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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

洞爺財田自然体験ハウスでの冬キャンプイベントに参加してきました

2024年03月01日
洞爺湖 荻原 沙理
こんにちは。洞爺湖管理官事務所アクティブ・レンジャーの荻原沙理です。
 
今回は、先日参加した洞爺財田自然体験ハウスでの冬キャンプイベント「TAKARADA CAMP」の様子をお伝えします。

洞爺財田自然体験ハウスのご紹介

洞爺財田自然体験ハウスは洞爺湖の北側に位置する財田にある、環境省の施設です。財田にやってくる方々に、自然の楽しみ方、親しみ方を伝える場として機能してきました。

HP:
洞爺財田自然体験ハウス | このサイトでは支笏洞爺国立公園内にある洞爺湖の北側、洞爺財田自然体験ハウスでのクラフト体験などを紹介しています。 (toyako-vc.jp)
Instagram:
https://www.instagram.com/toyako.takarada108?utm_source=ig_web_button_share_sheet&igsh=ZDNlZDc0MzIxNw==
 
過去に洞爺財田自然体験ハウスでの活動をまとめたアクティブ・レンジャー日記を投稿していますので、そちらも併せてご覧ください。
洞爺財田自然体験ハウスのビオトープ整備を行いました | 北海道地方環境事務所 | 環境省 (env.go.jp)
第3弾 琉球國祭り太鼓×支笏洞爺国立公園~洞爺財田に沖縄の風が吹く~ | 北海道地方環境事務所 | 環境省 (env.go.jp)

「TAKARADA CAMP」の概要

今回のTAKARADA CAMPはNPO法人「いきものいんく」さんのご協力のもと開催されました。
いきものいんくは小・中学生を対象とした環境教育を中心に、いきものさがし、キャンプ、川あるきなど、様々な行事を主催されています。

HP:
いきものいんく (ikimonoinc.jp)
Instagram:
https://www.instagram.com/ikimonoinc/#

今回のTAKARADA CAMPは日帰り、宿泊どちらでも参加可能で、宿泊は応募者多数のため抽選で参加者を決めるほどの人気ぶりでした。
参加者が思い思いの過ごし方ができるよう、全員参加必須のプログラムはありません。自然素材でのものづくり、囲炉裏体験、薪割りなど、様々なアクティビティが用意されているほか、希望者が参加できるプログラム「スノーシュー散策」「カレー作り」などがありました。
 

当日の様子

※写真は参加者の皆さんの許可を得たうえで掲載しています。

キャンプの説明

参加者が全員集まると、2日間の説明が行われました。
全員分のシュラフ、テントなどの道具が並べられた様子は壮観です。

説明で強調されていたのは「自分で考えてやってみる」こと。
冬キャンプで特に気を使うべき「寒さ対策」について、入念に説明が行われました。

例えばテントにかぶせる「フライシート」には、「スノースカート」と呼ばれるひだがついています。
この部分に雪を乗せることで冷気が入るのを防ぐことができるそうです。

テント設営

説明が終わると早速テント設営に移ります。
 
こちらの2人は2~3人用のテントを組み立てています。
ブルーシートを敷いた上にテントを乗せるように置きます。

フライシートとテントを固定して、

スノースカートにも忘れず雪を乗せていきます。

完成したテントの中の様子はこちら。
2人で使うにはかなり余裕がありそうです。

一方、1人用は一人が横になるのでいっぱいいっぱいな広さです。

途中雪が強まる場面もありましたが、無事全員がテント設営を終えました。

それぞれの過ごし方

テント設営が済んでからは、それぞれが好きなことをして過ごしました。
 
自然素材を使って北海道に生息する動物を作ったり、

囲炉裏を囲んでお茶を飲んだり、ゲームをしたり、

薪を割って、火にくべて焚き火を楽しんだり、
 
それぞれが好きなことをして過ごしました。

スノーシュー散策

午後からは希望者が参加するスノーシュー散策を行いました。
スノーシューを履いていざ出発!

湖畔を散策しながら、観察できる野生動物、鳥の巣とヤドリギの見分け方、洞爺湖に生息する外来生物「ウチダザリガニ」の話など、いきものいんく加藤代表が様々な解説をしました。
 
数日前の暖かかった日に雪が解けた影響で、歩いた感覚は「ザクザク」という感じでしたが、参加者の皆さんは人が踏んでいない場所を探して歩いたり、雪の上にダイブしたり、転がってみたり、高さのあるところからお尻で滑ってみたり、雪だるまを作ったり、思い思いの楽しみ方ができたようです。
 
途中、アバランチビーコンを使ったゲームも行いました。
アバランチビーコンとは冬山に登る際、雪崩に巻き込まれてお互いの居場所がわからなくなってしまう事態に備えて持ち歩くものです。

雪崩に巻き込まれたときに、無事だった人が雪に埋もれてしまった仲間を捜索するために使います。通常は発信モードになっていますが、捜索する際には受信モードに切り替えることで、ビーコン同士が近づくと音が早くなって、探している仲間との距離が近いことを知らせてくれます。
 
雪崩に巻き込まれた場合には生存率の高い15分以内に見つけ出すことが重要で、実際の現場では少しでも早く見つけ出すために、音が途切れた場所に目印となる線を引いて捜索範囲を絞り込んでいくそうです。
 
この日は受信モードのビーコンを持った2人が、発信モードのビーコンを持った人を探すというゲームをしました。

この日は湖面が穏やかで、中島が洞爺湖に反射している様子が見られました。
なかなか見られない光景、皆さん運がよかったです。

カレー作り

夜は希望者によるカレー作り。
用意された食材から必要な分だけを使って、自分たちでカレーを作っていきます。
どのチームも、仲間と相談しながら、協力して作っていました。

 
食べ終わったら片付けをして終了です。
寝るまでの時間の過ごし方も自由。昼間の過ごしやすさから一転、夜はかなり冷え込みました。
暖を取るため囲炉裏を囲んで遅くまでボードゲーム、カードゲームを楽しんだ参加者もいたと聞きました。

テント片付け

テントで一晩を過ごし、朝がやってきました。

参加者の皆さんが各自片付けをしました。

金具が凍ってうまく部品が外せなかったり、たたんでいるうちにテントやブルーシートが雪まみれになってしまったり、何より寒い中での作業で手がかじかんでしまったり…

苦戦しつつも全員無事やり遂げました。
帰っていく皆さんの疲れた表情の中に達成感がにじんでいたのが印象的でした。
お疲れさまでした。

ごあいさつ

今回をもって、私からの投稿は最後となります。
私が実際に目で見て感じたことを、一緒に体験したかのように知ることができる内容を目指してAR日記を投稿してきましたが、お楽しみいただけたでしょうか。
 
短い期間でしたが、支笏洞爺国立公園を守る仕事に関わることができたことを誇りに思います。多くの方々に支えていただき、豊かな自然に癒され、とても幸せな時間でした。
 
これからも支笏洞爺国立公園を楽しく利用し、国立公園に限らず、幅広く自然環境に興味・関心をもっていただけましたら幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。