ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

北海道地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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利尻礼文サロベツ国立公園

115件の記事があります。

2015年04月10日早すぎる?雪解け

利尻礼文サロベツ国立公園 稚内 高澤 和大

こんにちは、稚内の高澤です。

3月31日に利尻島の三枝ARも記事にしていましたが、ここ利尻礼文サロベツ国立公園では例年にないペースで雪解けが進んでいます。以下の2枚の写真は礼文島の景勝地「桃台猫台」で2014年と2015年の同一日に撮影したものですが、その違いは一目瞭然です。


150409_桃台猫台

140409_桃台猫台


植物が次々に芽吹き出し、エゾエンゴサクなどの春を告げる花々も咲き始めました。この早い春の訪れを喜びたいのはやまやまですが、自然環境に何らかの悪影響を及ぼさないか一抹の不安を感じます。今後とも注視していきたいと思います。

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2015年03月31日利尻島に春が来た

利尻礼文サロベツ国立公園 三枝 幸菜

最近、利尻島は穏やかな春の陽気が続いています。

暖かな陽気に麓の雪もすっかり解け、青空にはいつの間にか戻ってきたウミネコが飛び交うようになりました。

冬が長く厳しい分、春の訪れの喜びはひとしおです。


今年は積雪が少なかったこともあり、雪解けが昨年に比べて2~3週間早く進んでいます。

例えば、1枚目は2015年3月30日に撮影した写真ですが、昨年2014年の4月9日にほぼ同じ場所で撮影した2枚目の写真と比較すると、利尻山の地肌が出ている部分が多いことがわかります。


2015年3月30日、沓形岬園地


2014年4月9日、沓形岬園地


しかし雪解けが早いといえど、利尻山上部はまだまだ冬衣をまとったままです。今の時期に利尻山登山をされる方は、冬山装備と知識をしっかりと備え、安全な登山をお楽しみください。


※注意!!

登山前には必ず登山計画書を提出してください。各宿泊施設、鴛泊駐在所で受け付けています。現在登山口にポストは設置されていません。

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2015年02月27日World Wetlands Day ~February 2, 2015~

利尻礼文サロベツ国立公園 高澤 和大

こんにちは、稚内の高澤です。


世界湿地の日を記念したAR日記リレーもいよいよゴールを迎えます。


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世界湿地の日とは、1971年2月2日にイランのラムサールという街で締結された「ラムサール条約」を記念して、毎年2月2日を「世界湿地の日 World Wetlands Day (WWD)」とした記念日です。ラムサール条約の目的である、湿地の恩恵や価値に目を向け、その維持と賢明な利用を達成するため、世界中で啓発イベントが行われています。

そこで一昨年に引き続き、ウトナイ湖、支笏湖、洞爺湖、クッチャロ湖、サロベツ原野など、北海道の代表的な湿地を含む国立公園等を所管するアクティブレンジャーで、AR日記のリレー企画を行います。

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日本最北のラムサール条約登録湿地、クッチャロ湖。


この湖は渡り鳥にとっての地理的な要衝として、道北の地に存在します。



日本最北端の宗谷岬から南南東へ約60km。


かつてオホーツク海の一部だったこの場所は、海流が運ぶ堆積物によって外海と隔てられ、
道北で最大の面積を誇る湖となりました。


極東ロシアと日本の間で渡りを行う鳥たち、とりわけ湖沼に餌を求める水鳥たちにとって、
その存在がどれほどの助けになるかわかりません。



毎年、冬の使者として日本各地に飛来するコハクチョウ。


そのほとんどが渡りの際に、道北地方を経由するといわれています。


生まれ故郷のシベリアから3,000km。


この地で越冬する個体もいますが、越冬地までさらに数百から数千km。


クッチャロ湖はそんな長旅の途中で羽を休める、大切な中継地の一つとなっています。



旅をする生き物にとっても、そこに棲まう生き物にとっても、

ここがいつまでも安らげる場所であるように。


そんなことを願いながら、アクティブレンジャーが何をしていけるか、考えていきたいと思います。



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2015年02月23日World Wetlands Day ~February 23, 2015~

利尻礼文サロベツ国立公園 山上佳祐

-------------------------------------------------------------------------------------------------------------------「世界湿地の日(World Wetlands Day)」とは、1971年2月2日にイランで締結された「ラムサール条約(国際的に重要な湿地に関する条約)」の記念日です。毎年、2月2日にはラムサール条約で定められた、湿地と湿地資源の保全と賢明な利用(ワイズユース)を推進するための啓発イベントが世界中で実施されています。

その世界湿地の日をAR同士が連携してPRできないかと考え、始まったのがAR日記のリレー企画です。3回目となる今年も、ウトナイ湖、支笏湖、洞爺湖、サロベツ原野、クッチャロ湖などの北海道の代表的な湿地を、リレー形式でご紹介します。

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世界湿地の日リレー企画、第5弾。ラムサール条約登録湿地のサロベツ原野については過去にも紹介してきましたので、今回はあえてサロベツ原野ではなく、普段は取り上げられる機会が少ない、サロベツ原野と日本海の間に広がる砂丘林を紹介します。

稚内から幌延までの海岸線に沿って、東西に約3km、南北に約30kmにわたって続くこの砂丘林は、ミズナラやトドマツなどの原生林と、大小あわせて約170もの湖沼群で構成され、国内では類を見ない特異な景観を形成していることから、国立公園特別保護地区、また北海道指定天然記念物に指定されています。中でも特徴的なこの湖沼群は、ミコアイサやアカエリカイツブリといった水鳥の国内でも数少ない繁殖地となっているほか、周辺ではジュンサイやオゼコウホネ、エゾカンゾウなどといった植物が生育する重要な湿地となっています。

さてそのような砂丘林ですが、散策路などは整備されていないため、林床に植物が繁茂し、湖沼の水面があちこちに顔を出している夏季には簡単に立ち入ることができません。しかし冬季には、林床は雪に覆われ、湖沼も厚い氷に閉ざされるため、スノーシューを履けば林内へ入りやすくなります。

※ 砂丘林は国有林であるため、一般の方が許可なく入林することはできません。

そこで林野庁から入林の許可をいただき、冬のある晴れた日に砂丘林の巡視に行ってきましたので、その様子をご紹介します。

砂丘林へ足を踏み入れた当初は物音ひとつ聞こえず、足下に湖沼があることがわからなくなるくらい雪に覆われているため、まるで砂丘林全体が深い眠りについているような感覚を覚えました。

しかし、注意深く探してみると、写真のような様々な生き物やその痕跡を観察することができ、冬の砂丘林も生き物たちにとっては、食料を得る場、風雪を凌いで休息する場などとして、夏と同様に生きていくために欠かせない場所なのだということを、改めて感じました。

いつの季節も変わらずに多くの生命を育むこの砂丘林は、人間にとっても、天然の防風林・防雪林などとして役に立ってきました。過去の厳しい風雪や人間活動などにより立木が失われた場所もありますが、そのような場所では自然再生の取り組みも進められています。私もサロベツ地域のアクティブ・レンジャーとして地域の方々と協力しながら、自然再生の取り組みに関わってきました。これからも末永く、この貴重な砂丘林を見守っていきたいと思います。

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2015年02月16日World Wetlands Day ~February 2, 2015~

利尻礼文サロベツ国立公園 三枝 幸菜

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世界湿地の日とは、1971年2月2日にイランのラムサールという街で締結された「ラムサール条約」を記念して、毎年2月2日を「世界湿地の日 World Wetlands Day (WWD)」とした記念日です。ラムサール条約の目的である、湿地の恩恵や価値に目を向け、その維持と賢明な利用を達成するため、世界中で啓発イベントが行われています。


そこで一昨年に引き続き、ウトナイ湖、支笏湖、洞爺湖、クッチャロ湖、サロベツ原野など、北海道の代表的な湿地を含む国立公園等を所管するアクティブレンジャーで、AR日記のリレー企画を行います。


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第4弾は、利尻島の「オタトマリ沼」です。


オタトマリ沼は、利尻島南部にある周囲1kmほどの小さな沼です。ラムサール条約には登録されていないものの、リシリアザミやエゾコウホネなどの植物が生育し、同じく利尻島内の南浜湿原、沼浦湿原とともに「日本の重要湿地500」の一つに選ばれています。


沼の周囲には遊歩道が整備されており、正面の桟橋からは北海道銘菓「白い恋人」のパッケージイラストと同じ姿形の利尻山を望むことができます。そのため、オタトマリ沼は利尻島の中でも屈指の観光スポットとなっており、ハイシーズンには多くの観光客が訪れます。


(オタトマリ沼)


またこのオタトマリ沼には、シノリガモやハシビロガモ、時にはコハクチョウなどの多くの水鳥がやってきます。これらの水鳥たちは、春と秋の渡りの途中で羽を休めるためにこの沼を利用しているようです。利尻島の小さな沼が、水鳥たちにとっては貴重な中継地となっているのです。


(オタトマリ沼で羽を休めるコハクチョウ)


一方で、オタトマリ沼には望まれざる来訪者もいます。それは、特定外来生物に指定されているオオハンゴンソウです。オオハンゴンソウは繁殖力が強く、その場所本来の生態系を壊してしまうことから全国的にも大きな問題となっています。ここ利尻島でも、オタトマリ沼の遊歩道脇や沼に面する道路脇に侵入しており、隣接する南浜湿原では大きな群落を作ってしまっています。


そこで、オオハンゴンソウから島本来の生態系を守るため、利尻島自然情報センターをはじめとする島内の方々やパークボランティアの方々とともに、毎年、沼の周辺でオオハンゴンソウの防除活動を実施しています。(防除活動の詳細については過去の記事をご覧ください。

2013年の活動:http://hokkaido.env.go.jp/blog/rishiri/a-wakkanai/index.html

2014年の活動:http://hokkaido.env.go.jp/blog/rishiri/a-wakkanai/index.html

毎年花を咲かせ種をつけるオオハンゴンソウの根絶は容易なことではありません。しかし、長年にわたる地道な防除活動の結果、目に見えて群落が小さくなった場所もあり、多くの方々の頑張りが着実に実を結びつつあります。


(オオハンゴンソウ防除活動の様子)


オタトマリ沼をはじめ貴重な湿地を有する利尻島。この場所が、人間だけでなく鳥や植物など多くの生き物にとっても安らぎの地であり続けられるように、その自然を守る活動はこれからも続いていきます。今は雪に閉ざされていますが、今年はどんな植物が咲き、どんな水鳥に出会うことができるのか、今から楽しみでなりません。


さて、続いてはラムサール条約湿地のサロベツ原野です。山上さん、よろしく!

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