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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

奥深い 幌尻岳新冠コース

2022年09月12日
帯広自然保護官事務所 丸岡梨紗
新冠ポロシリ山岳会の登山道パトロールに同行させていただき、幌尻岳新冠コースに登山道調査に行ってきました。

新冠コースはプロアドベンチャーレーサーの田中陽希さんが歩いたことから、「幌尻岳新冠陽希コース」と名前がつけられました。林道入口~イドンナップ山荘駐車場まで車で40km(約2時間)走行し、イドンナップ山荘から新冠ポロシリ山荘まで18.5キロ(約5~6時間)歩いてようやく登山口に辿り着きます。

天気がよくとても暑い日でこの日は虻が沢山いて悩まされました。虫除けが効かないので、暑い時期は長袖・防虫ネット・手袋必須です。

天気の良いこの日、予約制の新冠ポロシリ山荘は予約でいっぱいでした。

辿り着いた場所は奥深く、渓流沿いの美しい場所で1日歩いた疲労も癒やされます。



 
ルートは渓流沿いを歩き、そこから急登、お花畑を経て、稜線に上がります。

お花畑は花が見頃で、イドンナップ岳や、新冠富士ーイドンナップ岳等のアクセスの遠い山や奥新冠湖を間近に望むことができ、奥深い、いいルートだと思いました。



 
なかなかの急登でしたが稜線にでると山頂はすぐそこ。

晴天の中、疲れも吹き飛ぶ100名山幌尻岳の絶景を眺めることができました。

今回は足を伸ばして、七つ沼カールを望むことのできる通称"幌尻の肩"まで歩きました。

七つ沼カールとトッタベツ岳方面の景色は迫力のある絶景で、急峻な日高山脈とカールを見ることのできる日髙山脈の中でもお勧めの場所です。山頂から片道約50分ほどで行くことができるので、時間と体力に余裕がある方、お勧めです。
水やお花畑など食べ物のあるカールはヒグマも大好き(特にハクサンボウフウの根っこが好きでよく掘り返しが見られます)なのでもしかしたらヒグマを見つけることができるかも知れません。

 
また、幌尻岳新冠コースは、先月の大雨により、林道が通行止めとなっています。
登山中級者以上の方(片道18.5キロの林道を荷物を背負って歩くのと、登山道は急登が続くため)、来年以降歩いてみてはいかがでしょうか。
新冠ポロシリ山荘に2泊しての合計3日はかかりますが、奥深い幌尻岳新冠コース。お勧めです。

 

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