ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

北海道地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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苫小牧

80件の記事があります。

2018年06月22日ウトナイ湖でボランティア活動

苫小牧 平 尚恵

皆さん、こんにちは。

ウトナイ湖担当の平です。

今日は、環境月間に合わせて6月8日に一緒に作業させていただいた、札幌市内の建設会社さんのボランティア活動についてご報告します。

当日はあいにくの曇りでしたが、野外作業には暑すぎず寒すぎずのちょうど良い天気でした。

まずは皆さんで、ハイ、チーズ。やる気満々です。

勇建設 集合写真

 

今年で4年目となるこの活動は、今では会社の年中行事として行ってくださっているもので、昨年は外来植物の抜き取りや看板清掃、漁師さんの船着き場横にあるベンチの修理などを行っていただきました。

今年は散策路の草刈、外来植物の刈り払い、朽ちたネットの撤去を行っていただいたのでその様子を写真と一緒にご覧下さい。

 

作業はA・B・C・Dの4チーム編成で、ABチームは日本野鳥の会さんのネイチャーセンター側を担当、CDチームはウトナイ湖のセンター側を担当です。

私はCDチームと一緒に、ギンドロ(外来種:ウラジロハコヤナギ Populus alba L.)の刈り払いと抜き取り、道の駅湖畔の草下に埋もれたネットの除去作業を行いました。

作業風景1

あづまや周辺はギンドロが勢力を拡大しているので、小さな幼木も見逃さずに抜き取ります。

  

作業風景3

我がチームのリーダさん。手慣れていますね~。

 

ダニ対策のゴム手袋

マダニ対策のカラフルゴム手隊

 

皆さん普段は部署が別々とのこと、総務、営業、工事現場など様々な方にお集まりいただきました。普段はデスクワークをされている方もいらっしゃいましたが、大粒の汗をかきながら、もの凄いスピードで作業をされていました。

チームリーダーさんのかけ声で手際よく作業を分担し、8年間草の下に埋もれていたネットはすべて綺麗に撤去することが出来ました。

 

完了時集合写真

 

皆さんとても素敵な笑顔で作業していただきました。

本当にありがとうございました。お休みの日にはご自分で作業された散策路を歩きに、是非またウトナイ湖へお越し下さい。

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2018年02月02日世界湿地の日にウトナイ湖でクラフト体験

苫小牧 平 尚恵

湖面がほぼ全面凍り付いているウトナイ湖です。

湖面の切れ間にはオオワシやオジロワシの姿も観察できますよ。

湖面のオオワシ

 

さて毎年、ウトナイ湖野生鳥獣保護センターでは、湿地の日を記念してイベントを開催しています。

今年は、23日(土)ウトナイ湖で集めた自然の素材を利用して、クラフト製作を行います。

随時、自由にご参加いただけますので、是非お越し下さい。

他にも、日本野鳥の会のレンジャーと野鳥を観察するミニツアーや、館内クイズラリーも行っていますので、詳しくはこちらをクリック!!

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世界湿地の日とは、1971年22日にイランのラムサールという街で締結された「ラムサール条約」を記念して、毎年2月2日を「世界湿地の日 World Wetlands Day (WWD)」とした記念日です。ラムサール条約の目的である、湿地の恩恵や価値に目を向け、その維持と賢明な利用を達成するため、世界中で啓発イベントが行われています。

今年のテーマは「都市の湿地」、まさに苫小牧市という工業都市に残るオアシス、ウトナイ湖のことですね。

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おまけ

先日、東京に行った飛行機の中からウトナイ湖が見えました。

雪に被われた真っ白な湖面、そこに墨を無造作に落としたような様子はまるで水墨画で、

白と黒だけの世界に日本美を感じずにはいられませんでした。

       水墨画のウトナイ湖雪の中の美々川

         

 

 

 

すみません、芸術には疎いのですが、かっこいい事を言ってみたくて・・・。

うねうねと曲がりくねっているのが美々川(写真左)で、ウトナイ湖(写真右)まで注ぎ込んでいます。

本当はカモやワシの姿もあるはずなのですが、さすがに見えませんね。

おまけ2

宮島沼(美唄市)はすっかり雪の中。

晴れの日の宮島沼雪原

 雪の結晶雪の宮島沼

 

 

 

ちょうど晴れ間に沼をスノーシューで歩いていると、日差しが雪の結晶に反射してキラキラ光っていました。

思わず、バフッと行っちゃいますよね。

 

 hitogata

真冬の宮島沼は晴れた日は本当に爽快で、遠くに風の音が聞こえ、厳冬の中でも力強く生きている

カラ類の声が耳に心地よく、とても豊かな時間を過ごしているように感じます。

スノーシューは数が少ないですが貸出しもしています。

118日(日)には、宮島沼をスノーシューで散策するイベントもあるので、こちらも是非ご参加ください。

☆☆美味しいサンドイッチ←もあるそうな☆☆

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2017年10月26日アクティブレンジャー写真展開催中!

苫小牧 平 尚恵

101日(日)より、ウトナイ湖野生鳥獣保護センター、北海道海鳥センター(羽幌町)、層雲峡ビジターセンター(上川町)でアクティブレンジャー写真展を開催しています。

写真展のスケジュールなど、詳しくはこちらをご覧下さい。

写真展用の写真は、それぞれのアクティブレンジャーが仕事中に撮影した渾身の一枚を選んでいるのですが、私は野生生物課に所属していることもあり、シマフクロウとタンチョウの写真を出展しています。

さらに、ウトナイ湖野生鳥獣保護センターでは特別展としてシマフクロウの巣箱と保護活動についての解説ポスターも一緒に展示しています。

想像をはるかに超える大きな巣箱ですので、是非ともみなさんにご覧いただき、世界最大級と言われるシマフクロウの大きさを実感していただければ嬉しいです。

AR写真展の設置の様子とシマフクロウの巣箱写真の設置を手伝ってくれたセンターの方と一緒に

~おまけ~

現在、写真展は羽幌町にある北海道海鳥センターでも開催しています。

そこで、羽幌自然保護官事務所で希少種保護増殖等専門員として働いている、岩原さんからメッセージをいただきましたので紹介します。

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羽幌は吹く風も冷たくなり、冬の気配が感じられるようになってきました。

みなさま、いかがお過ごしでしょうか?

私は、北海道海鳥センターというところで働いており、天売島のウミガラスを始めとする海鳥を中心に調査や保護活動を行っています。

道内の各地域の現場で働くアクティブレンジャーが撮影した、北海道の魅力がギュッと詰まっている写真展となっています。

写真展は北海道各地で順次開催予定ですが、道北エリアでの開催は最後となっています!

北海道海鳥センターにお越しの際は、ぜひお立ち寄りください。

AR写真展の様子 北海道海鳥センター

北海道海鳥センターでの開催の様子

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各地のアクティブレンジャーの紹介【 1.39MB】.pdf

 

どちらのセンターでも、アンケートにお答えいただいた方には、写真展専用のポストカードをプレゼントしていますので、お好きな一枚をお選びください。

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2017年10月04日少し遠出をして、大雪山高原温泉・沼めぐりコースへ

苫小牧 平 尚恵

みなさん、こんにちは

今日は湖のお話しではなく、沼のお話しです。

大差ないですね。笑

今回は、大雪山高原温泉・沼めぐりコース、ヒグマ情報センターへ行ってきました。

今回の狙いは、過酷な冬を何度も乗り越えてきたヒグマ情報センターの補修工事をどのように行うかなど、施設の現状を確認することです。

また、ヒグマの生息地である沼巡りコースの登山利用の状況を確認することでした。

早朝から沼巡りコースを実際に歩いて来ましたので、紅葉の写真も交えてご報告します。

このコースは元は一周する事ができたのですが、平成28年の台風の影響により、空沼(からぬま)から先は通行止めとなっています。そのため、同じ道を行って戻ってくることになります。

※写真をクリックすると鮮明な画質でご覧いただけます。

 

大雪山高原沼 紅葉

 

  1. はじめに

    ヒグマと遭遇しないためのレクチャーを受けます。

    ここで一つ‼

    海外の方には高原沼はヒグマを見られるスポットとして、評判になっているそうです。

    ヒグマを見てみたいという気持ちは、とても良く分かります。(私はヒグマに抱き付いてみたいです。)ただ、こちらの思いがヒグマと両思いとは限りません。

    北海道ではヒグマに出会わないように万全の対策をして、ヒグマのご迷惑にならぬよう、ヒグマのおうちにお邪魔していることを忘れないでください。

    決して、ヒグマは皆さんに会いたいなどとは、思っていません。

    永遠の片思いは心の中にしまっておきましょう。

    大雪山高原沼 紅葉

  2. さっそく沢や沼が次々と出現!!

    今年の紅葉は色づくのが早く、少し終わりかけでしたが、それでもとても綺麗な赤、黄、オレンジ、緑の葉が風に揺れていました。

    ここでも一つ!!

    このコース、靴が泥だらけになります。

    私たちは長靴で歩きましたが、すれ違う方の中にはスニーカーの方もいらっしゃいました。センターには長靴のレンタルもありますので、足回りはしっかり準備してから出発しましょう。

  3. 大雪山高原沼巡りコース紅葉写真1

  4. 大久保アクティブレンジャーを発見!!

    高原沼にパトロール隊員として派遣された、上川自然保護官事務所の大久保アクティブレンジャーを発見です。コースの主要箇所には、ボランティアさんやセンターの職員、環境省職員が立っていて、コースの適切な利用のために、パトロールや案内をして下さっています。

    大久保さんと一緒に軽食を取りながら、利用マナーの管理の難しさなどについて話を聞きました。

    大雪山高原沼巡りコース紅葉

    最後に一つ!!

    コース内では決められた場所でしか食事ができません。また、ガスバーナーの使用も禁止です。

    ヒグマは鼻が良いので、食べ物の臭いで誘引され、人間との望まない接触を生む可能性があります。山では人間の食べ物やトイレの痕跡を残さないようにお願いします。

    大雪山高原沼巡りコース紅葉3

    大雪山高原温泉沼巡りコース

    美しい紅葉に後ろ髪を引かれつつ、出発してから約4時間でセンターに戻ってきました。

    むかいにある温泉で汗を流したいところでしたが、センターの職員さんと施設の補修方法について打合せを行いました。

    過酷な自然環境に建っているセンターには、ほころびがあちらこちらに。

    少しずつ綺麗にしていきますので、皆さんにも愛着を持って見守っていただけると嬉しいです。

それでは、センターは来年の登山シーズンまで冬眠に入りますので、また来年お会いしましょう。

おやすみなさい。

大雪山高原沼 ヒグマ情報センター

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2017年08月15日ウトナイ湖で生き物を守るゴミ拾い

苫小牧 平 尚恵

こんにちは。 

今回は、先日ご案内したゴミ拾いイベントの報告をいたします。

  

あいにくの雨でしたが、子供達はとても元気で、道の駅の湖岸から駐車場までを歩きながら、色々な種類のゴミを拾うことができました。

   

   

みんな、ありがとう!!

    

 集合写真

 

拾ったゴミは「生き物を守るゴミ拾い」というお題に沿って、3つの種類にわけました。

・刺さったり絡まったりするゴミ

・間違えて飲み込んでしまうゴミ

・すみかを汚すゴミ

  

子供達は班ごとにわかれて、それぞれの担当する種類のゴミをさらに細かく調べ、グラフやポスターを作成して、最後に全員の前で発表しました。

    

ゴミ拾い中はとてもやんちゃだった子も、資料作成の時には真剣な表情で取り組んでいました。

発表の時はみんな緊張しながらも、大きな声でわかりやすく発表できていましたね!!

     

  

最後に子供達にはこんなお願いをしました。

「ゴミを捨てないことはあたりまえ。みんなにはゴミを見つけたら、拾う大人になって欲しい。良い事をすることを恥ずかしがらないでね。」

  

  

通勤中や海に遊びに行ったときなど、多くのゴミを目にします。

その多くは、"大人"が故意に捨てたゴミがほとんどです。

子供達の手本になるべき私たちから、日々の行動を見直す必要があるのではないでしょうか。

みなさんも、道ばたのゴミを見つけたら面倒と思わずに、拾って近くのゴミ箱に入れるなど、当たり前の行為を当たり前に出来る背中を、子供達に見せてあげましょう!!

  

おまけ

各地でスタートしている、北海道アクティブ・レンジャー写真展の札幌開催の日程が決定しました!!

写真展の詳細

2018118日 札幌地下歩行空間(チカホ)7番出口横です。

当日は、写真だけではなく、体験コーナーも考え中ですので、私の黄緑色のレンジャー服を目印に、どしどしお越し下さい!!

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2017年07月10日夏だ!! そうだ、ウトナイ湖に行こう!!

苫小牧 平 尚恵

お久しぶりです。

ウトナイ湖の平です。

    

早いもので今年もすでに折り返しですね。

今年は北海道管内では初の取り組みとなる、AR写真展も開催することとなり、諸々の準備などで、冬からずっと密にAR同士で連絡を取り合っていました。

距離にして300kmほど離れたところに居るARとも、この準備期間を経て絆がより深まったなーと感じています。

現在は、えりも風の館と礼文島のフェリーターミナルで写真展を開催していますので、お近くの方は是非お越し下さい。

会場ごとにARの個性が溢れ出ていますので、スタンプラリー感覚で開催地を巡っていただいても面白いかもしれません。

AR写真展について

さて、夏はどこもイベントづくしですが、ウトナイ湖でも今月は2つのイベントを準備しています。

申し込み詳細

【1野生動物救護講座 ~中級編~】

 日時:7月15日(土)10:00~12:00   
内容:野生動物救護に重要な初期対応について学びます。

   

【2夏休みこどもスペシャル】

午前の部:獣医さんの野生動物救護の現場をウォッチング

日時:7月28日(金)10:00~12:00   
内容:傷ついた野生動物が運び込まれてから治療・リハビリを行う現場を実際に
   見て、野生動物の獣医師の役割やウトナイでの救護の現状を学びます。

   

午後の部:環境省のレンジャーと一緒にお仕事体験

日時:7月28日(金)13:30~15:30   
内容:当センターで活動する、環境省(北海道地方環境事務所 野生生物課)の
   仕事について紹介し、自然情報収集やゴミ拾い活動を行います。

    

私の出番はというと。

15日の救護講座では、環境省の取り組みについてお話をさせていただきます。

28日は午後の部で、子供達とウトナイ湖のゴミを拾い、野生動物へのゴミの影響を考えるワークショップを行います。

昨年の様子

    

       

北海道の短い夏ですが、地球について考えるために1日を使うのも、素敵な休日の過ごし方ではないでしょうか。

みなさんにお会い出来ることを楽しみにしています!!

    

おまけ

komukudori

センターに持ち込まれた巣立ちヒナですが、なんという鳥でしょうか?

   

   

  

正解は

満腹でおねむな、コムクドリ(大きいほう)とスズメ(小さいほう)です。

センターにはこの時期、巣立ったばかりのヒナが誤って持ち込まれることが多くなります

(巣立ったばかりのヒナはうまく飛べないため地面にいることが多いのです)。

巣立ったばかりのヒナはうまく飛べませんが、しっかりと親鳥が近くにいて見守っていますし、エサを運んでいますので、羽毛がほやほやの飛べない鳥を見つけても、近寄らずにそっとその場を立ち去ってあげてください。

このヒナ達は、センターでここまで大きくなりましたが、鳥親から教わるエサの探し方や天敵からの隠れ方など、人間の親では教える事ができません。

巣立ちビナは、ぐっとこらえて見守るというのがホントの優しさですね。

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2016年08月26日イベントのお知らせ

苫小牧 平 尚恵

みなさん、こんにちは。ウトナイ湖の平です。

最近は台風の影響で天気が悪いですね。

ウトナイ湖も増水し所々、観察路に水たまりがありますので、散策される方は長靴をご持参いただいた方が安心です。増水の状況により、通行止めの箇所もありますので、事前にセンターで観察路の最新情報をご確認ください。

 

さて、来る9/4に「第10回 胆振動物愛護フェスティバル」が開催されます。

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日時:2016年9月4日(日) 10時~15時

場所:ノーザンホースパーク 苫小牧市美沢114-7

主催:胆振獣医師会

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個性的なブースが多く、ウマやウシ、巨大昆虫などが来て、とても賑やかなイベントです。

ウトナイ湖野生鳥獣保護センターも傷病鳥の救護活動について紹介すべく、工夫を凝らした展示を準備していますので、お楽しみに。

※過去のフェスティバルの様子はこちら→イベント報告と開催案内

 

 

 

 

おまけ

先日、珍しい鳥が保護されました。

 コアホウドリ

【Phoebastria immutabilis コアホウドリ】

分  布:北太平洋の中央部~西部の海上。北海道ではほぼ周年、太平洋側の海上で確認

繁 殖 地:99%がハワイ諸島、日本の小笠原諸島やメキシコ西岸でもごく少数が繁殖

エ  サ:魚やイカ

英  名:Laysan Albatross

保護経緯:8月3日(水)長沼町で刈取り後の牧草地にうずくまっているところを保護された。保護当初から呼吸音が有り(普通、鳥の呼吸音は聞こえない)、体重は通常2500gあるが、この個体は1565gと痩せている状態のためチカを給餌。プールでは浮く事が出来て羽繕いをする様子も見られ、リリースを予定していたが、8月14日(日)に急変し、死亡。

 

繁殖時期以外は洋上で生活するコアホウドリですが、内陸の長沼町で発見されたことに、とても驚きました。推測するに、強風にあおられて内陸に迷い込み、その際に胸を強く打ち、呼吸器を損傷したのではないかと思われました。

二日後にリリースを控えていたにもかかわらず、とても残念です。

もう一度、大海原をグライダーのように滑空しながら飛翔する姿を見たかったなと、洋上に浮かぶコアホウドリを見る度に、この個体を思い出すことになりそうです。

 

koahoudori03治療室で:起立することが出来るかを確認

 

 

コアホウ2

ウミネコと同居中のコアホウドリ:お互いに知らんぷり

 

おしまい

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2016年08月02日夏休み!!子供スペシャルイベント開催しました☆☆

苫小牧 平 尚恵

みなさん、こんにちは。ウトナイ湖の平です。

 

7月30日(土)に開催いたしました「アクティブレンジャーのお仕事体験 in ウトナイ湖」についてご報告いたします。

 

この企画は子供達にアクティブレンジャーがどんな仕事をしているのか知ってもらうイベントで、今年で2回目のドタバタ企画です。

しかーし、暑さにも負けず、元気いっぱいゴミ拾いをしてきましたので、その様子をご覧ください。

 

■アクティブレンジャーのお仕事パート1:国指定鳥獣保護区でのゴミ拾い

導入として、救護員の山浦さんから、ゴミが原因で傷ついた野鳥の症例紹介をしていただきました。

釣り針がカモメの喉の奥に刺さった痛々しい写真もあり、目を覆い隠す女の子もいました。

ゴミの事故を頭の中でイメージすることが出来たら、いよいよ外へゴミ拾いに出発です!!

 

玄関では暑さのせいか階段の隙間から出てきていたシマヘビを発見しました。

怖がりながらも大喜びで写真を撮っている子供達。

北海道と言えど、都市部でヘビを見る機会はほとんどありませんので、みんな興奮していました。

 

さて、最初のゴミを発見したのは、最年少の小学2年生の男の子!!

タバコの吸い殻は手でも拾えるのですが、貸出しの"トング"を使いたいようで、必死にトングで挟もうとしています。笑 その姿がなんと可愛いことか。

ついに、トングに挟んだ吸い殻を高々と拾い上げると、取り囲んでいた参加者から拍手喝采!!

 

そしてこれが子供達に火をつけました。

ゴミを発見したと聞くと、猛ダッシュで駆け寄りトングでゴミ拾いの大攻防!!

中には靴を2つも拾った子や、長靴で水際まで行きゴミ袋を拾ってくれた子、自販機の下に裏に潜り込んで拾ってくれた子など、ほんの30分で、袋が2つもいっぱいになりました。

 

レクチャールームに戻り、ゴミによる海の汚染について野生動物の視点からまとめを行い、パート1は終了しました。

 

      ①:症例紹介  ②:シマヘビ発見!!

      ③:出発!!  ④:みんなで集合写真(ステッカーにしてプレゼント)

 

 

続いて、アクティブレンジャーのお仕事パート2:シマフクロウの保護活動

 

世界最大級のフクロウの仲間 "シマフクロウ" は北海道に約140羽しか生息しておらず、その数は少しずつ増えてはいるものの、まだまだ保護が必要な絶滅危惧種です。

  ※シマフクロウについて詳しくは過去の日記をご覧ください。

    人工飼育のシマフクロウ森へ帰る 第1章

    人工飼育のシマフクロウ森へ帰る 第2章

私がシマフクロウの概要を説明していると、後ろからなんとシマフクロウが登場しました!!

 

 

中には、センターで研修中の酪農学園大学の獣医学部の学生さんが暑さと戦いながら入ってくれています。

大木の洞の代わりとして掛けている大きな巣箱も登場し、世界最大級のシマフクロウの雄大さを感じてもらえた様子でした。

 

レクチャーの後は、シマフクロウ繋がりで、希少種の羽の洗浄作業をお手伝いしてもらいました。「とても貴重な羽なんだよ。」と説明すると、優しい手つきで羽についた汚れを綿棒で落としたり、洗浄したりして真剣に作業をしてくれていました。

この羽は「9月25日(日)の野生動物の救護セミナー」で私がシマフクロウの保護活動についてお話するときに、参加者の方に手にとって見ていただく予定です。

子供達は終始、楽しそうに作業をし、レクチャーを聞いてくれて、私もとても楽しい時間を過ごす事ができました。

予定していた2時間はあっという間に過ぎ、子供達もさぞ疲れただろうと思いきや、シマフクロウの巣箱に入ったり、着ぐるみを着てみたりと大盛り上がり!!

 

      ①:羽の洗浄方法を説明  ②:優しく綿棒で汚れを落とす

      ③:みんな真剣      ④:巣箱の中は結構広い

 

今回一緒にゴミ拾いをしてくれた子供達の気持ちを無駄にしないためにも、ゴミを捨てない事はもちろん、ゴミを見つけたら拾う事を習慣にしていただけると、とても嬉しいです。

いつまでも美しい地球の自然を、子供達にも動物達にも残してあげたいですよね。

ゴミを拾うと、とても清々しい気持ちになれる。

そんな1日でした。

 

 

【キーワード】

海洋ゴミ

釣り針@カモメ、レジ袋@ウミガメ

マイクロプラスチック

4R(リフューズ、リユース、リデュース、リサイクル)

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2016年06月17日歩いて自然界にかえりました。

苫小牧 平 尚恵

みなさん、こんにちは。

ウトナイ湖の平です。随分とご無沙汰をしてしまいました。

      

先日、北海道ではあまり名前を聞かない鳥が保護されました。

顔が黒くて目が赤い、クチバシと足が長くて、クチバシの先が "しゃもじ" みたい。

この鳥なーんだ?

 

 kuroturaherasagitach

 

 

正解は「クロツラヘラサギ」です。

 

クロツラヘラサギは、中国東部から朝鮮半島のごく狭い範囲で繁殖し、日本には少数が、主に九州地方へ冬鳥もしくは旅鳥として渡来し、北海道には迷鳥としてやってきます。

 

この個体も長旅の末に北海道へたどり着いたようで、発見当初は衰弱して飛ぶことが出来ず、大至急ウトナイ湖野生鳥獣保護センターへ搬送されました。

 ※保護当初は体重が1,250gと(標準平均1,580~2,200g)、とても痩せていました。

搬送後はセンターでエサのワカサギを沢山食べ、容態も回復したため、先日、無事にリリースすることが出来ましたので、その様子をご紹介します。

  

当日は天気もよく絶好のリリース日和でした。

今回のリリースは積田Rが行い、私は斜め後ろでビデオ撮影です。

 

それでは早速、段ボールのフタをオープン!!

 

   ・・・が、なかなか出てこない。

 

積田Rが段ボールをさらに傾けます。

(私がビデオを撮っているので積田Rは写真係なのですが、段ボールを支えているのでカメラが持てない。)

なおも、段ボールは傾くがクロツラさん、お出にならない。

 

ついに、積田R、段ボールを横倒し!!

 

その時、出ました!!!

 

さっそうと羽ばたき、優雅に空に舞うのか!!と思いきや。

 

クロツラさん、ゆっくりと一歩一歩、水の感触を確かめるように歩いておられます。

そして、ちらっと積田Rを見て、小走りで遠ざかる。

 

15mほど離れた先に移動し、今度はクチバシを水の中でパクパクさせながら、左右にフリフリ。

たぶん、「何か食べ物ないかな~。」という感じ。

 

kuroturaherasagi

 

 

そして、ゆっくりと歩を進め、ヨシの向こうの水たまりへ。

次は、バッシャバッシャ!! ブルブルブル。 

きっと、「久しぶりの水浴びだーー!!キャッホーイ。」と言っていそうな感じ。いや、そう聞こえました。

 

じっくりと羽繕いを始めたのを見届けて我々は車に戻り、「無事に終わって良かったね。」なんて話していると、上空を白い陰がまっすぐに海に向かって飛んでいるじゃありませんか!!

  「おいおい、そっちは海しかないぞー!!まだそんな体力ないだろー!!落ちるぞー!!!」

こちらの心配をよそに、グングン飛んで行きます。

気持ちよさそうに、また周囲の状況を確認するかのように大きく旋回し、ヨシ原の奥へ滑空して降りていきました。

こうして無事に、クロツラヘラサギは "歩いて" 自然界へ戻っていきました。

 

 

力強く飛ぶ姿も見られて一安心ではありますが、クロツラヘラサギは北海道ではほとんど見ることが出来ない迷鳥です。

そこで、新たな心配ごととして、珍しい鳥について回る問題が、カメラマンによる追い回しです。

中には、わざと野鳥を追い回し、飛び立つ瞬間を撮影しようとするカメラマンもいます。

  

追い回された野鳥はその場所を危険と判断し、数少ない好条件の場所を捨て、新たに危険を冒して他の場所を探さなくてはならないこともあります。

 

このように、この位は良いだろうという安易な行動が、野生動物の本来の生活リズムを狂わせてしまうかもしれないことを常に意識し、お互いの気持ちの良い距離を保つよう心がけていただければとても嬉しいです。

 

この夏、道内でクロツラヘラサギを見かけた方は、もしかしたらこの個体かもしれません。

その時はどうぞ、遠くから優しく見守ってあげてください。

  

  

Platalea minor クロツラヘラサギ】

分布:九州地方に少数が冬鳥、旅鳥として渡来、北海道ではまれ(迷鳥)

   中国東部から挑戦半島の狭い範囲で繁殖

生息環境:干潟、水田、湿地、河川、湖沼

エサ:小魚、エビ、カニ

英名:Black-faced Spoonbill

※「日本の野鳥650 平凡社」「北海道野鳥図鑑 亜璃西社」より

 

★小豆知識★

クチバシ表面の波模様で個体識別が出来るらしい。

 

kurotura

 

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2015年10月09日イベント報告と開催案内

苫小牧 平 尚恵

こんにちは。

最近は朝晩冷え込むようになり、気温はすっかり秋ですね。

先日札幌岳に登ったら、標高1000m辺りはすでに紅葉していました。

街路樹が色づき始めるのも、もうすぐですね。

ウトナイ湖は、マガン・ヒシクイが1000羽弱といったところです。

10月10日、11日、12日は渡り鳥フェスティバルも開催されますので、連休はウトナイ湖でのんびり過ごしてはいかがでしょうか?

   
   

さて、先月の話しですが、「動物愛護フェスティバルin胆振」に参加してきました。

  
  

当日は天候にも恵まれ、多くの方にご来場いただきました。

今回は、ウトナイ湖と天売島のコラボ企画でブース出展をしました。

ウトナイブースは野生動物の救護現場の紹介(ウトナイ湖野生鳥獣保護センターのメンバー)、天売島ブースは天売島のノネコ問題(北海道海鳥センターのメンバー)についての紹介です。

愛護

  左上:ウトナイブース 右上:天売島ブース 左下:ブース内 右下:スタッフみんなでパシャリ

 

ウトナイブースでは、私たちの日々の生活を豊にするための、電線や道路、ビルなどで事故に遭った野鳥を実際に連れて行き、野生動物と共に生きる方法についてセンター職員とボランティアさんが解説をしました。

  
  

海鳥センターのブースでは、国内唯一のオロロン鳥(ウミガラス)の繁殖地である天売島で問題になっているノネコについて紹介し、"ノネコの預かりボランティアさん"の募集も行いました。

天売島では、元はペットだった猫が野外で飼われることで繁殖し、どんどん野良猫が増えていきました。そして、いつしか人になつかない野生の猫(ノネコ)として、天売島のシンボルとも言える海鳥を補食してしまうという事が起こるようになりました。

このままでは天売島の生態系が崩れてしまう!!

そこで、ノネコを捕獲して人に慣れさせ(順化)新しい飼い主を探すことになりました。

"ノネコの預かりボランティアさん"は捕獲されたノネコを家で一時的に引取り、時間を掛けて猫に心を開いてもらう第一歩を担っていただくお仕事です。

ボランティアさんは随時募集していますので、詳しくは下記をご覧下さい。

http://hokkaido.env.go.jp/%E9%A0%90%E3%81%8B%E3%82%8A%E3%83%9C%E3%83%A9%E3%83%91%E3%83%B3%E3%83%95.pdf

 

   天売猫のにゃんちゅう
   

ウトナイ湖野生鳥獣保護センターでは、このノネコ問題について紹介したパネル展を開催しています。海鳥センター職員、石郷岡さん撮影の天売島の写真展も同時開催ですので、是非ご覧下さい。

また、上記の石郷岡さんと羽幌自然保護官の竹中レンジャーが、10月18日(日)に当センターで開かれる、「野生動物に学ぶ救護セミナー」で特別ゲストとしてお話しします。

こちらは事前に応募が必要ですのでご参加の方はセンターまでお問い合わせ下さい。

   ウトナイ湖野生鳥獣保護センター:0144-58-2231

ノネコのパネルと天売島の写真展

  

実は、私も羽幌町の出身なのです!!

子供の頃はノラ猫の"にゃん"を飼っていました。(にゃーんと鳴くので)

天売島の抱える問題が解決の方向へ進んでくれること願っています。

それでは皆さん、18日はウトナイで羽幌の魅力発見と参りましょう!!

(羽幌はウニと甘エビが美味しい!!実はアスパラが日本一美味しい by羽幌大好き平AR)

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