ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

北海道地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2021年6月

6件の記事があります。

2021年06月30日オロフレ山ロープ張り

支笏洞爺国立公園 洞爺湖 小松瑠菜

こんにちは! 洞爺湖アクティブ・レンジャーの小松 瑠菜です!

先日、「オロフレ山自然環境保全連絡会」で、ロープ張りと登山道の整備(ササ刈り)を行いました。

※ササ刈りは林野庁さんとの協働で実施しました。

↑野鳥を観察する荒川AR(支笏洞爺国立公園管理事務所)

国立・国定公園の特別地域では、自然公園法第20条第3項第11号において、

高山植物その他の植物で環境大臣が指定するものを採取し、又は損傷することが規制されています。

この制度は、風致の重要な構成要素である植物の採取等を規制することにより、

特別地域内の風致の維持を図ることを目的とするものですが、

同時に、国立・国定公園内の希少種を初めとする植物の保護にも大きな役割を果たしています。

支笏洞爺国立公園の特別地域ではシラネアオイの採取は違反となります。

↑シラネアオイ群落に設置したロープ柵

↑ロープ柵に設置したパウチ

「とって良いのは写真だけ」を忘れずに、ルールとマナーを守って自然を楽しみましょう。

↑花を撮影する伊藤R(洞爺湖管理官事務所)

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2021年06月29日大雪山のパークボランティア始動!

大雪山国立公園 渡邉 あゆみ

こんにちは、東川管理官事務所の渡邉です。

北海道にも短い夏がやってきました。去年まで毎晩聞こえてきたオオジシギのディスプレイ・フライトも今年はあまり聞こえてきません。みなさんの地域はどうでしょうか。

毎年6月は山開きにあわせてパークボランティアのみなさんと旭岳周辺と十勝岳周辺の登山道整備をしていましたが、緊急事態宣言中はパークボランティア活動を停止したため、晴れて宣言が解除された6月23日(水)と6月25日(金)に登山道整備を行いました。

登山道整備は天候、メンバー、人数、雪解け状況など毎年状況が違い、また過酷な環境下での作業なので何年やっても「いつもと同じように」いかないのが山の作業の難しいところ。

ですが、今年は人数は少ないながらも二日間とも天気に恵まれ、無事に鉄ピンの交換やロープ張りが完了できました。

【鉄ピン一人4本(約5kg)、荷揚げの様子。】

荷揚げ中もおしゃべりは止まりません。パークボランティアのみなさんは本当に元気です。(この日はついつい頑張りすぎて11時間の行程となりました・・・)

強風地帯では新しいロープを試してみたり、装備を改良して作業効率をアップさせたり・・・今年も試作品をいくつか導入してみましたが、来年はあれも試そう、これもやってみよう、と頼れるみなさんとより良い整備にするためにワクワクする次なるアイディアが浮かんできています。

ハードな行程ですが、みなさんがいつも明るく作業してくださるので、なんと心強いことか。

パークボランティアとして大雪山を登るみなさんの熱意のある姿は本当に惚れ惚れとしますし、一緒に作業できることを誇らしく感じています。また、みなさんの熱意に答えられるよう、私自身も鍛えなければ!といつも高められています。

【名付けて、イワウメロード。星屑をちりばめたようでした。】

そして、みなさんと今年も大雪山に登れたこと。

大雪山が大好きで、大雪山を守りたいという同じ志の方たちと、同じ釜の飯を食べてから(大変な作業をしてから)見る大雪の絶景は、いつも以上に心に染み入り、本当に心強く、パークボランティアに出会えて良かったな~と思っています☺☺☺

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2021年06月22日アメリカオニアザミ(外来種)駆除作業

知床国立公園 神馬真旺

皆さん初めまして。

4月から知床国立公園ウトロ自然保護官事務所のアクティブレンジャーとして着任した、

神馬と申します。

さて、6月14日(月)に、

フレペの滝遊歩道でアメリカオニアザミの駆除作業を行いました。

まずはアメリカオニアザミについて簡単にご説明します

【アメリカオニアザミ(Cirsium vulgare)とは?】

もともと日本にはなかった外来種。

1960年代に北海道で確認されると、その後あっという間に日本各地に広がってしまいました。

北アメリカから輸入された穀物や牧草に混入してしまったと考えられています。

鋭いトゲやトゲトゲしいロゼット(※)が特徴。

環境省では外来種をいろいろなカテゴリに分類しており、アメリカオニアザミは「生態系被害防止外来種」(http://www.env.go.jp/nature/intro/2outline/iaslist.html)に分類されます。

(※)野草の冬越しの姿。タンポポなどに見られるように、葉を地面に放射状にぺったりつけている状態を

言います。

<全体像>

<特徴的なロゼット>

【問題点】

✿もともとその場所にあった植物を減らしてしまうなど、自然環境が変わってしまう。

✿鋭いトゲがあるので、家畜や草食動物を傷つけてしまう。

フレペの滝遊歩道でアメリカオニアザミを駆除するようになったのは、

知床の自然景観を守るためです。

アメリカオニアザミは知床に元々なかった種で、放置すると一気に広がってしまい、

自然環境や景色が変わってしまうおそれがあります。

日本の国立公園は、わが国を代表する風景地を守っています。

その中でも知床は世界遺産ということもあり、特に気をつけなければならないのです。

フレペの滝遊歩道では平成24年(2012年)頃から長年、

関係機関でアメリカオニアザミの駆除作業をしています。

その甲斐あって、年々、減少傾向にあるようです。

今年は麻袋12袋分のアメリカオニアザミを回収しました。

<作業風景>

✿繁殖を防ぐために、根っこから取るのが大事です。

アメリカオニアザミは大丈夫ですが、駆除後の運搬が禁止されている外来種もあります。

(詳細→http://www.env.go.jp/nature/intro/1law/regulation.html

外来種はアメリカオニアザミにとどまらず、多くの種が存在します。

そして、在来種や動物たちを守るために、駆除活動を行っている人たちがいます。

もし、あなたの住む地域で、外来種の駆除作業が行われていたら、参加してみませんか。

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2021年06月21日振り返れば山頂がお見送り

上村 哲也

 615()、大雪山国立公園の東大雪地域、上士幌町と鹿追町の境に在るウペペサンケ山を糠平コースから巡視しました。

 ウペペサンケ山は最高標高1,848mであるほか、東に糠平富士1,835m、西に西峰1,836mを配し、東西2km近い頂稜を持つ山です。アイヌ語で「雪融け水を押し出す山」を意味するといいます。早春に川の水が増す頃、帯広や音更の街から雪を纏うウペペサンケ山が壁のように立って望めます。

 標高890mほどの登山口から日帰りが一般的な中級の山でしたが、平成28年夏の大雨被害によって往復10km3時間前後の林道歩きが加わりました。途中、流失した林道を慎重に渡るところ、落石や倒木地帯を通過するところがあります。この日、倒木の枝打ちに手を出したこともあり、車止めから最高標高点まで往復13時間の行動となりました。ガイドブックやウェブサイトから下調べをしっかり行い、自身の行動時間を予測することが大切です。場合によっては糠平富士での折り返しや夏至など昼の長い季節を選ぶことも必要でしょう。

 以前、大雪山の登山といえば夏休みが取れる7月、8月が中心でした。大雪山国立公園に関わる仕事に就き、近くに暮らすことによって、さまざまな季節の大雪山に触れるようになりました。例えば、夏の終わりに紅く色付くウラシマツツジもそのひとつ。花の時期がとても早く目にしたことがありませんでした。茶色く枯れて目立たない群落の中、若葉より先にごくごく小さな花が咲くのでなかなか気付けません。緑がかった黄色い下向きのツボ型をした花。がくの近くに少し透明な小窓があり、花芯に陽の光を届けて温めているとも考えられています。

ウラシマツツジの花

 登山は、ぬかびら源泉郷の水源となる里山から始まり、トドマツ、ダケカンバの森を抜けてハイマツや高山植物の育つ森林限界へ。キバナシャクナゲ、コマクサ、ミツバオウレン、コメバツガザクラ、イワウメ、ミネズオウとさまざまな花が夏を告げていました。

 あいにくの曇り。稜線はガスに包まれほとんど展望は得られませんでしたが、帰路に振り返ると頂が姿を見せ見送りをしてくれていました。

振り返れば山頂がお見送り

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2021年06月17日しれとこのこと

知床国立公園 高林紗弥香

のびをするよう葉を展開させ、緑が美しい季節がやってきました。

こんにちは、羅臼自然保護官事務所の高林です。

「知床」と言えば手つかずの自然といったイメージを持たれる方も少なくないと思います。

しかし、知床半島には、数千年にさかのぼる先史時代の遺跡が数多く残されています。

その中でも10 世紀前後にオホーツク海沿岸で栄えた北方の漁猟民族によるオホーツク文化の影響を受けて、アイヌの人々は、シマフクロウやヒグマ、シャチ等を神と崇め、狩猟や漁労、植物採取等をしながら、豊かな自然を大切にした文化を育んだと言う歴史があります。現代史においても、特に羅臼町側は知床半島の先端部地区まで漁業が盛んであり、知床は先史時代から現代にかけて豊かな自然と人々の暮らしがあるといえます。

そんなことを感じたある休日の出来事をご紹介します。

羅臼町内を散策中、野生動物が歩くことにより土が露出している場所や、雨水や崩落により土が露出することがあります。よくよく目をこらして歩くと・・・

きらりと光る黒い石を見つけることがあります。

羅臼町郷土資料館

そして時にはこのように土器を発見することがあります。

こちらの土器は羅臼町の郷土資料館の学芸員さんに確認したところ、続縄文文化期のものでしょうとのことでした。

ロマン溢れる土器・・・一度手にしてみたい!と思う方もいらっしゃるかもしれません。

しかし!埋蔵文化財ですので、掘り起こさないで下さいね。


発見したときには、その街の博物館や郷土資料館へ連絡しましょう。

町内を歩いていると、住居跡であろうくぼみや石鏃、獣骨を発見することもあります。

この写真の周辺にも年代の違う遺跡が2つ確認されています。

この景色を当時生きた人たちも見ていたのでしょうか?

オホーツク文化期の遺物には動物意匠(モチーフ)のものが多く存在します。(動物意匠遺物といいます。)

羅臼町松法川北岸遺跡から出土した熊の形を模して作られた熊頭注口木製槽は国の重要文化財に指定されています。

いつか、動物意匠遺物に出会えることを夢見て・・・

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2021年06月16日南からやってきた!!カラスバト

苫小牧 大久保 智子

こんにちは。大久保です。

5月中旬、苫小牧市内でカラスに襲われていたカラスバトが保護され、ウトナイ湖野生鳥獣保護センターに持ち込まれました。

保護2日目の様子。写真:ウトナイ湖野生鳥獣保護センター

カラスバトには違いないけれど、カラスバトの中には、カラスバト、アカガシラカラスバト、ヨナグニカラスバトの亜種があるので、そのどれかを同定してほしいと依頼がありました。

カラスバトってなに?初めて聞く名前。どんな鳥だろうと図鑑や資料で調べてみました。図鑑の写真をみると、おお!!名前の通り黒いハト!!

『カラスバトは、羽色は全身黒く、頭部・後頸・背には赤紫色、頸と胸には緑色の金属光沢がある。

アカガシラカラスバトは、黒く金属光沢があり、頭上は単色でぶどう褐色。

ヨナグニカラスバトは、光沢のある黒い羽色で体色がやや薄い。』

ちょっと、いやかなり難しい。

羽色では違いがわからないので、生息環境などの情報を見てみます。

『カラスバトは、留鳥として京都府冠島以南の諸島に分布し、

常緑広葉樹林など密生した森林を好んで生息する。離島以外は稀。

アカガシラカラスバトは、小笠原諸島、硫黄諸島に分布。

ヨナグニカラスバトは先島諸島に分布。』

保護されたのは北海道苫小牧市。

なんで?どうしちゃったの?そんなことってある?

同定しようにも、調べれば調べるほど謎は深まるばかり。

小笠原諸島にしかいないアカガシラカラスバト、先島諸島にしかいないヨナグニカラスバトはあり得ないと思っても、カラスバトだって、いるのは京都より南の島が生息域とのことなので、もうお手上げです。

幸いにも事務所には、様々な分野に精通したベテラン保護官たちが在籍していて、しかもいろいろなネットワークをお持ち。心強いです。

早速、詳しい方たちに保護したカラスバトの写真を見てもらい同定してもらいました。

結果、収容された個体は、亜種カラスバトでした!

アカガシラカラスバトやヨナグニカラスバトは国内希少野生動植物種であり絶滅危惧種です。

カラスバトも環境省レッドリスト(※1)では準絶滅危惧種(※2)なので

希少な鳥が北海道にやってきたということになります。

2009年に函館で見かけたという報道があったそうで、北海道初飛来ではありませんでしたが、珍しい鳥には違いありません。

専門家の方が言うには、船で羽を休めてたら、船が出航しそのまま遠くの地へ運ばれるというケースが稀にあるそうです。

保護された日の苫小牧市の最高気温は15℃、最低気温は8.8℃でした。

京都府舞鶴市の5月の平均最高気温が23℃、最低気温は13℃なので、

たどり着いた先が寒くてさぞかし驚いたでしょうに。

ちょうどウトナイ湖に行く機会があったので、観察させていただきました。

ドバトより一回り大きく、全体が黒くて頸の周りが紫や緑色で綺麗です。

明らかな外傷はなく、体や翼などに異常もなく、様々な専門家のご指導を頂き、リハビリを行いつつ、体力も回復したと判断されたので、先日放鳥したそうです。

頑張って日本縦断旅を乗り切って無事に南にたどり着いてほしいです。

リハビリ中のカラスバト。写真:ウトナイ湖野生鳥獣保護センター

※1:環境省では、日本に生息する野生生物について、生物学的な観点から個々の種の絶滅の危険度を評価 し、レッドリストとしてまとめています。

※2:現時点での絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては「絶滅危惧」に移行する可能性のある種のこと。

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