知床国立公園 羅臼
188件の記事があります。
2008年10月29日すぐそこまで…。
知床国立公園 羅臼 後藤 菜生子
10月も終わりになりました。季節の変わり目ですね。
みなさんが住んでいる場所ではどんな季節変化が見られているのでしょう。
知床羅臼では、一歩ずつ冬に足を踏み込んでいるな、という印象を
日々受けます。
9月25日、羅臼側から羅臼岳の初冠雪を確認しました。
羅臼岳山頂(9月25日撮影)
山頂の冠雪とはいっても、その頃はまだ日差しも暖かく感じる日が
多かったのです。
紅葉もこれからが見頃、という感じでしたので、これから秋満喫といったところでした。それから2週間くらいかけ紅葉の最盛期が麓に降りてきました。
ツタウルシやヤマウルシ、ヤマブドウの際立って真っ赤な葉に、負けじと
カエデ類やミズナラ、ダケカンバなど次々に赤や黄色に染まっていきます。
が、その紅葉もいつまでも私たちの目を楽しませてはくれませんでした。
あんなに綺麗だった葉が散っていくのと肩を並べるように、寒さが歩みよってきたように感じます。
そして今日は、朝からちらついていた小雨があられに変わりました。
降りだしはゴマ粒ほどだったあられが、勢いを増し小豆ほどの雪の固まりになり、落ちてきます。とうとう、冬が近づいてきたようです。
すぐそこまでやってきている冬。
これからやってくる長い長い知床の冬。
知床の森に棲むヒグマを始め動物たちも、訪れる長い冬を覚悟し始めている
ころでしょうか。
野付半島から望む知床連山(10月27日撮影)
みなさんが住んでいる場所ではどんな季節変化が見られているのでしょう。
知床羅臼では、一歩ずつ冬に足を踏み込んでいるな、という印象を
日々受けます。
9月25日、羅臼側から羅臼岳の初冠雪を確認しました。
羅臼岳山頂(9月25日撮影)
山頂の冠雪とはいっても、その頃はまだ日差しも暖かく感じる日が
多かったのです。
紅葉もこれからが見頃、という感じでしたので、これから秋満喫といったところでした。それから2週間くらいかけ紅葉の最盛期が麓に降りてきました。
ツタウルシやヤマウルシ、ヤマブドウの際立って真っ赤な葉に、負けじと
カエデ類やミズナラ、ダケカンバなど次々に赤や黄色に染まっていきます。
が、その紅葉もいつまでも私たちの目を楽しませてはくれませんでした。
あんなに綺麗だった葉が散っていくのと肩を並べるように、寒さが歩みよってきたように感じます。
そして今日は、朝からちらついていた小雨があられに変わりました。
降りだしはゴマ粒ほどだったあられが、勢いを増し小豆ほどの雪の固まりになり、落ちてきます。とうとう、冬が近づいてきたようです。
すぐそこまでやってきている冬。
これからやってくる長い長い知床の冬。
知床の森に棲むヒグマを始め動物たちも、訪れる長い冬を覚悟し始めている
ころでしょうか。
野付半島から望む知床連山(10月27日撮影)
2008年10月16日秋の森の役者たち
知床国立公園 羅臼 木村 慈延
今月に入って一気に色づき始めた羅臼の紅葉もピークを越え、山の上の方では葉っぱを落としたダケカンバの灰色の幹が目立つようになりました。
また、気温も段々低くなり今朝9時頃の気温は9℃と、そろそろストーブが恋しい時期になってきました。季節は確実に秋から長い冬に向かっているのですが、山の麓の方ではもうしばらく紅葉が楽しめそうです。昨日巡視に出た羅臼岳の登山道では紅葉の他に、秋の恵みを求めて活発に動く動物たちとも出会うことが出来ました。皆さんにも今回見られた動物を紹介したいと思います。
森のアイドル エゾリス。警戒心が強く、しっぽを逆立たせています。とっても可愛いのですが、ストレスを与えないために早めに退散しました。(写真は9月)
エゾコゲラ あちこちから「コツコツコツ」と木を突く音が森に響いていました。人間の存在など気にすることもなく、木の中の小さな虫を夢中になって食べているようで、5m程の距離で観察することが出来ました。
秋の森
地面に落ちたミズナラのドングリや、キウイの味がするコクワ(サルナシ)、甘酸っぱいヤマブドウなど秋の森には食べ物が沢山!!今回は他にも、ミヤマカケス、エゾオオアカゲラ、ヤマゲラなどが見られ、遠くの山ではオスのエゾシカが繁殖期特有の声(ラッティングコール)で鳴いていました。普段山を歩いていて沢山の動物たちと出会うことは希なのですが、季節が冬に移り変わっているように、彼らも冬支度を急いでいるせいか、いつもより活動が活発になっていたようでした。野生動物が厳しい冬に生き残りをかける姿は、秋を彩る役者たちのようだなと感じた巡視のひとときでした。
また、気温も段々低くなり今朝9時頃の気温は9℃と、そろそろストーブが恋しい時期になってきました。季節は確実に秋から長い冬に向かっているのですが、山の麓の方ではもうしばらく紅葉が楽しめそうです。昨日巡視に出た羅臼岳の登山道では紅葉の他に、秋の恵みを求めて活発に動く動物たちとも出会うことが出来ました。皆さんにも今回見られた動物を紹介したいと思います。
森のアイドル エゾリス。警戒心が強く、しっぽを逆立たせています。とっても可愛いのですが、ストレスを与えないために早めに退散しました。(写真は9月)
エゾコゲラ あちこちから「コツコツコツ」と木を突く音が森に響いていました。人間の存在など気にすることもなく、木の中の小さな虫を夢中になって食べているようで、5m程の距離で観察することが出来ました。
秋の森
地面に落ちたミズナラのドングリや、キウイの味がするコクワ(サルナシ)、甘酸っぱいヤマブドウなど秋の森には食べ物が沢山!!今回は他にも、ミヤマカケス、エゾオオアカゲラ、ヤマゲラなどが見られ、遠くの山ではオスのエゾシカが繁殖期特有の声(ラッティングコール)で鳴いていました。普段山を歩いていて沢山の動物たちと出会うことは希なのですが、季節が冬に移り変わっているように、彼らも冬支度を急いでいるせいか、いつもより活動が活発になっていたようでした。野生動物が厳しい冬に生き残りをかける姿は、秋を彩る役者たちのようだなと感じた巡視のひとときでした。
2008年10月09日自然観察会行いました!
知床国立公園 羅臼 後藤 菜生子
9月25日にAR日記でお知らせした、羅臼自然保護官事務所主催の
~紅葉彩る知床国立公園で秋を満喫!~
『間歇泉・羅臼温泉の自然と歴史を探る自然観察会』
予定通り10月5日(日)に開催しました。
参加を希望してくれる方がどれくらいいるだろう。
どんなことに興味をもってくれるだろう。
満足してもらえる解説ができるかな。
紅葉は間に合うだろうか。
お天気は大丈夫かな。
…などなど、心配していた事がたくさんの開催前。
しかし、15名募集のところ締め切りまでに
12名の方からの参加希望がありました。
しかもみなさん羅臼にお住まいの方々。
紅葉はまだ見頃をむかえるには少し時間がありましたが、
お天気も味方してくれ、当日は観察会日和となりました。
羅臼ビジターセンター(以下羅臼VC)から観察会のプログラムは
スタートしました。
まずは、若松自然保護官より国立公園についてのレクチャーです。
日本の国立公園はいくつあるのか、国立公園の利用を規制する地区(地域)
について、保護・管理する意味の一つ「生物多様性」とは、など。
羅臼側の知床国立公園の範囲ってどこからでしょう、との問いに参加者は
改めて地元にある国立公園を意識されていたようでした。
そして山を歩く時の注意事項の一つ、ヒグマに会ったときの対処法を
お話しし、いざ野外へ!
まず、間歇泉まで歩きます。
現在の間歇泉は約50分間隔の周期で噴出することが確認されています。
観察予定時間の2時間ほど前に噴出を確認していたので、
噴出時間を予想して間歇泉まで行きました。
きっと到着したころに噴出するはず!と見込んで。
ところが、到着するのと一足違いで噴出してしまった、とのこと!!
なんてタイミングが悪いの?!
残念ながら参加者の方々と噴出を見ることはできませんでした。。。
気を取り直し…
羅臼温泉野営場を通って、羅臼温泉熊ノ湯の脇を通り、
羅臼園地歩道を歩きます。
羅臼温泉の源泉跡を観察し、現在の温泉が沸いている場所や
どのように温泉を利用しているのかなどの解説を行いました。
歩道を散策しながら、樹木の種によって好んで生えている環境の違いや、
植物の名前の由来、どんな動物が生息しているのか、そしてどんな生活を
しているのか、植物を利用してきた先人の暮らしなどなど…
解説を交えながら、観察を行いました。
特に好評だったのは、アオダモの木の実験!
アオダモの樹皮を水につけると水が青くなるというもの。
アオダモの名前の由来でもあります。
あらかじめ用意していた枝と水入りのペットボトルを使って、
実際に参加者に体験してもらいました。
みなさんとても驚かれていましたよ。
「ここにはけもの道があります」木村AR
「ツルアジサイの白いのは飾り花なんですよ」後藤
途中の休憩地点では安藤自然保護官より、羅臼温泉ができるまで
そして現在に至るまでなど、羅臼温泉の歴史についての話を聞きながら、
温かいココアとお菓子でTea time。。。(ココアだけど)
紅葉し始めた林内に降り注ぐ秋の陽を浴びながら和やかな休憩時間でした。
町内に住む方々でも、なかなか地元の自然の中を歩くことが少ない
という方が多く、身近な自然に触れることができて良かったとの
お声をいただきました。
温かい地元の方々との交流から、私たちも学ばせていただくことが
たくさんありましたし、とても楽しい半日を過ごすことができました。
紅葉に染まるハウチワカエデ
次回また新たに、参加してくださる方々に楽しんでもらえるような
企画を練って開催したいと考えています!!
~紅葉彩る知床国立公園で秋を満喫!~
『間歇泉・羅臼温泉の自然と歴史を探る自然観察会』
予定通り10月5日(日)に開催しました。
参加を希望してくれる方がどれくらいいるだろう。
どんなことに興味をもってくれるだろう。
満足してもらえる解説ができるかな。
紅葉は間に合うだろうか。
お天気は大丈夫かな。
…などなど、心配していた事がたくさんの開催前。
しかし、15名募集のところ締め切りまでに
12名の方からの参加希望がありました。
しかもみなさん羅臼にお住まいの方々。
紅葉はまだ見頃をむかえるには少し時間がありましたが、
お天気も味方してくれ、当日は観察会日和となりました。
羅臼ビジターセンター(以下羅臼VC)から観察会のプログラムは
スタートしました。
まずは、若松自然保護官より国立公園についてのレクチャーです。
日本の国立公園はいくつあるのか、国立公園の利用を規制する地区(地域)
について、保護・管理する意味の一つ「生物多様性」とは、など。
羅臼側の知床国立公園の範囲ってどこからでしょう、との問いに参加者は
改めて地元にある国立公園を意識されていたようでした。
そして山を歩く時の注意事項の一つ、ヒグマに会ったときの対処法を
お話しし、いざ野外へ!
まず、間歇泉まで歩きます。
現在の間歇泉は約50分間隔の周期で噴出することが確認されています。
観察予定時間の2時間ほど前に噴出を確認していたので、
噴出時間を予想して間歇泉まで行きました。
きっと到着したころに噴出するはず!と見込んで。
ところが、到着するのと一足違いで噴出してしまった、とのこと!!
なんてタイミングが悪いの?!
残念ながら参加者の方々と噴出を見ることはできませんでした。。。
気を取り直し…
羅臼温泉野営場を通って、羅臼温泉熊ノ湯の脇を通り、
羅臼園地歩道を歩きます。
羅臼温泉の源泉跡を観察し、現在の温泉が沸いている場所や
どのように温泉を利用しているのかなどの解説を行いました。
歩道を散策しながら、樹木の種によって好んで生えている環境の違いや、
植物の名前の由来、どんな動物が生息しているのか、そしてどんな生活を
しているのか、植物を利用してきた先人の暮らしなどなど…
解説を交えながら、観察を行いました。
特に好評だったのは、アオダモの木の実験!
アオダモの樹皮を水につけると水が青くなるというもの。
アオダモの名前の由来でもあります。
あらかじめ用意していた枝と水入りのペットボトルを使って、
実際に参加者に体験してもらいました。
みなさんとても驚かれていましたよ。
「ここにはけもの道があります」木村AR
「ツルアジサイの白いのは飾り花なんですよ」後藤
途中の休憩地点では安藤自然保護官より、羅臼温泉ができるまで
そして現在に至るまでなど、羅臼温泉の歴史についての話を聞きながら、
温かいココアとお菓子でTea time。。。(ココアだけど)
紅葉し始めた林内に降り注ぐ秋の陽を浴びながら和やかな休憩時間でした。
町内に住む方々でも、なかなか地元の自然の中を歩くことが少ない
という方が多く、身近な自然に触れることができて良かったとの
お声をいただきました。
温かい地元の方々との交流から、私たちも学ばせていただくことが
たくさんありましたし、とても楽しい半日を過ごすことができました。
紅葉に染まるハウチワカエデ
次回また新たに、参加してくださる方々に楽しんでもらえるような
企画を練って開催したいと考えています!!
2008年09月26日秋です!紅葉です!!自然観察会です!!!
知床国立公園 羅臼 後藤 菜生子
9月も半ばを過ぎ、徐々に秋らしくなってきた羅臼です。
24日には羅臼岳で初冠雪が確認され、肌寒く感じる日も多くなりました。
そんな羅臼から、自然観察会のご案内です。
環境省 羅臼自然保護官事務所では10月5日(日)に
~紅葉彩る知床国立公園で秋を満喫!~
『間歇泉・羅臼温泉の自然と歴史を探る自然観察会』
を開催します。
羅臼ビジターセンター付近にある間歇泉や羅臼温泉を探りながら、
紅葉で彩られた自然豊かな知床国立公園内の
羅臼温泉園地歩道を探索し、知床の秋を感じましょう!
というものです。
羅臼温泉園地歩道は、羅臼温泉熊の湯の裏から約1㎞にわたり、
ハンノキやアオダモ、イタヤカエデなどの樹林の中を通っていて、
春から夏にかけては様々な花や鳥のさえずり、秋は紅葉や羅臼川を
遡上するサケ・マスなど、季節を通して自然を楽しむことができます。
ですが、残念ながら地元の方々にもあまり知られていない
歩道でもあるのです。
今回の自然観察会では、たくさんの方々に知床国立公園にある
羅臼温泉園地歩道を広く知ってもらおうと、企画しました。
羅臼温泉園地歩道を含め、羅臼ビジターセンターの付近にある
間歇泉まで足をのばし約2㎞の散策コースで観察会を行います。
私たちアクティブレンジャーとレンジャーが行う間歇泉や羅臼温泉の
歴史と自然の解説を交えながら、紅葉で彩られた知床国立公園を
みなさんと一緒に探索する自然観察会です。
ぜひ、みなさまの参加をお待ちしています。
詳しくは羅臼ビジターセンターのHPをご覧下さい。
http://rausu-vc.jp/2008/09/24-094047.php
昨年秋の羅臼川の様子
間歇泉
24日には羅臼岳で初冠雪が確認され、肌寒く感じる日も多くなりました。
そんな羅臼から、自然観察会のご案内です。
環境省 羅臼自然保護官事務所では10月5日(日)に
~紅葉彩る知床国立公園で秋を満喫!~
『間歇泉・羅臼温泉の自然と歴史を探る自然観察会』
を開催します。
羅臼ビジターセンター付近にある間歇泉や羅臼温泉を探りながら、
紅葉で彩られた自然豊かな知床国立公園内の
羅臼温泉園地歩道を探索し、知床の秋を感じましょう!
というものです。
羅臼温泉園地歩道は、羅臼温泉熊の湯の裏から約1㎞にわたり、
ハンノキやアオダモ、イタヤカエデなどの樹林の中を通っていて、
春から夏にかけては様々な花や鳥のさえずり、秋は紅葉や羅臼川を
遡上するサケ・マスなど、季節を通して自然を楽しむことができます。
ですが、残念ながら地元の方々にもあまり知られていない
歩道でもあるのです。
今回の自然観察会では、たくさんの方々に知床国立公園にある
羅臼温泉園地歩道を広く知ってもらおうと、企画しました。
羅臼温泉園地歩道を含め、羅臼ビジターセンターの付近にある
間歇泉まで足をのばし約2㎞の散策コースで観察会を行います。
私たちアクティブレンジャーとレンジャーが行う間歇泉や羅臼温泉の
歴史と自然の解説を交えながら、紅葉で彩られた知床国立公園を
みなさんと一緒に探索する自然観察会です。
ぜひ、みなさまの参加をお待ちしています。
詳しくは羅臼ビジターセンターのHPをご覧下さい。
http://rausu-vc.jp/2008/09/24-094047.php
昨年秋の羅臼川の様子
間歇泉
2008年08月20日Do you know ヒグマ?!
知床国立公園 羅臼 後藤 菜生子
「ヒグマ」と聞いて、あなたはどんなことを思い浮かべますか?
でかい?怖い?かわいい?木彫りのやつ…?
イメージするものはそれぞれ色々あるかと思います。
では「ヒグマ」について知っていることは何ですか?
この夏、羅臼ビジターセンターの特別展示室では、ヒグマ展「ヒグマを知ろう~知床でのつきあい方~」を開催しています。
ヒグマはなぜ大きな体なのに木登り上手?
赤ちゃんグマのヒミツって?!
森でヒグマに出会ったらどうすればいいの?
などなど…さまざまなハテナにお答えします!
ヒグマの体のつくりから生活・行動、そしてヒグマと上手につきあう方法など、知床羅臼ならではの視点でヒグマのいろいろを知ることができるヒグマ展です。
羅臼ビジターセンターの入口を入ると、ヒグマの足跡が…。特別展示室まで来館者を導きます。
「ヒグマを知ろう」コーナーではヒグマの親子の剥製がお出迎え。
頭骨や爪、実際に羅臼で採取されたヒグマの糞など実物展示で見ることができます。そして、1年を通したヒグマの行動を大きなパネルで紹介。何を食べているのかなどのクイズ形式パネルでヒグマの生活を知ることができます。
私はこのコーナーの中でヒグマの食べ物と赤ちゃんグマのヒミツを担当しました。
知床のヒグマが1年間に何を食べているのか。想像しながら考えてもらいたいなと思い、季節ごとの食べ物(一部)を絵に描いて一つひとつをピースにし、自由にボードに貼ってもらえるようなクイズにしました。(上の写真:左)
ヒグマの妊娠・出産にはある特徴があります。同じ哺乳類で知床にも多く生息するエゾシカの妊娠・出産と比べてどんな特徴的があるのかを見てもらおうと、試行錯誤して作ったヒグマの赤ちゃんクイズです。(上の写真:右)
AとBの袋、400gと3㎏の重さで作ってある2つの袋があります。実はこれ、ヒグマとエゾシカの赤ちゃんの産まれる時と同じ重さに作ったものなんです。
どっちがヒグマ?を触って考えてもらおう、どうしてそんな特徴があるのかを知ってもらおう、と考えて作ったクイズです。
「???」と首をかしげながら持ち上げてみる方が多いみたいです。
「ヒグマとのつきあい方」コーナー
そして、後半の「ヒグマとのつきあい方」コーナーでは、人とトラブルを起こしてしまうヒグマがどうしてそうなってしまったのかをイラストで解説。
知床の山域に入るときのチェックシートや、ヒグマの森の入り方ブックで未然にトラブルを防ぐためにどんな行動が望まれるのかを知ることができます。また、羅臼ではどのようなヒグマ対応をしているのか、その取り組みを紹介するパネルを設け、対応をしている財団法人知床財団の活動も紹介しています。
知床に棲むヒグマは、高山、沼、河川、湿地、海岸など多彩な地形から成る多様な生態系を利用しています。そんな知床の自然の中でたくましく生きるヒグマ。そして、知床で共に生活する私たちや、観光で訪れるたくさんの方々。
トラブルを引き起こしてしまうヒグマを生み出さない為には、ヒグマとどのようにつきあっていけばよいかなどをぜひ一緒に考えてみませんか。
※10月中旬まで開催中です。
でかい?怖い?かわいい?木彫りのやつ…?
イメージするものはそれぞれ色々あるかと思います。
では「ヒグマ」について知っていることは何ですか?
この夏、羅臼ビジターセンターの特別展示室では、ヒグマ展「ヒグマを知ろう~知床でのつきあい方~」を開催しています。
ヒグマはなぜ大きな体なのに木登り上手?
赤ちゃんグマのヒミツって?!
森でヒグマに出会ったらどうすればいいの?
などなど…さまざまなハテナにお答えします!
ヒグマの体のつくりから生活・行動、そしてヒグマと上手につきあう方法など、知床羅臼ならではの視点でヒグマのいろいろを知ることができるヒグマ展です。
羅臼ビジターセンターの入口を入ると、ヒグマの足跡が…。特別展示室まで来館者を導きます。
「ヒグマを知ろう」コーナーではヒグマの親子の剥製がお出迎え。
頭骨や爪、実際に羅臼で採取されたヒグマの糞など実物展示で見ることができます。そして、1年を通したヒグマの行動を大きなパネルで紹介。何を食べているのかなどのクイズ形式パネルでヒグマの生活を知ることができます。
私はこのコーナーの中でヒグマの食べ物と赤ちゃんグマのヒミツを担当しました。
知床のヒグマが1年間に何を食べているのか。想像しながら考えてもらいたいなと思い、季節ごとの食べ物(一部)を絵に描いて一つひとつをピースにし、自由にボードに貼ってもらえるようなクイズにしました。(上の写真:左)
ヒグマの妊娠・出産にはある特徴があります。同じ哺乳類で知床にも多く生息するエゾシカの妊娠・出産と比べてどんな特徴的があるのかを見てもらおうと、試行錯誤して作ったヒグマの赤ちゃんクイズです。(上の写真:右)
AとBの袋、400gと3㎏の重さで作ってある2つの袋があります。実はこれ、ヒグマとエゾシカの赤ちゃんの産まれる時と同じ重さに作ったものなんです。
どっちがヒグマ?を触って考えてもらおう、どうしてそんな特徴があるのかを知ってもらおう、と考えて作ったクイズです。
「???」と首をかしげながら持ち上げてみる方が多いみたいです。
「ヒグマとのつきあい方」コーナー
そして、後半の「ヒグマとのつきあい方」コーナーでは、人とトラブルを起こしてしまうヒグマがどうしてそうなってしまったのかをイラストで解説。
知床の山域に入るときのチェックシートや、ヒグマの森の入り方ブックで未然にトラブルを防ぐためにどんな行動が望まれるのかを知ることができます。また、羅臼ではどのようなヒグマ対応をしているのか、その取り組みを紹介するパネルを設け、対応をしている財団法人知床財団の活動も紹介しています。
知床に棲むヒグマは、高山、沼、河川、湿地、海岸など多彩な地形から成る多様な生態系を利用しています。そんな知床の自然の中でたくましく生きるヒグマ。そして、知床で共に生活する私たちや、観光で訪れるたくさんの方々。
トラブルを引き起こしてしまうヒグマを生み出さない為には、ヒグマとどのようにつきあっていけばよいかなどをぜひ一緒に考えてみませんか。
※10月中旬まで開催中です。
2008年08月06日羅臼湖に入る際のお願いです
知床国立公園 羅臼 木村 慈延
今年も羅臼湖の入り口に、路上駐車を遠慮していただくための看板を設置しました。このような看板を設置しているのは、羅臼湖の入り口に駐車場が無いためです。特に夏は多くの方が利用するので、1台の車が路上駐車すると他の車も続いて駐車してしまい、道路が渋滞して大変危険です。このような事態を避けるためにも、マイカー・レンタカーをご利用の方は、知床峠の駐車場に駐車のうえ入り口まで歩いて頂くか、バス・ハイヤーのご利用をお願いしています。羅臼湖へお越しの方々には、大変お手数をおかけしますが、ご協力下さいますよう、どうぞ宜しくお願い致します。
*バス・ハイヤーをご利用の場合、羅臼湖までの所用時間は、羅臼からは約20分、ウトロからは約30分になります。
●バスを利用される場合
斜里バス(ウトロターミナル) TEL:0152-24-2054
阿寒バス(羅臼営業所) TEL:0153-87-2046
●ハイヤーを利用される場合
羅臼ハイヤー TEL:0153-87-2002
ウトロ観光ハイヤー TEL:0152-24-2121
看板設置後
雄大にそびえ立つ羅臼岳
峠から羅臼湖入り口までの区間で撮影したものです。峠から羅臼湖の入り口までは徒歩で片道約1時間の道のりですので、歩かれる方はくれぐれも車にはお気を付け下さい。また、世界的にみても高密度のヒグマ生息域である知床では、ヒグマに関する知識と対策も万全にしてお越し下さい。
*バス・ハイヤーをご利用の場合、羅臼湖までの所用時間は、羅臼からは約20分、ウトロからは約30分になります。
●バスを利用される場合
斜里バス(ウトロターミナル) TEL:0152-24-2054
阿寒バス(羅臼営業所) TEL:0153-87-2046
●ハイヤーを利用される場合
羅臼ハイヤー TEL:0153-87-2002
ウトロ観光ハイヤー TEL:0152-24-2121
看板設置後
雄大にそびえ立つ羅臼岳
峠から羅臼湖入り口までの区間で撮影したものです。峠から羅臼湖の入り口までは徒歩で片道約1時間の道のりですので、歩かれる方はくれぐれも車にはお気を付け下さい。また、世界的にみても高密度のヒグマ生息域である知床では、ヒグマに関する知識と対策も万全にしてお越し下さい。
2008年07月28日そこは天国?!地獄?!
知床国立公園 羅臼 後藤 菜生子
木村ARが向かう先は?!
これはどこへつながる道?!この先に待つのはエンマ様?!
と、思わず叫びたくなるような光景。(実際叫んだ私…)
お先真っ暗…ならぬ、お先真っ白です。
木村ARが歩いている場所は、標高約1540m、山と山がつながる稜線です。
なぜこんな所を歩いているのでしょう。
7月3連休、私達羅臼自然保護官事務所のアクティブレンジャーとウトロ自然保護官事務所のアクティブレンジャー2名の計4名は、2泊3日で知床連山巡視に行ってきました。
知床連山は羅臼岳から硫黄山まで計8つの山が連なっています。
羅臼岳は登山客も多く、日帰りでも登山が可能ですが、その先につながる連山へは連泊をしなければ行けません。山小屋などはないのでテントやシュラフ、食料や水などを背負って行きます。
私達の目的は、利用状況の把握や自然環境の調査などです。
私達、羅臼組は羅臼岳登山口から約8時間歩いた二つ池野営地にテントを貼り、そこをベースに巡視を行いました。
写真は2日目、二つ池野営地からさらに奥、知円別岳から硫黄山に続く稜線上です。
この日は朝から、あいにくの天気。濃い霧に包まれた朝4時に野営地を出発し、硫黄山に向かいます。
しかしこの濃い霧は、景色だけでなく登山道も不明瞭にしてくれます。
しかも、登山道といってもわずかに人があるいた形跡があるかないかのような分かりづらい場所もあり、迷いやすくとても危険!
その上、稜線上は遮るものが何もなく強い風に吹き飛ばされそう!足元はガレ場で、見えない谷に石が落ちていく音がよけい不安にさせます。
ようやく、やっとの思いでたどり着いた先は…???
そこは天国でした!
さっきまでの天気が嘘のように霧が晴れ、太陽が顔を出してくれました。
この時、私達が向かっていた場所は硫黄山第一火口野営地という場所。
雪渓の上に立つ木村ARの先に広がる台地にその野営地はあります。
私達が到着した時は、利用している人はいませんでしたが、フードロッカー(食料保管庫)やテント設営地、その他異常がないことを確認しました。
よかった~!晴れたね!
最高の天気に帰り足も弾みます。
知円別岳
テントを設営した二つ池野営地に戻る帰り道。稜線から望む知円別岳や硫黄山、その連なりの先に見える羅臼岳、雲海が広がる先にかすかに見える国後島を見ながら、まるで天上界にいるような気分でした。
でも…。
行きには濃い霧で見えなかったけど、景色が見えるようになると歩いてきた道が細く高い稜線にあるのを実感。ほんとに山の背を歩いてきたんだ、と。足元のガレ場の石が落ちていく谷が見え、何度足がすくんだことか…。
見えないって怖いけど、同時に見える怖さも知ったのでした。
これはどこへつながる道?!この先に待つのはエンマ様?!
と、思わず叫びたくなるような光景。(実際叫んだ私…)
お先真っ暗…ならぬ、お先真っ白です。
木村ARが歩いている場所は、標高約1540m、山と山がつながる稜線です。
なぜこんな所を歩いているのでしょう。
7月3連休、私達羅臼自然保護官事務所のアクティブレンジャーとウトロ自然保護官事務所のアクティブレンジャー2名の計4名は、2泊3日で知床連山巡視に行ってきました。
知床連山は羅臼岳から硫黄山まで計8つの山が連なっています。
羅臼岳は登山客も多く、日帰りでも登山が可能ですが、その先につながる連山へは連泊をしなければ行けません。山小屋などはないのでテントやシュラフ、食料や水などを背負って行きます。
私達の目的は、利用状況の把握や自然環境の調査などです。
私達、羅臼組は羅臼岳登山口から約8時間歩いた二つ池野営地にテントを貼り、そこをベースに巡視を行いました。
写真は2日目、二つ池野営地からさらに奥、知円別岳から硫黄山に続く稜線上です。
この日は朝から、あいにくの天気。濃い霧に包まれた朝4時に野営地を出発し、硫黄山に向かいます。
しかしこの濃い霧は、景色だけでなく登山道も不明瞭にしてくれます。
しかも、登山道といってもわずかに人があるいた形跡があるかないかのような分かりづらい場所もあり、迷いやすくとても危険!
その上、稜線上は遮るものが何もなく強い風に吹き飛ばされそう!足元はガレ場で、見えない谷に石が落ちていく音がよけい不安にさせます。
ようやく、やっとの思いでたどり着いた先は…???
そこは天国でした!
さっきまでの天気が嘘のように霧が晴れ、太陽が顔を出してくれました。
この時、私達が向かっていた場所は硫黄山第一火口野営地という場所。
雪渓の上に立つ木村ARの先に広がる台地にその野営地はあります。
私達が到着した時は、利用している人はいませんでしたが、フードロッカー(食料保管庫)やテント設営地、その他異常がないことを確認しました。
よかった~!晴れたね!
最高の天気に帰り足も弾みます。
知円別岳
テントを設営した二つ池野営地に戻る帰り道。稜線から望む知円別岳や硫黄山、その連なりの先に見える羅臼岳、雲海が広がる先にかすかに見える国後島を見ながら、まるで天上界にいるような気分でした。
でも…。
行きには濃い霧で見えなかったけど、景色が見えるようになると歩いてきた道が細く高い稜線にあるのを実感。ほんとに山の背を歩いてきたんだ、と。足元のガレ場の石が落ちていく谷が見え、何度足がすくんだことか…。
見えないって怖いけど、同時に見える怖さも知ったのでした。
2008年07月02日巡視場所紹介③
知床国立公園 羅臼 後藤 菜生子
みなさん、こんにちは。
木村ARの投稿に引き続き、私たちが定期的に行っている巡視場所の紹介をしたいと思います。
第3回目の今回は、私たちが「相泊」と呼んでいる巡視場所の紹介です。
「相泊」とは?
知床半島は先端部まで車道は通っていません。途中までしか車道はないので、知床半島に車で行ける最北東端の地が「相泊」という地名の場所です。
羅臼町内から道道87号知床公園羅臼線を北上し終点の相泊まで約24㎞、その往復約48㎞の行程が、私たちが「相泊」と呼んでいる巡視場所です。
相泊巡視では
・施設利用状況の把握
・利用者動向の確認
・自然状況の把握
を主な調査項目として、巡視を行っています。
オジロワシ
相泊に向かう道路沿いでは、よくオジロワシを見かけます。ここには、繁殖している番(つがい)がいるのです。手前に写っているのはハシボソガラスですが、大きさの違いがよく分かると思います。
海岸や木の上にとまっている姿や、上空を飛翔している姿などを目撃することができます。
他にも、冬場はたくさんのカモ類などの水鳥を海上に見ることができますし、現在山側では様々な夏鳥のさえずりを聞くことができます。
ヒカリゴケ
北海道指定天然記念物の一つで、マッカウス洞窟に自生するヒカリゴケです。幻想的なグリーン色を放つヒカリゴケは、そのものが光を放っているのではなく、ヒカリゴケの茎にあるレンズ状の細胞に光が反射し、光っているように見えるのです。神秘的な光です。見る角度によって光の強さなどが違って見えるので、方向を変えて見てみるといいですよ。
くじらの見える丘公園(羅臼漁港も見えます)
ざいもく岩トンネル上には羅臼灯台があり、その隣にくじらの見える丘公園があります。
羅臼の海では8種類のクジラの仲間や、シャチやイルカが確認されています。
丘からクジラやシャチの姿を観察できるのは日本でもここ羅臼だけ! くじらの見える丘公園はその観察にとても適している場所なんです。
丘からクジラの噴気が見えるなんてすごいと思いませんか?!しかも、今年はシャチの目撃件数が多いらしく、高い確率で確認されているようですよ!
また、道道87号知床公園羅臼線沿いには相泊温泉とセセキ温泉という温泉があります。どちらも海の向こうには国後島を眺めることもでき、開放的な温泉です。
相泊温泉は日本最北東端の温泉です。6月下旬から8月末(日程は要問い合わせ)には浴槽を囲う屋根付きの小屋が掛けられ、脱衣所と浴槽が男女別になります。期間中でも高波の影響で小屋を撤去する場合もありますのでご注意を。
セセキ温泉は「北の国から2002遺言」で撮影地になった温泉です。こちらは番屋の方が個人で管理している温泉ですので、入浴の際は必ず管理人の方に声をかけてくださいね。入浴料は無料ですが、清掃協力金として寸志をお願いします。また、写真を撮るだけでも、個人の敷地に入るわけですから、管理人の方にひと言お断りをお願いします。
どちらも海岸にある温泉なので、入浴可能な期間や時間帯があります。また、特に女性の方は脱衣所などの設備等の情報を、事前に確認してからお越しください。
地元の漁師さんを始め多くの方々が利用する温泉です。ルール・マナーを守って気持ち良く入浴しましょう。
山も海も動物も植物も温泉も楽しめる、道道87号知床公園羅臼線。
知床半島の最北東端にぜひ、いらしてみては?!
木村ARの投稿に引き続き、私たちが定期的に行っている巡視場所の紹介をしたいと思います。
第3回目の今回は、私たちが「相泊」と呼んでいる巡視場所の紹介です。
「相泊」とは?
知床半島は先端部まで車道は通っていません。途中までしか車道はないので、知床半島に車で行ける最北東端の地が「相泊」という地名の場所です。
羅臼町内から道道87号知床公園羅臼線を北上し終点の相泊まで約24㎞、その往復約48㎞の行程が、私たちが「相泊」と呼んでいる巡視場所です。
相泊巡視では
・施設利用状況の把握
・利用者動向の確認
・自然状況の把握
を主な調査項目として、巡視を行っています。
オジロワシ
相泊に向かう道路沿いでは、よくオジロワシを見かけます。ここには、繁殖している番(つがい)がいるのです。手前に写っているのはハシボソガラスですが、大きさの違いがよく分かると思います。
海岸や木の上にとまっている姿や、上空を飛翔している姿などを目撃することができます。
他にも、冬場はたくさんのカモ類などの水鳥を海上に見ることができますし、現在山側では様々な夏鳥のさえずりを聞くことができます。
ヒカリゴケ
北海道指定天然記念物の一つで、マッカウス洞窟に自生するヒカリゴケです。幻想的なグリーン色を放つヒカリゴケは、そのものが光を放っているのではなく、ヒカリゴケの茎にあるレンズ状の細胞に光が反射し、光っているように見えるのです。神秘的な光です。見る角度によって光の強さなどが違って見えるので、方向を変えて見てみるといいですよ。
くじらの見える丘公園(羅臼漁港も見えます)
ざいもく岩トンネル上には羅臼灯台があり、その隣にくじらの見える丘公園があります。
羅臼の海では8種類のクジラの仲間や、シャチやイルカが確認されています。
丘からクジラやシャチの姿を観察できるのは日本でもここ羅臼だけ! くじらの見える丘公園はその観察にとても適している場所なんです。
丘からクジラの噴気が見えるなんてすごいと思いませんか?!しかも、今年はシャチの目撃件数が多いらしく、高い確率で確認されているようですよ!
また、道道87号知床公園羅臼線沿いには相泊温泉とセセキ温泉という温泉があります。どちらも海の向こうには国後島を眺めることもでき、開放的な温泉です。
相泊温泉は日本最北東端の温泉です。6月下旬から8月末(日程は要問い合わせ)には浴槽を囲う屋根付きの小屋が掛けられ、脱衣所と浴槽が男女別になります。期間中でも高波の影響で小屋を撤去する場合もありますのでご注意を。
セセキ温泉は「北の国から2002遺言」で撮影地になった温泉です。こちらは番屋の方が個人で管理している温泉ですので、入浴の際は必ず管理人の方に声をかけてくださいね。入浴料は無料ですが、清掃協力金として寸志をお願いします。また、写真を撮るだけでも、個人の敷地に入るわけですから、管理人の方にひと言お断りをお願いします。
どちらも海岸にある温泉なので、入浴可能な期間や時間帯があります。また、特に女性の方は脱衣所などの設備等の情報を、事前に確認してからお越しください。
地元の漁師さんを始め多くの方々が利用する温泉です。ルール・マナーを守って気持ち良く入浴しましょう。
山も海も動物も植物も温泉も楽しめる、道道87号知床公園羅臼線。
知床半島の最北東端にぜひ、いらしてみては?!
2008年06月24日巡視場所紹介②
知床国立公園 羅臼 木村 慈延
6月も残すところあと一週間ほどになりました。
羅臼ビジターセンターから見える木々もすっかり濃い緑色。眩しいくらい鮮やかに見えます。晴れた日の散歩はとても気持ちがいいですよ。
今日は巡視場所の紹介その②で、「羅臼湖」を取り上げたいと思います。
羅臼湖は知床国立公園内では最大の湖沼であり、羅臼湖に至る歩道沿線には原生的な状態に保たれた湿原や針広混交樹林が広がる、本来の知床らしい自然の醍醐味が味わえる貴重な場所のひとつです。
羅臼湖歩道には、終点の羅臼湖に至るまで一の沼から五の沼までの五つの沼があるのですが、それぞれの沼とその背景に見える山や森林湿原との組み合わせが変わっていくのが魅力の一つです。
三の沼から見える羅臼岳。風のない穏やかな日は湖面に映った「逆さ羅臼岳」を見ることが出来ます。
知西別岳(1317m)と羅臼湖。山と湿原の間に青く細いライン状に見えるのが羅臼湖です。少し遠くに見える写真を使ったのは、みなさんが羅臼湖に行った時の感動を残しておくためです。(※実際は良い写真がなかっただけなのですが。)
ところでこの羅臼湖歩道ですが、先週、根室支庁が中心となって行う維持補修作業が実施されました。参加したのは、我々環境省はもちろん林野庁、羅臼町、羅臼山岳会、地元の自然ガイドさんと地域の関係する方々で、訪れる方々に安全に快適に利用してもらおうと総勢20名ほどが大奮闘の末、壊れた木道や、ぬかるんだ歩道など要改善箇所が補修されました。
羅臼湖歩道は、知床五湖に比べるとまだまだ知られていないのですが、近年ではその素晴らしさが浸透し多くの利用者により親しまれるようになってきましたが、その一方で過剰利用に伴う歩道の洗掘やヒグマとの軋轢といった様々な問題が生じているのも事実です。
素晴らしい羅臼湖の自然を守りながらも、楽しく安全に利用してもらいたいと思いますので、ご利用の際は知床国立公園利用のマナー「羅臼湖」
(http://www.env.go.jp/park/shiretoko/guide/rule_1/rule_rausuko.html)をぜひご覧頂き、ルール・マナーを遵守した利用の推進へご協力宜しくお願い致します。
羅臼ビジターセンターから見える木々もすっかり濃い緑色。眩しいくらい鮮やかに見えます。晴れた日の散歩はとても気持ちがいいですよ。
今日は巡視場所の紹介その②で、「羅臼湖」を取り上げたいと思います。
羅臼湖は知床国立公園内では最大の湖沼であり、羅臼湖に至る歩道沿線には原生的な状態に保たれた湿原や針広混交樹林が広がる、本来の知床らしい自然の醍醐味が味わえる貴重な場所のひとつです。
羅臼湖歩道には、終点の羅臼湖に至るまで一の沼から五の沼までの五つの沼があるのですが、それぞれの沼とその背景に見える山や森林湿原との組み合わせが変わっていくのが魅力の一つです。
三の沼から見える羅臼岳。風のない穏やかな日は湖面に映った「逆さ羅臼岳」を見ることが出来ます。
知西別岳(1317m)と羅臼湖。山と湿原の間に青く細いライン状に見えるのが羅臼湖です。少し遠くに見える写真を使ったのは、みなさんが羅臼湖に行った時の感動を残しておくためです。(※実際は良い写真がなかっただけなのですが。)
ところでこの羅臼湖歩道ですが、先週、根室支庁が中心となって行う維持補修作業が実施されました。参加したのは、我々環境省はもちろん林野庁、羅臼町、羅臼山岳会、地元の自然ガイドさんと地域の関係する方々で、訪れる方々に安全に快適に利用してもらおうと総勢20名ほどが大奮闘の末、壊れた木道や、ぬかるんだ歩道など要改善箇所が補修されました。
羅臼湖歩道は、知床五湖に比べるとまだまだ知られていないのですが、近年ではその素晴らしさが浸透し多くの利用者により親しまれるようになってきましたが、その一方で過剰利用に伴う歩道の洗掘やヒグマとの軋轢といった様々な問題が生じているのも事実です。
素晴らしい羅臼湖の自然を守りながらも、楽しく安全に利用してもらいたいと思いますので、ご利用の際は知床国立公園利用のマナー「羅臼湖」
(http://www.env.go.jp/park/shiretoko/guide/rule_1/rule_rausuko.html)をぜひご覧頂き、ルール・マナーを遵守した利用の推進へご協力宜しくお願い致します。
知床半島を貫く知床連山で最も高い山です。その標高は1661m。
登山口の標高が約100mなので頂上との標高差が約1500mもある山です。
10月最後の日、まだ晩秋の気配がわずかに感じられる麓を、私たち羅臼の
自然保護官とアクティブレンジャーは羅臼岳巡視に出発しました。
登り初めて1時間、標高364mの里見台を過ぎたあたりから、登山道に積雪が
確認されました。
そして標高995mの屏風岩付近では積雪20㎝ほど。1340mの羅臼平付近では
積雪50㎝ほどもありました。
前回羅臼岳巡視に来た10月15日にはそんな気配すらなかったのに、
たった半月でこんなに景色がちがうの?!と驚きました。
積雪が足首よりも超えると徐々に歩きづらくなってきます。
羅臼平付近の積雪50㎝程もあると膝上になり、先頭を歩く人は雪を踏み固めるだけで体力消耗してしまいます。
「ハァハァ」息を切らしながら懸命に登った先に広がる羅臼平。
登るのに一生懸命になりすぎてふと気づくと、足下の雪質はパウダーで、
握ってもサラサラと手からこぼれるほどの雪。
そして辺り一面、自然が造り出した芸術作品に囲まれていました。
(山頂直下)
ウトロ側からの強風で吹き付けられた雪と氷が樹木や岩に着氷し、
まるで白い塗料を吹き付けた大きな作品の中にいるようでした。
そして、山頂。
眼下には別世界が広がっていました。
雪をまとい始めた知床連山、山々が映り込みそうなほど真っ青なオホーツク海、その水平線に浮かぶ国後島…
冷たい澄んだ空気が大空に一層鮮明に写しだしているようでした。
今年も多くの登山者を迎え、楽しませてくれた羅臼岳、知床連山の山々。
生き物の息吹が感じられない冬山は、可憐に咲く花も綺麗な声でさえずる
小鳥も見ることはできません。
私たち人間の侵入もそう簡単に許してはくれない厳しさが冬山にはあります。
しかし、それもまた知床の山々の表情なのでしょう。
今回の巡視では、そんな冬山へと変わっていく姿を垣間見た気がしました。
屏風岩迷い込みロープ回収作業
屏風岩は下りすぎてしまうとサシルイ方面に迷い込んでしまう恐れがある
ため、毎年山開き前に迷い込み防止ロープを張っています。
冬期はそのロープも雪の下になってしまい、積雪の重さに耐えきれず切れて
しまったり痛んだりしてしまうので、冬期前には回収しています。
屏風岩の大雪渓が溶ける6月下旬から7月上旬頃にまた設置します。
今回の巡視目的の一つだった回収作業も無事終え、新たな羅臼岳の表情を見ることが出来た満足感に浸りつつ、白銀の天上界から無事下山してきました。
また来年もたくさんの人がこの羅臼岳を訪れてくれることを願いながら…。