知床国立公園 羅臼
188件の記事があります。
2009年03月06日冬の知床を歩きませんか?【自然観察会のご案内】
知床国立公園 羅臼 後藤 菜生子
もう3月ですね。
みなさんが住んでいるところでは、春のような陽気に思わずほころぶ梅…
などがもう見られている頃でしょうか?
ここ知床半島羅臼はまだまだ冬、といった感じです。
日中もマイナス1~3度、夜はマイナス10度くらいに冷え込みます。
そんな冬はお家でこたつでも入りながらゆっくりしたくなります。
でもでも!そんな冬こそ外に出なければもったいない!
知床の自然は冬でも魅力にあふれています。雪があるから行ける場所も増え、知床の冬ならではの景色が夏とは全く違う表情をみせます。
そして、厳しい冬を生き抜く戦略を持った生き物たちに出会うことも、また冬の魅力の一つです。
そこで羅臼自然保護官事務所では、秋に続き第2弾となる自然観察会を行います。
3月20日(金・春分の日)
冬の知床国立公園で自然観察会
『~スノーシューハイクで体感!のぞいてみよう!雪の世界~』
と題し、羅臼温泉施設周辺、熊越の滝下流ダムで自然を観察しながらスノーシューで歩く、自然観察会を開催します。
滝の上から下流のダム周辺を眺めた様子
「毎日の雪かきで雪はもう飽きたわ」という人でも、
「冬は花もないしつまらない」という人でも、
みんなとスノーシューで歩けばきっと新しい発見があるはず!
冬の自然を“のぞいて”観察するプログラムを用意しています。
詳しくはコチラをご覧下さい↓↓↓
羅臼ビジターセンターのHPでも紹介しています。
http://rausu-vc.jp/2009/03/06-171059.php
雪の上には動物のサインが残されています。どんな動物に出会えるかな??
みなさんが住んでいるところでは、春のような陽気に思わずほころぶ梅…
などがもう見られている頃でしょうか?
ここ知床半島羅臼はまだまだ冬、といった感じです。
日中もマイナス1~3度、夜はマイナス10度くらいに冷え込みます。
そんな冬はお家でこたつでも入りながらゆっくりしたくなります。
でもでも!そんな冬こそ外に出なければもったいない!
知床の自然は冬でも魅力にあふれています。雪があるから行ける場所も増え、知床の冬ならではの景色が夏とは全く違う表情をみせます。
そして、厳しい冬を生き抜く戦略を持った生き物たちに出会うことも、また冬の魅力の一つです。
そこで羅臼自然保護官事務所では、秋に続き第2弾となる自然観察会を行います。
3月20日(金・春分の日)
冬の知床国立公園で自然観察会
『~スノーシューハイクで体感!のぞいてみよう!雪の世界~』
と題し、羅臼温泉施設周辺、熊越の滝下流ダムで自然を観察しながらスノーシューで歩く、自然観察会を開催します。
滝の上から下流のダム周辺を眺めた様子
「毎日の雪かきで雪はもう飽きたわ」という人でも、
「冬は花もないしつまらない」という人でも、
みんなとスノーシューで歩けばきっと新しい発見があるはず!
冬の自然を“のぞいて”観察するプログラムを用意しています。
詳しくはコチラをご覧下さい↓↓↓
羅臼ビジターセンターのHPでも紹介しています。
http://rausu-vc.jp/2009/03/06-171059.php
雪の上には動物のサインが残されています。どんな動物に出会えるかな??
2009年02月27日紹介します!!【その②】
知床国立公園 羅臼 木村 慈延
先月24日にシャチの骨格標本が展示されるなど、冬でも目が離せない羅臼ビジターセンターですが、ひっそりと!?リニューアルされた展示物があります。ささやかですが、見に来た人が羅臼の四季の移ろいを想像して貰えるような展示物になっています。その名も「アクティブレンジャーコーナー」
こうした物を作った背景には、日々の巡視で得た様々な情報を皆さんにも見て貰いたいと感じていたことや、お客さんに今どんな花が咲いているか、どんな生き物が見られるか等、季節の移り変わりを手軽に感じてもらえる情報コーナーがあれば良いと思っていたためです。
中身はこんな感じです。
①鳥・花暦ごよみ
・羅臼近辺で見られる鳥と花の一年史です。自然散策の参考にどうぞ!
②巡視中に撮影した風景や動植物の写真表(解説付き)
・春~秋はこまめに更新する予定です。
③パークレンジャー(自然保護官:レンジャー、自然保護官補佐:アクティブレンジャー)ってどんなもの?パネル
・最近は色々な所で目にするレンジャーという言葉ですが、ここでは国立公園で働くレンジャーの仕事について紹介しています。
④アクティブレンジャー日記・定点写真の紹介
・このページで更新されている日記と、羅臼岳の四季の変化を毎週同じ場所で撮り続けてきた後藤ARの集大成!
シャチに比べるとインパクトには欠けてしまうかもしれませんが、見に来た人に羅臼の四季の移ろいや、魅力を少しでも伝えられるコーナーにして行きたいと思います。羅臼ビジターセンターにお越しの際は、是非ごらんになって下さい。
こうした物を作った背景には、日々の巡視で得た様々な情報を皆さんにも見て貰いたいと感じていたことや、お客さんに今どんな花が咲いているか、どんな生き物が見られるか等、季節の移り変わりを手軽に感じてもらえる情報コーナーがあれば良いと思っていたためです。
中身はこんな感じです。
①鳥・花暦ごよみ
・羅臼近辺で見られる鳥と花の一年史です。自然散策の参考にどうぞ!
②巡視中に撮影した風景や動植物の写真表(解説付き)
・春~秋はこまめに更新する予定です。
③パークレンジャー(自然保護官:レンジャー、自然保護官補佐:アクティブレンジャー)ってどんなもの?パネル
・最近は色々な所で目にするレンジャーという言葉ですが、ここでは国立公園で働くレンジャーの仕事について紹介しています。
④アクティブレンジャー日記・定点写真の紹介
・このページで更新されている日記と、羅臼岳の四季の変化を毎週同じ場所で撮り続けてきた後藤ARの集大成!
シャチに比べるとインパクトには欠けてしまうかもしれませんが、見に来た人に羅臼の四季の移ろいや、魅力を少しでも伝えられるコーナーにして行きたいと思います。羅臼ビジターセンターにお越しの際は、是非ごらんになって下さい。
2009年02月25日紹介します!【その①】
知床国立公園 羅臼 後藤 菜生子
↓↓↓
「がおぉ~!!!」
とばかりの迫力!まるで恐竜のよう。
大きな口に並ぶするどい歯、5本の指がある大きな前肢。
さて、この動物は???
学名をOrcinus orcaといい、
英名ではKiller whale、
アイヌ語では「レブン・カムイ」(沖をつかさどる神という意味)、
漢字では「鯱」と書き、
和名では「サカマタ」などとも呼ばれます。
そう…実はシャチなんです。
約4年前の平成17年2月7日。
羅臼町の相泊で11~12頭のシャチの群れが発見されました。海岸に打ち寄せていた流氷に挟まれ座礁してしまったのです。
羅臼町の協力もあり、当時この群れの中で最も大きかったオスの1頭を骨格標本にすることとなりました。肉片を落とすために3年間斜里町博物館の敷地内に埋められていたシャチは、掘り起こされたあと約1年京都にある標本作製業者に預けられ、ふたたび羅臼に戻ってきた、というわけです。
というわけで、今日は羅臼ビジターセンターに仲間入りした新顔くんをご紹介します。
体長7.65m、体重6.6㎏、34歳のオスのシャチです。
その骨格は頭部を下に背骨、尾びれと組み立てられ天井からつり下げられています。今月の24日から一般公開が始まり、常設展示されています。
まず、その大きさに驚くことでしょう。
後方に写っているのはメスのトドですが、約2.5mあります。今まで見上げるほど大きいと感じていたトドが小さく見えるほど。
(展示室の主役?を奪われちょっと恨めしそうにシャチを見つめているよう)
また、祖先が海中生活をし始めたときに前ひれに変わった前肢や、退化した骨盤、イカや小魚からアザラシなど様々なものをエサとする牙状の歯、など、シャチの進化の過程や生態、体のつくりを間近で見ることができます。
ぜひ、羅臼のシャチに会いにきてください!
羅臼沖で撮影したオスのシャチ 2008年6月28日撮影
【羅臼ビジターセンター】
開館時間:11~4月 10:00~16:00 (5月~10月 9:00~17:00)
休館日:月曜日および年末年始
入館料:無料
http://rausu-vc.jp/
【参考文献】
・クジラ・イルカ大図鑑 A.マーティン 平凡社 1991年12月6日
・クジラの超能力 水口博也 講談社 2006年6月1日
「がおぉ~!!!」
とばかりの迫力!まるで恐竜のよう。
大きな口に並ぶするどい歯、5本の指がある大きな前肢。
さて、この動物は???
学名をOrcinus orcaといい、
英名ではKiller whale、
アイヌ語では「レブン・カムイ」(沖をつかさどる神という意味)、
漢字では「鯱」と書き、
和名では「サカマタ」などとも呼ばれます。
そう…実はシャチなんです。
約4年前の平成17年2月7日。
羅臼町の相泊で11~12頭のシャチの群れが発見されました。海岸に打ち寄せていた流氷に挟まれ座礁してしまったのです。
羅臼町の協力もあり、当時この群れの中で最も大きかったオスの1頭を骨格標本にすることとなりました。肉片を落とすために3年間斜里町博物館の敷地内に埋められていたシャチは、掘り起こされたあと約1年京都にある標本作製業者に預けられ、ふたたび羅臼に戻ってきた、というわけです。
というわけで、今日は羅臼ビジターセンターに仲間入りした新顔くんをご紹介します。
体長7.65m、体重6.6㎏、34歳のオスのシャチです。
その骨格は頭部を下に背骨、尾びれと組み立てられ天井からつり下げられています。今月の24日から一般公開が始まり、常設展示されています。
まず、その大きさに驚くことでしょう。
後方に写っているのはメスのトドですが、約2.5mあります。今まで見上げるほど大きいと感じていたトドが小さく見えるほど。
(展示室の主役?を奪われちょっと恨めしそうにシャチを見つめているよう)
また、祖先が海中生活をし始めたときに前ひれに変わった前肢や、退化した骨盤、イカや小魚からアザラシなど様々なものをエサとする牙状の歯、など、シャチの進化の過程や生態、体のつくりを間近で見ることができます。
ぜひ、羅臼のシャチに会いにきてください!
羅臼沖で撮影したオスのシャチ 2008年6月28日撮影
【羅臼ビジターセンター】
開館時間:11~4月 10:00~16:00 (5月~10月 9:00~17:00)
休館日:月曜日および年末年始
入館料:無料
http://rausu-vc.jp/
【参考文献】
・クジラ・イルカ大図鑑 A.マーティン 平凡社 1991年12月6日
・クジラの超能力 水口博也 講談社 2006年6月1日
2009年01月15日野付半島の今
知床国立公園 羅臼 後藤 菜生子
今日は、野付半島の最近の様子をお伝えしようと思います。
野付半島・野付湾は、私たち羅臼自然保護官事務所が管轄する巡視場所
(2008年5月26日にAR日記でご紹介しています)の一つです。
先週、安藤自然保護官と野付半島巡視に行ったときに見た一コマです。
これは、野付半島で捕られたある魚が水揚げされた尾岱沼港の様子です。
その魚とは「氷下魚」と書いて「コマイ」という名の魚です。
鱈(タラ)の仲間で、淡泊な白身の魚。北海道の地魚の1つでもあります。
丸干ししたものや干したむしり身で食すのが一般的のようですが、煮付けでもとても美味しい魚です。
1~3月の限られた時期に行われる氷下魚漁。
巡視で訪れたこの日、野付半島の氷下魚漁は豊漁だったようです。
そんな豊漁の氷下魚に舌鼓を打っているのは人間だけではないようです。
氷下魚が水揚げされる番屋近く。
氷下魚の豊漁に野付中のオオワシが集まったかのような、頭数でした。
この日巡視中に確認したオオワシの数は167羽。
初めて見た沢山の氷下魚の水揚げに驚いた以上に、相当数のオオワシに驚きました。
氷下魚を始めとする豊富な餌資源とねぐらなどの豊かな環境が揃う
野付半島・野付湾。
そこへ、越冬するためにロシアから渡ってくるオオワシ。
11月頃から、野付半島を含む北海道(一部は東北地方やそれ以南にも渡来)に越冬のため渡来し、繁殖のために3月頃ロシア方面へと帰って行きます。
日本で越冬するオオワシやオジロワシを、豊かな自然環境が育んでいます。
と同時に、彼らも生態系を支える大きな存在です。
いつまでもオオワシやオジロワシが渡来する越冬地として有り続ける豊かな環境を守り続けていかなければ…と、改めて実感した1日でした。
結氷するトドワラとオオワシを、標高1,005mの武佐岳(写真左)が見下ろしているかのよう。
豊かな自然環境に生きる野生動物が間近に見られる野付半島。
そんな野付半島にぜひいらしてみてください。
※車道にも歩道にも積雪がありますので、お越しの際は足下にお気を付けください。
野付半島・野付湾は、私たち羅臼自然保護官事務所が管轄する巡視場所
(2008年5月26日にAR日記でご紹介しています)の一つです。
先週、安藤自然保護官と野付半島巡視に行ったときに見た一コマです。
これは、野付半島で捕られたある魚が水揚げされた尾岱沼港の様子です。
その魚とは「氷下魚」と書いて「コマイ」という名の魚です。
鱈(タラ)の仲間で、淡泊な白身の魚。北海道の地魚の1つでもあります。
丸干ししたものや干したむしり身で食すのが一般的のようですが、煮付けでもとても美味しい魚です。
1~3月の限られた時期に行われる氷下魚漁。
巡視で訪れたこの日、野付半島の氷下魚漁は豊漁だったようです。
そんな豊漁の氷下魚に舌鼓を打っているのは人間だけではないようです。
氷下魚が水揚げされる番屋近く。
氷下魚の豊漁に野付中のオオワシが集まったかのような、頭数でした。
この日巡視中に確認したオオワシの数は167羽。
初めて見た沢山の氷下魚の水揚げに驚いた以上に、相当数のオオワシに驚きました。
氷下魚を始めとする豊富な餌資源とねぐらなどの豊かな環境が揃う
野付半島・野付湾。
そこへ、越冬するためにロシアから渡ってくるオオワシ。
11月頃から、野付半島を含む北海道(一部は東北地方やそれ以南にも渡来)に越冬のため渡来し、繁殖のために3月頃ロシア方面へと帰って行きます。
日本で越冬するオオワシやオジロワシを、豊かな自然環境が育んでいます。
と同時に、彼らも生態系を支える大きな存在です。
いつまでもオオワシやオジロワシが渡来する越冬地として有り続ける豊かな環境を守り続けていかなければ…と、改めて実感した1日でした。
結氷するトドワラとオオワシを、標高1,005mの武佐岳(写真左)が見下ろしているかのよう。
豊かな自然環境に生きる野生動物が間近に見られる野付半島。
そんな野付半島にぜひいらしてみてください。
※車道にも歩道にも積雪がありますので、お越しの際は足下にお気を付けください。
2008年12月19日上空を羽ばたく巨大な翼
知床国立公園 羅臼 木村 慈延
「一年を通して、動物園や水族館でしか会うことの出来ない動物に出会える場所」これは知床の大きな魅力のひとつといえるでしょう。
「じゃあ実際何がいるの?」と突っ込まれそうなので例を挙げると、ヒグマやシャチ、クジラ、イルカ、アザラシ、トドなど、大型哺乳類が沢山棲んでいます。
しかし、日記を読んで下さっている方の多くは、こんなに沢山の動物が住んでいる環境を想像出来ないかもしれません。
実際今年の春まで神奈川県に住んでいた私にとっても、知床での暮らしは「初めて」尽くしで、これまでは非日常だったはずのことが、突然日常の出来事に変わってしまいました。
「家の裏にはヒグマがいる」生活なんて中々出来ない経験だと思います。
そんな大型哺乳類の宝庫である知床ですが、大きい動物は他にもいます。
今回は冬になるとやって来る「オオワシとオジロワシ」を紹介しましょう。
上空を悠々と羽ばたくオジロワシ
彼らは、北海道より寒い北国から冬を生き抜くために南下してくる、冬鳥と呼ばれる鳥達です。沢山餌を採って春を迎えると、今度は繁殖のために北国へ戻っていきます(※オジロワシの一部は北海道の沿岸や湖沼周辺で繁殖します)。
ちょうど今はワシ達がやって来る季節。
彼らがとても希少な鳥ということもあり、環境省が行っている保護増殖事業の一環として、飛来状況やその数について把握するための調査を行っています。
※保護増殖事業では「国内希少野生動植物種」を対象として、餌条件の改善、繁殖場所の整備、飼育・栽培下の増殖、生息環境等の整備などを行っています。
詳しく知りたい方はコチラをご覧下さい。(EICネットより)
http://www.eic.or.jp/ecoterm/?act=view&ecoword=%CA%DD%B8%EE%C1%FD%BF%A3%BB%F6%B6%C8
調査をしていて、いつも感心するのは、翼を広げると2m以上(オジロワシ:199cm~230cm、オオワシ:220cm~250cm 参考文献:日本の野鳥590 平凡社 )もある彼らの大きさです。存在感のあるクチバシや翼、精悍な顔つき、何度見ても惚れ惚れする格好をしています。
白と黒のコントラストが印象的なオオワシ
分布域が極東の一部に限られることから、欧州の野鳥愛好家達にとっては憧れの存在なのだとか・・・。
ところで2mといったら何を思い浮かべますか?
普通の人間よりは遙かに大きいですね。
ちなみに、韓国の格闘家のチェホンマン選手でも、218cmとオオワシよりはやや小さいようです(短いといった方が正確かもしれませんが)。
この大きなワシ達の調査は、飛来数がピークになる2月頃から3月下旬まで続けられ、彼らの帰郷の様子を見守ることになります。今後も彼らとの出会いを楽しみにして、調査に励みたいと思います。
・・・・・・おまけ・・・・・・・
ワシがいないか目を凝らしていると、ふと目の前に七色に輝く物が・・・・。
驚くほどはっきりと濃い色で、しかも長時間現れ続けました。
あまりの綺麗さに興奮してしまいました。
「じゃあ実際何がいるの?」と突っ込まれそうなので例を挙げると、ヒグマやシャチ、クジラ、イルカ、アザラシ、トドなど、大型哺乳類が沢山棲んでいます。
しかし、日記を読んで下さっている方の多くは、こんなに沢山の動物が住んでいる環境を想像出来ないかもしれません。
実際今年の春まで神奈川県に住んでいた私にとっても、知床での暮らしは「初めて」尽くしで、これまでは非日常だったはずのことが、突然日常の出来事に変わってしまいました。
「家の裏にはヒグマがいる」生活なんて中々出来ない経験だと思います。
そんな大型哺乳類の宝庫である知床ですが、大きい動物は他にもいます。
今回は冬になるとやって来る「オオワシとオジロワシ」を紹介しましょう。
上空を悠々と羽ばたくオジロワシ
彼らは、北海道より寒い北国から冬を生き抜くために南下してくる、冬鳥と呼ばれる鳥達です。沢山餌を採って春を迎えると、今度は繁殖のために北国へ戻っていきます(※オジロワシの一部は北海道の沿岸や湖沼周辺で繁殖します)。
ちょうど今はワシ達がやって来る季節。
彼らがとても希少な鳥ということもあり、環境省が行っている保護増殖事業の一環として、飛来状況やその数について把握するための調査を行っています。
※保護増殖事業では「国内希少野生動植物種」を対象として、餌条件の改善、繁殖場所の整備、飼育・栽培下の増殖、生息環境等の整備などを行っています。
詳しく知りたい方はコチラをご覧下さい。(EICネットより)
http://www.eic.or.jp/ecoterm/?act=view&ecoword=%CA%DD%B8%EE%C1%FD%BF%A3%BB%F6%B6%C8
調査をしていて、いつも感心するのは、翼を広げると2m以上(オジロワシ:199cm~230cm、オオワシ:220cm~250cm 参考文献:日本の野鳥590 平凡社 )もある彼らの大きさです。存在感のあるクチバシや翼、精悍な顔つき、何度見ても惚れ惚れする格好をしています。
白と黒のコントラストが印象的なオオワシ
分布域が極東の一部に限られることから、欧州の野鳥愛好家達にとっては憧れの存在なのだとか・・・。
ところで2mといったら何を思い浮かべますか?
普通の人間よりは遙かに大きいですね。
ちなみに、韓国の格闘家のチェホンマン選手でも、218cmとオオワシよりはやや小さいようです(短いといった方が正確かもしれませんが)。
この大きなワシ達の調査は、飛来数がピークになる2月頃から3月下旬まで続けられ、彼らの帰郷の様子を見守ることになります。今後も彼らとの出会いを楽しみにして、調査に励みたいと思います。
・・・・・・おまけ・・・・・・・
ワシがいないか目を凝らしていると、ふと目の前に七色に輝く物が・・・・。
驚くほどはっきりと濃い色で、しかも長時間現れ続けました。
あまりの綺麗さに興奮してしまいました。
2008年12月16日鳥の顔
知床国立公園 羅臼 後藤 菜生子
知床がすっかり冬景色に包まれる。
葉が散って丸裸になった森、流氷が流れ着く海に、知床の冬を待ち望んでいた鳥がたくさん飛来する。
木の皮に潜む小さな虫を探す者。
餌を求めた移動の途中に羽を休める者。
更に寒さの厳しい北国から、冬を越すために訪れる者。
生まれた川を目指して帰ってきたサケなど、海を賑わす魚たちを狙う者。
「鳥の顔を描いてみて」
きっと多くの人が横を向いた鳥の、その横顔を描くだろう。
ふと、なぜだろう?と考えてみた。
クマやタヌキを描こうとするとき、正面を向いた顔を頭の中で想像している。でも鳥の場合、描こうと想像するのは横顔だ。
私たちが捉えた鳥の特徴の一つに長いくちばしがあり、それを表そうとするから横顔を描くのか。あるいは、普段見る鳥の顔は横を向いていることが多いため、想像しやすい横向きの顔が描きやすいからなのか。
そう考えると、鳥ってあまり正面から見たことがないような気がしてきた。
今まで深く考えることはなかったし、意識してなかったからかもしれない。
でも、私たちが鳥を観察する時、彼らの横向きを見る機会が多いと感じるのは、実は本当にそうだからなのではないだろうか。
鳥を観察しようとする私たちに気づくと、多くは飛んで逃げてしまうが、こちらの様子を伺っているような者もいる。そんなとき鳥は、片側の顔をこちらに向け、片目だけでこっちをみている、といったような様子だ。
また、鳥が上を見上げるとき、首をかしげているような格好をするのを
見たことがある。
鳥は物を見ようとする時、片目で見るのだろうか。
鳥の多くはくちばしが長く、顔の両サイドに目がある顔の造りをしている。
目が顔の正面についている私たちとは、明らかに違う。
でも正面に両目がついている種もいる。
フクロウやワシ。
獲物を捕らえる鳥は、物が立体的に見えたり、距離感をつかんだりするために両目で同時に見る「両眼視」が必要になる。
フクロウやワシなどの猛禽類は、正面に両目があることで、狙った獲物を確実に捕らえることができる。でもその分視野が狭くなるので、首が回る範囲を広くしている。フクロウなんて両眼視界は約70度だが、270度も首が回るらしい。
両目で見る視野以外に片目の視野、「片眼視」がある。
獲物となる鳥は狙われる立場にあるから、即座に逃げることができなくてはいけない。いつでも周囲に目を向けていられるよう顔の両サイドに目をつけることで、全体を見る視野が広い。
例えばヤマシギという鳥は約360度(ほとんど全体!)の視野があるが、両眼視できる範囲はくちばしの先端と後頭部のわずかしかない。
その種の生き方や見るもの、その見方によって、見るという能力は大きく違う。
彼らにとっては、食うか食われるか、生きていくための戦略だ。
見慣れた鳥の横顔。
実は、鳥の片眼視界で私たちを観察していた顔かもしれない。
****正面顔を披露してくれた鳥たち****
オオワシ
大きい両目が顔のほぼ正面についている。ただいま両眼視中。
ユリカモメ
魚を捕らえる目は、天敵に気づく目でもある。
オナガガモ♂
目は顔のほぼ真横についているし、頭の形も扁平。片眼視界は広い。
□参考文献□
大自然の不思議 鳥の生態図鑑/学研研究社/1993
葉が散って丸裸になった森、流氷が流れ着く海に、知床の冬を待ち望んでいた鳥がたくさん飛来する。
木の皮に潜む小さな虫を探す者。
餌を求めた移動の途中に羽を休める者。
更に寒さの厳しい北国から、冬を越すために訪れる者。
生まれた川を目指して帰ってきたサケなど、海を賑わす魚たちを狙う者。
「鳥の顔を描いてみて」
きっと多くの人が横を向いた鳥の、その横顔を描くだろう。
ふと、なぜだろう?と考えてみた。
クマやタヌキを描こうとするとき、正面を向いた顔を頭の中で想像している。でも鳥の場合、描こうと想像するのは横顔だ。
私たちが捉えた鳥の特徴の一つに長いくちばしがあり、それを表そうとするから横顔を描くのか。あるいは、普段見る鳥の顔は横を向いていることが多いため、想像しやすい横向きの顔が描きやすいからなのか。
そう考えると、鳥ってあまり正面から見たことがないような気がしてきた。
今まで深く考えることはなかったし、意識してなかったからかもしれない。
でも、私たちが鳥を観察する時、彼らの横向きを見る機会が多いと感じるのは、実は本当にそうだからなのではないだろうか。
鳥を観察しようとする私たちに気づくと、多くは飛んで逃げてしまうが、こちらの様子を伺っているような者もいる。そんなとき鳥は、片側の顔をこちらに向け、片目だけでこっちをみている、といったような様子だ。
また、鳥が上を見上げるとき、首をかしげているような格好をするのを
見たことがある。
鳥は物を見ようとする時、片目で見るのだろうか。
鳥の多くはくちばしが長く、顔の両サイドに目がある顔の造りをしている。
目が顔の正面についている私たちとは、明らかに違う。
でも正面に両目がついている種もいる。
フクロウやワシ。
獲物を捕らえる鳥は、物が立体的に見えたり、距離感をつかんだりするために両目で同時に見る「両眼視」が必要になる。
フクロウやワシなどの猛禽類は、正面に両目があることで、狙った獲物を確実に捕らえることができる。でもその分視野が狭くなるので、首が回る範囲を広くしている。フクロウなんて両眼視界は約70度だが、270度も首が回るらしい。
両目で見る視野以外に片目の視野、「片眼視」がある。
獲物となる鳥は狙われる立場にあるから、即座に逃げることができなくてはいけない。いつでも周囲に目を向けていられるよう顔の両サイドに目をつけることで、全体を見る視野が広い。
例えばヤマシギという鳥は約360度(ほとんど全体!)の視野があるが、両眼視できる範囲はくちばしの先端と後頭部のわずかしかない。
その種の生き方や見るもの、その見方によって、見るという能力は大きく違う。
彼らにとっては、食うか食われるか、生きていくための戦略だ。
見慣れた鳥の横顔。
実は、鳥の片眼視界で私たちを観察していた顔かもしれない。
****正面顔を披露してくれた鳥たち****
オオワシ
大きい両目が顔のほぼ正面についている。ただいま両眼視中。
ユリカモメ
魚を捕らえる目は、天敵に気づく目でもある。
オナガガモ♂
目は顔のほぼ真横についているし、頭の形も扁平。片眼視界は広い。
□参考文献□
大自然の不思議 鳥の生態図鑑/学研研究社/1993
2008年12月03日冬支度
知床国立公園 羅臼 後藤 菜生子
もう12月ですね!
今年も残すところ1ヶ月となりましたね。
気づけば師走!!
時の流れの早さに内心焦っている、今日この頃です。
自然は日々その変化に伴い姿を変えているようです。
この間まで紅葉に染まっていた知床の山々も、今では日に日に
白い雪に覆われていきます。
11月下旬、観音岩とウナキベツ川河口に設置してある
2基の入山カウンターの撤収作業を行いました。
羅臼自然保護官事務所管轄の5基あるカウンターの中、
5月16日の木村ARのアクティブレンジャー日記で、「入山カウンターを
設置しました」とお伝えした箇所のカウンターです。
車で行ける知床半島最東端の相泊から海岸線を歩くこと2時間、
観音岩に到着しました。
そこには降り積もった雪の中に立ち続けるカウンターが…。
「お疲れ様!」
その姿に思わず、声をかけてしまいました。
設置してから約6ヶ月間、冷たい雨にも負けず強い海風にも負けず、
利用者カウントをしてくれた入山カウンターはその役目を終えました。
それぞれの部品を解体、ザックに詰めて持ち帰ります。
来年雪が溶けた頃からまた、働いてくれます。
前を通過する人を待ちながら…。
知床を訪れる方々やその地域の方々みんなが気持ちよく利用できるよう、
そして私たちに感動を与えてくれる知床の原生的な自然であり続けるために。
重た~いカウンターを背負っての帰り道。
雪で白く染まり始めた岸壁と海岸がとても綺麗で印象的でした。
見上げると、大きな翼を広げ悠々と飛んで行くオオワシの姿がありました。
・・・↓おまけ↓・・・
海岸の雪道を歩いていた時のこと…。
人気のない昆布番屋が立ち並ぶ浜、何やら大きな影がのそり。
昆布漁はもうとっくに終わったし、番屋には人っ子一人いないはず…。
まさか…?!
と、そんなことを思う隙もありませんでした。
その影の正体は、大きくて茶色いヒグマ。
進行方向30mほどの距離に、今年生まれと思われる2頭の子グマと母グマの
親子の姿が。
私たちに気づいた母グマがあわてて山を上がって行き、続いて子グマ達も
山へと消えていきました。
ヒグマ親子が残していった足跡
冬ごもりを直前に控えたヒグマ達。
長く寒さの厳しい知床の冬を越すため、たくさん栄養を摂り、
エネルギーを蓄えなければなりません。
冬ごもり穴にこもる前、最後にもう少しお腹をいっぱいにしておこうと、
海岸にやってきていたのかもしれません。
冬支度、邪魔してごめんね。
今年も残すところ1ヶ月となりましたね。
気づけば師走!!
時の流れの早さに内心焦っている、今日この頃です。
自然は日々その変化に伴い姿を変えているようです。
この間まで紅葉に染まっていた知床の山々も、今では日に日に
白い雪に覆われていきます。
11月下旬、観音岩とウナキベツ川河口に設置してある
2基の入山カウンターの撤収作業を行いました。
羅臼自然保護官事務所管轄の5基あるカウンターの中、
5月16日の木村ARのアクティブレンジャー日記で、「入山カウンターを
設置しました」とお伝えした箇所のカウンターです。
車で行ける知床半島最東端の相泊から海岸線を歩くこと2時間、
観音岩に到着しました。
そこには降り積もった雪の中に立ち続けるカウンターが…。
「お疲れ様!」
その姿に思わず、声をかけてしまいました。
設置してから約6ヶ月間、冷たい雨にも負けず強い海風にも負けず、
利用者カウントをしてくれた入山カウンターはその役目を終えました。
それぞれの部品を解体、ザックに詰めて持ち帰ります。
来年雪が溶けた頃からまた、働いてくれます。
前を通過する人を待ちながら…。
知床を訪れる方々やその地域の方々みんなが気持ちよく利用できるよう、
そして私たちに感動を与えてくれる知床の原生的な自然であり続けるために。
重た~いカウンターを背負っての帰り道。
雪で白く染まり始めた岸壁と海岸がとても綺麗で印象的でした。
見上げると、大きな翼を広げ悠々と飛んで行くオオワシの姿がありました。
・・・↓おまけ↓・・・
海岸の雪道を歩いていた時のこと…。
人気のない昆布番屋が立ち並ぶ浜、何やら大きな影がのそり。
昆布漁はもうとっくに終わったし、番屋には人っ子一人いないはず…。
まさか…?!
と、そんなことを思う隙もありませんでした。
その影の正体は、大きくて茶色いヒグマ。
進行方向30mほどの距離に、今年生まれと思われる2頭の子グマと母グマの
親子の姿が。
私たちに気づいた母グマがあわてて山を上がって行き、続いて子グマ達も
山へと消えていきました。
ヒグマ親子が残していった足跡
冬ごもりを直前に控えたヒグマ達。
長く寒さの厳しい知床の冬を越すため、たくさん栄養を摂り、
エネルギーを蓄えなければなりません。
冬ごもり穴にこもる前、最後にもう少しお腹をいっぱいにしておこうと、
海岸にやってきていたのかもしれません。
冬支度、邪魔してごめんね。
2008年11月14日太陽よ!あと30分!!
知床国立公園 羅臼 木村 慈延
早いもので11月も中旬に突中。後藤AR日記にもあったように、山の上はすっかり雪に覆われています。
いよいよ厳しい冬を迎える知床ですが、ここ最近は天気も良く暖かい日が続いています(といっても気温は6℃前後)。晴れた日には、雪化粧した羅臼岳を見ることができ、その雄大な姿は一見の価値有りです!
雪が降り、冬至も近づく今日この頃。日没が段々早まっています。
ところで、本州から来た私には以前から羅臼の日没が早く感じられ、気になっていたので今回、海上保安庁と国立天文台のデータから日没時間について調べてみました。すると現在羅臼の日没は15:54分。東京の日没が16:35分なので、違いは歴然。四時半頃には辺りは真っ暗です。
さらに1年で昼間が一番短くなる冬至(12/21)になると、羅臼15:44分、東京16:32分となるようです。午後のおやつを食べ終わる頃には日が暮れているかもしれません(笑)。
知床半島の南側に位置する羅臼。山々に夕日を遮られるため、日の出は見られても夕日を見ることが出来ません。高くそびえ立った山並みが、羅臼の日没の早さに拍車をかけています・・・。この写真の撮影時刻は15:37分。既に日が落ちる寸前です。夕日に染まった山や海が幻想的でした。
夕日に染まる羅臼岳。撮影時間は少し進んで15;53分。日没時間とほぼ同じ時刻です。
羅臼では、日が完全に沈む所は見ることは出来ませんが、山が光を反射したり遮ることで間接的に夕日を見ることが出来ます。
とは言うものの、これから迎える冬の羅臼はとっても吹雪くそうで、夕日が綺麗に見られる機会はあまり多くないかもしれません。
いよいよ厳しい冬を迎える知床ですが、ここ最近は天気も良く暖かい日が続いています(といっても気温は6℃前後)。晴れた日には、雪化粧した羅臼岳を見ることができ、その雄大な姿は一見の価値有りです!
雪が降り、冬至も近づく今日この頃。日没が段々早まっています。
ところで、本州から来た私には以前から羅臼の日没が早く感じられ、気になっていたので今回、海上保安庁と国立天文台のデータから日没時間について調べてみました。すると現在羅臼の日没は15:54分。東京の日没が16:35分なので、違いは歴然。四時半頃には辺りは真っ暗です。
さらに1年で昼間が一番短くなる冬至(12/21)になると、羅臼15:44分、東京16:32分となるようです。午後のおやつを食べ終わる頃には日が暮れているかもしれません(笑)。
知床半島の南側に位置する羅臼。山々に夕日を遮られるため、日の出は見られても夕日を見ることが出来ません。高くそびえ立った山並みが、羅臼の日没の早さに拍車をかけています・・・。この写真の撮影時刻は15:37分。既に日が落ちる寸前です。夕日に染まった山や海が幻想的でした。
夕日に染まる羅臼岳。撮影時間は少し進んで15;53分。日没時間とほぼ同じ時刻です。
羅臼では、日が完全に沈む所は見ることは出来ませんが、山が光を反射したり遮ることで間接的に夕日を見ることが出来ます。
とは言うものの、これから迎える冬の羅臼はとっても吹雪くそうで、夕日が綺麗に見られる機会はあまり多くないかもしれません。
2008年11月07日近くて遠~い
知床国立公園 羅臼 後藤 菜生子
突然ですが、問題です!!
「知床峠のある国道334号線は日本一____が_い国道です。
さて何でしょう??」
分かりますか?知ってる!というあなた!知床通ですね!!
答えは…
「日本一開通期間が短い国道334号線」でした。
正解されたあなたに拍手!
残念ながら正解じゃなかったあなた、正解を知って知床通への道が
開けましたね!
「知床峠」
羅臼町と美幌町を結ぶ国道334号線。
そのうち羅臼町湯の沢から斜里町字岩尾別道道交点までが、
通称「知床横断道路」とよばれ、そこにあるのが「知床峠」です。
知床連山の尾根筋を越える知床峠は標高738mもあります。
山岳道路のため気象は変化が激しく、知床峠を挟んで羅臼側と斜里側では
全く天候が違う、ということも少なくありません。
そんな知床峠は、7月頃まで残雪が残る羅臼岳が目の前にそびえ立ち、
知床八景の一つとされ多くの観光客が訪れる場所でもあります。
開通期間が短いながらも、季節によって表情は様々。
紅葉も見事ですし、晴れた日は遙か根室海峡に浮かぶ国後島も眺めることが
できる峠です。
(夏の羅臼岳:9月上旬)
(根室海峡に浮かぶ国後島:10月上旬)
知床峠を越えるのは、観光で訪れる方々ばかりではありません。
知床横断道路が結ぶ、羅臼とウトロ。
開通している間は、知床峠を越えて行き来することができます。
その距離約24㎞。車で約40分です。
しかし、知床横断道路が閉鎖してしまうと、根北峠経由の往来になります。
その距離約130㎞、車で約2時間半の道のりになります。
同じ知床半島にある羅臼とウトロ。距離にすればすぐそこですが、
雪で閉ざされる道路を挟み、遠い遠~いお隣さんになってしまうのです。
そんな知床峠のある知床横断道路は、今季の開通期間を終了し、
本日11月7日から冬期間通行止めとなります。
通行止めとなる区間は、目梨郡羅臼町湯ノ沢(通行止めゲート)から
斜里郡斜里町字岩尾別道道交差点(通行止めゲート)まで。
期間は平成20年11月7日(金)15:00~平成21年4月下旬(予定)です。
詳細はコチラまで↓
北海道開発局 釧路開発建設部
http://www.ks.hkd.mlit.go.jp/
来年の春から、またたくさんの観光客の方々を楽しませてくれるまで、
また、羅臼とウトロに住む人々を近距離にしてくれるまで、
知床横断道路・知床峠はしばらくの間冬眠です…。
「知床峠のある国道334号線は日本一____が_い国道です。
さて何でしょう??」
分かりますか?知ってる!というあなた!知床通ですね!!
答えは…
「日本一開通期間が短い国道334号線」でした。
正解されたあなたに拍手!
残念ながら正解じゃなかったあなた、正解を知って知床通への道が
開けましたね!
「知床峠」
羅臼町と美幌町を結ぶ国道334号線。
そのうち羅臼町湯の沢から斜里町字岩尾別道道交点までが、
通称「知床横断道路」とよばれ、そこにあるのが「知床峠」です。
知床連山の尾根筋を越える知床峠は標高738mもあります。
山岳道路のため気象は変化が激しく、知床峠を挟んで羅臼側と斜里側では
全く天候が違う、ということも少なくありません。
そんな知床峠は、7月頃まで残雪が残る羅臼岳が目の前にそびえ立ち、
知床八景の一つとされ多くの観光客が訪れる場所でもあります。
開通期間が短いながらも、季節によって表情は様々。
紅葉も見事ですし、晴れた日は遙か根室海峡に浮かぶ国後島も眺めることが
できる峠です。
(夏の羅臼岳:9月上旬)
(根室海峡に浮かぶ国後島:10月上旬)
知床峠を越えるのは、観光で訪れる方々ばかりではありません。
知床横断道路が結ぶ、羅臼とウトロ。
開通している間は、知床峠を越えて行き来することができます。
その距離約24㎞。車で約40分です。
しかし、知床横断道路が閉鎖してしまうと、根北峠経由の往来になります。
その距離約130㎞、車で約2時間半の道のりになります。
同じ知床半島にある羅臼とウトロ。距離にすればすぐそこですが、
雪で閉ざされる道路を挟み、遠い遠~いお隣さんになってしまうのです。
そんな知床峠のある知床横断道路は、今季の開通期間を終了し、
本日11月7日から冬期間通行止めとなります。
通行止めとなる区間は、目梨郡羅臼町湯ノ沢(通行止めゲート)から
斜里郡斜里町字岩尾別道道交差点(通行止めゲート)まで。
期間は平成20年11月7日(金)15:00~平成21年4月下旬(予定)です。
詳細はコチラまで↓
北海道開発局 釧路開発建設部
http://www.ks.hkd.mlit.go.jp/
来年の春から、またたくさんの観光客の方々を楽しませてくれるまで、
また、羅臼とウトロに住む人々を近距離にしてくれるまで、
知床横断道路・知床峠はしばらくの間冬眠です…。
君も来てたんだ!」
「うん。君も羅臼に来てたんだね」
ワタリガラスのワタくんとオオワシのオーくん。
12月。彼らは北国のふるさとを離れ、冬のごはんを探すためにはるばる
遠い日本の羅臼町に飛んできました。
「ここはぼくの大好きな魚がいっぱい捕れるしね。」
「たくさんのごちそうは頑張って飛んでくる甲斐があるよね。」
「でもここも暖かくなってきたし、そろそろ帰ろうかなー」
「そうだね。帰り道、一緒に帰ろう」
仲良く羽をつないで帰って行きました、とさ。
おしまい。
※このお話は一部作者の想像上のフィクションです。
**ワタリガラス**
冬鳥。全長約60㎝。ハシブトガラスよりも一回り大きい。
尾羽がくさび形をしているのが特徴。
「カォ、カォ…」「カポカポ…」などと鳴く。
日本では北海道東部や北部に少数が渡来するまれな鳥。
**オオワシ**
冬鳥。全長約95㎝。黄色く大きなくちばしと、肩と尾羽が白いのが特徴。
「クワッ、クワッ…」などと鳴く。
カムチャツカ・サハリンに生息し、冬期には日本や朝鮮半島などに渡る。
【参考資料】
・決定版 生物大図鑑 鳥類 世界文化社 昭和59年12月20日