2012年6月
24件の記事があります。
2012年06月14日今の緑岳
大雪山国立公園 上川 大久保 智子
6月12日の高原温泉から緑岳の様子です。
登山口から、展望台までは、少し残雪があります。凍っているところなどもありますので、通行の際は滑らないように気をつけて下さい。
この日は天気予報がいい方に外れ、夏道がでている展望台まであがると、高根ヶ原や忠別岳の展望が見渡せました。樹林帯を越えると、第一花畑から第二花畑、そしてガレ場までは、びっしり雪です。

第一花畑から。
第一花畑からガレ場入口までは雪がつながっています。
天気が悪く視界不良だと方向を見失うかもしれませんので、要注意です。
晴れていれば、方向がわかりますが、まだ今のところ、少しのピンクテープしか目印はありません。
広場からガレ場、山頂までは、雪がなく登山道を歩き、花を見ながら山頂まで楽しめます。

ミネズオウと高根ヶ原や忠別岳。
登山道脇では、高山植物が気分を盛り上げてくれます。
山頂から見える、白雲岳そして旭岳の雪の白と山肌の茶色の縞模様が芸術的です。

山頂から旭岳方面。
ミヤマキンバイの黄色が輝いていました。
花の開花状況は、ミヤマキンバイ、メアカンキンバイ、キバナシャクナゲ、イワウメ、コバメツガザクラ、ミネズオウ、エゾオヤマノエンドウなどが咲いています。これから次々と花の咲き出すのが楽しみの季節になりました。
登山口から、展望台までは、少し残雪があります。凍っているところなどもありますので、通行の際は滑らないように気をつけて下さい。
この日は天気予報がいい方に外れ、夏道がでている展望台まであがると、高根ヶ原や忠別岳の展望が見渡せました。樹林帯を越えると、第一花畑から第二花畑、そしてガレ場までは、びっしり雪です。

第一花畑から。
第一花畑からガレ場入口までは雪がつながっています。
天気が悪く視界不良だと方向を見失うかもしれませんので、要注意です。
晴れていれば、方向がわかりますが、まだ今のところ、少しのピンクテープしか目印はありません。
広場からガレ場、山頂までは、雪がなく登山道を歩き、花を見ながら山頂まで楽しめます。

ミネズオウと高根ヶ原や忠別岳。
登山道脇では、高山植物が気分を盛り上げてくれます。
山頂から見える、白雲岳そして旭岳の雪の白と山肌の茶色の縞模様が芸術的です。

山頂から旭岳方面。
ミヤマキンバイの黄色が輝いていました。
花の開花状況は、ミヤマキンバイ、メアカンキンバイ、キバナシャクナゲ、イワウメ、コバメツガザクラ、ミネズオウ、エゾオヤマノエンドウなどが咲いています。これから次々と花の咲き出すのが楽しみの季節になりました。
2012年06月13日ヒナを拾わないでください
支笏洞爺国立公園 洞爺湖 大塚 武
四十三山巡視中、遊歩道脇の茂みの中に生き物が動く気配を感じたので茂みをよく観てみると・・・
草の影でじっとしている小型の野鳥を発見しました。

<草の影で小鳥を発見>
見るからに幼く、色や模様などからするとシュジュウカラ(※)のヒナかと思われます。
ヒナはだいたい羽が生えそろっているので、巣立直前か巣立ちの際に巣から飛び出しうまく飛べずに地面に着地したのかと思います。
ケガしている様子もないのでそっと見守っていると藪の中に飛び跳ねて行きました。

<レンズ越しにヒナと目が合う瞬間>
もし、巣立ち直後のヒナがいても拾ったり、捕まえて家で飼ったりしないでください。
野鳥のヒナはまだ上手に飛べないままで巣立つことが多く、そのようなヒナでも多くは子育て最中なので、
親鳥の邪魔をすることになってしまいます、ましてや捕まえてしまうと親鳥からしてみると誘拐になってしまします。
そっと観察した後は静かにその場から立ち去りましょう。
(詳しくは、(財)日本鳥類保護連盟の右記URLよりご参照ください:http://www.jspb.org/hina.html)
※シュジュウカラ(学名:Parus minor)
鳥類 スズメ目 シジュウカラ科 シジュウカラ属
日本の森林や湿原などに生息する全長13–16.5cmの鳥。
かん高い声で「ツィピーツィピー」と繰り返し鳴く。
果実、種子、昆虫などを食べる。
4月~7月にかけて皿状の巣を作り、卵を産む。
約2週間メスのみが抱卵し、雛は孵化してから約3週間で巣立つ。
親鳥は黒い一本の模様が胸にありネクタイのように見える。
草の影でじっとしている小型の野鳥を発見しました。
<草の影で小鳥を発見>
見るからに幼く、色や模様などからするとシュジュウカラ(※)のヒナかと思われます。
ヒナはだいたい羽が生えそろっているので、巣立直前か巣立ちの際に巣から飛び出しうまく飛べずに地面に着地したのかと思います。
ケガしている様子もないのでそっと見守っていると藪の中に飛び跳ねて行きました。
<レンズ越しにヒナと目が合う瞬間>
もし、巣立ち直後のヒナがいても拾ったり、捕まえて家で飼ったりしないでください。
野鳥のヒナはまだ上手に飛べないままで巣立つことが多く、そのようなヒナでも多くは子育て最中なので、
親鳥の邪魔をすることになってしまいます、ましてや捕まえてしまうと親鳥からしてみると誘拐になってしまします。
そっと観察した後は静かにその場から立ち去りましょう。
(詳しくは、(財)日本鳥類保護連盟の右記URLよりご参照ください:http://www.jspb.org/hina.html)
※シュジュウカラ(学名:Parus minor)
鳥類 スズメ目 シジュウカラ科 シジュウカラ属
日本の森林や湿原などに生息する全長13–16.5cmの鳥。
かん高い声で「ツィピーツィピー」と繰り返し鳴く。
果実、種子、昆虫などを食べる。
4月~7月にかけて皿状の巣を作り、卵を産む。
約2週間メスのみが抱卵し、雛は孵化してから約3週間で巣立つ。
親鳥は黒い一本の模様が胸にありネクタイのように見える。
2012年06月12日今の黒岳
大雪山国立公園 上川 大久保 智子
層雲峡の新緑も際立ってきて、事務所から見える大雪山の山肌も、白から茶色へと変わってきています。6月になると、夏山の準備に入るようになり、先週末には高原温泉の道路が、今週末には銀泉台への道路が冬季閉鎖が解除され、いよいよかというと思うと気持ちがそわそわしてきます。
先日の6月7日に黒岳に巡視に行きました。

黒岳全景
全体的に雪解けが早く感じますが、それでも7~8合目はまだ残雪が多くあるので、雪対策は必要です。

7合目から8合目の様子
9合目からは夏道も出ているところもあり、山頂やその周辺は雪はありません。雪解け状況の目安となる石室付近の雪はだいぶ溶け石室の屋根は出ていて、入口付近のみ残っている程度でした。石室は6月16日からの営業になりますので、今頃準備が始められているでしょう。

ポン黒岳から
この日は天気がいまいちでしたが、山頂から見た北鎮岳、お鉢周辺、北海岳は、残雪と山肌のコントラストが見応えありました。いつの季節も大雪山の景色は雄大で素晴らしい。

山頂付近はミネズオウが見頃。
ほか、ウラシマツツジ、キバナシャクナゲ、イワウメ、ミヤマキンバイなどが咲いていました。
いつもよりは雪解けは早いですが、山頂に上がるまでは、雪の上を歩かなくてはなりませんので、それなりの装備と十分な注意が必要です。
先日の6月7日に黒岳に巡視に行きました。

黒岳全景
全体的に雪解けが早く感じますが、それでも7~8合目はまだ残雪が多くあるので、雪対策は必要です。

7合目から8合目の様子
9合目からは夏道も出ているところもあり、山頂やその周辺は雪はありません。雪解け状況の目安となる石室付近の雪はだいぶ溶け石室の屋根は出ていて、入口付近のみ残っている程度でした。石室は6月16日からの営業になりますので、今頃準備が始められているでしょう。

ポン黒岳から
この日は天気がいまいちでしたが、山頂から見た北鎮岳、お鉢周辺、北海岳は、残雪と山肌のコントラストが見応えありました。いつの季節も大雪山の景色は雄大で素晴らしい。

山頂付近はミネズオウが見頃。
ほか、ウラシマツツジ、キバナシャクナゲ、イワウメ、ミヤマキンバイなどが咲いていました。
いつもよりは雪解けは早いですが、山頂に上がるまでは、雪の上を歩かなくてはなりませんので、それなりの装備と十分な注意が必要です。
2012年06月08日雌阿寒岳登山巡視② ~生きもの編~
阿寒摩周国立公園 阿寒湖 北川 栄司
雌阿寒岳の登山巡視ですが、雌阿寒温泉登山口から登りました。
まずは、10㎝程度の体のどこからあんな声が出せるのかと思うミソサザイ、控えめに「ルリビタキだよ」とさえずるルリビタキに送られながら森林帯を歩きます。
山頂近くでは、ブーメランのような姿で飛び回り、時おり見せる白い腰がアクセントのイワツバメの群れが舞っています。
昼食をとったお花畑のハイマツでは、クマよけ鈴と間違えそうなカヤクグリの声が聞こえます。
下山してオンネトーを眺めると、オシドリのつがいが訪れています。
数日前巡視した、オンネトー登山口から近い湯の滝ではキセキレイやウソが飛び回っていました。
(画像が撮れたのはオシドリとキセキレイだけですが…。)

昼食をとったオンネトーコース8合目のお花畑では、ミネズオウが見頃です。

メアカンキンバイとコマクサは、ポツポツと開花している程度でした。

これからメアカンフスマやイワブクロ、イワギキョウやイワウメなどといった、高山植物の開花ピークを迎えます。
次回予定している菅野保護官との登山巡視では、どんな出会いがあるでしょうか。
まずは、10㎝程度の体のどこからあんな声が出せるのかと思うミソサザイ、控えめに「ルリビタキだよ」とさえずるルリビタキに送られながら森林帯を歩きます。
山頂近くでは、ブーメランのような姿で飛び回り、時おり見せる白い腰がアクセントのイワツバメの群れが舞っています。
昼食をとったお花畑のハイマツでは、クマよけ鈴と間違えそうなカヤクグリの声が聞こえます。
下山してオンネトーを眺めると、オシドリのつがいが訪れています。
数日前巡視した、オンネトー登山口から近い湯の滝ではキセキレイやウソが飛び回っていました。
(画像が撮れたのはオシドリとキセキレイだけですが…。)

昼食をとったオンネトーコース8合目のお花畑では、ミネズオウが見頃です。

メアカンキンバイとコマクサは、ポツポツと開花している程度でした。

これからメアカンフスマやイワブクロ、イワギキョウやイワウメなどといった、高山植物の開花ピークを迎えます。
次回予定している菅野保護官との登山巡視では、どんな出会いがあるでしょうか。
2012年06月08日雌阿寒岳登山巡視① ~風景編~
阿寒摩周国立公園 阿寒湖 北川 栄司
6月3日雌阿寒岳の安全祈願祭が執り行われ、合わせて足寄町主催の登山会が行われました。
この登山会に同行して山岳巡視を行いました。
まずは、雌阿寒温泉登山口で安全祈願祭です。

昨年は2件の遭難事故がありました。
今年は何も無いことを願って、登山開始です。
この日は天候に恵まれたこともあり、小学生の子供も参加して約50名の人数となりました。
登りは雌阿寒温泉コースです。4合目まではアカエゾマツの森林帯、そこからハイマツ帯となり、最後は火口外輪山の火山れきを登って、山頂到着です。
そこには絶景が広がっていました!!

阿寒湖方面。
画像では分かりにくいかもしれませんが、火口の向こうに阿寒湖、隣に雄阿寒岳、雄阿寒岳左手奥に斜里岳、その左奥に知床連山が見えています。

阿寒富士と青沼。
釧路方面は雲がかかっていました。
あと、遠く広すぎるため画像はありませんが、オンネトー方面はまだ雪をかぶった大雪山~十勝連峰まで見渡せていました。
景色を堪能した後、風を避けお花畑のあるオンネトーコース8合目へ下りて昼食、そのままオンネトーコースを下り、ほぼ予定通り下山となりました。
雪解け後、今回の登山前に登山道整備はされており、危険個所の規制ロープ張り直しや、ルートを示すペイントの塗り直しはされていました。
雌阿寒温泉コース、オンネトーコースとも、登り2時間半~3時間程度、今回小学生の子供たちも山頂まで自力で登れたように、難しい山ではありませんが、以下の点に気を付けてください。
・4合目あたりから上は日差しにさらされます。水場はありませんので、水分は十分用意して下さい。
・山頂は風が強く、一気にガスに覆われることもあります。快晴でも防寒着や雨具、地図は必ず用意して下さい。
・雌阿寒岳は今も噴煙を上げている火山です。火口付近では、強風・視界不良による滑落や、噴煙の向きに注意して下さい。
・阿寒富士は粒の小さな火山れき・火山灰の山です。足が埋まり、「2歩進んで1歩下がり」ながらの登りで疲れます。
昨年の遭難事故も、山頂の天候不良を原因とした道迷いや疲労により発生しました。
皆さんも、事前の準備・体調を整えて、楽しい登山にして下さい。
②~生きもの編~に続きます。
この登山会に同行して山岳巡視を行いました。
まずは、雌阿寒温泉登山口で安全祈願祭です。

昨年は2件の遭難事故がありました。
今年は何も無いことを願って、登山開始です。
この日は天候に恵まれたこともあり、小学生の子供も参加して約50名の人数となりました。
登りは雌阿寒温泉コースです。4合目まではアカエゾマツの森林帯、そこからハイマツ帯となり、最後は火口外輪山の火山れきを登って、山頂到着です。
そこには絶景が広がっていました!!

阿寒湖方面。
画像では分かりにくいかもしれませんが、火口の向こうに阿寒湖、隣に雄阿寒岳、雄阿寒岳左手奥に斜里岳、その左奥に知床連山が見えています。

阿寒富士と青沼。
釧路方面は雲がかかっていました。
あと、遠く広すぎるため画像はありませんが、オンネトー方面はまだ雪をかぶった大雪山~十勝連峰まで見渡せていました。
景色を堪能した後、風を避けお花畑のあるオンネトーコース8合目へ下りて昼食、そのままオンネトーコースを下り、ほぼ予定通り下山となりました。
雪解け後、今回の登山前に登山道整備はされており、危険個所の規制ロープ張り直しや、ルートを示すペイントの塗り直しはされていました。
雌阿寒温泉コース、オンネトーコースとも、登り2時間半~3時間程度、今回小学生の子供たちも山頂まで自力で登れたように、難しい山ではありませんが、以下の点に気を付けてください。
・4合目あたりから上は日差しにさらされます。水場はありませんので、水分は十分用意して下さい。
・山頂は風が強く、一気にガスに覆われることもあります。快晴でも防寒着や雨具、地図は必ず用意して下さい。
・雌阿寒岳は今も噴煙を上げている火山です。火口付近では、強風・視界不良による滑落や、噴煙の向きに注意して下さい。
・阿寒富士は粒の小さな火山れき・火山灰の山です。足が埋まり、「2歩進んで1歩下がり」ながらの登りで疲れます。
昨年の遭難事故も、山頂の天候不良を原因とした道迷いや疲労により発生しました。
皆さんも、事前の準備・体調を整えて、楽しい登山にして下さい。
②~生きもの編~に続きます。
2012年06月08日悪戦苦闘中⑤ ~初期トラブル編~
阿寒摩周国立公園 阿寒湖 北川 栄司
久々のAR日記ですが、お約束のEMC水槽展示におけるトラブルです。
①水温上昇によるグッピー雌雄分離
保護官事務所で飼育している間は、オスメスを混泳させていました。
もともと水温の低い水槽で予定外に孵化したグッピーだったので、そのまま低水温で飼育し、孵化後数ヶ月の間、繁殖も病気もせず育っていました。
しかし、阿寒湖畔エコミュージアムセンター(EMC)の展示スペースは冬の間温泉暖房が入っており、24時間室内は暖か、水温も適温に保たれてしまいます。
繁殖してしまうのは間違いなさそうなので、止むを得ず水槽セパレーター(仕切り板)でオスメスを分けました。
(水槽が狭く感じられ、見栄えも悪くなるので使いたくなかったのですが…。)
②それでも稚魚生まれる
保護官事務所生まれとは別に、ティラピア捕獲時にオンネトー湯の滝育ちのグッピー数匹を持ち帰りました。
この中のメスがすでに受精していたようで、ある朝稚魚が数匹泳いでいました…。
グッピーメスは、一度受精すると数回稚魚を生むことが出来るそうです。
この先何匹生まれてくることやら…。

③病気
グッピー飼育で最も多い「白点病」と「カラムナリス病(尾グサレ病)」が発生しました。幸い、塩水の中に暫く入れてやる塩水浴で回復しました。
④藻発生
グッピー水槽に緑色の藻が、ティラピア水槽に茶色の藻が急激に発生。原因は、EMC展示開始の際に、照明タイマーを開館時間に合わせて再設定した時のミスでした。開館直前に点灯するはずが、深夜から点灯していました。魚たちも寝不足だったかもしれません。点灯時間を正常に戻したところ、藻の成長は鈍くなりました。

⑤ティラピアのいじめ
今まで小さな個体を無視してきたティラピア(大)ですが、ある日ティラピア(小)の隠れ家の石を突き倒して追っかけ回していました。ティラピア(小)は鱗がボロボロになり、隔離して治療を試みましたが残念ながら死亡してしまいました。
⑥産卵床
ティラピアオスは成熟すると、「産卵床」と呼ばれるすり鉢状の穴を水底に掘り、そこでメスの産卵を待ち受けます。水槽で単独の飼育をしていても、底砂を掘り返していました。待っても誰も来てくれませんが…。
エアーストーンやヒーターを埋めてしまいますが、大きな問題は無く、ティラピアの生態を見てもらうという事で、このままにします。

いろいろ大変な生体展示ですが、パークボランティアの方が館内ガイドで利用してくれたり、湯の滝記載のオンネトーパンフレットを持ち帰る方が増えたりするなど、有効利用はされているようです。
今回で「悪戦苦闘中」の連載は終わりますが、これからも外来魚問題について随時報告はしていきます。次の報告をお待ちください。
①水温上昇によるグッピー雌雄分離
保護官事務所で飼育している間は、オスメスを混泳させていました。
もともと水温の低い水槽で予定外に孵化したグッピーだったので、そのまま低水温で飼育し、孵化後数ヶ月の間、繁殖も病気もせず育っていました。
しかし、阿寒湖畔エコミュージアムセンター(EMC)の展示スペースは冬の間温泉暖房が入っており、24時間室内は暖か、水温も適温に保たれてしまいます。
繁殖してしまうのは間違いなさそうなので、止むを得ず水槽セパレーター(仕切り板)でオスメスを分けました。
(水槽が狭く感じられ、見栄えも悪くなるので使いたくなかったのですが…。)
②それでも稚魚生まれる
保護官事務所生まれとは別に、ティラピア捕獲時にオンネトー湯の滝育ちのグッピー数匹を持ち帰りました。
この中のメスがすでに受精していたようで、ある朝稚魚が数匹泳いでいました…。
グッピーメスは、一度受精すると数回稚魚を生むことが出来るそうです。
この先何匹生まれてくることやら…。

③病気
グッピー飼育で最も多い「白点病」と「カラムナリス病(尾グサレ病)」が発生しました。幸い、塩水の中に暫く入れてやる塩水浴で回復しました。
④藻発生
グッピー水槽に緑色の藻が、ティラピア水槽に茶色の藻が急激に発生。原因は、EMC展示開始の際に、照明タイマーを開館時間に合わせて再設定した時のミスでした。開館直前に点灯するはずが、深夜から点灯していました。魚たちも寝不足だったかもしれません。点灯時間を正常に戻したところ、藻の成長は鈍くなりました。

⑤ティラピアのいじめ
今まで小さな個体を無視してきたティラピア(大)ですが、ある日ティラピア(小)の隠れ家の石を突き倒して追っかけ回していました。ティラピア(小)は鱗がボロボロになり、隔離して治療を試みましたが残念ながら死亡してしまいました。
⑥産卵床
ティラピアオスは成熟すると、「産卵床」と呼ばれるすり鉢状の穴を水底に掘り、そこでメスの産卵を待ち受けます。水槽で単独の飼育をしていても、底砂を掘り返していました。待っても誰も来てくれませんが…。
エアーストーンやヒーターを埋めてしまいますが、大きな問題は無く、ティラピアの生態を見てもらうという事で、このままにします。

いろいろ大変な生体展示ですが、パークボランティアの方が館内ガイドで利用してくれたり、湯の滝記載のオンネトーパンフレットを持ち帰る方が増えたりするなど、有効利用はされているようです。
今回で「悪戦苦闘中」の連載は終わりますが、これからも外来魚問題について随時報告はしていきます。次の報告をお待ちください。
2012年06月08日捨てるのは「捨ててもいいや」の気持ちだけ
知床国立公園 羅臼 後藤 菜生子
青空が気持ちいい日曜日。
開館を待つルサフィールドハウス駐車場は、いつもと違う朝を迎えていました。

軽トラを筆頭に大きなトラックなど、何台もぞくぞくと詰めかけてきます。
そこから次々とガタイのいい男性ばかり降りてきます。
総勢約50名が集結。なにが始まるのでしょう…?
屈強な男性陣の多くは、漁師さん。
手にはビニール袋。
今日は、海岸清掃を行う日だったのです。

日々、海の上で魚などを獲っている漁師さん。
羅臼自慢のサケ、ウニ、昆布、ホッケ、スケトウダラやマダラ、カレイ類、貝類などなど…根室海峡がこんなに豊かなのは、山や川などの生態系と複雑に関係しているから。
そんな自然環境から恩恵をうけている私たちこそ、地元の自然を守っていかなければ、との思いから、羅臼漁協青年部さんが立ち上がり多くの漁師さんを始め、漁協、羅臼町役場、知床財団、そして私たち環境省が協力しこの活動は3年目を迎えます。
海岸にはさまざまなゴミが打ちあがっていました。
空き缶やペットボトルなどの小さいゴミから、意図的に捨てたのではと思われる粗大ごみまで。また、中には日本語表記ではないゴミもあり、ゴミ問題の大きさを感じずにいられませんでした。
その数もとても多く、驚くことに1時間もしないうちにトラックがいっぱいになってしまうほどでした。

もしかしたら何気なくポイと捨ててしまうのかもしれません。
中には、見えない所ならバレないだろうと捨ててしまうのかもしれません。
でも、こんな活動をしている人たちがいるということを知り、
思いが通じれば、きっとゴミは減っていくと思います。
そして、ゴミひとつないキレイな街だったら、“何気ないポイ”なんてできないでしょう。
ゴミを捨てるのも、拾うのも人間。
ゴミを捨てない意識も、自然への姿勢も、安心して住める街も、
これからを担う子どもたちに引き継いでいけるのは私たちしかいません。
そして、自然環境は私たち人間だけのものではなく、私たちはその一部であることを忘れてはいけないと思います。
開館を待つルサフィールドハウス駐車場は、いつもと違う朝を迎えていました。

軽トラを筆頭に大きなトラックなど、何台もぞくぞくと詰めかけてきます。
そこから次々とガタイのいい男性ばかり降りてきます。
総勢約50名が集結。なにが始まるのでしょう…?
屈強な男性陣の多くは、漁師さん。
手にはビニール袋。
今日は、海岸清掃を行う日だったのです。

日々、海の上で魚などを獲っている漁師さん。
羅臼自慢のサケ、ウニ、昆布、ホッケ、スケトウダラやマダラ、カレイ類、貝類などなど…根室海峡がこんなに豊かなのは、山や川などの生態系と複雑に関係しているから。
そんな自然環境から恩恵をうけている私たちこそ、地元の自然を守っていかなければ、との思いから、羅臼漁協青年部さんが立ち上がり多くの漁師さんを始め、漁協、羅臼町役場、知床財団、そして私たち環境省が協力しこの活動は3年目を迎えます。
海岸にはさまざまなゴミが打ちあがっていました。
空き缶やペットボトルなどの小さいゴミから、意図的に捨てたのではと思われる粗大ごみまで。また、中には日本語表記ではないゴミもあり、ゴミ問題の大きさを感じずにいられませんでした。
その数もとても多く、驚くことに1時間もしないうちにトラックがいっぱいになってしまうほどでした。

もしかしたら何気なくポイと捨ててしまうのかもしれません。
中には、見えない所ならバレないだろうと捨ててしまうのかもしれません。
でも、こんな活動をしている人たちがいるということを知り、
思いが通じれば、きっとゴミは減っていくと思います。
そして、ゴミひとつないキレイな街だったら、“何気ないポイ”なんてできないでしょう。
ゴミを捨てるのも、拾うのも人間。
ゴミを捨てない意識も、自然への姿勢も、安心して住める街も、
これからを担う子どもたちに引き継いでいけるのは私たちしかいません。
そして、自然環境は私たち人間だけのものではなく、私たちはその一部であることを忘れてはいけないと思います。
2012年06月08日アライグマとは一体何者
知床国立公園 羅臼 菅原 弘貴
お久しぶりです。 羅臼自然保護官事務所の菅原です。
アライグマは、北アメリカ原産の特定外来生物で、さまざまな動植物を幅広く捕食する雑食性であり、さらに繁殖力が強いことから自然環境への影響が懸念されています。ここ知床国立公園でもたびたびアライグマの目撃情報が寄せられており、希少な生態系や野生動物などへの影響が問題視されています。羅臼では、アライグマの木に登る習性からシマフクロウへの影響が心配されています。
ここで、簡単なアライグマとタヌキの見分け方をご紹介します。

アライグマ特徴
・目の間の黒い線
・シマシマの尻尾

タヌキ特徴
・黒い足
・一様な色の尻尾
一番の特徴は、尻尾です。アライグマは縞模様の尻尾を持っています。
タヌキの尻尾には縞模様はありません。
アライグマが日本に定着してしまった理由は、ペットブームです。
アライグマは、その風貌のかわいらしさからペットとしてとても人気がありました。
幼獣のアライグマは、おとなしくかわいいものの成獣のアライグマは人になつきにくく、気性が荒く、手がつけられなくなる例が後を絶たず、このため多くのアライグマが野外に放され、野生化するに至りました。ペットを飼うことは悪いことではりません、生き物を飼うといことは、命に責任を持つということです。ペットを飼っている方は、最後まで責任を持って面倒を見てください。
アライグマだけなく他の外来種でもこのようにペットが逃げ出して野生化してしまう例が数多く存在しています。外来種の問題は、日本全国でさまざま問題になっており、早急に対応していかなくていけない大変重要なことです。
人間が持ち込んだ野生動物が原因で自然の生態系に様々な影響を与えてしまっているのです。そういう意味では、海外から持ち込まれた野生動物たちは被害者なのかもしれません。全く知らない土地に連れてこられたら、その土地で頑張って生きて行くしかないですからね。
ぜひ皆さんも外来種の事をもっと知って、自然の事を考えてみてください。
アライグマは、北アメリカ原産の特定外来生物で、さまざまな動植物を幅広く捕食する雑食性であり、さらに繁殖力が強いことから自然環境への影響が懸念されています。ここ知床国立公園でもたびたびアライグマの目撃情報が寄せられており、希少な生態系や野生動物などへの影響が問題視されています。羅臼では、アライグマの木に登る習性からシマフクロウへの影響が心配されています。
ここで、簡単なアライグマとタヌキの見分け方をご紹介します。

アライグマ特徴
・目の間の黒い線
・シマシマの尻尾
タヌキ特徴
・黒い足
・一様な色の尻尾
一番の特徴は、尻尾です。アライグマは縞模様の尻尾を持っています。
タヌキの尻尾には縞模様はありません。
アライグマが日本に定着してしまった理由は、ペットブームです。
アライグマは、その風貌のかわいらしさからペットとしてとても人気がありました。
幼獣のアライグマは、おとなしくかわいいものの成獣のアライグマは人になつきにくく、気性が荒く、手がつけられなくなる例が後を絶たず、このため多くのアライグマが野外に放され、野生化するに至りました。ペットを飼うことは悪いことではりません、生き物を飼うといことは、命に責任を持つということです。ペットを飼っている方は、最後まで責任を持って面倒を見てください。
アライグマだけなく他の外来種でもこのようにペットが逃げ出して野生化してしまう例が数多く存在しています。外来種の問題は、日本全国でさまざま問題になっており、早急に対応していかなくていけない大変重要なことです。
人間が持ち込んだ野生動物が原因で自然の生態系に様々な影響を与えてしまっているのです。そういう意味では、海外から持ち込まれた野生動物たちは被害者なのかもしれません。全く知らない土地に連れてこられたら、その土地で頑張って生きて行くしかないですからね。
ぜひ皆さんも外来種の事をもっと知って、自然の事を考えてみてください。
2012年06月07日レブンアツモリソウ
利尻礼文サロベツ国立公園 稚内 中野 雄介
今年も待ちに待ったレブンアツモリソウの季節がやってきました!
礼文島北部アツモリソウ群生地では現在ちょうど見ごろを迎えています。今年は過去に例がないほど開花が遅れた昨年に比べると、開花はやや早かったものの全体的に背丈が低く、花のサイズもやや小ぶりなようですが、やはりその存在感は際立っています。

クリーム色が多いレブンアツモリソウですが、中には白色の個体もあります。(6/6 アツモリソウ群生地)
ところで既にご存知かもしれませんがレブンアツモリソウは蜜を持たない花です。にもかかわらず、虫(主にニセハイイロマルハナバチの女王)に受粉を依存する虫媒花でもあります。通常、蜜のない花を訪れてもハチにとっては全く利益がないはずですが、レブンアツモリソウは同時期に周辺に咲いている同じラン科のハクサンチドリや同じ色のネムロシオガマ(ゴマノハグサ科)と間違って訪れるハチを受粉に利用していると言われています。騙されて誘い込まれたハチは足を滑らせて内部に落ち込み、脱出する時に背中に花粉を付けて飛び立ちます。そのハチが別のレブンアツモリソウを訪れることで受粉が成立するのです。さらに、レブンアツモリソウは自分で栄養を作り出すことができないため、ハイネズ等の共生菌から栄養をもらって生きていることも知られています。

ハクサンチドリに囲まれて咲くレブンアツモリソウ。
なかなかおいしい場所を見つけたようです。(6/6 アツモリソウ群生地)
他の植物とうまく共生しながら、長い年月命をつないできたレブンアツモリソウ。しかし、現在は盗掘などの影響で生育数を減らし、環境省などの事業で保護増殖が図られています。この花の命を未来永劫つないでいくためにはレブンアツモリソウだけを守るのではなく、周辺の植生、ひいては礼文島全体の生物相を守っていくことが重要なのだと思います。

レブンアツモリソウの大株(6/6 アツモリソウ群生地)
【関連リンク】
礼文島いきものつながりプロジェクト
http://www.town.rebun.hokkaido.jp/ikimono/index.html
礼文島北部アツモリソウ群生地では現在ちょうど見ごろを迎えています。今年は過去に例がないほど開花が遅れた昨年に比べると、開花はやや早かったものの全体的に背丈が低く、花のサイズもやや小ぶりなようですが、やはりその存在感は際立っています。
クリーム色が多いレブンアツモリソウですが、中には白色の個体もあります。(6/6 アツモリソウ群生地)
ところで既にご存知かもしれませんがレブンアツモリソウは蜜を持たない花です。にもかかわらず、虫(主にニセハイイロマルハナバチの女王)に受粉を依存する虫媒花でもあります。通常、蜜のない花を訪れてもハチにとっては全く利益がないはずですが、レブンアツモリソウは同時期に周辺に咲いている同じラン科のハクサンチドリや同じ色のネムロシオガマ(ゴマノハグサ科)と間違って訪れるハチを受粉に利用していると言われています。騙されて誘い込まれたハチは足を滑らせて内部に落ち込み、脱出する時に背中に花粉を付けて飛び立ちます。そのハチが別のレブンアツモリソウを訪れることで受粉が成立するのです。さらに、レブンアツモリソウは自分で栄養を作り出すことができないため、ハイネズ等の共生菌から栄養をもらって生きていることも知られています。
ハクサンチドリに囲まれて咲くレブンアツモリソウ。
なかなかおいしい場所を見つけたようです。(6/6 アツモリソウ群生地)
他の植物とうまく共生しながら、長い年月命をつないできたレブンアツモリソウ。しかし、現在は盗掘などの影響で生育数を減らし、環境省などの事業で保護増殖が図られています。この花の命を未来永劫つないでいくためにはレブンアツモリソウだけを守るのではなく、周辺の植生、ひいては礼文島全体の生物相を守っていくことが重要なのだと思います。
レブンアツモリソウの大株(6/6 アツモリソウ群生地)
【関連リンク】
礼文島いきものつながりプロジェクト
http://www.town.rebun.hokkaido.jp/ikimono/index.html
学生の頃よく聞かれた質問です。
子どもの頃から、好奇心旺盛だった私は、本やテレビなどの影響を受けては、あれやこれやといろいろな妄想にくれていました。
上川中学校2年生の男子を一人、14,15日と勤労体験学習で受け入れました。
将来どんな仕事をしたいのか、まだわからないというシャイな彼は、自然保護官事務所がどんなことをしているのかわからないけど、おもしろそうだと思って・・・とやってきました。
1日目は、外来生物のセイヨウオオマルハナバチの生息調査をしました。
町内の公園で、満開のツツジの間をぬぐってハチ探し。
最初は控えめでしたが、慣れてきたらハチ探しに積極的になり、マルハナバチの種類の確認のために真剣にハチを追いかけていました。
結果、この日はセイヨウオオマルハナバチに会うことは無く、変わりに在来のハチのエゾオオマルハナバチなど29頭確認しました。
2日目は、愛山渓地区の沼の平を巡視しました。
滝コースで沼の平まで行き、帰りは三十三曲がりで下りてきました。
登山道でエゾシカの足跡を見つけたので記録中。
雪解け後の登山道には倒木がいくつかあり、切ったり、どけたりの撤去作業をしたり、ハチの羽音が聞こえたら、マルハナバチかどうかの確認、残雪の状況などを見ながら進みました。
山歩きになれていないのに、彼は頑張ってくれ、沼の平についたときには、疲れていたものの、「お~すごい!!」とか「(景色が)綺麗!!」とか「こんな場所があるんだぁ!!」と喜んでいました。
沼の平で開花状況記録中。
この勤労体験学習で、少しでも将来なりたい職業の手がかりになれたのなら、いいのだけれど。
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
まだ滝上コースは残雪がところどころに有り、道が不明瞭な箇所が数カ所ある上、村雨の滝付近の残雪は急斜面ですので、お気をつけ下さい。
三十三曲がりも少し残雪がありますので、踏み抜けないように注意しながら歩いてください。
滝コース途中の残雪状況。