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アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

北海道地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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大雪山国立公園 東川

170件の記事があります。

2013年12月16日旭岳スキーコースがオープンします

大雪山国立公園 東川 渡邉 あゆみ

こんにちは。
スノーヤーの皆さま、初滑りは済まされましたか?

強い低気圧が通過しているため、先週末からどっさり降った北海道内。
雪不足で、今か今かと雪待ちをしていたスノーヤーの皆さまは、やっと胸をなで下ろせる風景が広がっているのではないでしょうか。

本日、東川町、上川総合振興局南部森林室、旭岳ロープウェー、環境省で旭岳スキーコースの積雪量検査をしてきました。

【ゾンデ棒で積雪量計測中】

旭岳は高山植物に負担が掛からないように規定量の積雪量がなければスキーコースはオープン出来ませんが、無事規定量オーバー。
明日12月17日からBコースとCコースがオープンします。
Aコースは雪がつきにくい地形のため、まだ雪は少なく今年もオープンは年明けの予定です。

音もなくしんしんと雪が降り積もり、アカエゾマツの枝が重たそうにしなっている風景を見ると、
「今年もいよいよこの季節がきたなぁ」と夏のお花畑やナナカマドやハイマツの緑色が、じんわりと一面雪景色に塗り変わっていくのを感じました。
色もなく、音もなく、においもないけれど、ただふかふかな雪があるだけで満たされてしまいます。

【重たそうなアカエゾマツ】

そして、今シーズン3度目のスキーでしたが、他の山との雪質の違いに驚きました。
なんてったって軽い!!2回転びましたが、転びながら笑っていましたよ。柔らかくて痛くないんですから。

植生に負担のないよう、また怪我・事故のないよう雪山を楽しみましょう。

今きたばかりの冬なのに、このパウダースノーもあと3ヶ月(長くて4ヶ月)!!かと思うと、既に焦り始めています。
わたくし、気の早さ日本一。旭岳は、雪質日本一。
スキーの上達に勤しみたい2013冬。

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2013年11月26日冬本番に向けて

大雪山国立公園 東川 渡邉 あゆみ

先週末、十勝岳連峰の一角、上ホロカメットク山で5名のパーティーが悪天候で遭難し、ビバークしたもののテントごと滑落、1名が低体温症で亡くなる、という悲しい報道がありました。
亡くなった方は熟練の登山者だったようですが、経験・装備も非情に飲み込んでしまう自然の猛威は本当に恐ろしいです。

バックカントリーなどウィンタースポーツのメッカとなる十勝岳連峰。
先シーズンは雪崩で3名が亡くなるという痛ましい事故が続き、もちろん今シーズンも続けて警戒が必要です。

雪崩の知識、十分な装備、天候の見極め、技術・体力の有無、適正な判断力など、些細なことでも見落とし、甘んじてしまうと、雪山は命取りに繋がります。
また自分だけでなく、その山に入山している他の登山者も雪崩に巻き込んでしまう可能性があることも忘れないでください。

今シーズン、これ以上雪山で悲しい事故が起きないよう願うばかりです。

先日、南富良野町と富良野市にスノーモビル乗り入れ規制の看板を設置してきました。

【看板設置中】

大雪山国立公園は約23万ヘクタールのうち、6割に当たる約13万ヘクタールがスノーモビルが乗り入れすることができないエリアとなっています。

http://c-hokkaido.env.go.jp/nature/mat/m_1_7.html
[↑環境省HPにスノーモビル乗り入れに関する詳細が掲載されています]
http://c-hokkaido.env.go.jp/nature/mat/data/m_1_7/snowmobile.pdf
[↑乗り入れ規制位置図]


【スノーモビル乗り入れ規制看板】

エンジンを搭載したスノーモビルが脆弱な山岳地帯を走行すると、高山植物を痛め、衰退に繋がったり、
エンジン音・騒音により希少なクマゲラやシマフクロウなどの野生動物が営巣をやめてしまったり、生息できなくなったりします。

シーズン中は監視カメラを設置し、環境省やPV、自治体や山岳会でチラシによる普及啓発や、セスナ機で上空からの監視パトロールを行います。

厳粛な雪原に、不釣り合いなエンジン音が響き渡ることがありませんように。

【11月26日旭岳山麓 積雪40cm弱 
 旭岳スキーコースオープンには2m程の積雪が必要です】

スキーヤーやスノーボーダーの皆さま。いよいよ待ち焦がれたシーズンの到来ですね。
板の準備は宜しいでしょうか(私は、まだです)
グッドマナー&グッドライディングで、あっという間であろう短い雪山シーズンを堪能しましょう!!

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2013年11月20日大雪山パークボランティア第7期生誕生!

大雪山国立公園 東川 渡邉 あゆみ

11月16・17日、層雲峡ビジターセンターで大雪山国立公園パークボランティア養成研修会が開催されました。

大雪山のパークボランティア(以下PV)は現在92名在籍しており、今回新規会員となる第7期生は12名の応募でした。

これまで、新規会員の養成は研究者やガイドに講師を依頼していましたが、
創設25年の歴史ある大雪山PV、
「今回は現役会員が講師となり、新規会員を養成したい」との現役会員の意向により、
研修会は大雪山国立公園の概要、PV制度、PV活動を環境省職員が紹介し、
PVの安全管理とボランティア論、一般利用者対応、大雪山の気象・形成・植物・動物を現役会員の代表6名に講師を務めてもらいました。


【講師の皆さま】

講師の方には、それぞれの講義題材をわかりやすく解説して頂きました。
大雪山PVらしい暖かみのある研修会になり、
そんな雰囲気が新規会員の方々にも伝わったのではないでしょうか。


【研修風景】

大雪山PV活動はたった半年で40回以上もの活動があります。
登山道整備、外来種駆除、清掃、植生復元、利用者指導などなど。

これは自分の出番だ!と腕が鳴る活動には奮っての御参加を、
お花のこと、外来種のこと、あんまり知らないな~ということはPV先輩方がサポートをしてくれます。
私も活動の度に学ばせてもらっています。
それぞれの活動に意義と面白みがあり、全てがオススメの活動です。

平均年齢62才から54才に若返った大雪山PV総勢104名!!
改めてすごい人数…堂々全国一位の会員数の多さです!
(でもスゴイのは人数だけじゃない。活動自体、中身が濃いんですよ。)

美しく、雄大で、荘厳な大雪山。
皆さまの胸にある大雪山が、変わらない姿で在り続けるよう、地道に活動をしていきましょう。
そして、その有志にアクティブレンジャーも微力でありますが力添えさせてくださいね。

新規会員12名の皆さま、フレッシュな風を吹き入れつつ、末永い活動をお願いいたします。
現会員の皆さま、これまでと変わりなく、大雪山への愛に溢れた地道な活動をお願いします。
次は山でお会いできる日を楽しみにしています。



これからどうぞよろしくお願いします!!

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2013年10月02日大雪山のパークボランティアを募集します。

大雪山国立公園 東川 渡邉 あゆみ

 9月19日に、初雪を観測した旭岳。
一度、山の雪は溶けましたが、霜柱は溶けず、山頂はいつ降雪があっ
てもおかしくないシーズンとなりました。

先週末、パークボランティア会員の方々と
旭岳周辺と十勝岳周辺で踏み込み防止のために張っていた登山道の規制ロープ緩め・清掃を終えました。

【旭岳・十勝岳登山道整備の様子】

秋晴れに恵まれた両日。
360度ナイスビューな景色のおかげで、ザックに縛り付けたゴミも軽く感じたのではないでしょうか?
二日間、参加してくださった方々、今シーズン活動してくださった皆さま、本当にお疲れさまでした。
来年、また山でお会いできる日を楽しみにしています。

 これは雪が溶けないうちにまた冬が来るんじゃないか...!?と心配するような先シーズンの豪雪も、
気付けば溶けて豊富な水となり、植物たちを潤し一面お花畑になりました。
ナナカマドやハイマツの実がたわわに実り、動物たちも今は冬眠の準備で忙しいことでしょう。
あっという間に過ぎたシーズンですが、登る度に違う表情を見せてくれた大雪山。
長く厳しい冬を越えて、また山が深い緑に染まるときを心待ちにしています。

そこで夏山はいったんシーズンオフになりますが、
来シーズンより大雪山国立公園で活躍してくれるパークボランティア(以下PV)を募集します。

 PVは養成研修を受講し、北海道地方環境事務所の登録を受けた方々です。
活動内容は登山道の整備・外来種駆除・清掃活動・パトロール・自然解説など多岐に渡り、年間3回以上の行事に参加をしてもらいます。
大雪山PVは5月~10月の半年活動期間があり、
現在会員は92名、上川、石狩、十勝、網走など多地区に在籍しています。
 
 PVになるには様々条件はありますが、一番の条件は大雪山が好きなことだと思います。
大雪山が変わらない姿で在り続けるために、一緒に活動してみませんか?
定員は20名、10月23日まで募集します。
皆さまのご応募お待ちしております。


【笹刈り、外来種駆除、清掃、パトロールetc】

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大雪山国立公園パークボランティア募集要項

1.募集内容
大雪山国立公園において、国立公園の保護管理・利用者指導にご協力いただける「パークボランティア」を募集します。「パークボランティア」は、環境省北海道地方環境事務所長の登録を受け、国立公園の自然解説及び案内活動、利用マナーの普及活動、登山道の維持管理活動、貴重な動植物の保護活動など、多岐にわたる活動を行っています。

2.応募資格
1.パークボランティア運営協議会が定める年間活動の行事に3日以上参加できること。
2.野外で本活動を行えるだけの十分な健康と体力を有すること。
3.満20歳以上であること。
4.政治や宗教的立場を離れて本活動にあたること。
5.養成研修を全て受講できること。
6.二泊三日程度のテント泊装備を背負っての登山ができること。
7.登山道整備をはじめ、山域での作業ができること。

かつ、以下の養成研修会に参加できる方
   日 時 平成25年11月16日(土)~17日(日)
    場 所 層雲峡ビジターセンター
    内 容 「大雪山国立公園の概要」
        「パークボランティア制度の概要」
        「大雪山国立公園のPV活動の実際」
        「大雪山の形成」
        「大雪山の気象」
        「大雪山の植物」
        「大雪山の動物(昆虫、鳥類、ほ乳類)」
        「PV活動の安全管理」
 ※参加費無料(宿泊費は別途徴収) 

3.応募方法

   住所、氏名、性別、生年月日、連絡先 を電話、メールまたはファックスにて応募先までお知らせください。応募多数の場合は、書類選考としますので、申し込み書別紙に自己PR(200文字程度)を作成して下さい。結果は後日通知します。


4.応募締切 平成25年10月23日(水) 17時まで

5.問合せ・応募先
環境省 東川自然保護官事務所 (担当:佐藤、渡邉)
〒071-1423 
北海道上川郡東川町東町1-13-15 
電話:  0166-82-2527  
FAX:  0166-82-5086
メール: RO-HIGASHIKAWA@env.go.jp

【オプタテシケ山より眺望】

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2013年09月10日力自慢よ、集まれ!

大雪山国立公園 東川 渡邉 あゆみ

 大雪山の登山道は地元自治体や山岳会、パークボランティア、行政、ガイドなど山岳関係者と協働して、登山道を維持管理しています。

 9月8日久々の秋晴れとなった日曜日、
美瑛山岳会が発起人となり涸沢林道登山口から美瑛富士避難小屋下までの洗堀が酷い登山道に角材など補修に使う資材(角材1本5.5kg~7.5kg✕43本、鉄ピン✕29束)の運搬と、その資材の設置をしてきました。

 涸沢林道から美瑛富士避難小屋に上がる道は、登山者の踏圧によってここ数年で洗堀が一気に進み、
今では雨の日は「流れるプール」張りに水が勢いよく流れ落ち、ズルズルに足下が滑り、
おまけに急斜面、疲れた足では利用は避けたくなるような登山道でした。

 十勝岳連峰へのアタックは望岳台からが一般的ですが、この道を利用すれば、
オプタテシケ山、辺別岳へのアタックも少しだけ近くなります。
美瑛富士を正面に眺めながら歩けるルートなだけにもったいないですね。

【早々に売り切れた角材と鉄ピン 】

 そこで今回、美瑛山岳会がグリーンワーカー事業による荷上げ企画として資材運搬を募集し、
山岳会、パークボランティア、山の愛好者、山岳整備関係者など40名もの有志が募りました。驚きの人数です。

 登山口から5kmほど歩いたところまで、一人1本~多い方で合計4本角材を運び上げた強者もいます。頭が下がります。
 このコースは足場も悪いですが、手つかずの自然環境が残るエリアのため、背負子から伸びた角材が樹木にひっかかりなかなかスムーズに歩けません。
 足下・頭上両方で苦戦しながら、約4時間後無事に目的地着。


【黙々と運搬中】

 それから運びあげた角材を浸食でズルズルに滑る部分に鉄ピンで設置をしました。作業時間は二時間ほど。
 近自然工法の手法で角材を設置をした北海道山岳整備の岡崎哲三氏が手がけた階段は、既に現場になじみ、安全に歩きやすくなっています。
プロの手腕、恐れ入りました。

【近自然工法による角材設置 
歩きやすい上に、元の浸食された登山道が思い出せません】

 今回、補修をして少しだけ歩きやすくはなりましたが、それはごく一部。
まだまだ整備ははじまったばかりであると下山中、痛感しました(何故なら何度か滑って転んだから…)。

 協働して、お互いの長所を取り入れ、維持管理をしていく。
 今年度、7月には新得山岳会発起人によるトムラウシ短縮路の丸太運びがあり、美瑛山岳会発起人による資材運びは7月と今回の9月の2回行われました。

 単体ではマンパワー不足に悩みますが、今回40名もボランティアが集り、驚く早さで資材運搬が出来ました。
 これが来年度以降も続いていき、安全に楽しく利用ができる登山道が増えていくことを願っています。
 今回作業に携わった皆様、発起人の美瑛山岳会の皆様、お疲れさまでした。

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2013年08月26日セイヨウオオマルハナバチ防除活動

大雪山国立公園 東川 渡邉 あゆみ

 8月に入ってから不安定な天候が続いている北海道。
ここ数日は夕方になると滝のような雨が降ります。
今も事務所の窓から見る旭岳方面は真っ黒な雲に覆われています。

 8月半ば、四日間に渡り大雪山パークボランティアの方々と旭岳周辺で「セイヨウオオマルハナバチ」の防除活動を行いました。
 セイヨウオオマルハナバチ(通称セイヨウ)はヨーロッパ原産のマルハナバチで黄色と黒のモコモコの体毛と、真っ白いお尻がトレードマーク。
北海道の庭先ではよく見慣れたハチです。

【捕獲したセイヨウ 花粉ダンゴあり】

 セイヨウはマルハナバチの中でも一番体が大きく素早いですが、本来は大人しい性質なのでセイヨウから襲ってくることはあまりありません。
 ハチは花粉媒介者としては自然界では重要な役割を果たしていますが、セイヨウは受粉をせずに花の基部に穴を開ける「盗蜜」をしたり、
在来バチの巣を乗っ取ったり、在来バチとの交雑により在来バチの生息数が減るなど深刻な被害を及ぼすために環境省では平成16年にセイヨウを特定外来生物に指定し、
環境省・パークボランティア・関係団体・バスターズの方々と防除活動を行っています。
 
 今回、四日間で捕獲したセイヨウは旭岳姿見園地付近では13頭、温泉街で2頭。
 セイヨウが大雪山に定着しているのは知っていましたが、実際に自分が捕獲したときはやはりショックでした。
 
 セイヨウの防除と共に、在来バチのモニタリングもしましたが花びらが柔らかくなったエゾオヤマノリンドウに潜り込んで蜜を吸っている在来バチや、花粉を付け過ぎて飛べなくなっている姿を見ていると、お花と蜂とがお互いに助け合って共存している自然のサイクルに改めて感動します。
 そして、このサイクルが狂うきっかけになった殆どが何らかの要因によって人間の手が加わってしまったからです。

【セイヨウの大好物 エゾオヤマノリンドウの“盗蜜”をしたらしき跡】

 外来種駆除は地味で地道な活動が必要です。成果を上げると嬉しい反面、定着している事実にショックを受けます。
 セイヨウに関しては北海道のバスターズに登録すれば国立公園内の山岳地帯での駆除も可能なので興味のある方は登録をしてみては如何でしょうか?
http://www.pref.hokkaido.lg.jp/ks/skn/alien/seiyo/basutazu.htm
【↑北海道セイヨウオオマルハナバチ・バスターズ募集のURL】

 そして、もしセイヨウを見つけて虫取り網をかぶせる時も、お花を傷つけないよう優しく網をかぶせてくださいね。でも素早さは忘れずに!

 今回のセイヨウ防除に参加してくださった会員の皆様、そして複数回に渡って参加してくださった方々、ありがとうございました。これからも大雪のセイヨウ防除活動にご協力をお願いします!

【目を皿のようにして観察します】

 日暮れが早くなり、山の上はエゾツツジの葉やナナカマドの実が色づきはじめています。
昨夜、今年はじめて鈴虫の鳴き声が聞こえ、私もつられて一緒に泣きたくなりました。
「まだまだ夏山に登っていたい……!!!」

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2013年06月25日満開登山道整備

大雪山国立公園 東川 渡邉 あゆみ

6月16日、21日にパークボランティア会員の方々と旭岳周辺の登山道整備を行いました。

山開き翌日である16日は朝からスカッと晴れ、絶好の山日和となりました。
高度を上げる毎に見えてくる雄大な山々に思わずため息。
ウスバキチョウの舞いを横目に、旭岳9合目付近~裏旭野営指定地~間宮岳分岐までのロープ張りと、旭岳標柱のペイント作業を行いました。
またこの日は間宮岳分岐から中岳温泉上部まではミネズオウ、コメバツガザクラ、キバナシャクナゲが満開で、あまりの美しさに一同なかなか歩み進めることが出来ませんでしたね。

【登山道整備の様子】

標高2,000mの厳しい環境の中で小さいお花たちが競うようにびっしりと咲き、どこまでもお花畑が広がっているんです。
ある花はフレームの一角のように誇らしく、ある花は岩壁に、ある花は痩せた土壌に。
素晴らしい景色と、可愛い花々と、野鳥のさえずりとで、浮かれないはずがありません。
きっと天国があるならこんなところ、なんて思ったりもします。

21日はガスの中、間宮岳分岐から中岳分岐のロープ張りを行いました。
この日はイワウメとエゾノツガザクラが満開。延々と続く白とピンクのカーペット。
ザックは重くとも、内心はスキップをしながらの整備作業。この日の作業してくださった方々も、目も心も潤ったでしょう。
平日で少ない参加者ながらの大仕事、お疲れ様でした。

また、裾合平の残雪状況ですが、現在でも中岳温泉下部から約5キロに渡り大雪原が広がっています。
ガスが出てくると数十m先も見えませんし、平らな道が続くので方向感覚を失います。
足跡を辿るのは難しく、読図・コンパスワークが出来なければ残念ながらまだ少しの間は裾合平はオススメ出来ません。
自信がない方は夏道が出るまでもうしばらくお待ちください。

大雪山はたった数日で、同じ場所でも景色が変わります。
高山植物の開花と次の出番を待つ鈴なりの蕾たち、雪渓、野鳥と、蝶と遠くに見える山模様の移り変わり。
雄大で、どっしりと存在感に満ち、美しく、時に厳しい姿は、例えようのない羨望のような気持ちでいっぱいになり、登れば登るほどにその姿に引き込まれてしまいます。

【満開のイワウメの絨毯】
今回、登山道整備に参加してくださった方々、ありがとうございました。
次の行事を楽しみにしています。

大雪山の夏山シーズンはあと3ヶ月!短い!焦ります。気が早いでしょうか?

【北海道のてっぺん 旭岳2,290m】

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2013年06月13日夏山シーズン到来

大雪山国立公園 東川 渡邉 あゆみ

皆様、いかがお過ごしでしょうか?

ここ東川町ではゴールデンウィークの寒さを取り戻すべく、
連日夏日を記録しております。

新緑の緑が日に日に濃くなり、野鳥の声に加えて
虫の声やカエルの鳴き声も聞こえるようになってきました。


【新緑と青空】

私の管轄するエリア、旭岳と十勝岳連峰では今週末に山開きを控えています。
ついに、シーズンの到来です。
スケジュール帳にも山の名前を書く日が増えてきました。
十勝岳、旭岳、富良野岳、トムラウシ、美瑛富士、旭岳、旭岳....三日と開けず旭岳。
容赦なく刻まれる山のスケジュールに嬉しい悲鳴。


【十勝岳山頂より】

アクティブレンジャーとしての初めての夏はどんなシーズンになるのか。
事務所でも、帰り道も、寝る前も、もちろん休日も山のことばかり考えています。
名付けて山病。特効薬は山に登るのみ。いっそ山になりたい。
どんな道を歩けるのか、どんな鳥が見れるか、どんな景色が見られるのか。興奮します。

今は目の前のことに精一杯ですが、夏が終わる頃には少しは成長できるのでしょうか。
あっという間に過ぎる短いシーズンを噛み締めながら毎日過ごして行きたいです。
少しはタフになりたいですね。

※ 今年の豪雪により、山の雪解けはかなり遅れています。
  お気を付けて、山行を楽しんでください。

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2013年05月13日パークボランティアって知っていますか?

大雪山国立公園 東川 渡邉 あゆみ

5/11,12に十勝岳温泉の凌雲閣にて大雪山国立公園パークボランティア連絡会総会と春山研修が開催されました。

<パークボランティアとは?>
ざっくり一言で説明すると、大雪山に想いを寄せ国立公園の保全活動に協力して頂ける有志(ボランティア)の皆様。

大雪山国立公園のパークボランティアはなんと日本一の登録数(H24年7月時点)!総勢92名。
重たい丸太を担いで登山道を整備したり、清掃活動や、自然解説等も行うスーパー山男・山女たちの集まり。
そして、国立公園はパークボランティアの皆様のご協力なしでは成り立ちません。

初日は24年度の活動報告、25年度の活動計画等の総会がありました。


【総会風景 的確な意見が様々でました】 

総会最中、窓の外は暴風雨が吹き荒れ、これは明日の春山研修は中止だな…と誰もが諦めて床について、翌朝目覚めると…
ほぼ無風、雲の奥にうっすらと山の稜線が見えるではありませんか!下界には雲海が。美しい~!
そそくさと準備をはじめ、4パーティに分かれ十勝岳連峰をスキーやスノーシューでトレッキング開始。

私は三段山スキーコースに参加しました。
山にリフトはないので、スキーに“シール”という滑り止めを張り、登って滑って降りてきます。
ところが、だんだんガスが濃くなり、ホワイトアウト。
頂上までの距離200mというところで危険の為、残念ですが今日は標高1.500m、ここまで。
さて滑降開始!
雪質はザクザクでしたが、テレマークスキーや山スキーを自在に操り、楽しまれる皆様。素敵です。
私は自分のヘッピリ腰スキーを呪いつつ、来シーズンの滑りの上達を夢見るのでありました。
そしてもちろん、半年のもの間、雪を楽しませてくれた大雪山にも感謝です。

【上)三段山スキー隊12名】 
【下)カッコイイ~!】

今回全員とはお話しできませんでしたが、お話させて頂いた方々は、誰もが「自分でも出来ることなら…」とパークボランティアの活動について想いを口にされていました。
ですが、なかなか「自分でもできることから」との思いには発展していかないものです。
私が今まで大雪山を歩いて来られたのも、皆様の活動ありきだったんですね。本当に感謝です。
これからはわたしも大雪山を愛する一員として、皆様と一緒に様々な活動に汗を流したいと思います。
その為にはまず体力作りからはじめなければ…。

パークボランティアの皆様、今年度も怪我のないよう、元気に活動しましょう!
今回、出席してくださった皆様、どうもありがとうございました。
そして、今回お会いできなかった皆様、どうぞよろしくおねがいします。


【凌雲閣前にて】

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2013年04月05日はじめまして

大雪山国立公園 東川 渡邉 あゆみ

4月1日より東川自然保護官事務所にアクティブレンジャー(以下AR)として着任した渡邉あゆみです。

大雪山の麓、旭川市で生まれ育ち、山の知識は独学・・・環境のこと、自然のことについては勉強中ではありますが、
大雪山を好きな気持ちは人100倍、できることなら(恐れ多いのを承知で書きますが・・・)、
大雪山になりたいくらい大雪山が大好きです!
もしくはエゾヒグマになって大雪山に住みたい。。

ですがそれは無理なので、愛してやまない大雪山の保全活動に携われる奇跡のような環境に感謝し、
初心を忘れることなく、大雪山の魅力・問題・情報を発信していきますので、どうぞよろしくお願いします。

さて、昨日自然保護官の佐藤レンジャーとはじめての現地調査に行ってきました。
美瑛町のとある場所に設置してあるスノーモビル監視カメラのデータ回収と、
美瑛町の白金 野鳥の森の野鳥観察舎と東屋の屋根の積雪状態を確認です。

両地ともスキーを履いて巡視をしましたが、途中にエゾシカの死骸を発見しました。
臑から下は綺麗に毛も蹄も残っていましたが、それ以外の部分は他の動物が綺麗に食べたようです。
餌がなく餓死した子鹿であると推測しました。
子鹿にとっては悲しい運命ですが、子鹿の肉が他の野生動物たち、キツネやタヌキ、猛禽類の餌となり、それで寒い冬を乗り越えられるのでしょう。
初巡視でショッキングな光景ではありましたが、これが自然の厳しさ。
これからはどんどんこういう場面に遭遇していくでしょう。
しっかり受け止めていきたいです。


子鹿の死骸 綺麗に肉は食べられています

丸一日かけ、スノーモビルのデータ回収、また白金野鳥の森の東屋の巡視を無事に終えました。

近頃は天気もすっきりせず、山も見えない日が続きましたが、
昨日は久々に十勝岳連峰が望むことができました。素晴らしい山々!
この白い山と青空のコントラストもあと少しですね。



白金 野鳥の森 観察舎 


道ばたでは雪がとけ、草も見え始め春が近いのを実感しました。
ヒグマも目覚めているようで、巡視中に足跡を発見しました。

ARの任務に就き、改めて責任の大きさに気負いする面は大きいですが、
大雪山がいつまでも変わらない姿であり続けられるよう、職務を全うしたいと思いますので、まだ右も左もわかりませんが、温かい目で新米ARを見守ってください。
どうぞよろしくお願いします。


右から美瑛岳と美瑛富士

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