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アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

北海道地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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知床国立公園 羅臼

188件の記事があります。

2009年07月30日夏の自然観察会を行います!

知床国立公園 羅臼 木村 慈延

 季節は夏!!のはずなのに、ここ最近は雨ばかり降っています。元々羅臼の夏は、霧や雨が多い傾向にあるのですが、今年は例年よりも多めだそうです。 8月も間近に迫っているので、来月はなんとか晴れて欲しいところです。

 すっかり夏らしい日が待ち遠しい私ですが、今回は8月9日に行う羅臼自然保護官事務所主催の自然観察会についてお知らせします。場所は、以前から要望をいただいていた羅臼岳(羅臼側から)の登山道で、区間は羅臼ビジターセンターから第一の壁までです。
 今回は、ゆっくり歩きながら自然散策をすることをテーマにして、参加者の方と楽しく登ることを目標にしています。途中展望の良い場所もあり、自分の足で登った所から眺める羅臼の町並みや国後島はきっと格別だと思います。
 近くにお住まいの方は是非ご参加ください。詳しくは以下HPにてご確認ください。

知床国立公園ホームページ


 現地下見の時に見られたツルリンドウ。当日(8月9日)はどんな物が見られるのでしょうか!?参加できない方にも、日記上で観察会の報告をします。お楽しみに♪

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2009年07月27日おしりーズ

知床国立公園 羅臼 後藤 菜生子

だれのおしり???

風に揺られるシコタンタンポポ。
その上で、もぞもぞと動くおしり…
ふわふわの真っ黒パンツが目立っていますよ!

そんな、思わずなでなでしたくなるかわいいおしりの正体は
「ノサップマルハナバチ」でした。

「ノサップマルハナバチ」は北海道の道東、その中でも限られた場所だけにしか生息しない、とっても希少なハチなんです。
全身を黒い毛に覆われ、胸とお腹に黄色の帯がはいっているのが特徴です。


では、これはだれのおしりでしょう???

こんどは真っ白パンツ!
最近よく新聞なんかで話題になってるアイツです。

そう。「セイヨウオオマルハナバチ」
話題になっているその訳は、このハチが外来種だからです。
彼らがもともと住んでいた地域はヨーロッパ。
温室トマトの授粉用にと輸入されたのが、日本にやってきたきっかけでした。
ですから、私たち人間の手で連れてきた、というわけですね。
美味しいトマトを作るために、農家さんのところで飼われていたセイヨウオオマルハナバチ。
でも、いつのときか野外に逃げ出してしまったのです。そして野生で巣をつくり、コロニー(女王バチを中心とした1家族)をつくり、どんどん増えていきました。

もともと日本にいるハチと比べて、セイヨウオオマルハナバチにはこんな特徴があるんです。
・1つのコロニーから生まれる女王が多い
 (日本にもともといるマルハナバチの約4倍)
・強い力
 (巣をのっとってしまう力や巣を作る場所の争いに強い)
・ミツの吸い方
 (舌が届かないような形の花でも横から穴をあけてミツを吸ってしまう)

こんな強いハチが日本で増えていったら、もともと日本にいたマルハナバチたちが、今まで通り生活していくのが難しくなってしまいます。

特に、生息場所が限られている黒パンツの「ノサップマルハナバチ」は
数が少ないので、白パンツの「セイヨウオオマルハナバチ」が増えると
「ノサップマルハナバチ」は増えることが難しくなって、やがて絶滅してしまうのではないか…と心配されています。

そんなことが起きないよう、今日本にいる「セイヨウオオマルハナバチ」が
これ以上増えないように、そして、やがて日本に「セイヨウオオマルハナバチ」が1匹もいなくなる日を目指して、私たちは日々、白いおしりを追いかけています。

「ノサップマルハナバチ」と「セイヨウオオマルハナバチ」は黒い体の
胸とお腹に黄色い帯というよく似た特徴がありますが、
「ノサップマルハナバチ」は黒パンツ、
「セイヨウオオマルハナバチ」は白パンツ、と覚えてくださいね。



「おしりならあたしも白いけど?!」

特別出演 エゾシカのお嬢さんでした。

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2009年07月08日セクシー☆ショット

知床国立公園 羅臼 後藤 菜生子

今日は久しぶりの夏日。
暑くて暑くて、汗かいちゃった…


あぁ~気持ちいい~!
この塩加減がいいのよ~。


やだッ!
ちょっと!こっち見てる人がいるわ!
しかも双眼鏡で!!


もォ~!
レディの入浴をのぞくなんて失礼しちゃう!!


※この物語は作者の想像です。
 よってレディであるかはわかりません。

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昨日、観音岩・ウナキベツ巡視中のひとこまです。
海岸線を歩いて向かう道すがら、前方にヒグマを確認。
その大きさから今年親離れした2年目の個体かな、といった様子。
こちらに気づいて私たちと距離をおいたものの、餌探しに夢中になっていたりと、こちらを気にするそぶりがあまり見られませんでした。
その場を動く様子も見られなかったので
このまま進行方向を進むのは危険と判断し、引き返してきました。

海岸線に限らず、知床ではどこでもヒグマが出没する可能性のある場所です。
知床を歩く際には、必ずクマ鈴やクマスプレーなどを装着し、
ヒグマに出会った時はどう対応すればよいのか、を
よく確認してから歩くようにしてください。
出会ったときはもちろん距離をとり、危険な場合は無理に進もうとせず、
勇気をもって引き返してください。

私たちはヒグマの棲み家におじゃましています。

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2009年06月22日羅臼湖巡視

知床国立公園 羅臼 木村 慈延

 6月に入ってから、ずっと天候がすぐれません。
 曇りや雨ばかりでは、せっかくの新緑や綺麗な花も、なんだか色褪せて見えてしまう気がして残念です。そんな中、6月18日の天気予報では、とても貴重な晴れマークが!!「待っていました」とばかりに喜び勇んで羅臼湖巡視へ向かいます。

 今回は通常巡視(歩道、積雪、動植物の状況確認)に加えて、アクティブレンジャーの仕事として重要な、利用者カウンターの設置も行いました。カウンターについては前回の日記でも触れましたが、羅臼湖のカウンターが、羅臼で最後の設置(全部で5基)となりました。
【歩道の状況】
 昨年もカウンターを設置しましたが、同じ時期で比較すると沢山雪が残っています。そのため、羅臼湖までの道のりは不明瞭な場所も多く、雪融け水で歩道が川のようになっている場所もあるため、長靴が必須となります(雪が無くてもぬかるむ場所が沢山あるため、羅臼湖に行く際は必ず長靴を持参しましょう)。また、生えている植物を傷めないためにも、歩道の真ん中を歩くようにお願いします。


雪融け水が流れる階段(2の沼付近)



///////////////////////羅臼に咲く花々/////////////////////
雪融けが昨年よりも2週間は遅い今年の羅臼ですが、羅臼湖の歩道沿いには可憐な花が咲き始めています。というわけで2回目のお花情報をお伝えします!


ミズバショウ(サトイモ科)←食用のサトイモと同じグループです。
羅臼湖では沼のほとりでよく見られます。白く見えるのは花びらではなく、苞(ほう)と呼ばれる葉っぱが変化した物です。 


チシマザクラ(バラ科)
羅臼湖のチシマザクラは日本でも指折りの、遅咲き!?だと思われます。今がちょうど見頃です。青空にピンクの花びらが映えますね。

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2009年06月08日祝☆開館

知床国立公園 羅臼 後藤 菜生子

6月6日、羅臼町北浜に
『知床世界遺産ルサフィールドハウス』がOPENしました!


『知床世界遺産ルサフィールドハウス』は、知床半島先端部に行く方々へ、
そのルールやマナーのレクチャーや、今まであまりスポットの当たらなかった知床の海の価値、地域の人々との関わりを紹介する展示解説が特徴です。

木造一部二階建ての建物内には、天井からシーカヤックがつり下げられ、
一部がクライミングウォールとなっている壁を始め、先端部利用のレクチャー機能をもつ展示がされています。
また、主に羅臼の海に生息する海鳥や海棲哺乳類などの生態を知る展示、知床の海の特色を紹介する展示などもあります。
目の前には根室海峡が広がり、常設されたプロミナーや双眼鏡を使用して、バードウォッチングやホエールウォッチングなども楽しむことができます。


この日多くの来賓の方々や関係者の方々にお集まりいただき、開館記念式典が催されました。



式典では、来賓の方から祝辞をいただき、施設概要の説明、職員の紹介、関係者・協力者へ感謝状の贈呈が行われました。
また、記念植樹や北大大学院の桜井泰憲先生による記念講演も開催されました。アカエゾマツ、ナナカマド、エゾヤマザクラの小さな苗木が、ルサの地特有の風に負けず、元気に成長してくれることを願います。




開館記念式典が行われた次の日には、記念乗船会も予定されていました。
船から実際に知床の海の魅力を知ってもらおう、という催しでした。
・・・残念ながら天候不良のため、中止となってしまったことが本当に残念でなりません。
また何かの機会に、知床の海の素晴らしさを多くの方に知っていただきたいと思います。


先端部への利用を考えている方も、もちろんそうでない方も、羅臼の新名所『知床世界遺産ルサフィールドハウス』にぜひ!お立ち寄りくださいね。

HPもチェックしてくださいね☆
http://shiretoko-whc.jp/rfh/


***展示の一部をご紹介!***
「オオワシの着ぐるみ」

これを着ければあなたもオオワシ気分を味わえること間違いなし?!

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2009年06月03日利用者カウンター

知床国立公園 羅臼 木村 慈延

 こんにちは。羅臼でアクティブレンジャーをしている木村です。季節は早くも6月に突入!事務所の周りに生えている、ダケカンバやミズナラから伸びてきた黄緑色のピカピカした若葉が目に染みます(本当です)。まさに新緑真っ盛りと言えましょう!今の時期、流石の羅臼でも暖かくはなってきていますが、少し標高が高くなるだけで、雪は沢山残っています。

 今日は春と共に訪れる、アクティブレンジャーの重要な仕事をひとつ紹介しましょう!それは雪融けと共に始まる作業で、登山道に「利用者カウンター」を設置することです。

 羅臼には5基のカウンターがありますが、現在は4基目まで設置されています。設置の順番は、雪融けが早い低地や海岸線から行います。今年一番早かったのが羅臼岳の登山口(標高約100m)で5月12日でした。一方1番遅い羅臼湖(標高約700m)のカウンターは、去年6月4日に設置しましたが、今年は昨年に比べて雪が多め(とは言え例年並みだそうな)なので、10日間は遅くなることでしょう。標高が600mも違うと、雪融けの関係で設置時期が一ヶ月くらいは遅くなってしまうのです。

 ところでカウンターとは如何なる物かご存じでしょうか??
 利用者カウンターとは、赤外線センサーにより、カウンターの前を歩いた人の数、時間を自動で計測する装置のことで、外観はこんな感じです。(写真は知床岬方面の利用者を計測するカウンター)



 カウンターの構造は3つの機器と、固定のための支柱から成ります。
その①「ソーラーパネル」
 一番上のパネルがソーラーパネルです。自分で電力を賄ってくれるので、日当たりの良い場所ではバッテリー交換の手間が省けます。
その②「センサー」
 真ん中の出っ張りがセンサーになっています。よく見ると2つあり、右側、左側の感知の仕方で、前を通った人が登山者なのか、下山者なのかも判断してくれる賢いやつです。ただ残念なことに、野生動物が豊富な知床の森ですから、ヒグマやエゾシカもカウントされてしまうところが、玉にキズ・・・ですね。

 これから設置される羅臼湖カウンターも含めて、5基ある羅臼のカウンター達ですが、11月の上旬~中旬頃までは、羅臼の登山道を歩く動物たち!?の行方を見守ることになります。もし、カウンターを見つけても立ち止まらず、なるべく速やかに通り抜けて下さるようお願いします。その方が正確な値を測定することに繋がりますので・・。



///////////////////////羅臼に咲く花々/////////////////////
北海道は冬の時期が長いため、その分植物たちも短い期間で世代交代をしていかなくてはなりません。ということで、今は至る所で、すごい早さで植物たちが花を咲かせているのです。今回はその中から特に「旬」な花をご紹介しましょう!

お花No.1

ハマエンドウ(マメ科)
エンドウと名が付きますが、食用にされるエンドウと比べてもとても似ています。
本州の方がやや早い時期に開花しますが、それにはやはり雪が影響しているのでしょう。「ハマ」と名がつくだけあって海岸に生えています。写真は白花タイプのもの。

お花No.2


チシマフウロ(フウロソウ科)
本州北部と北海道に咲く花。主に海岸の岩場などに生えています。
淡いブルーがとても美しい花です。

以上2種類でした。「羅臼に咲く花々」は今後も継続!?予定となっております。
お楽しみに!!

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2009年05月14日春らしくなってきました!

知床国立公園 羅臼 木村 慈延

 最近晴れの日が続いています。暖かくなってやっと羅臼でも桜が咲き始めました。5月2日には冬期閉鎖中だった知床横断道路が開通し、観光で訪れた方の車が目立つようになったのを見ると「ようやく羅臼にも本格的に春が来たな!」と感じます。
 「春到来!」ということで今回も前回に続き、羅臼の春らしい物をご紹介します。山間部にはまだ雪が残る羅臼ですが、海岸沿いや日当たりの良い場所は雪融けも早く、そんな場所では色々な物を見ることが出来ます。


エゾエンゴサク
早春から咲き始め、夏前には地上部は枯れてしまいます。
青からピンクまで花色の変異が大きいのも特徴の一つ。
花の形が独特ですね。



エゾアカガエルの卵塊
ゼリー状の塊に沢山の卵が詰まっています。産卵後しばらく経ちましたが、少し前までは産卵を控えた大人のカエル達の大合唱を聞くことが出来ました。

雪も少なくなり知床横断道路も開通したので、巡視に行ける場所が増えてきました。
次回からは、冬の間行けなかった場所についても書きたいと思います。

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2009年04月22日羅臼の四季 【春&夏編】

知床国立公園 羅臼 後藤 菜生子

昨年5月1日から、市街のとある場所で週1回定点写真を撮影しています。

羅臼に訪れた方々は、その時だけしか羅臼の季節を楽しむことはできません。せっかく羅臼に住んで羅臼で仕事をしているのだから、四季の移り変わりを残そう、そして、訪れた方々にその季節以外の羅臼の顔を少しでも紹介できればと思い、始めたのがきっかけでした。

また新たな四季が巡ってきます。
そんな訳で今回から2回に渡って、羅臼の特徴的な季節を、写真を交えつつ私なりにご紹介してみようと思います。


「春」


ようやく春らしさを感じられるようになったのは、5月の連休くらいでした。
一足早く春の訪れを告げてくれたのは、透き通るような青の花とひかえめな淡い緑の葉のエゾエンゴサク。残雪の隙間からこっそりと顔をのぞかせたような姿が印象的でした。
そんなエゾエンゴサクやキタミフクジュソウが合図をしたかのように、次々に顔を出し始めた草花や若葉たち。そこに集まる小鳥のさえずり、雪解けの流水の音まで生き生きと聞こえました。

厳しい冬を越えた動植物との出会いの季節であり、流氷と共に去っていくオオワシやアザラシたちとの別れの季節でもありました。
しかし、まだ山の残雪では春スキーが楽しめるほど。登山道状況調査にも冬装備が必須でした。

知床半島北西側の斜里町ウトロと、南東側の羅臼町をつなぐ知床横断道路が開通し、お隣さんとの行き来が近くなるのもちょうどこの頃です。



「夏」


太平洋から吹き込む湿った南東の風が知床連山にあたって、羅臼にたくさんの雨をもたらします。そのため、夏の羅臼は雨が降ったり霧がかかる日や時間が多く感じられます。
知床連山を抜けた風は、西側のウトロに乾燥した風と高温をもたらすので、羅臼では薄暗い霧がかかっていても、峠を越えた反対側ウトロではピーカン、なんてこともよくあるのです。

草木の緑は気温の上昇とともに色濃くなり、雨上がりでさらに艶を増すようです。
海も鮮やかさを増します。羅臼昆布が海の中で森をつくっているからです。
海岸の昆布番屋では連日の作業に大忙しです。

夏の知床に多くの方が訪れ、このころ私たちの業務も忙しさを増し、動き回る日々。

そんな慌ただしい人間の様子を沖からのぞくのは、シャチやクジラ。根室海峡に現れるその姿は陸から確認できることも。
また山からは、ヒグマが見下ろしています。高山帯から海岸部まで多様な自然環境が彼らの営みを支えます。

そんな羅臼の夏は白霧に包まれながら、足早に過ぎていこうとしています。



****次回は【秋&冬】編をお届けします。****

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2009年04月08日春の訪れ

知床国立公園 羅臼 木村 慈延

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3月下旬頃になって暖かい日が続いたこともあり、雪融けが一気に進みました。
長かった冬に終わりを告げるかのように、フキノトウがあちこちで顔を出しています。
花の無い今の時期、真っ先に姿を現すのがフキですが、北海道や本州北部にはより大型になるアキタブキ(オオブキ)というものもあり、なんと葉っぱの幅が1.5m程にまで成長します。
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あと1ヶ月もすれば色々な花が咲き始めるので、なるべくたくさんの情報を発信していきたいと思います。

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2009年03月30日スノーシューで歩いてきました!【自然観察会のご報告】

知床国立公園 羅臼 後藤 菜生子

以前AR日記でもお知らせしましたが、
3月20日(春分の日)羅臼自然保護官事務所主催の自然観察会を行いました。
今回のテーマは
『~スノーシューハイクで体感!のぞいてみよう!雪の世界~』でした。
スノーシューを履いて羅臼温泉施設周辺、熊越の滝下流ダムまで行き、
自然観察をしようというものでした。

残念ながら思っていた以上に雪解けが早く、予定していたコースの一部に雪崩の危険があり観察コースの変更をしなくてはなりませんでした。
熊越の滝下流ダムには行けず、予定していた水鳥の観察も行うことが出来ませんでしたが、参加された方はそんな変更も快く承諾してくださり、参加してくださいました。


出発前、羅臼ビジターセンターのレクチャールームで、事前レクチャーを行いました。
今回観察を予定している冬芽のつくりや水鳥の見分け方などの、参加者に配る観察シートの使い方やスノーシューの履き方、そして冬の国立公園を利用する際の注意などをお話ししました。



準備体操をし、スノーシューを履いて、いざフィールドへ!
朝方にチラついていたみぞれも止み、いつのまにか快晴に。
まさにスノーシュー日和!な青空の下、出発です。



ビジターセンター裏の間歇泉から羅臼温泉野営場に抜けます。
途中、事前レクチャーでお話した冬芽を観察シートを使いながら名前を調べてみたり、動物の足跡を見たり、発見した巣穴の主を想像してみたり…。
木の周りから雪解けする訳や、カエデの木がオスメスを変えるヒミツ、モモンガのマツ葉の食べ方などをお話しながら、歩きました。


「この冬芽はふわふわのダウンジャケットを着ているようですね~」

知床横断道路や羅臼川が展望できる折返し地点で小休憩をはさんだあとは、
トドマツの下に落ちているモモンガの食痕や、エゾシカの樹皮食い、鳥などを観察しながらビジターセンターに戻ってきました。


すべてが終了したときに私の口から出た言葉は「楽しかった~!!」でした。
みなさんと色んな話をしながら歩いた数時間がとっても楽しかったのです。
この日の為に2ヶ月ほど前から準備をしてきた私にとって、
「楽しかった」
「次はいつやるの?」
「また参加したい」
参加していただいた方の声と笑顔が最高のプレゼントでした。

普段周りにあり何気なく見ている自然のおもしろさや素晴らしさを伝えたい、感じてもらいたいと思って準備してきました。
でも何かを伝えようとすることや、どう伝えるかなど、その難しさに
頭を悩ませながらの準備でした。

また、今回参加者にお配りした観察シートにはちょっと力を入れていました。
周辺で見ることができる冬芽を、その形やつくりから名前を知ることができる分類表形式の冬芽観察シートと、体のつくりと行動のちがいで種類と雄雌を区別できる水鳥観察シートでした。
今回の観察会だけではなく、自宅の周辺などでまた使ってもらえるような、
そして参加された方がご家族や友人の方に話してあげられるような、そんな風に利用できる観察シートを目指して作りました。
いつかふと思い出した時にでも使ってもらえたらいいな、と。

そんな準備から当日まで、この観察会は私にとって、とても大きな経験となりました。


来年度は、年間計画をたてて開催していきたいと思っています。
また、このAR日記で報告していきます。
どうぞお楽しみに。

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