ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

北海道地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2021年3月

10件の記事があります。

2021年03月30日鳥たちを守る!!!

支笏洞爺国立公園 洞爺湖 小松瑠菜

こんにちは! 洞爺湖アクティブ・レンジャーの小松 瑠菜です!

突然ですがこの写真、なんだかわかりますか?^^

これは 「バードセイバー」 と言います♪

Q.バードセイバーとは?

ガラス窓に映り込んだ空や林に飛び込もうとした鳥が、ガラスに衝突して、ケガをしたり、死んでしまったりする事を防ぐために、窓にタカやフクロウなどのシルエットを貼り付け、近づかないようにさせるためのものです。

実際に洞爺湖ビジターセンターの窓を見てみましょう♪

↑洞爺湖ビジターセンター1階

↑洞爺湖ビジターセンター2階

洞爺湖ビジターセンターには、この写真の外にも大きな窓がたくさんあります。

実際に外から窓を見てみると・・・

 この日は曇っており、反射しにくい天候ではありましたが、

それでも確かにガラスに反射した周辺の山や空が見えます。

 「ガラスに飛び込む鳥なんているの?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、

もし、他の鳥に襲われている時だったら・・・いくら住み慣れている鳥たちでも焦って飛び回るあまり、ぶつかることがあるかもしれません。

この日もハクセキレイのつがいが洞爺湖ビジターセンター園地内を元気に飛び回っていました。

バードセイバーは、洞爺湖のみならず、大きな窓がある各国立公園等の施設にも設置されています。ちなみに、洞爺湖ビジターセンターでは、このバードセイバーが29つありますので、訪れた際に探してみてください♪

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2021年03月29日お気に入りの場所

支笏洞爺国立公園 當山真貴子

だんだんと日差しがあたたかくなり、鳥たちのさえずりが聞こえ始め、春の気配を感じる支笏湖。

季節の移ろいを実感中の當山です。

 

もうすぐ新年度が始まりますね。

今年度を振り返ってみると、イレギュラーな対応が多かったと感じる一方、支笏湖地区と定山渓地区の新たな一面を知った年でもありました。

そこで今回は、私の「お気に入りの場所」をご紹介したいと思います(^^)

 

「無意根山」

無意根山は、標高1,464mで中腹に「大蛇ヶ原湿原(薄別コース)」がある変化に富んだ山です。

昨年の10月、山頂の先の三角点の場所から美しい羊蹄山と遙か遠くに樽前山の溶岩ドームの噴煙が見られ、とても感動しました。

 

「定山渓温泉~二見公園の散策路~」

昨年(7月と9月)、一般社団法人定山渓観光協会さんと観察会を実施し、散策路沿いの豊平川で子ども達と一緒に川遊びや生き物探しをしました。

初めて、ダイモンジソウやギンリョウソウ等を見ることができ、温泉だけじゃない定山渓の魅力を発見した日となりました。

 

「赤く染まる支笏湖」

山々に囲まれた支笏湖は、陽が沈んだ後も、陽が残り美しい夕焼けが見られます。

赤く染まった空と湖、山々のシルエットが引き立てられ、思わず魅入ってしまいました。

 

「イチャンコッペ山」

軽アイゼンを装着し、冬山登山をした際に出会った景色です。

陽の光で湖面と雪がキラキラと輝き、幻想的な雰囲気に包まれていました。澄んだ空気が心地よく、下山を惜しんだひとときでした。

 

実は、私の日記は今回で最後となり、新たなステージへ進むことになりました。

当事務所に着任早々、支笏湖の春の風物詩「鏡」の現象と出会い、一気に支笏湖の虜となり、"しっかりやろう"と決意したことを覚えています。

今まで巡視やイベント企画、外来種除去作業、普及啓発、環境教育等、様々なことに携わらせていただきました。

パークボランティアや業者の方々にご指導いただきながら業務を進める傍ら、地域の清掃やイベントにも参加していく中で、多くの方々から愛されている国立公園だということを実感しました。

今後も支笏湖ファンの一人として、陰ながら魅力を発信できたらと思っています。

着任早々に出会った支笏湖の鏡現象

 

業務で関わっていただいた全ての方々、日記を読んでくださった方々、心より感謝申し上げます。

次のARへバトンタッチしますが、引き続き、支笏湖地区&定山渓地区の自然をお楽しみ下さい♪

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2021年03月25日雪上の足跡シリーズ

支笏洞爺国立公園 洞爺湖 小松瑠菜

こんにちは!洞爺湖アクティブ・レンジャーの小松 瑠菜です!

今回は洞爺湖ビジターセンター & 洞爺財田自然体験ハウスで見た、雪上の動物の足跡を紹介します☆

●洞爺財田自然体験ハウス

洞爺財田自然体験ハウスでスノーシューを借り、湖畔沿いまで散策した際に見つけた足跡を紹介します☆彡

1.シカ

洞爺財田自然体験ハウスから湖畔までの道でいくつも見つけることができました。

珍しく副蹄までしっかり残っている足跡もありました^^

2.キツネ

洞爺財田自然体験ハウスから湖にたどり着いたところで見つけました。

洞爺湖の北側から眺める夕日と、湖畔に沿って続く足跡が幻想的でした♪

3.タヌキ

洞爺財田自然体験ハウスの入り口に広がる雪原で見つけました。

肉球や爪まで、くっきりと足跡が残っていました。

4.ヒト(スノーシュー)

洞爺財田自然体験ハウスから湖畔に向かって誰かが歩いた後を見つけました☆

私は湖畔沿いを少し歩いたところで引き返しましたが、私よりも先に歩いた方は湖畔沿いを東側へ散策しに行ったようです。

洞爺財田自然体験ハウス周辺では、北海道を代表する哺乳類の足跡を多く見つけることができました☆彡

●洞爺湖ビジターセンター

 洞爺湖ビジターセンター園地内で見つけた足跡を紹介します☆彡

1.ウサギ

 朝、洞爺湖ビジターセンター正面入り口を出て左の散策路を歩いた先で見つけました。

新雪が降り積もったふかふかの雪の上に、まだ新しい足跡が残されていました。

2.ウサギ!

 外勤から戻ってきたお昼頃、洞爺湖ビジターセンター裏の塀で見つけました。

昼の間、少し雪が降っていたため、足跡が少し埋まっています。

3.ウサギ!!

 午後、洞爺湖ビジターセンターの太陽光パネルが雪に埋まっていないか確認しに行ったところ、

比較的新しい足跡を見つけることができました。

4.ウサギ!!!

 夕方、またまた洞爺湖ビジターセンター横の塀に足跡が...!

傾斜が急だったためか、少し体が雪にかすったような跡も見受けられます。

洞爺湖ビジターセンターに事務所があるため、毎日周辺を歩いているのですが、北海道に多く生息しているシカなどの足跡は見つからず、ウサギの足跡ばかりたくさん見つけることができました。

地元では「北海道で一番雪が少なくて暖かい?!」なんて言われている洞爺湖周辺エリアですが、今年は大雪が降りました。現在はすっかり雪も解け、フキノトウやフクジュソウ顔を出し始めるなど、春の訪れを感じる洞爺湖です。

また雪を楽しめるシーズンが訪れた際は、洞爺湖ビジターセンター園地内や洞爺財田自然体験ハウス周辺散策路でも動物の足跡がたくさん見られるはずですので、次の冬旅の候補にいかがでしょうか♪

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2021年03月24日洞爺湖生物多様性シンポジウムを開催しました!

小松瑠菜

こんにちは!洞爺湖アクティブ・レンジャーの小松 瑠菜です!

 先日、酪農学園大学環境共生学類と洞爺湖町の共催で

『洞爺湖生物多様性シンポジウム「いま、洞爺湖の生命と環境を考える」』 が開催されました!

大変興味深い内容だったのですがその前に...

●洞爺湖町と酪農学園大学が2009年7月に締結した地域総合交流協定に基づいて、これまで多くの学生が、地元 NPO、環境省洞爺湖管理官事務所、洞爺湖町等と連携して洞爺湖周辺の自然環境保全に関する調査研究を行なってきました。

このシンポジウムは、生物多様性保全や外来種問題に関する最近の研究によって得られた知見を地域の皆様に広く周知し、洞爺湖が抱える環境問題について考えることを目的としています。

 今回のシンポジウムは、会場にお越し頂く場合は定員人数を設け、事前申し込みとし、会場と大学をオンラインで中継し、新型コロナウイルス感染防止対策を徹底して開催されました。

 第1部 学生等による調査研究発表では、下記のテーマで発表していただきました。

・洞爺湖中島におけるエゾシカの食性変化

・自動撮影カメラでシカの密度を推定する-手法検討と捕獲の影響評価-

・シカの減少によって中島の下層植生は回復したのか

・シカによる下層植生採食が樹皮剥ぎされない樹種の成長と繁殖に及ぼす影響

・洞爺湖中島におけるエゾシカの高密度化に伴う生態系地下部への影響

・侵略的外来種ウチダザリガニの水銀蓄積特性

第2部 関連調査報告では、下記のテーマで発表していただきました。

  ・洞爺湖における特定外来生物ウチダザリガニ捕獲調査報告(洞爺湖生物多様性保全協議会)

  ・洞爺湖中島におけるエゾシカ生息数調査等の報告(酪農学園大学環境共生学類)

どれも非常に興味深い内容ばかりで、非常に勉強にもなりました。m(_ _)m

来年の発表も期待したいと思います^^

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2021年03月19日サロベツの景観クイズ!

利尻礼文サロベツ国立公園 稚内 青山留美子

突然ですが、問題です!

下の写真は、国立公園のど真ん中、サロベツ湿原を通る道路の写真です。

向かって左の写真には無くて、右の写真には有るものな~んだ?

様々な回答が出そうな写真ではありますが......

ここでの正解は、

北海道ではどこででも見られる「矢羽根がついたポール」です。

道路の路肩を示してくれています。冬だけではなく、霧の時や夜などでも存在をありがたく感じることが多いです。正式名称は「固定式視線誘導柱」と言うそうです。

ここサロベツでは、冬になる前に取り付けられ、観光シーズンの頃には外されます。

延々と続く風景や、海の向こう見える利尻島・礼文島を、遮る物なく見られるようにとの配慮からです。

冬期は安全第一、私たちの安全を守るために、「矢羽根がついたポール」が出現します。

しかし、稚内から豊富町にかけての海岸線で、一年中「矢羽根がついたポール」が設置されない区間もあります。

そこでは、どうしているかと言うと、

右側の写真で、赤白のポール部分がのびているのがわかりますか?

道路に設置されている「視線誘導柱」が、いつの間にかぐぐっと伸び、

冬の間、私たちを安全な方へと導いてくれています。

こうして見ると、サロベツの夏と冬との違いは、まるで間違い探しのようだと思いませんか?

夏に来た事のある方は是非、違いを見つけに今度は冬にお越し下さい!

続けて第2問!

下の写真は、稚内から西海岸を延々と南下できる、道道稚内天塩線沿線の写真です。

こちらも、向かって左の写真には無くて、右の写真には有るものな~んだ?

これは簡単すぎるかもしれませんが、

正解は、

こちらも道内ではお馴染みの「防雪柵」です。

万里の長城のように延々と続いています。

ここに設置されているものは、下の隙間から風を通して雪を吹き飛ばすことで、吹きだまりや視程障害などを防いでくれています。

こちらも、冬の前になるとお目見えし、観光シーズンには撤去されます。

撤去後は、下の写真のように、道の左端に畳まれています。

とてもコンパクトになり、来る冬に備えてじっと待っています。

もちろん勝手に立ち上がったりのびたりするものではなく、夏と冬に入る前の寒い時期に、これらの作業が行われています。

作業の様子を目にする度に、

作業して下さっている方々のおかげで、夏は風景を堪能しながら、冬は安全に通行できていることへ、感謝の気持ちでいっぱいになります。

また、国立公園の景観が、このような形でも守られていることを実感し、感動しています。

一方で、冬に広々とした景色が見られないことを残念に思う方もいるかもしれません。

私も天気の良い日は少し残念に思ったりもしますが、しかしながら、天気の良い日はそれほど多くはありません。

「矢羽根がついたポール」や「防雪柵」があっても危険だと思う日の方が多く、

吹雪の具合や路面状況などが刻々と変わっていくのが道北の冬、サロベツの冬です。

冬はよそ見をせずに、くれぐれも安全運転で、前方に広がっている冬ならではの光景をお楽しみ下さい。

前方をしっかり見ていると、こんなラッキーな出会いがあるかもしれませんよ~♪

広大で多彩なサロベツについて、少しでも魅力をお伝えできればとAR日記を投稿してきましたが、

私の投稿は今回で最終回となります。

微力ながらもサロベツに貢献できたのか、悩ましいところもありますが、

雪原で振り返った時のように、何かしらの足跡が残せたなら嬉しい限りです。

3月に入り、雪解けも進み、南からの渡り鳥たちが戻ってきたニュースもちらほら聞こえだし、

次の季節がそこまで来ているのを感じます。

新しい季節になってからも、サロベツ担当のAR日記を、よろしくお願い致します!

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2021年03月11日ニセイノシキオマップの氷瀑

大雪山国立公園 忠鉢伸一

3月7日に層雲峡で行われた自然観察講座の様子を紹介します。

上川町公民館主催、大雪山国立公園共催で上川町在住の方々を対象に行っているイベントです。

今回は層雲峡の沢山ある氷瀑の一つ、ニセイノシキオマップ滝を観察に行きました。

層雲峡には、源流であるニセイカウシュッペ山(1883m)から流れる「ニセイ」の名前のつく川が3つあり、それぞれが石狩川に流れ込んでいます。

「ニセイ・ノシキ・オマ・プ」とはアイヌ語で「渓谷の中央にあるもの」という意味。アイヌはこの3つの川を人体に形容して、中流に流れ込むこの川を胴体と表していたと考えられています。

(参照 山田秀三『北海道の地名』 知里真志保『地名アイヌ語小辞典』)

上川山岳会8名が講師となり、総勢28名での観察会となりました。

暖冬だった昨年の冬とは違って、ここには雪が沢山あります。先頭はラッセルしながら林道の中を進んでいきます。

晴れた日であればニセイカウシュッペ山の稜線が見えるようですが、この日はあいにくの曇空だったため山肌が見える程度でした・・・

野生動物の痕跡を探したり、溶け始めた川を眺めながら川沿いを進んでいくと、

氷結した滝が姿を現しました。とても綺麗な氷瀑です。

 

ニセイノシキオマップ滝は別名「ブルーウルフ」とも呼ばれています。

氷が青く見えるのがブルーウルフと呼ばれる由来なのでしょうか。

水が澄んでいるから氷も綺麗になるのでしょう。

アイスクライマー達にも人気の場所のようですが、氷の壁を登らない人であってもこの氷瀑を見たら感動すると思います。

層雲峡には一般的にあまり知られていないスポットがまだまだ沢山あるような気がします。

積もったばかりの新雪も味わえましたが、沢部分は大きく踏み抜く場所もあり、確実に春は近づいているなあと感じられました。厳しかった冬ももうすぐ終わりです。

自然観察講座に参加の皆さん、そして上川山岳会の皆さんお疲れさまでした!

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2021年03月08日厳冬の釧路湿原から

釧路湿原国立公園 高橋 進

皆さま、初めまして、昨年の春からアクティブレンジャーに着任しました、高橋です。

気付けば、今年度も残すところ、あとひと月となってしまいました。今シーズンは、まさに新型コロナに始まり、新型コロナに終わったワンシーズンと言えるでしょう。

今年の冬の釧路湿原は、例年より寒さが厳しく、1月には私の勤める釧路湿原野生生物保護センターで、水道凍結が起こって大騒ぎとなりました。釧路の街でも水道屋さんは大忙しだったようです。

釧路川でも、例年なら凍らない中流域までが結氷して、長年、釧路川を見つめてこられた国立公園パークボランティアのベテランさん達をも唸らせました。

  

[ 結氷する釧路川中流域 ]

釧路湿原国立公園パークボランティアさん協力のもと行っている、冬のエゾシカのカウント調査では、1月初旬の大雪を境に、湿原部のカウント数が極端に少なくなりました。食べている植物が雪の下に埋もれてしまったことも要因ですが、やはりエゾシカ達も、寒さを逃れて風の遮られる丘陵地に入るのでしょうね。

湿原に残っている個体は、結氷した川の上に出て樹木の冬芽を食べる個体が目立ちました。

 

[ 結氷した釧路川とエゾシカの群れ ]

私自身はというと、夏の山歩きはお手のものなのですが、冬の巡視は初めての経験で、慣れないスノーシューや歩くスキーと格闘していました。それでも、冬の湿原の厳しくも美しい光景に、暫し心を奪われました。

 

      [ スノーシューと格闘中!! ]            [ 湿原内で結氷する小川 ]

 

[ 釧路湿原の湧水に観られる氷筍 ]

そんな厳しい冬の釧路湿原でも、生き物たちは逞しく、そして、したたかに生きています。今回は、業務中に見かけた野生生物たちを、少しご紹介したいと思いました。

   [ ネズミを狩るキタキツネ ]              [ オオワシの成鳥と幼鳥 ]

 

        [ タンチョウの成鳥 ]             [ じゃれ合うタンチョウの幼鳥 ]

いやぁ、春が待ち遠しいですね。

[ 氷の中で春を待つミズバショウ ]

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2021年03月04日オジロワシ・オオワシ 越冬調査

苫小牧 大久保 智子

こんにちは。

先日の早朝、元気よく鳴いていた小鳥たちに春が近いことを教えてもらった、野生生物課の大久保です。

オジロワシ・オオワシは冬になると北海道にやってくる大型の猛禽類です。

空高く、大きな羽を広げ、優雅に旋回する姿に目を奪われる人は少なくないと思います。

                                オジロワシ

オジロワシ・オオワシは、夏の間は極東ロシアで繁殖し、冬に北海道などで越冬して、春には極東ロシアへ戻っていきます。

彼らは、主食の魚がよく捕れる川や海沿いに生息していて、繁殖地の水辺が凍り始める10月下旬頃から、北海道を中心とする国内の越冬地に移動してきます。オホーツク海が流氷で閉ざされる2月頃には北海道での生息数が最大になり、3月初めに北へ戻り始めます。

環境省では、オジロワシ・オオワシの保護を進めるうえでの基礎資料とするため、数年おきに全道越冬数調査を行っています。先日私は札幌圏内の調査に同行してきました。

調査日の2月21日は気温は-1℃前後でしたが、快晴で風もほぼ無く、日差しが暖かく感じられた調査日和。よくワシ類が目撃されているという石狩川沿いの数カ所で調査を行い、川沿いで木に止まっているワシ達を見ることができ、オジロワシ14羽、オオワシ7羽を確認しました。

                                 調査風景

今回の調査では、ワシの越冬状況を知る以外にも、自分の生活圏付近でワシ類を見られるという、北海道の自然環境の素晴らしさも再認識することができました。

札幌近郊にオジロワシ・オオワシが生息していると知ったのは、去年の冬、市内の道路沿いで怪我しているオジロワシを保護したときでした。人の暮らしの近くで生息している分、交通事故なども見受けられるようになっています。

環境省では、人間の活動が要因となっている事故が少しでも減るように、原因を究明し再発を防止するための様々な取り組みを行いオジロワシ・オオワシの保全に努めています。

                                 オオワシ

                               オオワシ幼鳥

まだ寒さが厳しい日もありますが暦の上では春なので、そろそろワシたちも北へ向かう時を見計らっているかもしれません。

また来年の冬にもワシ類達の元気な姿を見ることができますように。

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2021年03月03日大雪山 ヌタプカウシペ

大雪山国立公園 上村 哲也

 総合型協議会への改組に伴い大雪山国立公園連絡協議会のウェブサイトをリニューアルすることになり、大雪山の山々を紹介するページにアイヌ語地名解説を加える機会を得ました。それらを調べる中で大雪山を表す「ヌタプカウシペ」に興味を持ちました。

 ヌタプは湾曲する川に囲まれた土地を表すことがあるようです。例として挙げられるのは網走の大曲や新篠津の袋達布ですが、せいぜい長径で2km足らずです。アイヌのスケール感はどれほどだったのでしょう。旭川から大雪高原温泉辺りまで石狩川は大雪山を囲むように遡りますが、これもまたヌタプとして捉えられていたのでしょうか。旭川から層雲峡を越え石狩川本流を遡り、高根ヶ原を越えて天人峡に辿り着いたなら湾曲していることを知れたのかもしれません。

 しかし、大雪山には別の答えがありました。「北海道の地名」(山田秀三著)の大雪山の項に次のとおりの記述があります。

 石狩川上流に行った時に、同行してくれた近文の尾沢カンシヤトク翁に、どこかにそのヌタプがないでしょうかと尋ねたら、「あのヌタプは山の上の湿原のことだと聞いています。一段高くなった山の上に広い湿原(nutap)があって、更にその上に聳えている山だからヌタプ・カウシ・ペというのだ思っていました。」との答えだった。それなら地形的にはぴったりである。
 とにかく分からなくなった山名である。参考のために聞き書きを書いた。これからも同好者によって検討して行ってもらいたい名である。

 石狩川上流の一段高くなった山の上にある広い湿原とは何処のことでしょうか。山田秀三氏は石狩岳近くの源流部までは訪れていないようです。翁もまたその湿原を、そこからその上にある山を見てきたのではないようです。

 沼ノ平でしょうか、裾合平でしょうか、はたまた高根ヶ原でしょうか。登山道からは少し離れているので、高根ヶ原に広い湿原があることを私は知りませんでした。

 広い湿原の、更にその上に山が聳えているといいます。いずれの場所も確かに愛別岳や旭岳、白雲岳などがその上に聳えています。沼ノ原や五色ヶ原越しにトムラウシ山を仰ぎ見ると、ここもまた捨てがたいように思えます。あるいはその全てが当てはまり、この大きな山体をヌプカウシペと呼んだのかもしれません。

 今年は、広い湿原のその上に聳える山、ヌプカウシペの光景を求めて山行を重ねよう、そう新年に思ったのでした。

 絵は、大雪山国立公園からは外れたチトカニウシ山。チ・トゥカン・イ・ウシ(我ら・射る・いつもする・処)近くを通るときに矢を放ち吉凶を占ったのだそうです。

<参考文献>

山田秀三.北海道の地名.北海道新聞社,1984,586p.

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2021年03月01日ドングリで草木染め♪のご報告

大雪山国立公園 渡邉 あゆみ

 こんにちは、東川管理官事務所の渡邉です。

 3月に入りました。日増しに日が長く、降る雪が重たくなり、春が近いことを感じます。今頃、ヒグマの巣穴では赤ちゃんが誕生し、母グマのお乳を飲みながら本物の春を待っているのでしょう。

 さて、2月27日(土)に旭岳ビジターセンターで、「ドングリで草木染め」ワークショップを開催したので、その様子をご報告します。

 新型コロナウィルス感染症の拡大防止のため、今回は町民限定とイベントさせていただきました。町外からも参加したいとご反響をいくつかいただきましたが、お応えできず申し訳ありませんでした。

 

 イベントを開催した経緯は、冬季の旭岳ビジターセンター利用促進、そして昨年使い捨てレジ袋が廃止になったので、草木染めで世界で一つだけのエコバッグを作って末永く愛用してもらいたい、と考えついたのがはじまりでした。

 染めるバッグは、令和元年度に旭岳ビジターセンター開館記念で作成したノベルティーのトートバッグにしました。

 草木染めは「藍染め」が有名。なぜ、今回ドングリかと言うと、秋に採取して冬まで保存が利くもの・・・と考えついた結果がドングリでした。

 ちなみに、北海道に藍は自生していません。アイヌの人々は「蝦夷大葉(エゾタイセイ)」を使って、アイヌ衣装を染めていたそうです。

 草木染めは日本では縄文時代から、海外では動物の血液や貝殻、昆虫でも染めていた染め文化で、1800年代終わりに合成染料(化学染料)が開発されてから、手間とコストのかかる草木染めは衰退していったそうです。

 草木染めの工程をザックリ説明すると・・・ドングリを煮る⇒ドングリ液にバッグを分浸ける⇒媒染する(色落ち止めの作業)⇒またドングリ液にバッグ浸ける⇒水洗い、で終了です。

 

 ドングリを煮出すと、お湯の色がどんどん赤茶色に変わって、良い香りもしてきます。

 漬け込んでいる最中は色ムラができないように、よく布をひっくり返し、布全体にドングリ液が染み渡るようにしていきます。

 

 作業の合間には、ビジターセンターを見学してもらったり、草木染めの基礎知識や、ドングリやナラの説明、ナラクイズ、VR鑑賞など・・・順調に作業は進み、できあがったバッグがこちら。

 ドングリの深みのある優しい赤茶色が入っています♪

 草木染めのおもしろいところが、一つとして同じ色に染まらないこと。同量のドングリで染めたのに、少しずつ色が違ってきます。これから使い込んだり、洗濯していく上でも、風合いが変わってくるでしょう。お楽しみに♪

 私自身も、今回草木染めを調べていく中で、普段自分が着ている洋服や持ち物が地球にどんな影響を与えているか、合成染料での染色がどれだけ負荷をかけているかを知るきっかけになりました。

 私にできることは、使い捨てじゃないものを選択する。必要なものだけを手に取り、大切に使っていく。作れる物はなるべく作って、壊れたらなおして使う。手作りの物は愛着が持てるので、長く使うことに繋がると思います。

 

 参加者の皆さんの染め終わった後の喜んでくださった顔を見て安心しました。

 身近な物で草木染め、またしてみたいと思います。第二弾は何で染めようか考えるとワクワクしてきます。お楽しみに♪

 参加された皆さん、旭岳ビジターセンタースタッフの髙橋さん、ありがとうございました。

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