭もしてきました。
その後も林道上や沢沿いに、つい最近付いたと思われるものから1週間くらい前のものまで10カ所以上で足跡を確認しました。この地域では昨年より10日ほど早い目覚めのようです。
 これから山などに入られる方、お気を付け下さい。もう目覚めていますよ、ヒグマ達は。
 ところで、この日のパトロールの目的はというと、スノーモビルが乗り入れ規制区域を走行していないかの確認でした。
スノーモビルは冬場に目的地まで短時間で移動できる便利な乗り物でスピード感なども楽しめる冬ならではの魅力ある乗り物ですが、国立公園内の特別保護地区、車馬等乗り入れ規制区域、原生自然環境保全地域に、許可なく乗り入れる事は禁止されています。(自動車、オートバイ、飛行機などや馬などの動物に乗っての乗り入れも同様です)自然環境の優れた地域でのこれらの使用は自然環境に悪影響を与えることから乗り入れを禁止しており、東川自然保護官事務所ではスノーモビル等の乗り入れ規制区域に繋がる林道入り口などで定期的にパトロールを行っています。
今回は美瑛町俵真布林道を6時間ほど歩き、この日の乗り入れ跡は確認できませんでしたが、林道や山の雪が解けるまでもうしばらくスノーモビルパトロールは続きます。
雪国にはスノーシュー、スキー、スノーモビル等、雪のある時期ならではの楽しい遊びが色々ありますが、ヒグマなどの野生動物が生息できる豊な自然がいつまでも残るように、ルールとマナーを守った上で楽しんで欲しいと思います。







雪解け後すぐに咲くクロッカスは春の訪れを視覚で感じさせてくれる。



ヒグマの左前足。横幅18cm、縦27cmで雄の成獣のものと思われます。(横に置いてある携帯電話は縦10cm横5cmです)



沢の周りは沢山の足跡が残っていました。よく見ると爪痕まで確認できます。

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2008年03月19日季節の交差点

大雪山国立公園 東川 山下 なつ絵

全国のアクティブレンジャー日記を見ると九州地区では春もみじの話題、中国四国地区ではカタクリ開花の話題が、近畿地区ではスミレやツバキ開花の話題が取り上げられ、ここより早い春の訪れを少しうらやましく思いながら大雪山の麓へ現地調査に出かけました。
スキーを装着していざ歩き出すと、一歩前に進む度にスキーが重くなっていきます。この日、昼間の気温はプラス1℃。山の麓はもうフカフカサラサラの雪では無くなっていました。大雪山にも春が訪れようとしている事を、足裏の重りから感じとりました。


重いスキーに悪戦苦闘しながら歩いていると、遠くにエゾシカの群れを発見しました。雌鹿数頭が2頭の子鹿を守るようにこちらを警戒していました。厳しい冬を乗り切り、命を繋いだシカ達も春の訪れが待ち遠しいのではないでしょうか。この日は道路沿い数カ所でエゾシカの群れを確認しました。



現地調査の帰りに見かけた小さい春は、ヤナギの芽吹きでした。冬芽が帽子のように新芽に残っていました。
遅い早いに関わらず、季節は巡り、冬芽から新芽へ、親から子へと、命は受け継がれています。
大雪山で花の開花や春もみじの話題を提供できるのはまだ少し先になりそうですが、去る冬を惜しむ人も、春を待ちわびる人も、季節の交差点で少し立ち止まり目の前のものを観察してみて下さい。昨日とは違う変化がそこにあるはずです。

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2008年03月10日観察講座で見つけたもの

大雪山国立公園 東川 山下 なつ絵

3月2日(日)、冬の自然観察講座を美瑛町白金温泉の小松原保護林周辺で行いました。
小松原保護林は約150年前の十勝岳噴火の火砕流で一度焼け消えた原生林が再生して出来た森で、現在はアカエゾマツ・クロエゾマツ・トドマツなどの針葉樹、ドロノキ・ヤチダモ・ヤナギ・コシアブラなどの広葉樹から成る針広混交林です。


参加者16名と小松原保護林歩道入り口手前でバスを降り、スノーシュー(西洋かんじき)を装着して、今回の観察会の講師である東川在住のネイチャーガイド・塩谷 秀和氏の解説を聞きながら歩道に向かいました。

歩道入り口から森を覗くとすぐに目に留まったのは団子9兄弟。倒れかけた樹に雪がつき面白い形になっていました。

こちらは、立ち枯れた樹の上に雪が丸く積もった巨大なキノコ。自然が作り上げた芸術品に自分なりの名前を付けて楽しんでいるのは私だけではないようですが、みなさんはこれらが何に見えますか?  

さて、森の中を奥に進むと、樹の幹に縦に深く裂け目の入った大きな大きなドロノキがありました。講師の方がお手製の樹木径測定メジャーで直径を測ってみると、なんと110cm(周囲345cm)もありました。樹齢150年を超すと思われる大木は存在感があり、抱きついたり、まじまじと眺めたり、つついてみたりと参加者の皆さんの反応は様々でした。

その後も歩きながら樹木の解説の他に、昆虫や動物などの身近な自然について、地球の水分量や世界の森林保護の歴史、地球規模の自然環境変化や現状などについてのお話をして頂きながら歩道入り口に戻りました。
内容の濃い講座に私の頭は一杯一杯になりましたが、参加者の皆さんはそれぞれが自分なりの発見や収穫を持って帰ったようです。
一つ疑問が解き明かされるともっともっと知りたくなる、それが自然観察講座参加者にリピーターが多い訳なのかも知れないと感じた、冬の森の観察講座でした。

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2008年02月25日冬の研修会

大雪山国立公園 東川 山下 なつ絵

2月中旬に大雪山国立公園パークボランティアの冬期研修会が、美瑛町にある青少年交流の家で1泊2日の日程で行われました。
1日目は室内研修で、雪崩事故防止研究会・雪氷学会北海道支部雪氷災害調査チーム等で活動し十勝岳連邦の冬山に精通している大西氏を講師に迎え、雪崩の基本知識・雪崩から身を守るために・十勝岳連邦山岳エリアの雪崩の傾向・雪崩の事例という題でスライドによる講義を受けました。また、実際に大西氏が使用している山道具などを用いた説明もあり、合計3時間の室内講義が行われました。


大西氏はテレマークスキーという道具を使って冬の十勝岳連邦山岳エリアを滑っている方ですが、厳しい自然の中に深く足を踏み入れる人ほど自分が楽しんだ分、自然やその地域に恩返しをしたいという思いが強いのではと感じました。そして自然環境の変化にとても敏感です。そんな大西氏の内容の濃い講義と熱い思いが伝わり、パークボランティアの皆さんと大雪山の各自然保護官事務所の職員は3時間の講義を真剣に聞いていました。その後の講義はパークボランティアの関口氏による「生き物たちの共生と知恵」という題での講義。大雪山に生息・生育する動物と植物の切っても切れない共生関係について、スライドを見ながら分かりやすく楽しく説明して頂きました。1時間という短い時間でしたがこちらも大変内容の濃い講義でした。





2日目は野外研修で、前回のアクティブレンジャー日記でお伝えした白金原生林周辺を39名が4班に分かれてトレッキングしました。
前日の朝に各コースのリーダーが雪を踏んで歩きやすいようにして下さっていたのですが、雪はその後もシンシンと降り続き、一晩で20cmは積もったのではないかと思います。それでも前日のトレースに助けられ、また先頭を行くスキー隊3人の逞しいラッセルに助けられ(私はスノーシューでスキー隊の後を楽に歩かせて頂き)、野外活動でのチームワークの大切さを再認識しました。エゾリス・エゾシカ・オジロワシ・ヒガラなどの野生生物の姿を見ることが出来、楽しくて予定時間を少しオーバーしてしまいましたが、充実した2日間の研修会を終えました。

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2008年02月08日白金原生林

大雪山国立公園 東川 山下 なつ絵

2月中旬に行われる、大雪山国立公園パークボランティア冬期研修会の野外研修コースの下見に、5名のパークボランティアさんと出かけてきました。
場所は十勝岳連峰の麓の森、白金原生林周辺の森です。
望岳台線ゲートからスタートして希望橋~原生林コース~美瑛富士登山口~白金青少年交流の家までの約11kmを、GPSと地図を駆使してルート付けを行いながら6時間かけて歩いたのですが、途中で見える景色は冬ならではの美しさでした。


気温-8℃の中を望岳台線ゲートから望岳台に向かってスタートし、しばらく車道を歩きます。冬はゲートが閉鎖されるので、車を気にせず歩けます。振り返るとコスマヌプリやトムラウシ山が見えました。



望岳台手前から見た十勝岳連邦の景観も素晴らしいです。奥に見える山は、右が美瑛岳で左が美瑛富士です。
ここから車道を降り森の中を歩きます。


原生林から見える十勝岳本峰。アカエゾマツの深い緑が山の白さをひきたてています。森の中ではホシガラスやハシブトガラの姿が見え隠れしていました。



美瑛富士登山口の看板にも雪が積もり面白い形になっていました。建造物があると自分の居る場所を再確認でき、少しホッとします。

下見を終えてパークボランティアさんと。雪の上を約6時間、ほとんど休憩もとらずに歩き続けたとは思えないほどさわやかな笑顔です。

パークボランティアの方々はアウトドアが大好きで、夏も冬も時間があれば自然の中で過ごされているそうです。自然の中で遊び、楽しみ、元気をもらい、自分の好きな場所がいつまでも美しいまま後生まで残るように、そんな想いで活動を続けられています。

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