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アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

北海道地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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知床国立公園 羅臼

188件の記事があります。

2012年08月06日“シレ”とこの“ココ”ろえです。

知床国立公園 羅臼 後藤 菜生子

知床といえば…?
「知床五湖」や「カムイワッカ湯の滝」「羅臼岳」などが有名でしょう。
でも、その奥には簡単に踏み入ることのできない場所があります。
それが、「知床先端部地区」。

せんたんぶちく?
それっていったいどんなとこ?どうやったら行けるの?

先端部地区とは、
知床岬や知床岳を含む、知床半島先端の陸域と海域の指定された範囲を指しています。そこは原始性の高い自然が色濃く残る場所であり、自らの力でしか立ち向かえない場所であり、そして、自然を保全するために様々な配慮が必要な場所です。

先端部地区で楽しめるのは、登山、海岸トレッキング、シーカヤック、サケ・マス釣りなどのアクティビティ。原始的な自然環境の中だからこそ、この上ない体験ができることでしょう。

たとえば、“知床岬まで海岸トレッキング”。
まず、知床岬まで至る道はありません。知床岬まで片道約20キロの海岸そのものがトレッキングのルートです。
巨岩から小石まで大小さまざまな石浜を歩きながら、途中に待ち構える難所を通過しなければいけません。落差最大100メートルの岩壁の高巻きや、落ちたら海にドボンの垂直壁水平移動など数々の困難が待ち受けます。
そしてそれらには懸垂下降などのロープを使った下降技術や、クライミング技術などが必要です。



また、満潮時には渡渉ポイントが水没し通過できないこともあるので、事前に潮位をみて綿密に計画を立てる必要があります。最低でも2泊3日は必要ですし、約20キロの荷物を背負って歩ける体力と、十分な技術・万全の装備、そしてすべてにおいて自己責任であるという自覚が必須です。

それに加え、先端部地区は特にヒグマの高密度生息地でもあります。出会わないため・出会ってしまったときの備えはもちろん、自分の身を守るだけでなく他の利用者への配慮も含めたフードコンテナ持参など、ヒグマ対処法と装備を身につける必要があります。



そしてもちろんのこと、自然環境へのインパクトを最小限にする配慮もしなければなりません。

そんなスリル満点なアクティビティ、海岸トレッキング。
自ら努力したものだけが味わえる知床岬到達の瞬間は、この上ない達成感と感動で満ち溢れること間違いないし!



知床の厳しくも素晴らしい自然から得られる本物の感動が、ここにはあります。

でも、そのためには守ってほしいルールや注意してほしい事項があります。
それらをまとめたものが「知床半島先端部地区 利用の心得」。
原文のルールブックをより分かりやすくしたWEBページ「シレココ」もあります。知(シレ)床先端部地区利用の心(ココ)得で、「シレココ」。
また、先端部の入口には現地の情報を入手したり、レクチャーを受けたり、フードコンテナなど装備品をレンタルできる施設、ルサフィールドハウスもあります。知床先端部のアクティビティをお考えの方は、お立ち寄りくださいね。

備えを十分に。その先に感動が待っています。


知床世界遺産ルサフィールドハウス
http://shiretoko-whc.jp/rfh/

知床先端部利用の心得「シレココ」
http://www.env.go.jp/park/shiretoko/guide/sirecoco/index.html

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2012年07月24日出張授業を行っています。

知床国立公園 羅臼 後藤 菜生子

外来生物っていったいなんだろう。
外来生物の侵入によって生態系にはどのような影響があるのだろう。
身近な自然の中にどんな外来生物いるんだろう。
そして、それらを学ぶことによって、身近な自然の大切さや生物多様性を保全する意識をもってもらえたら。
そんなことから、根室振興局が根室管内の小中学校を対象に、外来生物の出張授業を行っています。

昨年から行っているこの出張授業。
そこで講師として、子どもたちに外来生物についてお話しをしています。

外来生物が生態系に与える影響が、生きものの命の循環システムを崩してしまう一因になっていること。でも私たちの都合で連れてこられた外来生物、人間活動が要因となって急激な環境改変が起きていること。本来の生態系や在来生物を保全していくためにも、これ以上の外来生物の侵入と分布拡大を防がなくてはならないこと。
それらを知ってもらうため、また、子どもたちの身近な自然をより大切に感じてほしい、そんな思いで授業を行っています。


授業では、生態系に影響を及ぼす外来生物・そのしくみについてと、特定外来生物であるセイヨウオオマルハナバチをメインとしたお話。


そして野外観察では、実際にセイヨウオオマルハナバチの捕獲や、ネイチャービンゴなどを通して行う自然観察など。


雨天時には、羅臼事務所考案の
「セイヨウVS日本のマルハナ 勝つのはどっちだ!」ゲームを通して、セイヨウオオマルハナバチの特性や捕獲の効果を体感しました。

授業を通して、子どもたちは普段見慣れた身近な自然の中にも、実は外来生物が存在して生態系に影響を与えていることや、もともとあった生態系を保全していかなければならないことなど、感じてくれたのではないかと思います。

正直、外来生物について教えるというのは、私たち大人がもたらした影響を、未来を担う子どもたちに伝えるもどかしさを感じながらの授業です。
でも、こうした授業を通じて、改めて身近な自然や生きものの大切さや素晴らしさを感じるきっかけになれたら、とても嬉しい。そして、生まれ育った場所の自然を大切に思いながら育ってほしい、そう願い、授業を行っています。

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2012年07月23日ヒグマにばったり!

知床国立公園 羅臼 菅原 弘貴

7月5日、海岸の巡視
巡視中はヒグマ対策として、「オーオーオー」といつも大声で叫びながら歩くのですが、それでもヒグマに出会ってしまう事もあります。

海岸の岩場を歩行中、ふと前をみると岩場の間にヒグマを発見!!
ヒグマを発見した瞬間はいつも緊張が走ります。

ヒグマは、こちらを見てもなかなか逃げるそぶりを見せず、通り道をふさがれ身動きがとれない状況になってしまいました。しばらく様子を観察し、ヒグマが山側へ移動したことを確認、無事巡視から帰ってくることができました。
改めて知床の自然の怖さと雄大さを肌で感じた経験でした。


そのときのヒグマ

知床半島には多くのヒグマが生息しています。どこにいても遭遇の可能性が高い地域です。海岸トレッキングや登山などの際には、必ずヒグマ対策を怠らないようにしてください。ヒグマも人間が怖いのです。ヒグマが人を襲うときのほとんどは自己防衛か子グマを守るためだと考えられています。ヒグマに出会っても背を向けて逃げたりせず、まずはヒグマと自分の状況を冷静に確認してください。ヒグマを刺激する事が一番危険です。
 


ヒグマ発見環境

知床にはとても美しい花がたくさん咲きます。
ですが花に見とれて下ばかり見ていると、いつの間にかヒグマがすぐ近くに!!なんてこともありえます。

知床半島先端部に立ち入る利用者には高い登山技術や体力、判断力が必要です。
すべて自己の責任にゆだねられることを十分に理解した上で、トレッキングに挑戦してください。皆さんも知床先端部ご利用の際は、ルサフィールドハウスに立ち寄って必要な情報を収集してください。

知床半島先端部のご利用の際は、
下記の 知床半島先端部 利用の心得(シレココ)のページをご利用ください。
http://www.env.go.jp/park/shiretoko/guide/sirecoco/index.html

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2012年06月22日知床半島先端部の植物事情

知床国立公園 羅臼 菅原 弘貴

雪が溶けてからの知床半島の季節の移ろいは、とても早く感じます。
5月の上旬にようやくミズバショウやスミレなどが咲きはじめ春がきたかと思うと、6月の今ではすっかり初夏の突き刺すような日差しが照りつけています。季節が進んでいくと様々な植物にも出会えるようになります。

知床半島先端部では、ミヤマオダマキが観察できました。


青く鮮やかな花を咲かせるミヤマオダマキは、普通は高山などで観察できる花なのですが
知床半島の先端部では、海岸沿いで観察する事ができます。


他にも、タカネグンバイやイワベンケイなどの色鮮やかな亜高山帯の植物も観察する事ができました。
 
・・・がしかし先端部には、アメリカオニアザミという外来の植物が繁茂しているのです!!このアメリカオニアザミが増えると貴重な植物たちを駆逐してしまうかもしれません。 これ以上分布域を広げないために、羅臼自然保護官事務所ではアメリカオニアザミの駆除を行っています!


 アメリカオニアザミ
アメリカオニアザミは、元々ヨーロッパ原産の植物です。別名セイヨウオニアザミとも呼ばれます。知床国立公園にはこのアザミが多く侵入してきており、エゾシカもこのトゲトゲのアザミは食べません。それに加えとても繁殖力が強く、早いスピードで分布を拡大してしまうくせ者です。上の写真はまだ小さい個体ですが大きい物だと1.5mまで成長します。
エゾシカが食べてくれると一番手っ取り早いのですが、そう簡単にはいきません。
一つ一つ、人の手で駆除していく方法しかないのです。

知床の美しい自然を守っていくには、自然の変化に対応し、解決していくための地道な活動が必要なのです。

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2012年06月20日花が咲くとこ、笑顔も咲きます。

知床国立公園 羅臼 後藤 菜生子

最近、ようやく暖かくなり知床の森も青々と茂り始めました。
短い春が過ぎ、森の色と鳥のさえずりに初夏の訪れを感じる今日この頃…。

日差しが心地よい土曜日の朝。
羅臼ビジターセンターで、観察会が行われました。

羅臼ビジターセンターの前の川を挟んで向かいにある、羅臼温泉園地遊歩道。
ここで、長年知床の自然や動植物を研究している浅沼孝夫さんを講師にお呼びし、春から初夏に見られる花々の観察を行いました。

羅臼温泉園地歩道は、
羅臼温泉裏手にあり、全長約1km所要時間約90分のお手軽散策路。
石畳や木道などから成り、時にはアップダウンもあって様々な表情を見せてくれる歩道です。

歩き始めてすぐにみんなの注目を集めるものが。
目線の先には…

マムシです。
「近くに温泉蒸気が湧いていて地熱が高いので、こうした爬虫類も生息できるんですね。他にも、ツヅレサセコオロギという本来は温暖な地域に生息する昆虫も見ることができるんですよ。」
写真を撮ったり観察しながら、浅沼さんの解説を聞きます。
しっぽを揺らして威嚇するマムシ。
日向ぼっこを邪魔され怒らせてしまったようです。
ごめんねー。


葉と葉の間から日差しが差し込み、風が頬をなでながら吹き抜けていきます。
そんな歩道では、たくさんの花々を観察することができました。



今が時期のスミレたちも、たくさんの種類があります。浅沼さんに見分け方を聞きながら、小さく可憐な姿をじっくり観察すると少しずつその違いが分かるようになります。

大ぶりな花が目立つ、オオバナノエンレイソウ。
別名アメフリバナって呼ぶんですって。
「運動会の時期に咲くんだけど、運動会で雨が降るから摘むなよ!ってよく言われたわ」
参加者の方からのお話も交えながら、会話にも花が咲きます。



上を見上げてもいろんな花々が。
木々にはイタヤカエデの黄色い花やハウチワカエデの赤い花、エゾヤマザクラもまだ咲いています。
多種多様な花々とその景色、そしてみなさんとの会話に、参加者だけでなくスタッフもみんなが笑顔。

会話も笑顔もあふれた歩道散策は、あっという間に出口に到着です。
参加者のみなさんが羅臼町の方でしたが、
「こんな歩道が近くにあったなんて知らなかった」「また来たい」
というお声もあり、みんなで歩いて観察できたことでまたひとつ、羅臼温泉園地歩道の魅力発掘につながったようです。

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2012年06月08日捨てるのは「捨ててもいいや」の気持ちだけ

知床国立公園 羅臼 後藤 菜生子

青空が気持ちいい日曜日。
開館を待つルサフィールドハウス駐車場は、いつもと違う朝を迎えていました。


軽トラを筆頭に大きなトラックなど、何台もぞくぞくと詰めかけてきます。
そこから次々とガタイのいい男性ばかり降りてきます。
総勢約50名が集結。なにが始まるのでしょう…?

屈強な男性陣の多くは、漁師さん。
手にはビニール袋。

今日は、海岸清掃を行う日だったのです。



日々、海の上で魚などを獲っている漁師さん。
羅臼自慢のサケ、ウニ、昆布、ホッケ、スケトウダラやマダラ、カレイ類、貝類などなど…根室海峡がこんなに豊かなのは、山や川などの生態系と複雑に関係しているから。
そんな自然環境から恩恵をうけている私たちこそ、地元の自然を守っていかなければ、との思いから、羅臼漁協青年部さんが立ち上がり多くの漁師さんを始め、漁協、羅臼町役場、知床財団、そして私たち環境省が協力しこの活動は3年目を迎えます。

海岸にはさまざまなゴミが打ちあがっていました。
空き缶やペットボトルなどの小さいゴミから、意図的に捨てたのではと思われる粗大ごみまで。また、中には日本語表記ではないゴミもあり、ゴミ問題の大きさを感じずにいられませんでした。
その数もとても多く、驚くことに1時間もしないうちにトラックがいっぱいになってしまうほどでした。



もしかしたら何気なくポイと捨ててしまうのかもしれません。
中には、見えない所ならバレないだろうと捨ててしまうのかもしれません。

でも、こんな活動をしている人たちがいるということを知り、
思いが通じれば、きっとゴミは減っていくと思います。
そして、ゴミひとつないキレイな街だったら、“何気ないポイ”なんてできないでしょう。

ゴミを捨てるのも、拾うのも人間。
ゴミを捨てない意識も、自然への姿勢も、安心して住める街も、
これからを担う子どもたちに引き継いでいけるのは私たちしかいません。

そして、自然環境は私たち人間だけのものではなく、私たちはその一部であることを忘れてはいけないと思います。

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2012年06月08日アライグマとは一体何者

知床国立公園 羅臼 菅原 弘貴

お久しぶりです。 羅臼自然保護官事務所の菅原です。
アライグマは、北アメリカ原産の特定外来生物で、さまざまな動植物を幅広く捕食する雑食性であり、さらに繁殖力が強いことから自然環境への影響が懸念されています。ここ知床国立公園でもたびたびアライグマの目撃情報が寄せられており、希少な生態系や野生動物などへの影響が問題視されています。羅臼では、アライグマの木に登る習性からシマフクロウへの影響が心配されています。

ここで、簡単なアライグマとタヌキの見分け方をご紹介します。


アライグマ特徴             
・目の間の黒い線            
・シマシマの尻尾   


タヌキ特徴
・黒い足
・一様な色の尻尾

一番の特徴は、尻尾です。アライグマは縞模様の尻尾を持っています。
タヌキの尻尾には縞模様はありません。

アライグマが日本に定着してしまった理由は、ペットブームです。

アライグマは、その風貌のかわいらしさからペットとしてとても人気がありました。
幼獣のアライグマは、おとなしくかわいいものの成獣のアライグマは人になつきにくく、気性が荒く、手がつけられなくなる例が後を絶たず、このため多くのアライグマが野外に放され、野生化するに至りました。ペットを飼うことは悪いことではりません、生き物を飼うといことは、命に責任を持つということです。ペットを飼っている方は、最後まで責任を持って面倒を見てください。

アライグマだけなく他の外来種でもこのようにペットが逃げ出して野生化してしまう例が数多く存在しています。外来種の問題は、日本全国でさまざま問題になっており、早急に対応していかなくていけない大変重要なことです。

人間が持ち込んだ野生動物が原因で自然の生態系に様々な影響を与えてしまっているのです。そういう意味では、海外から持ち込まれた野生動物たちは被害者なのかもしれません。全く知らない土地に連れてこられたら、その土地で頑張って生きて行くしかないですからね。

 ぜひ皆さんも外来種の事をもっと知って、自然の事を考えてみてください。

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2012年05月23日花より団子、足には花粉団子

知床国立公園 羅臼 後藤 菜生子

道内各地からその情報は届くのに、羅臼ではなかなかその気配が感じられずにいました。
しかし…!
羅臼にもようやく桜前線が到達!
やっぱり桜を見ると、春を感じますねー。
愛でましょう、桜。


エゾオオマルハナバチ
 「いやいや!それどころじゃないわよ、私たち。
  花粉をたくさん集めないと、卵を育てられないの。

  落ち葉の下や木の根元で、長ーい冬の寒さにただひたすら耐えて、
  ようやく外に出られるようになったわ。
  でもここからが大変。
  まずは、朽ち木の切り株やネズミの古巣、物置小屋の隙間とか、
  巣が作れそうな場所を探すの。
  それから、卵を産むための部屋を作る材料を集めたり、
  卵を産んでからだって、卵をあたためたり、幼虫のごはんを集めたり、
  お世話をしなきゃいけないし。
  これ、ぜーんぶ女王のあたし一人でやるのよ。
  忙しいんだから!」


 「日本の桜はキレイね~。蜜もけっこういけるし。」


おっと、あなたはセイヨウオオマルハナバチの女王では?
その白いおしりはまぎれもなくセイヨウオオマルハナバチ。


本来の生息地ヨーロッパから、私たち人間の手で持ち込まれ、
日本に定着してしまったセイヨウオオマルハナバチ。

外来生物である彼らは、高い繁殖力と力の強さで、もともといた日本のマルハナバチ類の生息を脅かすだけでなく、ハチが送粉する花との共生関係を
「盗蜜」という形で崩してしまい、植物にまで悪影響を及ぼしているのです。

春は、これから巣作りする女王バチが飛んでいる時期。
たくさんの働きバチたちが生まれる前の今が、効果的な捕獲のチャンスです。


桜を見る目が、いつのまにか白いおしりを追っかけている…。
花より団子、団子よりセイヨウ、な春なのでした。

※白いおしりを捕まえるときは、花を傷つけないようにご注意を!

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2012年04月20日野生の厳しさ!

知床国立公園 羅臼 菅原 弘貴

 野生の厳しさ!
平成24年4月17日
今日は、相泊方面の巡視に行って参りました。
巡視の最中には、かなりの高確率でエゾシカが観察できるのですが、
気のせいか今日観察したエゾシカはとても弱々しく見えました。

エゾシカは雪解けで地面から顔を出したササを食べており、
知床の長く厳しい冬を乗り切るのに必死である事が伝わってきます。
特に今年は全道的に積雪量が多く、野生動物にとっては
とても厳しい冬であったでしょう。
海岸線を歩いていてもしばしばエゾシカの死体を目にし、
自然の厳しさを痛感します。
野生動物の必死にたくましく生きている姿を見て、
いつも感動を覚えます。

自分もあのたくましさを見習わなくては!と思いつつ
生きています。見習っているかは別として・・・・





写真:雪から出たササを食べるエゾシカ

これから春に向けて、生き生きとした野生動物たちの姿を早く見たい!
羅臼の山々が一面緑になるのが待ち遠しくてたまりません。

これからアクティブレンジャーの巡視は羅臼岳や知床岬など
ハードな内容なものも増えてきます。
これからますますディープな内容の自然情報を発信していきたいと
考えていますのでよろしくお願いします。

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2012年04月13日初巡視

知床国立公園 羅臼 菅原 弘貴

みなさま、はじめまして。
今年の4月2日から環境省羅臼自然保護官事務所アクティブレンジャーに着任しました菅原弘貴(すがわらひろき)です。よろしくお願いします。

今日は、初の野付半島・野付湾鳥獣保護区の巡視を行いました。
野付半島・野付湾鳥獣保護区の巡視内容は、傷病鳥獣の確認・収容、エゾシカの食害状況の記録、外来種駆除、自然情報の収集、利用状況の収集などがあります。これらの業務を定期的に行っています。
今回の巡視では、野付半島湾内の氷が一部溶けており、オナガガモやヒドリガモなどもカモ類の小群を発見できました。ほかにも海側にはクロガモ、シノリガモなどのカモが見られました。また草原の野鳥では、ヒバリが姿を見せてくれました。ヒバリが来ると春の訪れを感じますね。この日は、アラナミキンクロという珍しいカモが来ていたらしいのですが、出会えなかったのでとても残念です。


ハシビロガモ              

野付半島では年々エゾシカの食害が進んでいる様子で、昨年は多くのエゾカンンゾウの花のつぼみがエゾシカの食害に遭い、今年の開花状況が心配されます。エゾシカの個体数の増加が様々な形で自然環境に影響を与えています。私も自然環境の保全に貢献できるように、これから精一杯業務に取り組むとともに、その様子を情報発信していきますのでよろしくお願いします。

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