ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

北海道地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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知床国立公園 ウトロ

220件の記事があります。

2014年06月06日知床国立公園50周年

知床国立公園 ウトロ 笠井 憲子

6月1日は知床が国立公園に指定された記念すべき日です。
そして、今年は知床国立公園指定50周年を迎えたということで、
記念イベントがありました。

キックオフイベントとして、知床国立公園を有する斜里町と羅臼町を結ぶ知床峠で『知床峠の標識除幕式』が行われました。



白い布で覆われたNEW標識の横では、釧路自然環境事務所長が
挨拶をしております。



新しい標識がお披露目され、関係者により記念撮影です。

この知床峠の標識除幕式の中で、『知床国立公園50周年・世界遺産10周年記念事業』の
開始宣言も行われました。

実は来年7月には、知床世界自然遺産登録10周年になります。
知床は今年から来年に掛けて、めでたいこと続きなのです。

記念事業は斜里町、羅臼町、北海道、林野庁北海道森林管理局、
環境省釧路自然環境事務所で、これから1年様々なイベントを行って、
知床をさらに盛り上げていきます。

現在、斜里町のゆめホール知床 ロビーにおいて
『知床国立公園50周年・世界遺産10周年記念パネル展』と題して、
知床国立公園世界遺産の歩み、保全管理の取り組み等について
展示紹介をしております。

ゆめホールでの展示は6月13日までですが、網走市や札幌などでも
リレー形式で行われますので、お近くに来た際にはご覧下さい。

詳しくはこちら、
知床国立公園50周年・世界遺産10周年記念特設ホームページ
http://www.pref.hokkaido.lg.jp/ks/skn/ssi/50th-10th.htm

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2014年05月29日今年の知床はアツい夏になる。知床国立公園50周年・世界遺産10周年

知床国立公園 ウトロ 高橋 優太

お久しぶりです。知床国立公園・ウトロの高橋です。

知床五湖がオープンし、知床横断道路が開通し、ゴールデンウィークの盛況も一段落、ふと見やれば野山は日増しに緑が萌えて、日なたに立っているとなんだかうっすら汗ばんできて……時、正に初夏!知床のハイシーズンが始まります!


(快晴の知床五湖と知床連山)

さらに今年は知床にとって特別な年……ご存じでしょうか?そう、知床が国立公園に指定されてから50周年!さらに来年は世界遺産に登録されてから10周年なんです!
そんなわけで6月1日(日)は、10:00の知床峠でのキックオフイベントを皮切りに、様々な催しが知床各地で目白押し!

自然体験イベント
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 ●「おさんぽ自然観察会」
    羅臼岳登山道等を散策し、自然観察を行います。

 ●「ホエール・バードウォッチング」
    知床の自然豊かな海がはぐくむ、希少な生き物たちを身近で観察できます。

 ●「幻のポンホロ沼を見に行こう!」
    ポンホロ沼と周辺の森を散策し、自然観察を行います。

 ●「100平方メートル運動地公開ツアー」
    原生林の再生を目指す知床100平方メートル運動地を森づくりスタッフが案内します。

シンポジウム
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 ●『奇跡の海~地球でただ一つの「RAUSU」~』

  ・基調講演(1) 「羅臼海域の海獣類(アザラシ等)」
    - 講師: 東京農業大学教授 小林 万里 氏

  ・基調講演(2) 「羅臼海域の豊かさについて」
    - 講師: (有)知床ダイビング企画 関 勝則 氏

  ・パネルディスカッション「世界遺産・羅臼の海の今後の保全と活用」

その他イベント・特典
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 ●知床自然センターのイベントなど
   (1) ダイナビジョン終日無料。上映後、スライドレクチャーを実施。
   (2) 知床・オホーツクの夕日写真展の開催(7/31まで)

 ●知床五湖来場者への特典
   (1) オリジナルしおりの進呈(駐車場チケットハウス)
   (2) 地上遊歩道立入認定者に記念バッチ贈呈(知床五湖フィールドハウス)

 ●5種類のオリジナルポストカードプレゼント
   知床にある5ヶ所の自然系施設で、それぞれデザインの異なるポストカードがもらえます。


6月1日以降も怒濤のイベントラッシュがまだまだ続きます!詳しくは下記をご覧下さい!

 ●知床国立公園50周年・世界遺産10周年記念特設ホームページ
   http://www.pref.hokkaido.lg.jp/ks/skn/ssi/50th-10th.htm

 ●『知床周年記念イベントガイド』(PDF / 2.8MB)
   http://www.pref.hokkaido.lg.jp/ks/skn/grp/06/50th-10thevent.pdf

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2014年02月13日雪かきボランティア

知床国立公園 ウトロ 笠井 憲子

地元住民の方々と雪かきボランティアをしてきました。
流氷が広がる海の景色を観光客に見て頂こうと、
世界遺産地域に通じる道路沿いの
ガードレールにたまった雪を取り除きます。

地元団体『しれとこ・ウトロフォーラム21』の声がけに、
住民の方々やウトロで工事を行っている業者さんなど、
たくさんの方が来ておりました。


右奥に見える台地と周辺の海域が世界遺産兼、国立公園区域。

今年は雪が降った後に気温が上がったこともあり、
ガチガチの氷になってしまっているところも多く大変な作業でした。
心が折れそうになりながらも頑張り、
心の代わりにスコップを折ってしまう人も…



どこまでも続くかのように思えましたが、徐々に開いていきます。



見てください。
ガードレールの下にたまっていた雪がきれいに取り除かれ、
海がよく見えるようになりました。

観光客に素晴らしい景色を見て頂こうと、
地元住民の「お・も・て・な・し」です。

現在、流氷が来ております。
真っ白にどこまでも続くかのような流氷を眺めながらのドライブどうですか?

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2014年01月29日ワシの体臭

知床国立公園 ウトロ 高橋 優太

冬の知床半島ウトロは、流氷で海に蓋がされるまでの間、天候が荒れることが多いのですが、この日は久しぶりに気持ちの良い快晴でした。通勤時に半島中央部を走る峰々が白く輝くのが見え、もう朝から有頂天。週末が待ち遠しい!と浮かれていたところへ鳴る電話。

「ワシが列車にひかれた、まだ生きている」

オオワシかオジロワシと思われる大型の猛禽類が、釧網本線止別~浜小清水間で列車にはねられ、線路脇にうずくまっているとのこと。エマージェンシー!即出動!

このような傷病を負った希少動物が道東地域で発見された場合、釧路湿原にある野生生物保護センターへただちに担ぎ込まれ、集中治療がおこなわれます。ただし一口に道東と言っても広く、今回傷病ワシが発見された小清水町止別から保護センターまでは約2時間。そのため、川湯自然保護官事務所を中継地点にして、リレー搬送です。現場へ向かう道中、救急車が緊急走行しているのを見てパトランプがほしくなりました。


かくして到着。JRの方に案内していただくと……いました。オオワシです。




傷病ワシの捕獲訓練は受けていますが、実戦は初めてということもあり、緊張します。しかも次の列車が来るまであと20分。その前に線路から待避しなければならないので、ゆっくりしている暇はありません。

というわけで腹を決めて、




  こうして!!!




  こう!!!!!



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後日、治療を受けたオオワシの予後を聞きました。腰骨の骨折が致命傷となり、残念ながら息を引き取ったそうです。
オオワシは線路付近でエゾシカ肉を食べていて、列車にはねられたとのこと。風力発電の風車にバードストライクしたり、銃猟で鉛弾を撃ち込まれたシカを食べて鉛中毒になったりと、ワシ類は私たちの生活の影響を、目に見えて受けています。

腕にかかえた際に上着へ移った、今は亡きワシの体臭の残り香に、なにか、物思わずにはいられない心地がしました。

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2014年01月29日エゾシカ料理教室

知床国立公園 ウトロ 笠井 憲子

しれとこ科学教室が今年も行われました。
この科学教室は世界遺産知床のことを住民の皆さんにも
より知ってもらおうと毎年開催されているものです。

今年のしれとこ科学教室は、
『増えすぎたシカたちの管理と有効活用』をテーマに、
全3回住民向け講演が行われました。

3回目の今回はエゾシカ料理教室です。
講師は釧路のレストラン「イオマンテ」のシェフ舟﨑一馬さん。


シェフの鮮やかな包丁さばきに思わず松永Rものぞき込んでいます。


本日のメニューはエゾシカ肉の簡単ローストとエゾシカ肉のコロッケです。
まずはコロッケから


左上:エゾシカのブロック肉をミンチにしています。
右上:みじん切りのタマネギとエゾシカのミンチをしっかり炒め
左下:マッシュポテトと炒めた具材を合わせて、俵型に成形しています。
右下:おいしそうなきつね色に揚がっています。

次は、簡単ローストディア


左上:シェフがかたまり肉に焼き色をつける見本を見せています。
右上:焼き色をつけたお肉をポリ袋に入れ、湯せんで中まで火を通しています。
左下:ローストディアを切り分け、盛りつけ中。
右下:おいしそうに盛りつけられました。

今回の料理教室には、町内からたくさんの人に来て頂くことができました。
中には猟友会のおとうさん方もいて、「普段は料理なんて全然しないよ。」
と言いながらも、手際よく調理をしている姿が素敵でした。

調理の後は、できた料理をおいしく食べることができて、
参加者の皆さんも満足そう。
シェフに、エゾシカ肉の調理方法や普段も使える料理のコツなど
も教えてもらえ、大変勉強になりました。
ありがとうございます。

私も家で、ローストディアとコロッケを作ってみたいと思います。
皆さんもエゾシカ肉を食べて、みてください。
おいしいですよ。



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2013年12月27日海ワシ調査

知床国立公園 ウトロ 笠井 憲子

知床半島は海ワシ類の重要な越冬地なので、飛来状況を確認するため、
11月から毎週オジロワシ・オオワシの飛来状況を調べております。
(羅臼自然保護官事務所でも行われています)
調査方法は海岸線を車でゆっくり走りながら、ワシの数や居る場所、何をしているかなどを記録します。



左:オオワシ 右:オジロワシ
木に止まり海を眺めております。



こちらはオジロワシ。かっこいいです。



このオジロワシはお食事中でした。

オジロワシ、オオワシ共に飛来数が徐々に増えて来ています。
12月26日の調査では、知布泊の港からオシンコシンの滝までの区間で
オジロワシ15羽、オオワシ7羽 計22羽の海ワシが見られました。
特にこの日はオンネベツ川周辺に多くのオジロワシがいました。

寒い時期ですが、海ワシを見にぜひ知床を訪れてください。
天気のいい日には青空をバックにワシたちが飛び回っていますよ。

最後になりましたが、今年一年お世話になりました。
みなさまよいお年をお迎えください。



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2013年12月16日山も野原も綿帽子かぶり、枯木残らず花が咲く

知床国立公園 ウトロ 高橋 優太

11月末に知床五湖が閉園し、早半月。流氷がやってくる1月下旬までの2ヶ月間、ここ知床半島・ウトロの町は、人影もまばらで静まりかえります。知床のオフシーズンですね。
山の稜線上に見えていた雪が徐々に海辺まで降りてきて、とうとう知床半島全体が真っ白に覆われ、さあいよいよ冬が来るぞ、となるわけですが……



寝て起きたら一気に真冬だったッ!

先日12月15日の日曜日、道内は荒れに荒れ、各地で暴風雪が吹き荒れました。ここウトロも同様で、明け方「ゴゴゴゴ」という唸りが聞こえ、窓から外を見ると猛吹雪です。そして程なくして「バツン」という音と共に、真っ暗闇に。これは!と近所のコンビニの様子を確認して理解しました。

そう、停電です。

今年の3月、道内各地で死者を出した、あの暴風雪の悪夢が脳裏をよぎります。その後、停電と復旧を3度繰り返し、ようやく安定した頃にはもう日が傾き始めて……。



明けて16日月曜、フレペの滝へ巡視に向かいました。

積雪は20cmほど。まだスノーシュー等は不要で、長靴で行くことができます。ニュースに聞いた、道央の方の50~60cmなんて積雪に比べればかわいいものですが、それでも、白一色になった風景に冬の到来を実感した瞬間でした。

さてそんなこんなで今年もあと残すところ2週間、押し詰まって参りました。ちょっと気が早いようにも思いますが、皆様、良いお年をお迎えください。とりわけ雪国住まいで長期間ご自宅を空けられる方は、水道の水抜きをお忘れ無きよう……(自戒の念をこめて




おまけ: 雪化粧がまだナチュラルメイクだった頃の知床連山(11月末・知床五湖より)

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2013年11月08日羅臼岳冬囲い

知床国立公園 ウトロ 笠井 憲子

羅臼岳の銀冷水に、今年のシーズン終了間際に設置された
携帯トイレブースの冬囲いをしてきました。
地元山岳ガイドや地元山岳会の方にも協力して頂きました。

すっかり秋も深まって、落ち葉だらけの登山道を上っていきます。
途中、霜柱が見られたり、




登山道の岩が凍っていたり(滑ります)、
雪が積もっていたりしながら、銀冷水に到着です。
銀冷水はすっかり雪。



携帯トイレブースでは、外に出っ張っている部品を外したり、
中に雪が入り込まないように板をはめたり、
ブルーシートで覆ったりと作業を進め、



大変寒い中、冬囲い終了です。

これから、ここは雪にすっかり覆われてしまうそうです。
来年度からの本格運用に向けて、
春には無事な姿で雪の中から出てきますように。



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2013年10月24日知床に秋到来!と思ったら、遠目に冬が這い寄ってきているのが見える

知床国立公園 ウトロ 高橋 優太

ご無沙汰しています。知床国立公園・ウトロ自然保護官事務所の高橋です。

繁忙期である夏が終わり、連休のたぐいもあらかた過ぎ去り、なんだか一段落した感があります。立ち止まって辺りを見回すと、景色が随分と様変わりしているのが分かります。



川を覗けば、次代へ命を繋いだカラフトマスが力尽き、「我々の出番」とばかり遡上する、力強いシロザケの群れ。



森を歩けば、静かに降り積もる落ち葉に、葉が落ちあらわになった様々な実。そんな森の恵みのお相伴にあずかる、エゾシカやエゾリス、カラ類などの小鳥達。

山に登れば、山肌を彩る木々の紅葉、標高が上がるにつれ寒風が吹きすさび、山頂には白く凍りついたエビの尻尾(霧氷)。

「知床は今、秋です!」



という記事を書き、アップしようとしていたのですが、先日の台風が通り過ぎたところ……



雪が積もってる!?

一足飛びどころか、全力疾走で駆け寄ってくる冬の足音を感じました。
冬の到来に伴い、道路にある各ゲートが順次閉鎖され、カムイワッカ湯の滝や知床五湖への立入、そして知床峠(ウトロ~羅臼間)の通行ができなくなります。晩秋・初冬の知床へお越しの際はご注意を!


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● カムイワッカ湯の滝への立入終了
 11月1日(金)午前11:00~ 道道知床公園線・知床五湖ゲート閉鎖のため、立入りができなくなります。


● 知床五湖の閉園
 10月25日(金)午後15:00 本年度の営業期間が終了し、閉園します。


● 知床峠(ウトロ~羅臼間)の通行終了
 1. 10月24日(木)~10月30日(水)17:00~翌朝9:00 夜間通行止め
 2. 10月31日(木)~11月6日(水) 15:00~翌朝10:00 夜間通行止め
 3. 11月7日(木)15:00~来年4月下旬 全面通行止め

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2013年07月26日海鳥WEEK開催中!

知床国立公園 ウトロ 笠井 憲子

海鳥WEEK 2013 を7/22~31の期間で開催しております。
期間中はイベントが盛りだくさんです。その中の『うみどりトークin観光船おーろら』にお手伝いに行ってきました。



うみどりトークでは海鳥の専門家福田さんによる解説トークを観光客の皆さんの前で行いました。松永Rも一緒に解説をしています。


ところで、『ケイマフリ』という海鳥を知っていますか?
ケイマフリというのは、環境省絶滅危惧種Ⅱ類に指定されている世界的にも貴重な海鳥で、知床半島には100羽程度が生息しています。今時期は営巣をしており、ヒナのために魚のイカナゴを咥えているところを見ることができます。
福田さんのお話では、ケイマフリは極東ロシア沿岸や日本北部沿岸にしか生息しておらず、大変貴重な鳥で、知床が世界で一番見やすいそうです。



私は今回の観光船で初めてケイマフリを見ることができ、感激しました。自由に飛び回るケイマフリをうまく写真に納めることができませんでしたが、黒っぽい体に真っ赤な足、目の周りが白色です。




海鳥WEEKのイベントはまだまだあります。期間中に知床にお越しの際は海鳥WEEKのイベントにぜひご参加下さい。

詳しくは http://dc.shiretoko-whc.com/keimafuri/

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