ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

北海道地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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苫小牧

69件の記事があります。

2015年05月14日リーフレットをリニューアルしました!

苫小牧 平 尚恵

みなさん、こんにちは。

札幌市内では日中ならTシャツ1枚で過ごせるくらいに暖かくなってきました。

道北や大雪山のアクティブレンジャー達はまだまだ長袖かもしれませんがね。

  

さて、報告が遅くなってしまったのですが、"ウトナイ湖野生鳥獣保護センター"と"宮島沼水鳥・湿地センター"の館内リーフレットをリニューアルしました。

既存のリーフレットは残数がわずかとなり、内容も古くなっていたことから、思い切って一新することにしました。

  

ビジターセンターの方と「あーでもない、こーでもない」と意見を出し合い、印刷会社の担当さんと「これはどうだ、あれはどうだ」と打合せを行い、ウトナイ湖と宮島沼の自然の魅力や保全の取り組みをふんだんに盛り込んだリーフレットになったのではないでしょうか。 ←自画自賛、失礼しました。

ウトナイ湖・宮島沼のリーフレット

  

同時に、"北海道海鳥センター"のリーフレットも担当官がリニューアルし、天売島に生息する海鳥や、島内で繁殖した野ネコの対策についての取り組みなどを紹介しています。

羽幌の海鳥センター

このほかにも、道内には沢山のビジターセンターがありますので、リーフレットをお手にとり、自然情報や観察マナーを十分に心得てから、北海道の大自然を満喫していただければ嬉しく思います。

  

お知らせ続きですが、ウトナイ湖野生鳥獣保護センターでは毎年、「野生動物に学ぶ救護セミナー」という勉強会を開催しています。

年4回開催されるのですが、6月14日(日)10時~12時の第1回目には野生生物課の友野Rも登場し、タンチョウの最新の取り組みなどをお話しますので、振るってご参加ください。

2015年救護セミナーポスター.pdf

  

それでは、みなさん、今年も夏に向けて精力的に活動して参りましょう!!

Let's enjoy your amazing trip in Hokkaido.

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2015年02月02日World Wetlands Day ~February 2, 2015~

苫小牧 平 尚恵

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世界湿地の日とは、1971年2月2日にイランのラムサールという街で締結された「ラムサール条約」を記念して、毎年2月2日を「世界湿地の日 World Wetlands Day (WWD)」とした記念日です。ラムサール条約の目的である、湿地の恩恵や価値に目を向け、その維持と賢明な利用を達成するため、世界中で啓発イベントが行われています。

そこで一昨年に引き続き、ウトナイ湖、支笏湖、洞爺湖、クッチャロ湖、サロベツ原野など、北海道の代表的な湿地を含む国立公園等を所管するアクティブレンジャーで、AR日記のリレー企画を行います。

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第一弾は、野鳥の楽園「ウトナイ湖」からスタートです!!

ー ウトナイ湖のご紹介 ー

 ウトナイ湖は周囲9km、面積275ha、平均水深1.2mの淡水湖で、およそ6000年前は海の一部でした。その後、長い年月を掛け、海流に運ばれた砂が少しずつ蓄積し、さらに地球全体の海面が下がったため、勇払原野一帯は広い砂浜となり、やがて砂浜には草が生えて原野となり、そこに美々川から注ぐ水が溜まりウトナイ湖となりました。

 また、野鳥の楽園の名にふさわしく、ウトナイ湖では現在までに360種もの野鳥が確認されています。

 日本で確認されている種数が約630種ですから、日本中の半分以上もの鳥がウトナイ湖に訪れたことになります。

 野鳥だけでなく様々な生き物に必要とされているウトナイ湖は、その重要性が認められ法律や条約によって今の自然環境を残すべく保護、保全されています。

・国指定鳥獣保護区 ― 1982年(昭和57年)

・ラムサール条約湿地 ― 1991年(平成 3年)

・東アジア・オーストラリア地域渡り鳥性水鳥重要生息地ネットワーク ― 2006年(平成18年)

ー 野鳥と人 近づきすぎず、気持ちの良い距離で ー

 ウトナイ湖には、訪れた皆さんに豊かな自然を感じていただけるように、自然観察路を設置しています。

 この木道、昨年の春に改修工事を終え、ピカピカのNew木道になりました。

新しくなった木道の休憩ポイント

 そして!! この木道完成までには、我々の熱い思いが込められています。

 元の木道は湖岸横をずっと漁師さんの浜辺まで歩くことができました。しかし、新しい木道の路線計画では、環境省として「野鳥の生息地の保全」を最優先するため、人気のあった湖岸散策路を大幅に撤去することにしました。

 この決断をした理由には次の事があります。

■木道を設置する工事の際に、周辺の土壌や植生に大きな変化を与えることで、外来植物が侵入しやすくなり繁茂してしまう危険性がありました。このことは、現に古い木道を設置して以降、オオアワダチソウを初めとした外来植物がウトナイ湖の周辺、特に木道付近に多く確認できることから、木道工事によって本来の植生を大きく変えてしまった証拠となっています。今でも、多くのボランティアの方がこのオオアワダチソウの駆除に汗を流して下さっています。

■湖岸沿いは小鳥たちの餌となる木の実や虫が多く、沢山の小鳥や小動物が利用しています。

 ここに観察路を造ってしまうと、人が通る度に隠れたり、巣を作るのにも人通りが多くて安心できません。私たちには悪気はないのですが、彼らにはその気持ちは伝わりませんから、常に人から見られる場所は安心できる生息地とはならないのです。

赤の点線部分に旧木道があった。

この二つの理由から、人気のあるルートを撤去するという、大きな決断をしました。

もちろん反対の意見をいただくこともありましたが、ウトナイ湖は都市部の公園では無く、鳥獣保護区なのですということを、時間を掛けて説明し、お互いの思いを伝え合い、私たちの気持ちを理解していただく事ができました。

今では、撤去した木道の跡地には、たった1シーズンの夏で木道があったことが分からないほど、植物がわっさわっさ生えています。今年は、この木道跡地を中心に、外来植物の生息範囲の調査も行いました。来年からはどの様な駆除方法が効果的なのかを検討し、実行していく予定です。

ー イベントのお知らせ ー

 さて、ここで宣伝です。

 2月7日(土)、8日(日)にスノーシューイベントを開催します。

 スノーシューで木道撤去後を歩き、冬の木々や生き物の足跡探し、野鳥の観察などを行います。(冬は生き物が少なく、夏ほど影響はありませんので、特別に夏には行けない場所でウトナイ湖を楽しみましょう。)

 その他にも盛り沢山で、2月中はずっとイベントを開催していますので、どしどしお越し下さい。

さーて、次は誰にしようかな~。

よし!! 支笏湖の畠山さーん 

支笏湖の魅力がたっぷり詰まった日記を宜しくね~!!

■イベント詳細

1)冬を楽しむミニツアー

レンジャーやボランティアがセンター周辺の自然を紹介しながら歩きます。
結氷した湖、動物の足跡、活動する小鳥などを観察しましょう。

日時:2月1日(日)、14日(土)、15日(日)、21日(土)、22日(日)、28日(土)
   各日とも14:00~14:30
   2月7日(土)、8日(日) 各日とも14:30~15:00
対象:どなたでも(小学生以下保護者同伴)
申込:不要(当日直接会場へ。開始15分前までに参加受付してください。)

2)冬の湿地をスノーシューで探検しよう!

普段は通れない湖岸沿いをスノーシューで歩きながら、足跡や野鳥などを観察します。
日時:2月7日(土)、8日(日) 各日とも13:00~14:00
対象:小学生以上
定員:各日とも先着10名
申込:1/6から受付開始
持物:あればスノーシュー(貸出可)

3)毛糸で作る水辺の鳥

毛糸を使ってハクチョウやマガンなどの水辺の鳥を作ります(数に限りがあります)。
日時:2月14日(土)、15日(日) 各日とも10:00~12:00、14:00~16:00
申込:直接会場へ(随時受付)

4)湿地クイズラリー

館内に設置した、湿地に関するクイズに挑戦していただき、参加者にはしおりを差し上げます。
日時:2月1日(日)~2月28日(土)の開館時間内
申込:直接会場へ(随時受付)

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2014年05月23日ウトナイ湖の木道が新しくなりました!!

苫小牧 平 尚恵

大変お久しぶりですね。
ウトナイ湖ARの平です。

さて、タイトルにありますように、「国指定ウトナイ湖鳥獣保護区」にピカピカの新しい木道が整備されました。

完成までの道のりは長く、一番苦労されたのは大工さん(極寒の真冬に工事)他にも多くの方にご尽力いただきながら完成いたしました。

【ウトナイ木道の特徴】
・観察路の総延長は2.2km、内、今回の木道整備区間は1.2km
・ピンファウンデーション工法なるものを採用し、掘削範囲を最小限に留めました
・センターからすぐの、湖岸から林内を通るルートは、500m程度でユニバーサルデザインとなっており、皆さんに楽しんでいただけます

他にも、こだわりが盛り沢山です。

☆こだわりポイント☆
その1
 湖岸側に階段ベンチを設けました。
 一番上に立つと湖全体を広く見渡せます。
 ここで、風を感じながら小鳥の声を聞いて食べるにぎりめしは最高でしょう!!(センター職員の念願のベンチです)


休憩ポイントでは最高の癒やしをお約束します


その2
 自然解説をすべて新しくしました。
 ウトナイ湖や、生き物達のことをもっと知って欲しいと願い、プチ情報満載の解説版が出来ました。(ここで私の出番がきたのです☆プチ自画自賛)

ウトナイ湖の魅力が詰まった自然解説☆


その4
 以前まであった湖岸側のルートを一部撤去し、通行しないようにしました。実は木道を作る作業では、外来植物(ウトナイ湖に本来は生えていない植物のオオアワダチソウなど)を持ち込んでしまう危険性があるのです。ウトナイ湖の貴重な植生を守るため、協議の末にこのような決断にいたりました。


ウトナイ湖は鳥獣保護区です。
私たちはウトナイ湖に暮らす動物達の家に、お邪魔しているだけなのではないでしょうか?
私は彼らの姿から元気や癒やしをもらい、また明日から頑張ろうと思えます。
沢山の方にウトナイ湖を訪れていただき、自然や生き物の素晴らしさを肌で感じていただけたら凄く嬉しいです。
でも、ここは鳥獣保護区。 
彼らの生活を尊重し、いい付き合い方をしていただければもっと嬉しいです!!


今は、小鳥の恋の季節。
林内は求愛のさえずりで、とっても賑やかです。
もう少しすると、色とりどりの花が咲き、木々も緑が濃くなり林内は、いっきに活気づきます。


徐々に夏が近づいてきているなー


まだ木のにおいが残る木道に、遊びに来て下さいね~。




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2013年10月29日ウトナイ湖・渡り鳥フェスティバル

苫小牧 平 尚恵

皆さんこんにちは!!

ご無沙汰をしておりました。
今回は、先日、ウトナイ湖野生鳥獣保護センターで行われた「ウトナイ湖・渡り鳥フェスティバル」のお話をさせていただきます。

ウトナイ湖は言わずと知れた、渡り鳥の一大休憩地です。
皆さんも春や秋にウトナイ湖を訪れた際に、オオハクチョウを始め、マガン、ヒシクイ、オナガガモなど多くの渡り鳥の群れを見た方も多いかと思います。

今回のイベントでは、いかにウトナイ湖が渡り鳥にとって重要な場所であるかを、より多くの方に知っていただき、後世に残していくことの重要性を伝えるために開催いたしました。

当日は
・ハクチョウの○×クイズ大会
・Dr牛山(宮島沼水鳥・湿地センターのマガン研究者)の渡り鳥講座 
・望遠鏡を手に、渡り鳥の野外観察
・落ち葉や流木を使った工作や、毛糸を使ったポンポン鳥の製作などなど、盛り沢山の内容となり、大賑わいでイベントを終えることができました。

お越しいただいた皆様、ありがとうございました。


イベントで作成したポンポン鳥の「ミコアイサ」




左上:大盛況の工作コーナー  右上:受付係の髙瀬レンジャー(左)
左下:湖岸からマガンやオオハクチョウを観察 右下:Dr牛山の渡り鳥講座

イベントでは、渡り鳥とウトナイ湖の関係について、大切な事を学ばせていただきました。
その中でも心に残ったマガンの渡りについて、お話させていただきます。

------マガンと渡りとウトナイ湖------



極東ロシア(シベリア)では、氷に閉ざされ大地で長い眠りについていた植物が、夏の日差しを浴びて、一斉に若い芽を出します。
夏は生き物が、最も命を輝かせる瞬間ではないでしょうか。

6月、マガンのペアは、草原に草や枝を重ねて巣を作り、メスが巣の中に卵を産んで温めます。
その横でオスは、敵に卵が捕られないように見張っています。
7月、卵がかえるとヒナは、元気いっぱいで夏に大量発生する蚊(重要なタンパク源)や、柔らかな新芽の水草などを食べて、ぐんぐん大きくなります。
8月、親と同じくらいの大きさになったヒナと両親は、ロシアの大地が氷に閉ざされる前に、エサを求めて約3000kmの旅に出ます。



生まれて半年も経たないヒナにとって、この旅はあまりにも過酷な試練となるでしょう。
途中、大嵐に遭遇することもあるでしょう。
また、向かい風では羽ばたいても羽ばたいても、前に進めないかもしれません。
それでも羽ばたきを止めることは出来ません。
厳しい自然界の中では、羽ばたきを止めることは、そのまま死に直結してしまいます。
朝も昼も夜も、ただ前を向きVの字を作って目的地を目指します。

こうして、へとへとになりながら、彼らはウトナイ湖へやってくるのです。そして、このウトナイ湖で小休憩をして、本格的な冬を前にもっと暖かい南へ渡るために、お腹いっぱいエサを食べます。



ふたたび、長い旅に出たマガン親子は、越冬地である宮城県を目指します。
この地で冬を越し、春の渡りに備えるのです。



夏の豊富なエサを求めて、ロシアを目指して旅立ちます。
途中、ウトナイ湖で旅の疲れを癒やしながら。

次の年も、そのまた次の年も長い長い旅を繰り返しているのです。


渡り鳥が、ウトナイ湖で休むことが出来なくなってしまったら、彼らはどこで次の渡りの準備をすればいいのでしょうか?
安心して休める場所を見つけられるのでしょうか?


皆さんも、空高くから「グァーグァー」と声が聞こえたら、彼らの旅を思い、旅の安全を祈ってあげてください。



先頭はお父さんマガンかな? 夕方に近くの畑から帰ってきたマガンの連隊です。

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2013年07月12日野生動物の救護とは

苫小牧 平 尚恵

みなさんこんにちは。 

7月の6・7日に帯広で開催された「傷病野生鳥獣
救護講習会」に参加してきました。

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主催:公益財団法人北海道獣医医師会、十勝獣医師会
協力:野生動物救護研究会

~1日目~
■講演
➀「アフリカの野生動物にとっての救護とは?」
中村千秋さん(アフリカゾウ国際保護基金客員研究員)
※経歴についてはAR日記のバックナンバー「ウトナイ湖野生鳥獣保護センターでアフリカゾウについて学ぶ」をご覧下さい。

➁「野生動物の保全と獣医学」
福井大祐さん(NPO法人EnVision環境保全事務所、元旭山動物園の獣医さん)

■野生動物救護の事例発表
・交通事故にあったノスリとオオワシのリハビリ、術後管理など
・洋上で保護されたセイタカシギの野生復帰まで
・傷病個体の寄生虫検査、保全医学の観点から
・タスマニアデビルの保護活動の報告
・フィリピンの海洋調査と環境教育の報告

~2日目~
■野生動物救護技術実習
「野生動物のハンドリング、診断、応急処置と管理」
・鳥の保定(鳥も人間も安全に治療が行えるように、鳥の動きを制限する方法)
・診断(外傷や骨折の有無、脱水症状の判断)
・胃カテーテルでの保液(脱水の治療として水分を与える方法)
・注射法(採血、筋肉注射、皮下注射など)
・翼の固定法(8の字包帯)
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中村さんの言葉はすんなりと心に入ってきます。こんなふうに伝えられる人になりたいな~。



久々の白衣はなんだか新鮮。皆さん積極的に獣医師の指導を受けています。



栄養学は救護にとっても大切! 本当に勉強になりました。

~講習会を終えて~
環境省 北海道地方環境事務所は、種の保存法・鳥獣保護法に掛かる希少な鳥獣、鳥獣保護区内で保護された野生鳥獣について救護が必要な場合(人間活動等によって傷ついた)、保護収容し治療を行い、自然界に返すということを行っています。

人間活動によって傷ついたとはどういうことかと言うと。

たとえば
・私たちの家に必ずある窓
空が反射して窓に気づかず、衝突してしまうケースが多くあります。

・夜間の道路では
キツネやシカ、タヌキなどが道路によって分断された森を行き来するために、交通事故にあっています。

・山の中の送電線では
自然豊かな森の中に異様な姿でそびえ立つ送電線で、多くの鳥が感電死しています。

どれも私たちの生活を豊かにしてくれるなくてはならない物(人工物)です。
どうしても無くてはならないのかは、別の機会に議論しましょう。


では、今回の講演者の中村さんが研究している、アフリカの大地ではどうでしょうか?
少なくともケニアの国立公園には、今もなお野生動物が安心して(人間と決別して)暮らせるほんの少しのスペースが残っています。

講演の中での中村さんの言葉がすごく耳に残りました。
「日本に帰ってくると、ついに人間はここまで自然を破壊したのかと、罪の意識を感じる。」
とおっしゃっていました。
普段は、ケニアに住んでいる中村さんは人間が地球に出現する前の自然を目にしているので、日本の変わり果てた様子に愕然とするそうです。


さて、講習会は2日間に渡って行われたのですが、その間常に話題に上ったことがありました。
それは、野生動物を救護するという本質の意味についてです。

人間が介入し、その影響で傷ついた野生動物がいるのならば、治療することにも重要な意味があると思います。

目の前の命を救いたいと思うのは自然なことだと思います。

しかし、そもそも人間の救護が必要になったその時点で、その場所の自然環境は崩壊しているのではないでしょうか?


私たちの豊かな生活を支えている、様々なもの
それによって傷ついた生き物は、破壊された自然からの悲痛なメッセージなんだということを、もう一度深く考えさせられました。

そして、動物たちからのSOSのメッセージを受け取る仕事に、身を置いている私の責任は、感じていた以上に重いものだと思い知らされました。

最前線を担っている現場の方々の指導を受け、やる気満々充電完了です!!

私に出来る事、それは一人でも多くの人に、このSOSのメッセージを届けることだと思います。



ウトナイ湖野生鳥獣保護センターでは、色々な方法でこのメッセージを知ることが出来ます。
是非、センターに足を運んでいただいて、生き物たちの輝きを感じて下さい。
【最新のイベント】http://www.city.tomakomai.hokkaido.jp/kankyo-seikatu/utonaikohp/13nenkangyouji.pdf
・傷病鳥獣救護講座 7月20日 
・夏のウトナイ湖ウォークラリー ほぼ毎週土日
・野生動物に学ぶ救護セミナー 9月29日

月曜日以外の毎日、開館していますので、お気軽にお越し下さい。
明るく優しいスタッフがウトナイ湖の魅力を全力でお伝えしていますよ!!



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2013年05月27日野生動物に学ぶ救護セミナー

苫小牧 平 尚恵

お久しぶりです。こんにちは!!

やっと太陽が顔を出し暖かい週末になりましたね。
さて、春の陽気で鳥達もごきげんにさえずる中、26日(日)に「野生動物に学ぶ救護セミナー」を開催いたしました。
このセミナーは年4回を予定しています。
次回は、6月23日です。

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第1回 野生動物に学ぶ救護セミナー
  救護された野生動物からその生態・歴史・環境問題などを学ぶ
    ・北海道地方環境事務所としての希少鳥獣保護の取り組み
    ・ウトナイでの野生動物救護活動の10年間
    ・チゴハヤブサの訓練に”鷹匠”の技術を!
    ・鳥の体をとことん学ぼう ~骨格編~
    ・本日の傷病紹介~トビ~
  
 日  時:2013年5月26日(日)10:00~12:00
 参加費:無料
 対  象:高校生以上(応相談で中学生も可)
 定  員:申込み先着20名(応相談で多少多く受入れ可です!)
 申込み:電話または直接来館で (申込み開始5月1日)
 持ち物:筆記用具
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当日は30名ほどの参加があり、みなさん真剣にセミナーを受講されていました。

当事務所野生生物課の髙瀬レンジャーが、法律を分かりやすく解説しました。



スペシャルゲストのチゴハヤブサと前リハビリテーターの鳥海さんによる、野生復帰のためのリハビリの手法についての解説。



現リハビリテータの本間さんによる、患者Noトビの解説。


第2回目は、私も講師としてお話をさせていただきます。
テーマは、「カナダの野生動物保護の現状について」です。
SPCAという動物保護団体で私がボランティアとして働いていたときの話を中心に、私の大好きなカナダについてもお話できればと考えています。

同じく講師として、酪農学園大学の獣医学生さんによる、オーストラリア・タスマニア島のタスマニアンデビル保護施設での活動の話も予定しています。
第2回目はグローバルな話題が満載ですので、世界でも志を同じにしている仲間がいることをお伝え出来るよう、今から準備を頑張りますね!

第1回目に参加されていなくとも、十分に理解できるセミナーの作りになっていますので、是非お気軽にご参加ください。

セミナーの詳細については、ウトナイ湖野生鳥獣保護センターのホームページ、イベント案内をご覧ください。
http://www.city.tomakomai.hokkaido.jp/kankyo-seikatu/utonaikohp/ibent.htm

セミナーでお会い出来ることを楽しみにしています!!

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2013年02月18日The World Wetlands Day 2013.Feb.2

苫小牧 平 尚恵

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2月2日は、ラムサール条約が締結された日として「世界湿地の日(The world wetlands day)」に定められています。そのため世界各地では、2月2日の前後に湿地にちなんだ様々なイベントが開催されています。
そこで、ウトナイ湖・支笏湖・洞爺湖・サロベツ原野など、日本の代表的な湿地を含む国立公園等を所管する北海道地方環境事務所では、平成24年9月24日に北海道の新たなラムサール条約登録湿地に道南の大沼(七飯町)が登録されたことを記念して、ウトナイ湖・支笏湖・洞爺湖・利尻礼文サロベツのアクティブレンジャーで、AR日記のリレー企画を行うことにしました。
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皆さんこんにちは。
「世界湿地の日AR日記リレー」も最終回となりました。
ウトナイ湖から平がお伝えいたします。

はじめに

☆ウトナイ湖の自己紹介☆
【場所】北海道の南西部、ホッキが有名な苫小牧市の市街地から約12kmの東北方向にあります。
【名前】ウトナイはアイヌ語で「小さな川の流れが集まるところ」という意味があり、その名の通り、美々川、オタルマップ川、勇払川の清流が流れ込み、ウトナイ湖で一度合流した後、勇払川河口から苫小牧の海に流れ出ていきます。
【大きさ】湖をぐるっと一周約9km
     広さ(面積)は約275ha
     水の深さは平均60cm位でちょっと浅め
【湖と生き物】
【春と秋】水鳥の一大休憩ポイントとして、オオハクチョウ、マガン、ヒシクイ、カモ類などの水鳥が長旅の疲れを癒やし、湖が育む豊かなヒシ群落やコウホネなどの水草で、お腹いっぱい栄養を蓄え次の長旅に備えます。
【夏】ノビタキ、ノゴマ、エゾセンニュウ、キビタキ、などの小鳥たちの声でとても賑やかになります。彼らは湖をぐるっと囲むヨシ群落の低層湿原や、沢沿いの湿潤地域に育つハンノキ林やヤチダモ林、コナラ、ミズナラの林で、いそいそと子育てに奮闘します。その小鳥たちを狙ったオオタカなどの猛禽類も姿を見せます。地上では、エゾユキウサギやエゾリス、キタキツネなどのほ乳類も元気に走り回っています。
【冬】湖の氷の間に死んだ魚を求めて、オオワシやオジロワシも姿を見せます。



(左上)夏のウトナイ湖(右上)ヨシ群落(左下)オタルマップ川(右下)冬のウトナイ湖



【様々な保護の方法】
・1985年には環境省が国指定鳥獣保護区にウトナイ湖を定め、野生鳥獣の捕獲を禁止することで、鳥獣を保護しています。
・1991年には世界162カ国が加入する、ラムサール条約の湿地に登録され日本で4番目の登録湿地となりました。
・2006年にはガン・カモ類の生息地を保全する、EAAF東アジア・オーストラリア地域フライウェイ・パートナーシップに参加しています。

工業都市である苫小牧市の中で、生き物たちのオアシスのような存在のウトナイ湖は、上空から見るとまるで北海道のような雄大な姿をしています。




さて、湿地に話を戻して。
各ARの湿地日記を読んでいただくと、かなり湿地の自然環境について詳しくなられたのではないでしょうか?

最終章では、「湿地のワイズユース」についての振り返りと、ワイズユースに伴う良いニュース・悪いニュースを紹介し、もう一度自然との付き合い方について深く考えて行きましょう!!

☆湿地のワイズユースって何?☆
私たち人間や、その他の生き物にとって、「水」は命の源。
そんな大切な水を取り巻く環境を、すべての生き物で仲良く分け合い、大切に利用して行こう!! という考えを湿地のワイズユースと言います。(かなり噛み砕いた解釈ですが。)

それでは、湿地は誰がどの様に利用しているのでしょうか?
【動物たち】生活の場所、エサを食べる場所として
【植物たち】生活の場所、水の浄化作用、水をため込むスポンジ効果、光合成で二酸化炭素を取り込む、他の動物へすみかを提供するなど
【私たち】飲み水の確保、食料の確保(田んぼも湿地なんですよ。お米は湿地の恵み。川や海の浅瀬も湿地なので、魚や貝も湿地の恵み。)、観光など自然と触れ合うレクリエーションの場として


(左上)オジロワシがエサを捕る場所として利用(右上)木が鳥の家を提供(左下)ルールを守って自然を楽しむ(右下)ウトナイ湖の漁師さん


ふむふむ。
私たちは、湿地の恩恵によって美味しいご飯を食べたり、おいしい水を飲んだり、心を癒やしてもらったりしているんですね。


さてさて、なにやら良いニュースが聞こえて来ましたよ。
GOOD News湿地のツーリズム
➀観光や、釣りにカヌー、自然散策と様々なアクティビティを通して豊かな自然に触れることで、自然環境を保全する意識を高める教育の場となっています。
➁多くの人が訪れることで観光収入が得られ、雇用も生み出します。またそのお金を環境保全活動にも役立てています。

そんなツーリズムから悪いニュースも聞こえてきました。
BAD Newsツーリズムの圧力
➀人が多く集まると、どうしてもマナーの問題が浮き彫りになります。ゴミをその辺に捨てたり、野生動物にエサを与えたりなど悲しい現実を目にすることがあります。
ゴミは水質を悪化させたり、動物が謝って飲み込んだりと命を左右する大きな問題です。
野生動物にエサを与える行為は、野生動物に人間から食べ物を得る事を覚えさせ、無用な争いを生み出します。
➁自然を体験するアクティビティでは、一部のダイバーが珊瑚礁を踏みつけて傷つけたり、釣り人の捨てた針が動物の命を奪ったりと取り返しの付かない問題が起きています。
➂野生動物写真の撮影など、過度な接近により繁殖や生息地を撹乱してしまうなど、いわば動物に対するハラスメント行為(迷惑行為)が問題になっています。


今回の「世界湿地の日・AR日記リレー」をきっかけに、川や海や森や動物たちが、私たちの生活を支えてくれていることを知っていただけたと思います。
では私たちは何を彼らに返すことが出来るのか。

まずは、身近な事から始めてみませんか?
ヒントは今回の「世界湿地の日・AR日記リレー」に隠されているはずですよー!







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2013年01月24日イベントのご案内

苫小牧 平 尚恵

みなさまこんにちは。

今日はイベントのお知らせです。

来月の2月2日は「世界湿地の日」「The world wetlands day]
といって、世界中で湿地について考え、学び、保全してゆこう!!という日です。

そこで、私AR平の「思いつきポスター展示」を開催いたします。
私が自作した湿地について学べるポスターと、その内容から出題するクイズを行い、クイズにお答えいただいた方には素敵なプレゼントも用意いたしました。

さらに、呼びかけに賛同いただいた野鳥の会ウトナイ湖レンジャーの協力により、2月の毎週土・日・祝日、そして2日当日には私ARも参加で「湿地を学ぶミニツアー」も開催されます。

さむーい冬ですが、おうちから飛び出して、ウトナイ湖で水の大切さを感じてみませんか??

参加希望の方は、当日センタ-に14時までにお越し下さい。

みなさんのお越しをウトナイ湖で待ってますよー!!


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2013年01月09日彼らの死を無駄にはしない

苫小牧 平 尚恵

明けましておめでとうございます。
今年も、ウトナイ湖をどうぞ宜しくお願いいたします。


12月の話なのですが、酪農学園大学の獣医学生のみなさんに希少種の死体解剖を行っていただきました。

いきなり死体の話って、AR日記にはそぐわない強烈なトピックスですね。

下の方にはかなり衝撃的な内臓器などの写真もありますので、ご覧になる場合はご注意下さい。



そもそもこの死体がどういう経緯で解剖に到ったのかというと。
北海道内(北海道地方環境事務所が担当している西側半分)にて残念ながら死体で発見された個体や、傷病鳥として保護されたものの命を落としてしまったというような個体です。そんな彼らをただ火葬してしまうよりも、今後の野生動物保護に繋がる貴重なデータの一部として活用しよう、ということで今回解剖をすることとしました。
 もちろん内臓を除いた他の部位(羽毛や骨格等)も無駄にはしません。研究機関に譲渡し、様々な研究に役立ててもらいます。


今回ご協力いただいたのは指導医の先生1名、学生3名計4名の皆さんで18体の死体の解剖を行い、内臓器を摘出していただきました。


【ヒト】日差しの中で、さわやかに解剖を行う学生のみなさん。


こちらの研究室では寄生虫について研究されており、野生の希少鳥類の寄生虫はとても貴重なデータとして今後の研究に生かされるとのことです。


また野生動物は死体で発見された時点で、かなり腐敗が進んでいたり他の動物に一部を食べられていたりなど、死因を特定することはとても難しくなります。

そのため通常は個体の発見現場周辺の環境(車の交通量やビルなどの衝突物、送電線などの感電物、その他多くの野生動物にとって障害となるであろう人工物)や、個体の外傷の有無やレントゲン写真や血液検査による検査結果などから、どうして弱っているのかまたは死亡してしまったのかなどを推測しているのです。

今回の解剖は通常の判断材料にプラスして、原因究明をするうえで重要な情報となりました。

死亡原因が解れば、その予防も出来る。
今後起こりうる事態に迅速に対処できる。とまぁ、そんなに簡単な話ではありませんが、今後このデータは確実に有用なデータとして利用されていくでしょう。




【オオタカ】解剖しないと発見できなかった骨折。左第1~3肋骨が骨折しているようです。胸腔内に出血も多く、衝突死が原因と考えられます。



【オオタカ】左の個体の胸筋が非常に発達しており、胸の中央にある胸骨という骨が胸筋に覆われて見えなくなっています。右の個体は野生下では比較的普通の状態ですが、胸骨ははっきり見えています。このことから左の個体はかなり栄養状態が良く、マッチョなオオタカだったようです。


野生動物が無言で語る様々な地球の異変に耳を傾け、彼らの命を無駄にしないように日々努めて行こう!!と感じた一日なのでした。

ウトナイ湖は今・・・ほぼ完全結氷です。
湖の氷の上にはキツネかな? 色んな動物の足跡が見られますよー


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2012年12月12日野生復帰

苫小牧 平 尚恵

皆さんこんにちわー!!

ずいぶん寒くなって来ましたねー@
雪をかぶった山を眺めていると、早くスノーボードに行きたくてうずうずしますね。皆さん、北海道の雪質が世界一だって知ってましたかー?
さらさら、ふかふかのパウダースノーを味わえるのは、北海道ならではですよ!!


さて、そんな冬を前にオジロワシの野生復帰をすべく川へ行って参りました!!
放鳥を前に、獣医師の診察を受けます。



この個体は、2年前に保護され札幌市の円山動物園さんで、リハビリをしていました。
オジロワシはとても大きな鳥で、翼を広げると2m以上にもなります。
ここまで大きい個体だと、リハビリに時間を要する場合はウトナイセンターのケージでは広さが足りません。そこで、円山動物園さんに、園内のとても広いケージでのリハビリ訓練をお願いしていたのです。
2年もの訓練のすえ、最初は飛び上がることも出来なかった個体は10mの止まり木まで到達できるようになったのです。

放鳥時には、あまりの元気な飛び立ちに、写真を撮ることが出来ないくらいでした。
個体は、川の上流数百メートルの中州に降り立ち、少しカラスに追われるようにしてさらに遠くに飛んでいきました。





この個体が無事に厳しい冬を乗り越え、春を迎えられる事を祈っています。
北海道の冬は、野生動物にとって過酷で厳しく、より強い者だけが生き残ることが出来る、本当のサバイバルの時です。
この子もたくましく生き、春に大空を飛んでほしいものです。




おまけ:木になっているつもりのオオコノハズク

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